明日で地球の人口が70億人になると、国連が推計している。恐ろしい数字である。日本は人口減少に差し掛かっている。人口増加の意味をこの国の人は、どうも実感していないようである。
国連の推計では、2050年に90億人、2080年には100億人に達すると見られている。人口問題は即、食糧問題である。
1億人以上の国民を抱える国は、11カ国である。穀物自給率に限ってみると、アメリカの180%を例外にすれば、100%を超える国が6カ国、80%以上が3カ国である。低いのはメキシコで66%である。
そんな中にあって日本は驚異的に低く、わずか28%である。しかも輸入する穀物の50%は家畜に与えている。家畜に与える穀物は、無関税である。
日本は強い円を背景に、世界の穀物を買い漁っている。買い漁って、穀物価格を吊り上げている。途上国から食料を奪っていることになる。
それがあるうちは、まだ経済原則が優先されても、評価あるかもしれない。しかし、世界各国の貧困層を飢えに追いやるとなれば、いささか問題である。
国情を考えることなく、無関税は日本のような高い通貨を持っているところが、平気で飢える人たちから穀物(食料)を奪い取ることになる。
そして社会不安を引き起こし、国家間の格差を拡大させ、戦争の口実に仕立てられてゆく。
アメリカはなるべく目立たないように振舞っているが、穀物は最大の戦力物資である。都合のよいことに、その穀物価格は高騰している。
悠長にTPP論議などやっている場合ではない。グローバルな視点に立てば、今なにを先進国がやらなければならないかは、明白である。