Mr.トレイルのオーディオ回り道

「音質アップ」を目的として、
システム全体の「基礎的項目の見直し」に、
重点を置いて試行錯誤や実験をしています。

中庸の大事さ

2012年01月23日 | ピュアオーディオ

オーディオにも「何事も過ぎたるは及ばざるが如し」を私は考える様にしています。

例えばアンプのドライブ力の例を上げると、ドライブ力が上がって低域の重心が下がり、「迫力」が大きくなる事は「生演奏」に近づく方向なら良いのですが、重心が下がり過ぎて「楽器で出ない低音」まで出て来るようになったら、それは「音遊び」の世界になります。

SPでも低域の迫力を求めてWウーハーにするのは良いけれど、有りもしないバランスで鳴っているのを聴くと、「音遊び」の世界に聴こえてしまう。

モーツァルトのシンフォニーを色々な指揮者の演奏で聴いていますが、モーツァルトが作曲した時代では「室内管弦楽団」程の規模だったと思う。これがフルオーケストラのサイズになったら、チョッと違和感を持ってしまう。実際にその様に感じる演奏や録音が有ります。

現在個人的にも低域アンプのドライブ力と再現性に不満を感じています。レビンソンのNo431LとクラッセCA-2200を比較すると、オーディオ的にはレビンソンのアンプの方が優秀です。しかし、レビンソンのアンプはオーバードライブしている様で、「作った音」を出している様に感じます。これに対してクラッセは音楽に忠実に寄り添っている様に思います。クラッセのアンプは残してもレビンソンは放出するかもしれません。「何事も中庸を・・・」の言葉を思い出します。


SP-707Jシステム(3ウェイネットワーク)のサウンド

2012年01月22日 | ピュアオーディオ

自宅ではオリジナルの山水 SP-707Jを拡張してシステム化しています。自宅のシステムには「癒し」を求めていますので荒々しいサウンドは出さないようにしています。多分このシステムを聴かれた方は一般のSPの音の出方と違いますので戸惑われると思います。JBLのSPユニットをメインにして組んで有るにもかかわらず「音が飛んでこない」サウンドにしています。音の質感はまさにJBLなのですが、音の出方・広がり方はコンデンサーSPの様に出てきます。

Sp707j4

上の写真がトレールに載せたSP-707JシステムSPの全景です。この姿を見ればバリバリのJBLサウンドが出ていると思われるかも知れませんが、威圧感のないサウンドにしています。

Sp707j16

ユニットはまず低域から説明します。ウーハーはD130(16Ω)です。707J山水オリジナルでは8Ω仕様のユニットになっていますが、もっと古い16Ω仕様の方が音数が多く、深みの有る低音がします。この低域を500Hzでクロスさせています。D130の16Ω仕様も出来れば「フラットバック」を使いたかったのですが、コルクのガスケットの16Ωにしています。石綿を固めたガスケットのD130より更に古いユニットになります。付属していた175DLHと追加した#2405は高域用になります。それぞれ独立したSPターミナルを持っていますので、箱内のユニットだけでも3ウェイが組めるようにしています。

Sp707j61

中域はJBLの2インチドライバー#375とゴールドウィングの組み合わせです。これも初期型のホーンを使っています。後に発売されたHL89では響きが良く有りません。古いホーンの方が音数が多くなります。この#375はフランジ部で金具で受けて宙に浮かせています。ホーンも2点指示で受けています。こうしたセッティングにしないと「ホーンの響き」が死んでしまい音に生気が出なくなります。ゴールドウィングの裏側にハイルドライバーとビクターリボンを隠してセットしています。上に載っているのがDECCAのリボン型です。

Sp707j11

こちらがビクターのリボン型ツィーター。

ユニット構成は 「7SPユニット構成」
低域:D130(16Ω)・・・40Hz~
中域:#375+ハイルドライバー・・・500Hz~
高域:175DLH+#2405+CECCAリボン+ビクターリボン・・・7KHz~100KHzまでカバー
ネットワーク:N500(500Hzクロス)+#3105(7000Hzクロス)・・・どちらも16Ω

この組み合わせに至るまで沢山の試行錯誤をしています。一朝一夕に出来上がったわけでは有りません。まずどのユニットも綺麗な物はそう簡単に手に入りません。

一番苦労したのは低域用のネットワークです。N1200では音数が足りません(性能不足)。また1200Hzでは「ボーカル」が上下動します。次に#3180(800Hz)も試しましたが、これも「ボーカル」が上下動して落ち着きません。次に#3160の低域を8Ω仕様にしてしばらく使いましたが、「低音の質感」に疑問を持ちました。そしてようやくN500を手に入れ(高かった!!)使ってみましたら、今まで不満に感じていた低域のレンジ・質感・量感共に満足できる状態になりました。

