遊戯(ゆげ)

世の中は、なるようになるわ。
あきらめないで、悠然と生きる事を楽しむ・・・・
それが遊戯(ゆげ)の心です。

ラジオの人生相談

2014-06-18 | Weblog
タイミングが合えば、CBCラジオ 12:00からの
人生相談を聴いています。

先日は、50歳の女性が、義父母に心無い扱いを受けて
うつ病になりかかっているというもの。

結婚するとき、定年まで働くつもりだったのに
義父母に、仕事を辞めて、自分たちの近くで暮らすように
言われ、泣く泣く 退職したのに

今になって、「一緒に暮らしたおかげで(家を建てたため)
 お金をたくさん使わされた」

「自分たちは、お前たちに(長男夫婦)面倒見てもらおうとは
思って居ない」
など 折につけ嫌味を言われる。


相談者は、相談しながら泣き崩れている。




その日の回答者は、泣く子も黙る?大原敬子先生。※

  


※ 大原 敬子(おおはら けいこ)は、日本の幼児教育家。
  「大原敬子の遊育会」代表。 ニッポン放送『テレフォン人生相談』
   のアドバイザーも勤める。
  『テレフォン人生相談』では 幼児に限定せず、
   依頼者の子供が成人の場合でも相談に応じる。






『あなたは、夫に甘えて、仲よく暮しなさい。
親の不満を夫に言い続けても 良いことは
ありませんよ。あなたが、愚痴を言わなくなれば
夫との生活が楽しくなりますよ。
・・・・・・・・』


なるほど、なるほど。
親は、年老いていくのだしいずれは 子どもに頼らざるを得なくなる。、
今、振り回されるほうが ばかばかしい。





私もグチを言うのはよそう。
私が 言わなければ、毎日が もう少し楽しくなる気がする。



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シンデレラストーリー

2014-06-18 | Weblog
「あなたの寝てる間に」
19年前の アメリカ映画
サンドラブロックが まだ初々しいころの映画です。
テレビで久し振りに観ました。


私にとっては、この映画のような恋が理想でした。
温かくって、優しくて、夢のような映画です。


【ルーシー(サンドラ・ブロック)は、シカゴの鉄道で改札嬢をする
 孤独なシングルウーマン。そんなルーシーは毎日見かける若い男ピーター
(ピーター・ギャラガー)に憧れを抱いていた。

 そんなとき、クリスマスの奇跡が訪れる。
 不良に絡まれ、線路に落ちて気絶したピーターを、間一髪で救出したのだ。
 気絶したピーターが心配で病院に向かうが、ひょんなことから彼の家族に
 ピーターの婚約者と勘違いされる。
 素敵な家族を前になかなか真実を切り出せないでいるルーシー。
 そんな彼女に、ピーターの弟ジャック(ビル・プルマン)が 疑いを抱く。

 ジャックは、ルーシーの行動や、言動に注目し探るうちに
 ふたりは、恋に落ちる。

 ルーシーは、本当のことをなかなか言えずに、ついにピーターとの
 結婚式を迎える・・・・・そして・・・・・・・・】






最近はこうした平凡な恋が描かれなくなりましたね。

邦画も、洋画も、テレビのドラマも、なんだか複雑で疲れます。

久し振りに 単純なラブストーリーを観て、ほっと一息。


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内緒話

2014-06-18 | Weblog
今夜は、エビフライ。
夕方から、下ごしらえをして、6時半から揚げ始めました。

今は、みんな食べています。
いつも みんな黙々と食べているので
感想などは 聞かれないのですが・・・・


実は、パン粉とおからの粉末を取り違えました。
小麦粉、溶き卵、パン粉とつけるのですが
パン粉がさらさらだったので、よく見たら、おからの粉末でした。

これは使ったことが無いので、心配になり
パン粉を上からふんだんにかけました。


食べた感じは、ふつう。
ちょっと 触感が違うかな?
これは私の内心の声。


家族には何も言わず 素知らぬ顔。
ドキドキ。
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きょうのダーリン

2014-06-18 | Weblog
6月18日付の 日刊イトイ新聞の 巻頭文です。
「きょうのダーリン」

余りに、共感したので そのまま勝手に引用しました。
糸井さんの バランス感覚 素敵です。



【引用】

・真剣さって、よく要求されます。
 「真剣味が足りない!」なんて怒る人もいますが、
 真剣味って、そんなに簡単に
 他人のあなたに決められるものなんでしょうか
 ‥‥とかね、思ったりもします。

