ちょい不良ゴーシュの豪酒録

何年やってもビギナーチェリストの日記

上越交響楽団第78回定期演奏会@上越文化会館

2017年03月23日 00時04分34秒 | 演奏会
上越交響楽団の第78回定期演奏会を聴きに行ってきました.



今回のプログラムは,
ベートーベン エグモント序曲
シューベルト 交響曲第7番 未完成
シューマン 交響曲第1番 春


なかなか渋い曲目構成です.



オープニングはベートーベンのエグモント序曲
冒頭のFののばし音のあと,弦楽器の弓の根っこからえぐるような鬼気迫る響き.
深くて暗く冷たい絶望が胸を押しつぶすような音.
圧倒されました.

断頭台のギロチンが落ちたあとの祈りのパッセージ.
深い祈りですべてが浄化されるような音.
印象的でした.

最後の勝利のシンフォニーの胸のすくような力強さ.
いろいろな要素がぎっしり詰まっていました.

サブメインはシューベルトの未完成交響曲
久しぶりにこの曲をじっくりと聴いた.
夢の中で漂うような,不思議な浮遊感を抱かせる曲.
失恋したシューベルトが,「我が恋が実らぬがごとく,この交響曲も未完に終わる」と言って作曲を頓挫したしまった?
ひたむきに光と救済を求めるような演奏.
ミステリアスな雰囲気がいっぱいでした.

メインはシューマンの交響曲第1番「春」.
第2楽章のチェロのソリが超きれいでした.
クララへの愛情によって,シューマンは美しい音楽をたくさん残している.
その中でも,特筆すべき美しさを秘めたフレーズがこの交響曲の第2楽章だと思います.
至福の演奏でした.

アンコールはシュトラウスの「春の声」.

今日のプログラムは,絶望や挫折を味わった人に,回復の光と希望を与えるような曲がずらりと並んでいたような気がしました.