そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

そりゃ勘違いだ安倍ボン

2007-08-25 | 日本会議

Photo_156 インド訪問中の安倍首相が、ラダ・ビノード・パール判事の長男と会談した。極東軍事裁判(東京裁判)で、祖父の岸信介をはじめとするA級戦犯の無罪を訴えてくれたことへの、謝意を込めた会談だったらしい。

しかし、それは大きな勘違いである。極東軍事裁判の11か国の判事は、ことごとく日本の軍人の有罪を説いていた。事前の打ち合わせがあったことも事実であるし、インドのパール判事が遅れてきたことも事実である。パール判事が、A級戦犯を含めた多くの人たちの無罪を主張したことも事実である。

しかし、パール判事は彼らのすべてを無罪としたわけではない。平和に対する犯罪や人道に対する犯罪は、後で決めたことであって「事後法」である。「法の不遡及原則」を逸脱している。つまり、当時は概念がなかったことにつ いて、後ほど罪をつくって裁くことはできないとしたのである。その意味で無罪、あるいは判ずるべきでないとしたのである。

又、戦勝国が敗戦国を裁くことへの不当性も主張している。彼は、戦勝国が勝ったのは、武力の優位がなせる結果であって、正義の結果とは限らない。したがって、戦勝国が敗戦国を負けたことの理由として、裁くことは不当であるとしたのである。

彼は、非暴力主義者でインド建国の祖マハトマ・ガンジーを敬愛していた。非暴力による平和そのものを希求していた300pxradha_binod_pal_in_yasukuniのである。パール判事は、アメリカによる原爆や空襲の非人道性も同時に訴えていた。もちろん、南京事件についても、事実関係の大小はあっても、その非人道的殺戮をナチのホロコースト同様に厳しく非難していたのである。

ところがどう血迷ったか、日本の極右翼の連中は、極東裁判を無効だと言った、A級戦犯を無罪だと言ってくれたと上げ奉り、事もあろうに靖国神社の遊就館の前に一昨年、顕彰碑まで作ってしまったのである。いまや東京裁判を無効にして、戦前の日本の正当性を何としても引き出したい、右翼の連中の神様的な存在になっている。

パール判事の、真の平和に対する理念などお構いなく、日本の右翼は彼を持ち上げているのである。その中に安倍ボンもいる。パール判事が存命なら、核武装を主張したり、イラク侵攻を手助けする首相を非難することであろう。一国の首相が、深い検証もなくただ、じい様の無罪を主張してくれたことへのお礼のあいさつをするなんて、全く情けないことである。

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