 いまみたいにワールドカップの最中だったら、
 敗者は過剰に真剣な顔をしてないと、非難されそうです。
 むろん勝ったほうは、大丈夫だと思います。
 笑っていても「余裕がある」とか思われたりします。
 どっちも、真剣でないはずはないんでしょうけどね。

 真剣そうにしていることと、
 真剣であることはまったくちがいます。
 だいたい、ことさらに真剣そうにしている人は、
 実際には不真面目です。
 
 いいですか。
 真剣っていうのは、目に見えないものです。
 それくらいは、大人なんだからさ、
 わかりあっておきたいものですよね。
 ‥‥いや、なにかあったから言ってるんじゃないです。
 前々から、それについては考えてきたんだな。

 怒鳴る人は、じぶんに弱みのある人。
 威張る人は、威張らないと立場がない人。
 責める人は、じぶんが責められたくない人。
 
 いろんな経験をしていくと、そういうことが、
 だんだんわかっていくわけです。
 だから、ふつうの大人は怒鳴ったりしないでしょう。
 いい年齢になって、まだ
  怒鳴ったり威張ったり責めたりしてる人は、
 じぶんの弱みをまる出しにしてるのかもしれません。
 
 うまく言えずに涙をためているこどもの顔は、
 どんな怒声よりも、人のこころに響くでしょう。
 真剣さって、内側にあってかたちのないものです。
 笑顔がすてきで、しかも真剣な人というのが、
 おとなとしての理想なんじゃないかなぁ。






以上、なかなかの文章でしょ。
もろ手を挙げて 賛成。


最近は、怒ったり、愚痴ったり、心の狭い症候群に
陥っているので、心を入れ替え、大人になろうと思いました。


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映画「春を背負って」

2014-06-17 | Weblog
笹本稜平 原作
木村大作 監督
松山ケンイチ、蒼井 優、豊川悦司、壇 ふみ、小林 薫


山好きな私にとっては、立山連邦を
舞台にしたこの映画はたまらない。
雪山の厳しさ、命にかかわる大自然の
脅威

山小屋で働きたいと思った日を思い出した。
360度、どこを切り取っても絵になると
立山を舞台に撮影したとか。

富士山、槍ヶ岳、穂高連邦
素晴らしいパノラマが随所に出てくる。

菫小屋は、
日本の山のどこにでもある。
そんな懐かしさを覚える。


人は大人になるほど背負うものが増えていくんだ、
何も考えず、一歩ずつ普通に歩けばいいんだ

という言葉が、亡き父、そして敬愛する悟郎さんの口からも
出てくる。


蒼井憂扮するあいちゃんが、
病気の父母の面倒を見ていたとき
自分は両親を見てやっていると
上から目線で思っていた。
と語る場面が胸に刺さった。

今、自分の人生を思うとき、
謙虚さを無くして居ると思う。



一番大切なことを見失わないようにしたい。

立山には二三度、行ったことがあるので
余計懐かしかった。


悪いひとが
誰も出て来ない映画は
清々しいね。
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55歳からのハローライフ

2014-06-16 | Weblog
村上 龍 原作


6月14日から5回のオムニバス。(NHKテレビ)

第1回は「キャンピングカー」

リリーフランキー演ずる男は、キャンピングカーで日本中を
旅するのが夢。55歳で営業一筋のサラリーマン生活に
ピリオドを打つ。
家族に、報告したところ、「夢」は受け入れられない。
妻は、自分の時間が無くなるのが困ると言う。

子どもたちにも、反対される。

そこで、再就職しようと就活。
長年、取引のある友人に声をかけるが、断られる。


ハローワークでは、何がしたいか
何ができるか、具体的に自分史を書くように言われる。


「パソコンはできますか?」
  部下にやってもらって居たと答えると、それは技能とは
言わない。
「外国語はできますか?」
  日常会話程度と答えると、特技ではない。


