オーディオを40年もやっていますと、自分の目指すサウンドが見えてきます。実際には「見える」訳ではないので「イメージ」と云うものでしょうか。
自分の目指す基本は「生の音」ですが、いつでも「生な音」では有りません。本格的に聴きたい時は「生の音」に近いサウンドで、BGM的に楽しむときには圧迫感が無く気楽に聴き流せるサウンドです。これが同じシステムで出ないと困ります。
「生の音」を楽しむ時は、例えばオペラならば「ステージ」が判らなければなりません。録音されたその場の配置・雰囲気(部屋の残響音含む)が有るのは当たり前で、その上で、しなやかで艶やかなサウンドを求めます。一言で「ステージ」が判る音と書きましたが、その為には前後左右の音の厚みや拡散が必要です。なかなかCDの世界ではこの音の厚み(特に前後間)が出せません。
BGM的に聴く時は、音の分解能はそのままに「威圧感のない音」でなければなりません。それで居てしなやかで艶ややかで有って欲しいと思っています。
単なる願望ですが、現在その願望に近づきつつあります。