(原題:ASCENSEUR POUR L'ECHAFAUD)
〔製作〕ジャン・テュイリエ
〔監督・脚本〕ルイ・マル
〔原作〕ノエル・カレフ
〔脚本〕ロジェ・ニミエ
〔撮影〕アンリ・ドカエ
〔音楽〕マイルス・デイビス
〔出演〕モーリス・ロネ、ジャンヌ・モロー、ジョルジュ・プージュリー
(1957年・フランス)〔フランス語/字幕スーパー/白黒〕
《内容》
ジュリアンは戦争の元英雄。今は巨大な勢力を持つ武器商人のもとで働いている。しかし、雇い主の妻との恋愛のために、彼は社長を自殺にみせかけて殺害する。完全犯罪を計画したものの、ちょっとしたミスによって彼はエレベータの中に閉じ込められ、事態は意外な方向へ展開してゆく。
うーむ、久しぶりにとてもハラハラしました。なんという緊迫感でしょうか。1.3倍速で観ていたせいもあるかもしれませんが(なんて奴)、それにしても物語は迅速に美しい勢いで進んでゆきます。よく出来たストーリーと物悲しい音楽。そして画面がいちいち美しいですね。それから登場する自動車のデザインがかなり格好良い。
『黒衣の花嫁』に引き続き、またジャンヌ・モローです。この人はこういう神秘的な美女という感じがして迫力があります。無口で、口を開けば何か意味ありげなことしか言わないところがとっても素敵。
それと、面白かったというか少し呆れたのは、主役の二人とは別に登場するもう一組の若いカップルの無軌道さ。彼らの行動は、何もかも刹那的に発作的に起こります。どちらかというとこちらの二人の成り行きのほうにどきどきしてしまいました。なんだか悲しくなるようでした。なにが彼らを駆り立てていたのでしょうか。
そのときのマイルスは、観客の位置にいて、映像から受け取ったものを瞬時に、音で表現しました。言葉ではできません。
音楽はたしかに良かったですよね!
即興で演奏したというのは有名ですよね。私はラストシーンの音楽がしみじみしましたね~。次はもっとじっくりと聴きます!