ことごとく自尊心を壊される。


男は、自分は少しでも良い生活をするために、家族を守るために
頑張ってきたのに・・・・打ちのめされる。




昔、親しい人が、「キャンピングカーの夢」を語っていたのを
しみじみ思いだした。
実現する前に、病気で亡くなってしまったのだけど・・・・。

長年、それなりの実績や地位を得て頑張ってきても
仕事をやめた途端に、特に特技の無い中高年になってしまう。


男が精神の安定を失っていくのが、現実的で怖かった。






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今浦島

2014-06-16 | Weblog
年に一度のお楽しみ

昔の職場の同窓会。

名古屋栄のアネックスビル、
中華料理の円卓を囲む。
みんなの顔が見られて最高の
ロケーション。
名古屋城、名古屋の百メートル道路の緑を
下に眺める
騒音が無い
此処は特別の空間。
人数が9人だから
この一番の上席?


一年ぶりの消息を辿る。
出合いは20年前
この会はいつから始まったのか
異動の多い職場だから、毎年出会いと別れ
があった。送り迎えしているうちに
いつの間にか毎年続いている。


早く仕事を辞めて、
テニス、ダンスに忙しい彼女は
会うたびパワーアップしている。

72歳の今も、死ぬまで人のために働くという彼女は、輝いている。

ゴールデンレトリバーが
約束通り死んだ話
「長い間ご苦労だったね。死ぬなら今年のうちが良いよ。
今年のお寺さんは親切な人だからね。」
この人は 黒柳徹子さんのように
動物と話が出来る。


小学校六年の息子と中学一年の息子がいる
彼女は、子どもとうまく付き合ってる。
六年の息子の友達から電話が入った。
一時に遊ぶ約束したのにまだ来ないと。
時計を見ると一時一分前。
この子はいつも心配して電話をしてくるという。
まるで映画のワンシーン。
おおらかな息子と
神経質な友達。
およそ合わないようで仲良し。

それぞれの周りの人や環境が
変わっているのを聞き
年を重ねているのが解る。

現役世代は、日々の多忙さや
様々な課題については
あまり語らず、にこにこ笑っている。

この笑顔がたまらない。
三時間があっという間に過ぎて
また来年と別れていく。

きょう来れなかった4人は
きっと、来年 会えるだろう。

無理をしないから 続いている。
笑顔がごちそう。



40年間、九つの職場で働いた。
それぞれの職場にそれぞれの思い出がある。
得難い思い出がある。


今浦島というエピソードを書くつもりが、
あまりに楽しくて忘れていた。


仕事を辞めて四年
名古屋の街を闊歩する生活から離れていたので
アネックスビルに行くのに迷子になった。
ショックで冷や汗。
ああ、今浦島だなあと思った次第。



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すっぴんトークテーマ「おかえりなさい」

2014-06-13 | Weblog
【 「おかえりなさい」と言えば、親友の事を思い出します。

勤続40年目の5月、脳内出血で倒れた彼女は、病院に
搬送され手術。右半身が不自由になり、しばらく車いす
の生活でした。

卒園式には出たいと、頑張り屋の彼女は、厳しいリハビリに
励み、8月には保育園長として復活しました。


入院したころ、毎日一通メールを送りました。
生死もわからない不安な日々、
12日目に 彼女からメールが届きました。
あの時「おかえりなさい」と泣き笑いしながら思ったのが、
つい昨日のように思い出されます 。】




きょうは、読まれないかなあと思ったら、一番最後に
藤井アナウンサーが読んでくれました。

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映画「グランド・ブダペスト・ホテル」

2014-06-10 | Weblog
楽しみにしていた映画を,
見ることが出来ました。

はじめに、パンフレットを買って研究しました。
登場人物が多いので、少しは、解っておこうと・・・


その甲斐あって しっかり楽しめました。
「スティング」のような お洒落な演出。

場面が変わる度に、スリリングな展開。

場面も美しくって大満足。
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トーキング ウィズ 松尾堂

2014-06-08 | Weblog

FMラジオ・・・




きょうは、私の好きな 北村 馨さんがお客様。


思って居たのと まったく違う声で驚く。
活字だけで親しんできたので 意外。
思わず 聞き入る。


今日のテーマは・・・・
江戸時代?

