The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

2013 エスダキ ブロコル ガイヤック

2016-07-06 22:41:23 | ワイン
『エスダキ』とは『それは、ここから』と言う意味らしく、醸造人のジャン・ルイ・ピントの畑への思いの深さを感じる名前だ。
南西地方のガイヤックで、2010年からいわゆるナチュールを生産しているこの造り手は、ワタクシにとっては何時か見た青い空のようなもの。
この美味しさ、この純粋無垢なタッチ、そしてこの果実の目の詰まりようは、何時か何処かで見たような・・・なのだ。





で、それは後で気がついたのだけれど、実はルトンルトルヴェであり、メンダールであるけれど、何と実際これらの造り手からの影響を受けているのだと漏れ聞いたのだ。

造りについての詳細は、ここでは触れまい。
でもワインの内実に潜む、ある種のダイナミズムであったり、そこはかとなく感じる正当性と、そして総体的な調和を、これらのワインで共通して感じるのだ。

エスダキ・・・それは、ここから。
確かに、なにしろ葡萄以上のワインを造ることは出来ないのだから・・・

2014 水の綾 カベルネ・ソーヴィニヨン ドメーヌ・ショオ 新潟県

2016-07-05 22:42:10 | ワイン
ボルドー品種であるカベルネを、さて日本でどう造るのか?の命題は、なかなか難しいと思う。
結果、日本ではワールドスタンダードを目指すものもあれば、やはり日本の地所にあった、特有のカベルネ造りを目指すものもあるわけだ。





新潟県のこの造り手は、正しく後者のほうで、それだけにニッポンならではの、お出汁感たっぷりの汁気の多いカベルネを生産する。

とくにもこの『水の綾』はここのプレステージともいえる代物で、実に旨みの多い見事なワインだ。
そしてその香りは、アミノ酸系のニュアンスがあり、焙煎やらアジアンな香料を感ぜずにはいられない。
味わいはなで肩の優しげなタンニンを持ち、エキスがタップリで、緩くもあるが、その余韻は途切れることをしらない。

もちろん、日本の食卓には持って来いで、あればの話だが、イイ御伴となること請け合いだ♪
造り手の意識がマッセで迫り来るこのワイン、5年は待ちたいが、今はもうなし・・・

これがニッポンワインの現状ってヤツです(笑)
では・・・

泡の季節のカジュアル系は?

2016-07-03 23:52:18 | ワイン
そりゃあシャンパーニュは毎日だって開けたいけれど、いくらなんでも中国のマンゲンコやマイアミのマフィアやスペクターではないのだから、そうも行かないわけでしょう。
それでも、日に日に暑くなるこの季節に、冷えた泡をゴクッと飲む爽快感は、避けようにも避けられないわけだ。
じゃあ、そんな季節に何を飲んだらイイの?てなことに、なるのだけれど、やはりそこに登場するのはニッポンの泡に他ならないのだ。

で、ここ数日、こんな泡を飲んでみた↓





いずれも気持ちよく、美味で、爽快な気分になるのだ。
懐にも心地よいニッポンの泡は、この季節の必需品♪

もしよろしければ、ここからどうぞ↓




2008 ピノ・ノワール エル・エンヌ・ゼロ・ドゥーズ ジェラール・シュレール アルザス

2016-07-03 00:03:27 | ワイン
ともかく飲んでみないと分からないと思うが、08’にしてその香りは色香漂い、ネットリトして飲み手を虜にする。
アルザスにも幾つかのナチュールはあるけれど、やはりここのが最高のパーフォーマンスを見せてくれるのだ。





これは言い過ぎかもしれないが、危うげな70年代のオフヴィンテージのロマコンをも思い起こさせる、ビミョウなタッチが見え隠れするのだ。

13.5%のアルコールは思いも寄らないほど、色合いは薄く、既にマフォガニーのエッジを見せ、内実はエキスによって支えられている。
たかだか8年間の熟成期間で、すでに飲み頃をむかえ、この一本を飲む過程においてすら、最後の一杯は太陽を浴びせられたミイラのように瓦解した。

ベースにはリッター12mgという、最小限の亜硫酸に抑えられ、果実はピュアで本来は生のままで楽しむべきワインなのだろう。
ジンジャー、シナモン、オールスパイス、珈琲に麝香に熟れたドライなプラムなど・・・
さてこれが、寿司にあうのか?とも思ったが、その日はいろんな意味で楽しめた。

シュレールよ何で貴方はシュレールなの?
また飲みたい!では・・・