河出新書 刊
高橋 源一郎 作
2010年、
なんとなくツイッターを始めた著者
2011年には、自由な雰囲気だった場所が、だんだん現実社会がたっぷり注がれるようになり、まるで異なったものに変質してしまったようにみえたと言う。
コロナ禍で、見直されたカミュの、「ペスト」を引用し、今の世を表している。
人間はみな「ほかのものの顔に息を吹きかけて、病毒をくっつけちまう」
「ことば」は武器になる。相手を攻撃し、打ち倒すために…… カミュ……
□その人
中野重治が 「5勺の酒」で、書いている。
「僕は天皇個人に同情を持っている…全体主義が個を純粋に犠牲にした最も純粋な場合だ。どこに、おれは神でないと宣言せねばならぬほど蹂躙された個があっただろうか?」
個人の人権を尊重した憲法の公布を告知する天皇の姿に触れながら、誰も、その天皇自身の「人権」には思い至らない。その底の浅い理解の中に中野は、民衆の傲慢さと戦後民主主義の薄っぺらさを感じ取ったのである。
※※※この文を読んだとき、ふと、眞子さまの事が心に浮かんだ。好きな人と、自由に結婚できない、皇室という不自由。私達、国民は
人の恋愛を正しいとか正しくないとか、いつから言えるようになったのか?
□世界一素敵な学校
これは、感動した。
著者の、知識と、おびただしい読書量による、文章が、小気味よく、重く
響くテーマが、たくさんあった。
源一郎さん、健在!
内容が広すぎて、
私にはなかなか理解出来はしないのですが
ことばが、ことばに殺される怖さを
つくづく感じました。
わかっているつもりで
知らずに過ごしている事の
多いことに気づきました。