もう一人のお客様は 東大の先生。
知らないことばかりで興味深い。
口実を作って ラジオに聞き入っている。



番組ホームページより引用

◆紹介する書籍・作品◆
『八月の六日間』 北村薫
『書かずにはいられない』 北村薫
『読んで、“半七”!』 北村薫/宮部みゆき
『歴史を読む技法』 山本博文
『江戸を読む技法』 山本博文
『折り顔』 松尾貴史

【松尾さんが朗読する作品】
『半七捕物帳』より 『お文(ふみ)の魂』 岡本綺堂

【北村さんご紹介の本】
『師父(しふ)の遺言』 松井今朝子
『俳魁(はいかい)』 三田完

【山本さんご紹介の本】
『春の雪(豊穣の海・第一部)』 三島由紀夫
『安部公房とわたし』 山口果林

◆NHK-FMポータルサイトの「NHK-FMの楽しみ方」で番組からのメッセージをお聴きいただけます。
「NHK-FMでリラックス」のページをご覧ください。(携帯サイトを除く)
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夫の人間ドック

2014-06-07 | Weblog
年に一度の人間ドック。
夫が 一人で行けばよいのに いつも付き合わされる。

今朝は、早く起きて 朝食と、昼食(稲荷寿司)を作り
8:00出発。9時に健診センターに着きました。
夫をおろし、私は買い物へ。
11:30頃戻り、さらに1時間、車の中で待機。

やっと昼過ぎに終わり、食事。
その後、栄のデパートを2店めぐり、夕飯の惣菜を買って
帰路につきました。


夫は、さらに スーパーへ行きたそうでしたが、私は
もううんざり状態。


早めに帰宅して、のんびり野球観戦中。

自立してよね。


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事務連絡

2014-06-07 | Weblog
携帯のメールが送受信できない状況です。
ごめんなさい。
きょう、そのことに気づいたので、近日中に サービスショップで
見てもらうつもりです。

一部の皆様に ご迷惑おかけしているかも?
あしからず お知らせまで。
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BOADER  最終回

2014-06-06 | Weblog
全9話の半分くらい観たのです。
はじめは、死者の姿が見える刑事が被害者に犯人について聞くという
設定が、「はん?」と、思ったのです。
はじめっから、被害者に、加害者の情報を聴くってありか?
という思いでチャンネルを変えてしまいました。

でも、やはり 気になり、再度観はじめました。
犯罪は、被害者にも、加害者にもそれぞれのドラマがあり
勧善懲悪だけでは くくれません。
このドラマは、死者の声を聴くことのできる刑事の
深い悲しみや憤りを、追体験することで、
さまざまなことを 考えさせられました。

この刑事の立ち位置が「BOADER」で、周りの捜査陣や
怪しげな達人たちの助けを借りながら解決していくという
異色のスタイルが好きになったところで 最終回。

衝撃の最終回でした。
それにしても、小栗旬の演技力 すごい。

悪と善は コインの裏表!?
怖い 怖い 最終回だった。
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映画  「青天の霹靂」を観て・・・

2014-06-06 | Weblog
マジシャンのパルト小石さんの名文に誘われるようにして、映画を
観てきました。
人は 人生について、いくつのときも考えるものです。
自分は、なぜ この世に生まれてきたのだろう、生まれてきた意味について
考えることも・・・・。
この映画を観て、自分の心の動きや 人生の送り方についても考えました。


   ”いつも投げやりで、生き生きと生きていない男が居た。
   そもそも、母親が 父親の浮気に腹を立て、生まれたばかりの彼を父のもとに
   残して、出て行ったという生い立ちに、彼は腹を立てていたのだ。
   「愛されていなかった」と感じて生きてきて、高校を出てから、家を出て
   一人暮らししてきたのだ。

   彼は、世をすねて来た。
   結局、一人ぼっちで生きて来た。”



私も、子どもの頃、両親が不和で、家庭内別居のような家で生きていたので
小学生のころから世をはかなんできた。
大人になって初めて、親の愛について知った気がしたものだった。

親というものは、もっと正直に、子どもに愛を伝える努力をするべきだと
思う。夫婦が愛し合ってできた宝なのだと・・・・
望まれて生まれてきたのだと知らせるべきだと思う。



