オバマがイラクへのブッシュの攻撃を教訓にして、慎重に英仏を巻き込んでシリア攻撃のカウントダウンに入った。ブッシュは国連決議を無視したが、オバマはかなり慎重であるが、国内への説明のために安保理決議案の提出を行った。
アサド政権はどうやら化学兵器を使ったようである。毒ガスの使用が、ダマスカス周辺だということが気になるが、武器支援が火器だけの反政府勢力のできることではない。現場周辺を、化学兵器の使用が明らかになった後、シリア政府が周辺を集中攻撃をしていることも、政府側の使用を裏付けている。
今回の毒ガス攻撃によって、300人が毒ガスによって死亡していると、国境なき医師団が明らかにしている。反政府勢力は、1300人が死亡したと発表している。
アメリカは、アサド政権の打倒が目的ではないとしているが、結果的にはアサド政権の打倒につながると思われる。ピンポイントで化学工場などを攻撃する準備にはいった。
こうした西側の、特定の国や政権の攻撃はこれまでロクなことがやられてこなかった。若いイギリスの首相は、シリア攻撃にかなり前向きである。
オバマがどれほど、限定的であって懲罰的色彩の濃い攻撃をするかが見ものである。アサド政権の非人道的行為は許されないが、結局アメリカは際限ない武力攻撃をすることにつながる恐れがある。安保理決議では、ロシアが拒否権を使うものと思われ、アメリカはこれまで同様国連決議違反を承知で攻撃することになる。
それにしても、無人偵察機などによるアメリカの無差別、非人道的攻撃に対しては懲罰はないのか。日本が同盟国なら、そうしたことを教えてやるのが本当の同盟国ではないのか。