このSP-707Jシステムはオリンパスシステム・RCA箱システムとほとんど同じユニットを使っています。低域の箱とユニット・数と中音のホーンが違うくらいですが、全く別物くらいにサウンドのイメージが異なります。

C40_3b252b

ドライブしているアンプ群は、CDP:EMT#981、プリ:マッキンC40、パワー:自作STC4033L(3B252B)シングルアンプ。ケーブル類はシリウスケーブルの最高峰の物ばかりで武装しています。

Stc4033l

金色の球が特徴的なSTC4033Lシングルアンプは、トラブルに継ぐトラブルの発生で、非常に苦労して完成させました。Tr型アンプなら500万円クラスのサウンドはしていると思います。球が長寿命なのもありがたいです。既に5年ほど球交換はしていません。

Emt981

CDPのEMT#981はオリジナルの状態ですが、7個のヒューズはフルテックのオーディオグレードに交換しています。これだけで「別物」ぐらいに性能がアップしています。

JBL#375を使ったシステムでは例外的に「音が飛んでこない」サウンドです。使う時間帯が深夜22時~1時ですので、小音量でも音のメリハリが有って、音痩せがなくて、滑らかな質感です。時々昼間に音量を上げて聴く場合も有りますが、ボリュームを上げればオリンパスやRCA箱システムと遜色ないサウンドになります。

C40

最近C40の最後のヒューズを、フルテック製にしてからがぜん良くなってきましたね。音のキレ・ヌケ・ノビや音のシャープさが望んでいたレベルになりました。

今後プリアンプを「管球化」させようと考えています。アンプの組み合わせで(プリ・メイン)Tr型と管球型を組み合わせてセットを作るように考えています。Tr型同士の組み合わせの場合はその伝送方式からどうしても「硬い音」になります。柔らかさや艶やかさを求めると管球式は捨てがたい理想のデバイスです。


RB46を久しぶりに聴いて見る

2012年01月21日 | ピュアオーディオ

テレフンケンのモニターSP RB46を久しぶりに聴いて見ました。組み合わせは CDP:D732、プリアンプ 自作12BH7ラインプリ、自作6L6ppパワーアンプ、テレフンケンRB46+YST-45。

Rb461

上が全景です。テレフンケンRB46を聴くのも3ヶ月ぶりくらいでしょうか?

D732

CDPは612AシステムのD732のRCA出力を使い、12BH7プリアンプに繋いでいます。

12bh72

上のVUメーターの付いたアンプが12BH7ラインプリ、WEのコンデンサー、整流管等WEのパーツをふんだんに使って有ります。下の6L6ppアンプはTrail仕様にして有ります。眠らせていたアンプです。

Rb462

これがテレフンケンRB46 SPとスーパーウーハーのYST-45です。
ケーブルはその辺に転がっていた市販品で配線しています。それでも結構まともなサウンドがしています。

年末から1月にかけてモーツァルトの交響曲を中心にCDを50枚ほど購入して、毎日モーツァルト三昧をしていますが、モーツァルトの曲は「弦楽器」の質感が良くないと楽しめません。オリンパスシステム、RCA箱システム、自宅SP-707Jシステムと聴いていますが、Tr型のプリアンプの為か、もうひとつ「柔らかさと艶」が欲しいと思います。やはり「プリアンプは管球式」にしないと望む質感にならないのかと思っています。

その為、急遽12BH7ラインプリが眠っていたのを思い出し引っ張り出した訳です。このアンプは「部品用」として購入しましたので、後日WE101Dプリアンプに使う予定です。


自分専用スピーカー作りを考える

2012年01月20日 | ピュアオーディオ

今までにJBLL-100、タンノイ アーデン、JBL 4343Aと自宅で使ってきました。年齢と共に部屋の大きさが変わって来た事でSPを大型化してきました。その後、7年前にオーディオ関連の商品の製造販売をするようになり、SPスタンドを作らなければならなくなった。SPスタンドを作るには基本的にそのSPの実物を持っていないと採寸できない。メーカーから出しているサイズはW寸・H寸・D寸と重量くらいしか参考に出来ない。台座(はかま)についているもの、スパイク受けのモノや3本足の物等は実際に採寸しないと作れない状況です。その為色々なSPを購入してSPスタンドを作った物です。当然鳴らしてそのサウンドの傾向もつかんでいます。

こう云った素地が有って、自分専用のSPつくりを始めました。
まず大事なのは「どんなサウンドを作りたいのか?」のイメージが大切です。癒し系のサウンドなのか生演奏型の再生なのか・・・。小音量派か大音量派なのかでも選択が違ってきます。