この映画の主人公も、自分の正しい生い立ちを もっと早く知っていたら
これほど世を捨てなくて済んだのでは・・・・。


いずれにしても、生まれた来たことに意義があるのだと思いたい。


やはり、切ない 切ない 映画だった。
胸に 響く 良い映画だった。

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青天の霹靂

2014-06-01 | Weblog
マジシャン  ナポレオンズの パルト小石さんの 映画の評が面白くて
早速、見たくなりました。




【勝手に引用】


『映画・青天の霹靂』

映画『青天の霹靂』を観た。
僕は、おそらく目薬1本分の涙を流したに違いない。
観終わった瞬間、僕はこの映画を10回、
いや20回は観るだろうと思った。

かつて『ヨーロッパの夜』という映画があった。
燕尾服を着てハンカチから白いハトを出現させるという、
マジシャンのイメージを造り上げた伝説の人物、
チャニング・ポロックが出演している。

まだビデオという機械がない時代、マジシャンたちは
何度も映画館に足を運び、
ポロックのハトの出現マジックをマスター、
というかコピー、つまりは勝手に盗んでしまおうと
したのだった。
マジシャンたちは、マジシャンとして
生きる『手段』を求めて映画館に通い続けたのだ。

映画『青天の霹靂』にもマジシャンが登場する。
だが、マジシャンの生き様を描いているわけではない。

昨年の夏だったろうか。
マネージャーから、
「映画出演のお話をいただきました。
 小石さん、演技、できますよね?」
そんな電話があった。

『青天の霹靂』と聞いて、すぐに原作本を思い出した。
出版されてすぐ、購入して読んでいたのだ。
マジシャンの出てくる物語となれば、
僕もマジシャンの役で出させてもらえるのだろうと
考えた。
マジシャンだから、声をかけてもらえたとも思った。

「スナックの店長役をお願いします」
制作スタッフの方の説明を聞き、かなり戸惑った。
「マジシャンでは、ないのですよね?」
そう尋ねると、
「あぁ、でも、マジシャンのいるスナックの店長で、
 店長もマジックは少しはやります」

ふむふむ、となれば役者の皆さんに
マジックを指導する役目もありかなぁと尋ねると、
「マジック指導は摩耶一星さんたちに
 お願いしてあります」
マジックはちょこっと、指導もなし、となれば、
ただ演技のみということか。

衣装合わせの日、劇団ひとり監督と話せる時間があった。
「あの、ぐるぐる、やってもらいます。
 例の道具は使わない、ぐるぐる、です。
 それと、しょぼいというか切ないというか、
 そんなマジックって、ありますか? 」
僕は周章狼狽して、
「トランプのマジックで、
 タネが見えてて哀しいっていう
 マジックはどうでしょう・・・」
スタッフの皆さんから笑い声が起き、
監督は苦笑いを浮かべて、
「それじゃぁ、ない・・・かな」

撮影が始まり、僕は何度もNGを出した。
もう、数えきれないくらいに。
何度も何度もセリフを繰り返して稽古したのに、
いざとなるとセリフが出てこない。
それでも、何度目かの撮影でやっとOKが出た。
僕はついつい弱気になって、主役の役者さんに、
「僕は才能、ないです。
 もう、引退するべきかもしれません」
そう愚痴を漏らしてしまった。

それでも目出たく映画は完成し、
ついに封切りの日を迎えた。
完成した映画を観る前は、
僕はマジシャンの、人間の生きる
『手段』の難しさを描いているのだと思っていた。

見終わって、生きる『手段』の難しさではなく、
人間の『生きる理由』を描いているのだと感じられた。

僕は、『生きる理由』など考えもしないで生きてきた。
目の前にマジックがあり、
マジシャンという職業を知った。
マジックを覚え、練習し、受けるマジシャン、
売れるマジシャン、芸人になりたいとがんばってきた。
でも、求めてきたのは、
ただ生きるための『手段』だったのだ。

僕に、誰にも必要なのは、
生きるための『手段』ではなく、
『生きる理由』なのだと思い知ったのだった。

今度、劇団ひとり監督に逢えたなら、
ひとこと告げたいと思う。
「この映画を、せめて5年、
 いや10年前に製作してほしかった。
 そうすれば、僕は今よりもう少しマシなマジシャン、
 芸人になれたかもしれなかったのに」

映画『青天の霹靂』は、観た人の人生感を劇的に変えて
しまうかもしれない。




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