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もやもや日記

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鳥料理レエヌ・ペドオク亭が!

2008年12月23日 | 読書ー雑記


以前から、喉から手が出るほどに欲しかったアナトール・フランスの『鳥料理レエヌ・ペドオク亭』を入手しました
ヒャッホーー!!
昭和15年発行の、もう骨董品なみのすごい状態の本ですが(経年のわりには美本)、まさか手にすることができるとは! でも今は読む暇がないので、正月に読みますよ♪♪

いやーしかし、地道に探せば、あるものですね。大事に取っておいてくれた古本屋さんに感謝です。ちなみにこれは、ネット通販ありの古書店で購入したのですが、お店の方の対応がとても温かくて心を打たれました。今時ああいう丁寧な応対って珍しいよなあ。日本の古本屋にも登録されている 【古書ことば】さんはおすすめですよ♪


アナトール・フランスと言えば、『天使の反逆』という長篇も同じように探しまわっているのですが、どうしても見つかりません。図書館にすら無い。『レエヌ・ペドオク亭』の方は、英訳のテキストなどはいくらか出回っていたので、私は最悪の場合にはそれを訳して読むしかないな…と暗い気持ちになっていたのですが、それはまだ良い方で、『天使の反逆』は英訳も見つからない。仏語の原書ならありましたが……仏語は英語以上に私の能力では判読不可能です。困った……!
ちくま文庫からずっと前に出た『天使と悪魔の物語』というアンソロジーに、『天使の反逆』の一部が収められていて、私はそれは持っているのですが、読めば読むほど続きが気になる!
ま、でも、これも諦めないで探し続けるか。そのうちにひょっとしたら……。

アナトール・フランス以外にも、実はエレンブルグの激レア本も取り寄せ中です。『嵐』の上下巻がやってくる予定。これもずっと前から読みたかったのですが、図書館には下巻しかなくて……(こういうのって、どうしろというんですかね?) とりあえず、これで一安心! エレンブルグは『ジャンヌ・ネイの愛』という、これまた激レア本を私は持っています(←自慢。羨ましがる人なんてほとんどいないだろうけど: つーか、エレンブルグって誰?って話ですか?)


それにしても、私はこういう忘れ去られた作品を読みたがるようになってつくづく思うのですが、これらの作品はその面白さにもかかわらず何故忘れられていくのでしょう。出版社の利益を考えれば、その時代その時代に合った、受け入れられやすい作品を中心に売り出していくのは当然だとは思うのですが、すでに「古典」と認定されるような作品については売る気がないなら権利関係を売却するなり放棄するなりして、ゆくゆくは青空文庫のように誰にでも共有できるような形にしてもらいたいものですね。ボランティア入力なら、私がやりますよ。あるいは、権利を手放すのは嫌だけど、出版にはコストがかかるから売れないものは出せないというなら、このご時世ですからダウンロード販売なんかも検討してほしい……。とにかくお蔵入りだけはやめてほしいです。
『天使の反逆』『レエヌ・ペドオク』なんて、初回の白水社の全集には入っていたのに、今世紀にリニューアルされた全集からは外されていて(『ペンギンの島』も!)、なにか薄暗い意図があるんじゃないかと、私などは勘ぐってしまいたくなります。以上、愚痴終わり。

アナトール・フランス『天使の反逆』『ペンギンの島』『レエヌ・ペドオク亭』、イリヤ・エレンブルグ『トラストDE』『フリオ・フレニトの遍歴』、カレル・チャペック『絶対子工場』などなど、その他絶版になって久しい多くの作品を読んでみると、その面白さに驚きます。「いいものだけが残る」とは必ずしも言えないのではないかと思います。それとも私の性向がマズイんですかね。そんなことはないと思うんですがね。まあ、多少破滅主義なところはありますが。

というわけで、グーグルさんなどはこの世のすべてを検索可能にする、書籍内容まで閲覧できるようにする、とかまるで狂気のようなことを言ってますが、私としてはそういう活動に対してはワナワナするほどに期待と熱狂の眼差しを向けずにはいられないんですねえ。
夢みたいなことを実践するところが、人間の美しいところではないでしょうか。いや、夢みたいなことを実践してしまえる人を、私は美しいと思うんですね。