自分の好みのサウンドが既成のSP出るなら「買えば良い」事で、後は金額的な問題と設置スペースの問題でしょう。年齢と共に住む部屋の大きさが変わることもあり、狭い部屋に大型SPでは威圧感だらけで音楽を楽しめません。年齢と共に部屋を大きくして大型SPが使えるようになると良いですね。

クラシック音楽で弦楽器系をしなやかに癒されるように聴きたいのならタンノイのSPが似合います。タンノイでなくてもスペンドールやハーベス・ロジャース等のブックシェルフ型SPでも十分8~10畳間くらいで楽しめます。

JAZZを大音量で聴きたいのならALTECやJBL、EV等のアメリカのメーカーのSPが似合います。アメリカでも東海岸に本拠を置くメーカーはヨーロッパ的なサウンドの傾向になりますので、西海岸のメーカーとは目指すサウンドが異なります。

戦勝国の優位性で今まで英国や米国製のSPが数多く輸入されていますが、戦敗国のドイツのSPはあまり知られていません。シーメンス、テレフンケン、ブラウンやテスラ、グルンディッヒ、イソホン等のメーカーが有ります。オランダにはフィリップスも有ります。劇場用は一部のメーカーのホンの一部になりますが、スタジオや放送局用のモニターSPがいくつか有ります。これらヨーロッパ大陸のメーカーも英国のブックシェルフ型と同様のスタイルの物が多いです。しかし音色はその国、メーカーで随分違います。ドイツの戦争中や戦争前のシングルユニットがアンプ製作者のマニアに喜ばれています。


612Aシステムにユニット追加

2012年01月19日 | ピュアオーディオ

612AシステムにLO-Dのツィーターを追加して約1週間が経ちました。馴染ませてきますとアッテネーターのレベルをドンドン絞り込んでMINの位置まで来ました。この状態でも相当音数が増加して、周波数レンジも上下共に延びました。おまけにドラムの革をピーンと張った様な非常に反応の早いサウンドです。

612a1

しかし、ツィーターの影響で「金属粉」の付いたサウンドに染まってしまいました。JAZZ系を生演奏の感じで鳴らすのは良いのですが、クラシックのオーケストラでは音色的に今一不釣り合いです。そこで今日はアンペックスの可搬型モニターSP#515をLO-Dのツィーターと7KHzでパラレルに繋いで見ました。

612a2

アンペックスのSPのサイズは、ツィーターと呼ぶよりはミニフルレンジですのでチョッと違和感が有りますが、サウンドの方はかなりまともになりました。オーケストラでも更に音数が増えてなめらかさが出て来ました。「金属粉」はまだ若干残っていますが気にならなくなりました。

612a3

定位は604Eで決まりますので違和感は有りません。「オンの音」・「オフの音」の組み合わせを考えると、本来はこのアンペックスの替わりに「リボン型」が良いだろうと云う事は判っていますが、手持ちのユニットが有りません。#515SPはダブルコーン型ですので、リボン型とまでは行きませんが、「オフの音」をいくらか出してくれます。

ワルター指揮の「プラハ」を聴いていましたら眠ってしまっていました。非常に音数も増えて聴き易くなっています。LO-Dのホーン型ツィーターの「飛んでくる音」の圧力が減少して、聴き易くなっています。


鳴らし込みの継続

2012年01月18日 | ピュアオーディオ

機器の交換をしてから半年は「鳴らし込み」をやらないと、本格的な「活性化」にはなりません。鳴らし始めと活性化した機器では「別物」・「別次元」と言えるくらい再生音が違ってきます。特に私のシステムは、「潜在能力」を出来るだけ引き出すような使い方を目指していますので、大きな違いが有ります。

再生音はCDP・アンプ・SP・ケーブル類・電源対策等の「総合力」で出てきます。一口に「ケーブル」と云っても電源ケーブル・RCAケーブル・XLRケーブル・SPケーブルが有ります。他にもSP内配線やアンプ内配線、CDP内配線、SPユニット内配線やプラグ・ソケットの材質も非常に重要です。

一般的な方はアンプのカバーを開けた事もないのが普通だと思います。この一線を越えられるとオーディオも楽しくなります。ヒューズ交換辺りから始めるのをお勧めします。

色々な対策をやっても機器が活性化していないと満足なサウンドになりません。鳴らし込みが非常に大事なのです。

自宅システムではプリアンプC40ヒューズ、オリンパスシステムではレビンソンNo431L、RCA箱システムではチャンデバF-15L、612Aシステムではスーパーツィーター・・・と各システム何処かを12月以降に触っていますので、しばらくは鳴らし込みに専念せざるを得ません。こればかりは「近道」が有りません。


