京呉服わき ごふくや日記

着物って楽しい!
呉服屋の女将の独り言?楽しいことや裏話、思うままに・・・

「こはぜや」さん!!

2017-12-27 16:00:03 | ひとりごと
催しも終わり、今週は納品や来年の着付けの段取りなど
今年の〆に入っている店内です。

さて、「こはぜや」というタイトル
先日終わった「陸王」というドラマを見ていらっしゃった方には
「こはぜや」は通じるかもしれませんが、ご存じなければ何のことやらですね

今年、我が家で、はまっていたドラマ。
一つは「女城主直虎」
見ようと思ったきっかけは、彦根藩主井伊家の祖先につながると聞いたから。
つまり郷土愛?
気軽に見かけたのですが、珍しく一年間かかさず最後までみた大河ドラマでした。

そして、もう一つが「陸王」
陸王というタイトルだけでは、ピンとこなかったのですが
行田の足袋屋さんの話としり、これは見なければ・・・と


「こはぜや」という会社の名前。
たぶんこのブログを読んでくださっている皆さんなら「こはぜ」をご存じだと思いますが
足袋についている留め金具のことです。




こはぜの部分。
(こちらの足袋、当店で取り扱っている行田の足袋やさんのものです。)

最近は、草履や下駄を靴とおっしゃるお客様もあり、愕然とするような時代です。

ずいぶん前にも書いたのですが幼稚園のプリントに
足袋のことを書くとき、「こはぜ」のことを確か「ホック」と表現していて
ショックを受けたことがありました。

確かに・・若いお母さんたちに「こはぜ」は通じないかもしれません。
先生が分かりやすく「ホック」になさったのでしょう。

ですから、このドラマが始まったとき、
足袋にスポットライトが当たるといいな・・
「こはぜ」という言葉をせめて世の中の皆さんが知ってくれますように・・・
って、思いました。(呉服屋的発想です)

ドラマの中では、「こはぜや」の名前の由来を説明する場面があったかどうか
覚えていませんが、「こはぜ」が、この機会に認知され耳に残れば嬉しいことです。

今「こはぜ」を辞書で引いてみたら「鞐」「小鉤」と漢字では書くとありました。
(パソコンではすぐに出てこなかった・・・
以前、当店で扱っている足袋屋さん、同じ行田の会社ですが
その営業マンから「こはぜ」ってどんな字を書くか知ってますか?と言って
教えてもらったのは「甲馳」という字でした。

(確か馬に乗るときにの武具からきたと聞いた気がします。
これは、私のあやふやな記憶なのでもしかしたら違っているかもしれません、
ちゃんと調べてないのでごめんなさい

その行田の足袋やさんの営業の方から、以前、足袋について少し教えてもらいました。
ドラマでも、足袋の縫製の技術が素晴らしいことが言われてましたが
一足の足袋を作るには、工程がいっぱいあります。
縫う箇所によってミシンも種類が違うのです。
つま先のふくらみを出すためのタックをとるところなど見事です。
こはぜをつけるためのミシン、補強する部分を縫う細やかさ
縫製した足袋をひっくり返して、なじませる技術・・などなど。
一度ご自分の足袋、じっくりとご覧になってみてください

足袋もピンキリで、貸衣装についてくるような足袋は価格もお安いですが
実際、足袋一足、結構お値段しますよね。
消耗品だし・・。って、私も思います。

でも、いい足袋は・・・、やっぱりあんなに人の手がかかっていると思うと納得です。

着物が着てもらえないと、足袋も売れません。
私達、頑張らないとね・・・って
いつも頑張っている足袋の営業の方と話すと、そう思うのです。

今回のドラマで、行田の街は盛り上がっているといいますが
「足袋」にも関心を持ってもらえたら・・・光が当たれば・・・
心からそう思います。

ドラマの「陸王」は、日曜の夜、元気をもらって
月曜日に会社に行けるという感想も多かったようです

私個人的には、心が弱いせいか、悲しい結末のドラマは一緒に落ち込むので苦手
ハッピーエンドが好き、頑張る人が最後に幸せになる話が好き
だから「こはぜや」さんのあきらめない姿勢、それぞれのまっすぐな思いは
ベタではあったかもしれませんが、私も頑張ろうと元気をもらいました。


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