国民投票法案が参議院の特別委員会をすんなり通った。現在国民の間で盛んに憲法論 議が行なわれているような現状で、何事もなかったようにこの法案が若干の付帯決議を含みながらも、すんなり通った。
野党第一党である、民主党の覇気のなさばかりが目立つ。民主党は党内に護憲派と改憲派を抱く寄せ集め政党であろう。
鳩山幹事長は、自由党と日本民主党が合併したときの片方の党首であった、祖父の自主憲法作成の理念を抱く、もう一人のDNAを持つ人物である。そうした矛盾を抱える野党第一党をすっかり見通した、自民党の行動であるかに見える。
これで、自民党は参議院選挙の争点に出来ると読んだようである。民主党は反対できないのである。現在直面している格差社会、福祉や年金の問題、環境破壊や温暖化の問 題、政治資金規正の問題どれにも関係しない。
多少の数字の違いはあるが、憲法改正には国民の半数を少し上回る人たちが賛成している。おおむね50~65%であったと思われる。が、こと九条に関しては、ほとんどのアンケートが10%を下回っている。
こうした国民の意識の図式が全く国会の場に反映されているとは思えない。これが民主国家なのだろうか。
争点のはっきり見えるフランスの大統領選挙が、いわば日本なら自民党の右派と民主党が戦っているようで、投票率が85%にもなるのを羨んではいけないのだろうか。