まらずもうブログ

日本まらずもう協会公式ブログ

まらずもう物知り帳(14)「大関」

2010-05-05 16:37:02 | まらずもう物知り帳

【まらずもう物知り帳(14)「大関」】

 いよいよ夏場所が近づいてまいりました。今場所の話題はなんといっても関脇・雲虎の大関挑戦。そこで今回はまらずもうの「大関」についてお話しましょう。

 そもそもまらずもうでは、大相撲同様、十両以上は「関取」と呼ばれ、力士に対する敬称も、例えば幕内の明烏なら「明烏関」というふうに「関」がつきます(幕下以下は「さん」です)。なぜ強い力士は「関」と呼ばれるのでしょうか。力強い相撲で勝利を収めた力士は、まらを頂点とした立派な「山」を形作ります(力士の名前に古来「山」が好まれるのも、このようなことに由来します)。まら相撲力士は「人」であり、まらの状態を通して「神様」と対話する立場にある存在です。「山」は神様のもの、むしろ神様そのものです。その「山」に、古来人はどのように関わってきたでしょうか。山に関わり、「人」の世界において山を山たらしめ、山を支えるもの、それは箱根の山に代表されるように、「関所」でした。そこで、神様のお告げの結果としての「山」を支える力人(ちからびと)は、関所の守人に見立てられ「関」の名を与えられたのです。「大関」というのはその中でも最強のもの、「ひときわ大きな山を作る、大きな関所の力人」という意味で、力士最高の称号なのです(詳しい説明は省きますが、「横綱」というのは本来大関の一種に過ぎず、大関とは別の地位ではありませんでした)。

 さて、実際の大関昇進基準はといいますと、まらずもうは大相撲を参考にしていますので、「三役で3場所連続で好成績」というのが基本になります。「好成績」の内容は具体的には明確ではありませんが、2ケタ勝ち星と解釈するのが一般的です。
「直前3場所合計33勝以上」などとよく言われますが、これもあくまで「目安」で、そもそもかなり最近になって、報道側が言い出したことが半ば定着しつつあるに過ぎません。これらの基準はそもそもすべてが「基本的には」「目安は」というレベルの話なので、例外はいくらでも出ます。三役3場所でなく、最初の場所が平幕だった場合や、33勝に届かないのに昇進した場合、逆に34勝したのに昇進を見送られた場合など、枚挙に暇がありません。結局はそのときの審判部が総合的に判断する、という形です。

 さて、今場所の雲虎の大関昇進の要件ですが、審判部の見解は以下のとおりです。

「この2場所13勝、14勝ときており、今場所の成績しだいでは大関昇進はありうる。最初の13勝は平幕であったが、優勝していることもあり、大関獲りの対象とする資格は認められる。直前33勝という目安には9勝で届いてしまうが、さすがに最初の場所が平幕だったこともあるので、好成績を要求したい。具体的には、優勝すれば昇進。優勝できなくとも13勝以上なら昇進を認めたい。12勝だった場合は内容を見て審議、11勝以下の場合は場所後の昇進を見送り、もう1場所様子を見たい」(審判部)

 大関昇進なるか、今場所の雲虎に注目です。



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 夏場所にむけて(その6・雲虎) | トップ | 夏場所のみどころ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

まらずもう物知り帳」カテゴリの最新記事