自宅ではオリジナルの山水 SP-707Jを拡張してシステム化しています。自宅のシステムには「癒し」を求めていますので荒々しいサウンドは出さないようにしています。多分このシステムを聴かれた方は一般のSPの音の出方と違いますので戸惑われると思います。JBLのSPユニットをメインにして組んで有るにもかかわらず「音が飛んでこない」サウンドにしています。音の質感はまさにJBLなのですが、音の出方・広がり方はコンデンサーSPの様に出てきます。
上の写真がトレールに載せたSP-707JシステムSPの全景です。この姿を見ればバリバリのJBLサウンドが出ていると思われるかも知れませんが、威圧感のないサウンドにしています。
ユニットはまず低域から説明します。ウーハーはD130(16Ω)です。707J山水オリジナルでは8Ω仕様のユニットになっていますが、もっと古い16Ω仕様の方が音数が多く、深みの有る低音がします。この低域を500Hzでクロスさせています。D130の16Ω仕様も出来れば「フラットバック」を使いたかったのですが、コルクのガスケットの16Ωにしています。石綿を固めたガスケットのD130より更に古いユニットになります。付属していた175DLHと追加した#2405は高域用になります。それぞれ独立したSPターミナルを持っていますので、箱内のユニットだけでも3ウェイが組めるようにしています。
中域はJBLの2インチドライバー#375とゴールドウィングの組み合わせです。これも初期型のホーンを使っています。後に発売されたHL89では響きが良く有りません。古いホーンの方が音数が多くなります。この#375はフランジ部で金具で受けて宙に浮かせています。ホーンも2点指示で受けています。こうしたセッティングにしないと「ホーンの響き」が死んでしまい音に生気が出なくなります。ゴールドウィングの裏側にハイルドライバーとビクターリボンを隠してセットしています。上に載っているのがDECCAのリボン型です。
こちらがビクターのリボン型ツィーター。
ユニット構成は 「7SPユニット構成」
低域:D130(16Ω)・・・40Hz~
中域:#375+ハイルドライバー・・・500Hz~
高域:175DLH+#2405+CECCAリボン+ビクターリボン・・・7KHz~100KHzまでカバー
ネットワーク:N500(500Hzクロス)+#3105(7000Hzクロス)・・・どちらも16Ω
この組み合わせに至るまで沢山の試行錯誤をしています。一朝一夕に出来上がったわけでは有りません。まずどのユニットも綺麗な物はそう簡単に手に入りません。
一番苦労したのは低域用のネットワークです。N1200では音数が足りません(性能不足)。また1200Hzでは「ボーカル」が上下動します。次に#3180(800Hz)も試しましたが、これも「ボーカル」が上下動して落ち着きません。次に#3160の低域を8Ω仕様にしてしばらく使いましたが、「低音の質感」に疑問を持ちました。そしてようやくN500を手に入れ(高かった!!)使ってみましたら、今まで不満に感じていた低域のレンジ・質感・量感共に満足できる状態になりました。
このSP-707Jシステムはオリンパスシステム・RCA箱システムとほとんど同じユニットを使っています。低域の箱とユニット・数と中音のホーンが違うくらいですが、全く別物くらいにサウンドのイメージが異なります。
ドライブしているアンプ群は、CDP:EMT#981、プリ:マッキンC40、パワー:自作STC4033L(3B252B)シングルアンプ。ケーブル類はシリウスケーブルの最高峰の物ばかりで武装しています。
金色の球が特徴的なSTC4033Lシングルアンプは、トラブルに継ぐトラブルの発生で、非常に苦労して完成させました。Tr型アンプなら500万円クラスのサウンドはしていると思います。球が長寿命なのもありがたいです。既に5年ほど球交換はしていません。
CDPのEMT#981はオリジナルの状態ですが、7個のヒューズはフルテックのオーディオグレードに交換しています。これだけで「別物」ぐらいに性能がアップしています。
JBL#375を使ったシステムでは例外的に「音が飛んでこない」サウンドです。使う時間帯が深夜22時~1時ですので、小音量でも音のメリハリが有って、音痩せがなくて、滑らかな質感です。時々昼間に音量を上げて聴く場合も有りますが、ボリュームを上げればオリンパスやRCA箱システムと遜色ないサウンドになります。
最近C40の最後のヒューズを、フルテック製にしてからがぜん良くなってきましたね。音のキレ・ヌケ・ノビや音のシャープさが望んでいたレベルになりました。
今後プリアンプを「管球化」させようと考えています。アンプの組み合わせで(プリ・メイン)Tr型と管球型を組み合わせてセットを作るように考えています。Tr型同士の組み合わせの場合はその伝送方式からどうしても「硬い音」になります。柔らかさや艶やかさを求めると管球式は捨てがたい理想のデバイスです。