京呉服わき ごふくや日記

着物って楽しい!
呉服屋の女将の独り言?楽しいことや裏話、思うままに・・・

小紋を羽織にお直し~ワリを入れる~

2013-06-14 18:29:27 | 仕事
今日も、お客様に本日お納めしたお直し物について。
参考になればと思います。


「お母様の小紋を羽織にできないかな・・・」というご相談

まずは上前などに黄変したシミがあったのが気になりました。
上手に繰り回してシミを裏側などに隠し、ご希望の着丈になるかどうか・・・

仕立屋さんと相談しながら、何とかなりそう・・と洗い張りに入りました。

それから問題だったのは、羽織の衿。
衿は反物の巾全部が折りたたんであり、ぐるっと全部つながっているものです。

でも、着物からのお直しでは、その衿分がありません。
これはお直し物ですので仕方ないと割り切り
長さの足りないのは、背中心のところで接いでもらい、
巾は半分の巾で縫ってあります。


最も、困ったのは、裄の長いお客様なので、反物の巾がすこ~し足りませんでした。

そこで、仕立て屋さんの提案で「割り」を入れることにしました。
ご存知ない方も多いかと思いますが、袖の部分に「ハギ」を入れる方法で
裄の長い方、男性やお相撲さんなど入れることがあります。
最近は巾の広い反物も多くなったのであまりしなくなりましたが
昔からの仕立の方法です。




袖の部分に足してあります。
大きくすると・・・






見ると、ハギが分かりますが、着てしまえばそんなに気になりません。
お直し物は「完璧」ではないかも知れませんが
こうして工夫しながら着る事が日本人・着物の知恵であり「美しい事」だと思うのですが

お母様の着物、裄が足りない・・・という事で、仕立て直せません・・・
というより、生まれ変わり、また羽織として使える方がステキだと私は思います。

ただタンスに残しておくより、また着られる一枚として増えたら、
コーディネートの楽しみも増えます。


先日の染物もそうですが、こういうお直しものは
こう言ったら叱られますが、一枚一枚違うので、私自身勉強させていただきます。
そして、仕立て屋さんとも相談しながら、考え、出来上がった”姿”を見るのは
とてもうれしく楽しみです。


秋の羽織のシーズンが楽しみですね。

わきでは、新しいものを売るだけでなく、こういうお直しも承っておりますので
ぜひ、ご相談ください。
お直し物は、夏の間などシーズンオフなどにゆっくりとお時間をいただけると
ありがたいです



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