安倍坊ちゃまとブッシュの日米首脳会談は、強固な「日米同盟」の確認にあると、安倍ボンは出発前に語っている。イラクをはじめあちこちで、手詰まり状態にある支持率が30%そこそこになった、政権末期のブッシュにとって、寄り添ってくる安倍坊ちゃまは、さぞかわいい存在であることだろう。
イギリスがイラクから撤退をし、イランに捕虜を解放してもらって負い目のあるブレアも、もすぐ退陣である。北朝鮮にやむなく、軟化政策を見せたもののそれも上手くいっていないブッシュは、唯一の気に入った関係の日本ということであろうか。
この会談に合わせて、安倍ボンはずいぶんの根回しをしてきた。米国産牛肉の輸入に理解を示し、集団的自衛権の拡大解釈のためにお気に入りの連中を「有識者会議」と称してのアリバイ工作も準備したし、憲法改正法案となる国民投票法案も衆議院を通過させたし、手土産いっぱいである。
イラク撤退を決議した国会を、あるいは米国民の意思を、大統領権限で拒否するようであるが、そのブッシュにとって最も大きな手土産は、自衛隊派遣の延長である。どう贔屓目に見ても、これはアメリカの民意も日本人の意向も、あるいは世界的意思からもかけ離れたものといえる。
これでは、日米同盟などではなく「米国従属」関係といえる。そりゃそうだろ、安倍ボンが生き残れるのは、北朝鮮への強硬姿勢だけである。それを推し進める、最も頼りになるというよりも唯一頼りになる、ブッシュにすり寄らなければならないからである。
これらは、この国が抱える今すぐでも取り組まなければならない現実的問題の格差社会、年金問題、地方自治の疲弊、環境問題、高齢化社会、温暖化問題のどれ一つとして関係がない。