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まらずもう物知り帳(16)まらずもうの稽古(上)基本動作

2010-10-07 08:00:00 | まらずもう物知り帳
 秋場所は圧倒的な技量でまらずもう界を震撼させた毛呂乃。山ごもりでの厳しい稽古の成果が発揮された形ですが、みなさんはまらずもうの稽古についてどのくらいご存知でしょうか?本場所の結果だけでなく、稽古にも目を向けるようになれば、あなたもちょっとしたまらずもう通です。また、厳しい稽古はプロだからこそ耐えられるものですが、稽古の動き自体は一般の方にのトレーニングにも有用な、すぐれたものだといえます。大相撲では高砂部屋きっての名力士、一ノ矢氏が、一般の方向けにシコの有用性を説く著書を出版しているように、相撲の稽古は一般の人にとってもいいことずくめなのです。
 今回から2回にわたって、まらずもうの稽古の基本をご紹介しましょう。

【シコ】
 稽古の基本は何と言っても「シコ」です。まらずもうの稽古はシコに始まりシコに終わるといっても過言ではありません。足を上げ下げする大相撲のシコは皆さんもご存知でしょう。「シコ」は、力士の基礎体力を養成するために必須の稽古。では具体的にしこの動作をご説明しましょう。簡単ですので皆さんにもすぐ始められます。大相撲同様、足腰を鍛えるのに必要なのは上下動。まらを手でぐっと握り、上下動を繰り返す、たったこれだけです。この時、右手を得意とするか左手を得意とするかでそれぞれ「右四つ」「左四つ」という「型」が決まります。力士が手形を押す時は、大抵は得意の手で押します。基本動作自体は簡単なシコですが、大事なのは回数をこなすことです。大相撲のシコを1回踏むだけなら簡単ですが(本当に正しい形で踏むのは実は大変なのですが)、これを20回、30回と繰り返すとだんだんと苦しくなり、我慢できなくなってきます。まらずもうのシコも同じで、手を1回上下させるだけなら簡単ですが、これを20回、30回・・・と繰り返していくとやはり我慢できなくなってきます。それに耐えながら、シコを踏み続けることで強靭な足腰が鍛えられるのです。大相撲でもまらずもうでも、「毎回シコを100回は踏む」といういような稽古はプロとしてはよくあることです。毛呂乃に至っては1000回シコを繰り返してもまだ耐えられるでしょう。回数はあくまでプロの世界での話。みなさんは自分にできる範囲で回数をこなしていけばいいでしょう。力士にとってシコは基本中の基本です。力士の名前を「シコ名」と言うくらい、力士とシコは切っても切れない関係だと言えるでしょう。

【テッポウ】
 シコは足腰を鍛え、耐久力を付けるためのけいこで、どちらかと言えば防御の稽古です。一方、攻撃力に特化した稽古が「テッポウ」で、押し相撲の力士は一日何百回もテッポウを繰り返すといわれています。「テッポウ」はその名のとおり、まらを鉄砲に見立てて発射する稽古で、これも1回発射するだけでなく、繰り返し行うことに厳しさがあります。毛呂乃ぐらいになると、1日500回は最低ノルマだそうです。

【すり足】
 大相撲の力士は、「すり足」が良いとされ、稽古や実際の相撲の時以外にも、日常生活でも常にすり足で歩くことが奨励されています。土俵に密着した足の構えが常にできていれば、本番の土俵でも力を発揮できます。この点も、まらずもうでも一緒です。力士たるもの、常にすり足で歩くのが理想です。つまり、常に真ん中の足(=まら)を何かに擦りつけながら歩く、という心構えが、強い力士への近道です。丸裸で出歩く人はあまりいませんから、衣服でもなんでも、意識すれば、擦りつけるものには事欠きません。それでもなかなか日常化はできないもの。大相撲ですり足が完全にできていると言える力士は意外に少ないのと同様、まらずもうでも日頃からきちんとすり足ができている力士というのはほとんどいません。現役では毛呂乃ぐらいでしょう。毛呂乃はさすがに別格で、入門当時のプロフィール、「趣味」の欄を御覧になっていただいてもわかるように、入門前から趣味としてすり足が身についています。これでは強いのもうなずけます。
 みなさんもトレーニングにシコ・テッポウを取り入れ、すり足をマスターしてみてはいかがでしょうか。体力向上・健康増進間違いなしです。
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