京呉服わき ごふくや日記

着物って楽しい!
呉服屋の女将の独り言?楽しいことや裏話、思うままに・・・

タンスの「肥やし」をタンスの「宝」に・・大作戦!!

2017-06-21 16:01:43 | 着物リメイク
雨、降らないな~なんて心配してたら
今日はなんてお天気でしょう

台風みたいな雨と風

こんな日は商売あがったりですけれど、
腰を落ち着けて事務仕事や加工の手配の段取りなどを。
頭を切り替えて考えると、
こういう仕事がはかどって、たまにはこんな日があってもいいのかも・・・って


ということで
今日は、先日からブログにアップしたいと思っていたことを書きたいと思います。

当店のような呉服屋は、新しいものを売るだけが仕事ではありません。

お手入れから着付けまで・・・
着物に関することはすべてお任せいただける店であることがモットーです。
新しい反物をお仕立てするより
古いものをお直ししたり、生き返らせることは神経を使いますし
とっても手間もかかりますが、良くなった時は喜びもひとしおです。

そんなお手持ちの着物のリフォームについて
最近、お客様のY様からお預かりしたお着物のご紹介をさせて頂きます。
ぜひ、参考にしてください。





こちらは、Y様のおばあちゃんの大島のアンサンブル(着物と羽織)から
着物一枚にお仕立てなおしました。


おばあちゃんのアンサンブルなので、身丈も羽織丈も短く
更に、昔の反物なので反物自体の巾も狭いものでした。

でも、きっとおばあちゃんが洗い張りをして愛用してされたのでしょう
とっても風合いの良くなった昔の泥大島
ぜひ、よみがえらせたい

Y様は、身長168㎝
着物一枚からお仕立てするには無理でしたが、羽織と着物2枚から一枚なら
なんとかなりそう・・・と
洗い張りをし、胴裏、八掛は新しくして頂いて
お仕立て直しをすることにしました。




信頼のおける仕立やさんに丸投げしてしまえば楽ですが
着物と羽織の生地のそれぞれのパーツを
どの部分をどこに使って、どこで剥げばいいか・・無駄のないように
私なりに設計図を書いて考えてみました。

羽織の袖部分を身頃に足したり、羽織の身頃を袖にしたり
まるでパズルのよう・・・
やってみると、なかなか楽しく勉強になる作業でした。



ですが、
狭い反物の巾だけはどうすることもできず
お背の高いY様の裄丈を出すために
袖に「割り」を入れてもらいました。

写真の矢印の部分、袖の部分なのですが
よーく見てみると縦に剥ぎが入っています。
でも、細かい柄のため、ほとんどわからないでしょ?

身頃も、揚げを取る位置、見えない部分で剥いでいるので
仕立て上がったお着物は全く普通の一枚のステキな大島です。

それも、おばあちゃんの着物で作ったという大きな価値がプラスされた着物です・・。




それから、こちらも仕立て上がったY様の染帯です。

かわいい童の柄の染帯は
もともとはお母様の附下でした。

ステキな柄ですが色焼けもあり、Y様は着物として着るよりも
帯にした方が使えそう・・と考えました。

どの子をお太鼓にしようか・・・一番いい柄をY様と一緒に選ぶのも楽しい工程。
見えないところに剥ぎは入っていますが
たれの部分にも、一人見えるように仕立をお願いしました。




残念ながら、附下のため、どうしても帯の前になる柄は童が横向きになります・・・
でも、これもご愛敬です。

こうして、お母様の大切になさっていたお着物も生き返りました。

おばあちゃんの大島に、この童の染帯を合わせてもいい感じです。


タンスに眠っている着物
ちょっと工夫をして、もう一度生き返らせてあげるって
とってもいい事だと思いませんか?

さて、さて、皆さん
お家のタンスの中、覗いてみたくなったのでは?


もし気になるものがあったら、一度お見せください


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