京呉服わき ごふくや日記

着物って楽しい!
呉服屋の女将の独り言?楽しいことや裏話、思うままに・・・

気持ちを切り替えて

2011-03-31 13:54:30 | ひとりごと
今日は、私の独り言・・・さらっと?聞き流してください



日差しが柔らかく感じる立春の頃から、春が満開になる桜の咲く頃まで
私が一番好きな季節です。

この大好きな季節に
大好きだったお得意様T様が天国に旅立たれました。


数年前に、手術をなさって以来、ずっとずっと心配していたのですが
今年の初めに、春ごろまで・・・という命の期限をお聞きしました。

悲しくて悲しくて・・・


若い時から長いお付き合いをさせていただき、単に呉服屋としてだけでなく
何かにつけ親戚のように、かわいがっていただき
想い出はいっぱいです。

とても着物がお好きで、おしゃれで、センスが良くて
T様のタンスの中は「わきごのみ」でいっぱいでした。
下手をすると、下品にもなりかねないお着物でもT様がお召しになると
上品になり、こんなところにも人柄や内面がでるんだな~と感じさせられました。


女性としても、お手本にさせていただいておりました。
心がとてもきれいで、また反面おおらかでお茶目な面もあり
決して私は、イヤな思いをしたことなどなく、いつも気配りしてくださいました。

全て教えていただくことばかりの中で
たった一つだけ、私がアドバイスできるのが着物のことでした。
「”年下”の姉」
着物に関しては私のことをそう言って下さったことがありました。


最後に誂えていただいた、遠目に無地の白に見える小紋に、シンプルな白の染名古屋帯。
秋に、遺影にするお写真をこのコーディネートで撮影され、お着付をさせていただいたのが
お会いした最後でした。
とっても、ステキないいお写真でした。

そして、このお着物一式をお召しになって、旅立たれました。



T様、心から、今までありがとうございました。
言葉では言い尽くせないほどの感謝でいっぱいです。
どうか、天国で、いっぱいおしゃれしてください。
それから、不出来な生徒とおっしゃってましたが、そちらで着付けのお稽古しておいてくださいね。
まだまだ、私にはすることがいっぱいあって行けませんが
いつか、チェックさせていただきますから・・・





今年は、春が来て欲しいような、来て欲しくないような・・

そんなところに地震まで・・・、心はとてもへこみました。


でも、明日から4月。
いつまでも、涙を浮かべているわけにはいきません。

気持ちを切り替えて、また頑張ります









コメント (2)
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