モーツァルト三昧な日々

2012年01月17日 | ピュアオーディオ

正月にマッケラス指揮の「モーツァルト交響曲全集」を聴き始めて、以後モーツァルトの交響曲三昧をしています。指揮者を変えてベーム・ワルター・セル・テイト・バーンステイン等のCDを購入して聴いています。まだまだ増えて行きそうです。特にお気に入りは「ハフナー」、「リンツ」、「プラハ」です。指揮者が変わると録音の状況やミキシング、演奏者のスタイルが変わり、曲のイメージが随分と変化します。

Rcabox1

合わせて「RCA箱システム」が活性化して来て、オリンパスと同レベルのサウンドを軽々と出してくれる様になりましたので、このRCA箱システムをメインで楽しんでいます。D130の軽く深みの有る低音がとても心地よく耳に響きます。

今後のグレードアップの方策も色々と思案しています。ようやくプリアンプの方向性も固まって来ました。今年中に2セットの管球式プリアンプを準備したいと考えるようになりました。


プリアンプを買おうか?作ろうか?

2012年01月16日 | ピュアオーディオ

現在合計7セットのプリアンプを使っています。①②アキュフェーズC-290×2台 ③マッキンC40 ④レビンソンNo380SL ⑤自作WE310Aラインプリ ⑥自作12AU7ラインプリ ⑦サトリ ミニプリ。最上クラスのプリアンプを欲しいと考えています。

マランツ#7も考えますが、リアパネルの作りと内部のコンデンサーやボリュームの寿命を考えると、メンテの費用が高く付きそうで・・・。ガレージメーカー製のプリアンプもあちこち検討しましたが、どれもマランツ#7の模倣の様で今一インパクトが有りません。いよいよ準備していたWE101Dのプリアンプを作る計画を、進めた方が得策と思える様になりましたが、まだケースをどうするか?が見つかっていません。

まだ買うか・作るか迷っています。必要な台数のプリアンプは有るので、じっくりと無駄使いをしないようにしたいものです。


音質アップのための対策

2012年01月15日 | ピュアオーディオ

システム作りと音質アップの明け暮れた7年間を振り返って所感を述べて見たいと思います。

現在手に入る新品のオーディオ機器には「進歩」している部分と「退化」している部分が有ると云う事を認識しておくべきです。SPでは計測器の進歩と共に「コストダウン」が進んでいます。コバルトをはじめとする希少金属がコストアップしている事も時代的な背景に有ります。JBLのユニットもごたぶんに漏れず「コストダウン」して来ています。同じ型番のSPユニットでもシリアルNo(製造No)で古い番号に遡って行くと音質がどんどん良くなっている。1950~1960年代の物が最高のユニットではないかと推定しています。SP系では大手のJBLでさえこの状態なのに他のメーカーではおいて知るべし・・・と思います。低域のSPユニットは「ダイナミック型」(コーン型)しか生き残っていない。

前置きが長くなりましたが、音質アップの為の方策として

1.毎日聴いてやる事・・・維持管理(通電しているだけでは無理)
2.セッティング術を磨く事・・・SP・アンプ・CDP・AD・ラックの振動対策と部屋への対策。
3.伝送ロス対策・・・ケーブル・ソケット・プラグの伝送ロスを知る事。知れば対策に繋がる。
4.音変換ロス対策・・・既成のSPでは出ない音がある事を知る事。

言葉では簡単ですが、固定観念に固まった頭ではなかなか「感じる」事が難しいです。

先にSPについて述べましたが、アンプについても同じことが言えると思います。その例として「マランツ#7」の音質を越えるプリアンプを私はまだ聴いた事がない。あの瑞々しい質感を再現できるTr型アンプは出来るんだろうか?


自宅C40プリアンプの大きな変化

2012年01月14日 | ピュアオーディオ

昨年12月27日にヒューズをフルテック製のロジウム仕様に交換して約半月が経ちました。交換直後から非常にシャープなサウンドに変身し、好ましい変化をしてくれました。

C40

その後も毎日1~2時間程聴いています。昨日久しぶりに愛聴盤の「ボレット:ロマンチックコンサート」のCDをかけて見ました処、サウンドの大きな変化に気付きました。とにかく音のキレが素晴らしくなっています。3B252Bアンプとの組み合わせもその原因の一つだとは思っていますが・・・。

従来の見解では、アキュフェーズのC-290にオーディオ的なサウンドで負けていると云っていましたが、この発言を撤回します。現在ではC40の価格の10倍くらいのサウンドになっていると思います。超高級アンプの組み合わせの時に出て来る「音のキレ・ノビ・ヌケ」がそのまま出ています。まだまだ変化している様で、何処まで良くなるのか楽しみです。

リア面のソケットやプラグの造りが今一なので一時は放出も考えましたが、ここまで潜在能力が有る事が判り手放せなくなりました。「音楽性」は国産アンプでは出ない処が有ります。この辺がマッキンのアンプを信奉されるマニアの方の耳だと思います。