プラネタリウムのチケット
昨日は、大学時代からの友人こまきさんと、我々的古巣・池袋(←こまきさんがこうおっしゃいましたが、まさに!)をぶらぶらしてきました。
久しぶりにお会いするこまきさんは、あいかわらずすらっとしていて素敵です。まるでこまきさんのお話の登場人物みたいだと私は思うのでした。いいなぁ、私もあのくらいにすらっとしていたら、何を着ても格好良いのだがなぁ。ともかくお元気そうでなによりです。
そういうわけで、お昼前に合流した私たちは、サンシャインのプラネタリウムへ行ってみようということで、早速サンシャインへ向かって歩きます。
私は東京時代にはずっとこのあたりに住んでいたので、非常に懐かしい! 東口は思ったよりも変わっていないので、サンシャイン通りのあれやこれを見るにつけても、悲しかったあの日や楽しかったあの日のことなど青春の一場面が次々と蘇ってくるのでした。それにしても、相変わらず人が多いな。変わらないなー。
サンシャインの上階に、プラネタリウムと水族館があります。いや、実は私はそのことを昨日初めて知ったんですけどね。街の真ん中でプラネタリウムが見られるというのはいいものですね。
さて、プラネタリウムのプログラムは3通りくらいあり、12時からの回は【平原綾香さんの生命のうんたら】とかいうもので、13時からの回は【STARS ディスカバリー・ザ・宇宙】ということだったので、我々は迷わず13時の回を選択します。こういう教養的なもののほうが、なんとなく面白いよね。
上映までの少し空いた時間に、軽く食事をとり、さていよいよ13時のプログラムが開始です。席はわりと埋まっていました。
プラネタリウムには何度も感動させられます。まず真昼の街の一角に架空の夜空を再現するプラネタリウムというもの自体がとても感動的ですし、今回のプログラムの内容も実に感動的でした。人類がこれまで宇宙の謎にどんなふうに迫ろうとしてきたのかを簡単にまとめてありました。また、燃える星の内部、星の死と再生、ブラックホールなどなどのイメージ映像は、私を激しく震わせるのでした。私は星々のことを思うと救われます。人類の、いつかもっと遠くへ行きたいと願うその切実さのことを思うと、なぜだか私は満たされるのでした。ささいなことのために互いに滅ぼし合う愚かさをいまだ乗り越えられていないとしても、やはり人類は美しい。遠くの星の輝きを見つめて、自らの命の短さを忘れてしまったかのように没頭する人々がたしかにいるらしいという、このことは美しい。とかなんとか考えながら、私はひとりで激しく感動していたのでありました。
その後、ジュンク堂で本を眺めて過ごそうということになりました。私はこまきさんからとても刺激的な漫画や小説をいくつか教えてもらいました。今度必ず読んでみたいと思います。すごく面白そう!
私もこまきさんにいくつかの海外文学をおすすめしますが、ゴーチエの『死霊の恋・ポンペイ夜話』が置いてなかったのが残念でした。あと、とりあえずロシアをおすすめしておきました。私はこのところロシアにはまっているものですから。けれどもロシアは結構はずれがないと思われます。
というか、本屋を巡るのもすごく楽しいのですが、見つからないものもあるので、一度みんなでおすすめを持ち寄って読み合ったりしたいですよね(^^)
プラネタリウムが始まる前や、ジュンク堂の喫茶コーナーでお茶したりしながら、私たちは色々なことを語り合いました。
こまきさんは昔からとても優秀な人で、望みさえすれば何でも出来るだろうし、多趣味で器用で情熱的に好奇心旺盛で、真面目で有能なところを私はかねてから尊敬しているのですが、有能な人には有能な人なりの苦悩があるらしく、人生とは悩みが尽きないものなのだなぁとしみじみしました。
くらげのように流されるままに漂う骨無し人生を送り、ないない尽くしでのたうちまわっている私には、もちろん気の利いたことなんて言えるはずもなくただうんうんと頷くだけですが、こまきさんはどういう訳かいつも、そんな私をとてもポジティブにとらえてくださるので、こまきさんの口から語られる《素晴らしげな私》はいったいどこに存在するのかしらと不思議に思いつつも、それが昔からありがたくも心地よく感じるのです。
けれども、私がこまきさんを好きなのはもちろん私のことを良く思ってくださっているからというだけではなくて、彼女の率直さ、思っていることを隠さずに話してくれる素直さ、ゆたかな感情表現、そしてやはり問題に対してすごく真面目なところなんかが好きなんですよね。
こまきさんをはじめとして、私にはこういう素敵な友人がたくさんいます。彼らの前ではさすがの私もしゃんとしたくなる。彼らに少しでもふさわしい人間でありたいと思えてきます。なので、友達と会うのは楽しいだけではなくて、私にとってはとても重要なことなのです。みなさん、いつもありがとう!
今回はこまきさんと色々な話をしましたが、お互いの創作についての話題が私はとくに面白かったです。こまきさんがどういうことを考えながら創作なさっているのか、どういうことを目指して創作なさっているのか、これからはこういうことをやりたいと思っているのか、などなど大変に興味深かったです。また、私の方も、おぼろげに自覚していた私のマンガをどういうものにしたいかという意識がはっきりしたのが収穫でした。こまきさんに説明しようとしたら、不思議とこれまで無自覚だった点についてもすんなり答えられた感じです。「私は大好きな物語が終わってしまうのが嫌だから、せめて自分が描くものには終わりをもうけたくない。だからそもそも始まらないお話、それゆえに終わらない、始まっても始まらなくてもよい世界、終わらないままおそらくどこかへ繋がっていくだろう、そういうものを作りたい」というようなことを申し上げました。
一生懸命に話していて、ふと窓の外を見るともう真っ暗でした。楽しい時はすぐに過ぎてしまいます。私はまだ話し足りないところが大ありでしたが、横浜に越してきた私は今はその気になればすぐにまたこまきさんに会いにこれるんだと思い直し、池袋駅でお別れしました。
ところが、帰りのJRに乗ろうとしてホームの時計を見上げたら、私はうっかりして時間を1時間見間違えていたことに気がつきました。あれ? まだ5時台じゃない…? 6時過ぎてると思って慌ててこまきさんとお別れしてきたのに……(/o\;)
まあ日曜だしね。でも今度はもっとゆっくりしたいですね♪(というか、昨日はちょっと遅刻しちゃってゴメンね;) 楽しかったです! こまきさん、どうもありがとう~!!
そういうわけで、思ったよりもはやくに池袋を出てしまった私は、電車を乗り換えるついでに渋谷をぶらぶらしてみようかという気になり、パルコのあたりまで歩いてみました。……わ、若者がこんなにいっぱい…! とビクビクしながら人ごみをかき分けました。なんだか自分が急激に年を取って感じました。不思議。てゆーか、我ながら何がしたかったんだ?? ついでにユニクロへ寄ってみる。ここでも混雑; そうやって渋谷を堪能して帰りました。
ゆるゆると坂道を上がって歩く帰り道、さっきプラネタリウムでも見た冬の星がひとつだけ見えました(だが、なんという星であったかは思い出せず……私という奴は;)。
私はひとりで夜道を歩きながらも、まだ《脳内こまきさん》との対話はじわじわと続いておりました。そういうことってあるよね?と、こまきさんと会った時にお話ししていたのですが、そういうことってやっぱりあるなぁ!