京呉服わき ごふくや日記

着物って楽しい!
呉服屋の女将の独り言?楽しいことや裏話、思うままに・・・

これも絶滅品種・・・?

2009-03-08 22:52:12 | 仕事
只今、開催中の「京絞り寺田展」
お客様をお待ちしながら、あいた時間に寺田さんといろんなお話をし
絞りについてずいぶん勉強させていただいてます。


催しの準備では
届いた品の中から、好きなものやぜひお見せしたいと思うものを選び
わきごのみのコーディネートにして
お店に展示するのですが、
その中で、目にとまった羽織がありました。

あ・・この羽織きれい~
ふっと心が惹かれお店の入口近くにディスプレイしたのでした。










この羽織は「一目絞り」という手法を使ったものなのですが
寺田さんに詳しく聞いてみると
この「一目絞り」はもう絞れないのだそうです。

絞れる人がもういない。作れない。

いま、総絞りは中国で絞られています
あれだけの絞りを国内で作るには工賃がかかりすぎ
とてつもないお値段になってしまうのも理由の一つです。
でも、作ろうと思えばまだ国内でも作れる技術はありますし
中国でも作れます。

でも
一目絞りは、絹糸で一回だけ絞っていくのですが
これだけの羽織を絞るには、すごい技術と根気が必要になり
器用でコツコツと仕事をこなす中国の人たちでも
この技術はカンベン・・ということだそうです

今、寺田さんにストックしてある反物がなくなり次第
なくなる・・・

絞りに限らず、こういった品物、技術、技術を持った職人さんたち・・
どんどん少なく、なくなっていくのを見聞きするたび
危機感を感じますが、どうすることもできないのが現状です

悲しいですね・・

そう思って羽織を見ると
その絞りの目の細かさ、美しさがより一層引き立ちます

説明も受けないで、第一印象で「きれい・・」と感じたのは
やはりそれだけ心惹かれる品だったのです




コメント (2)
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