The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

1998 フラワーズ シャルドネ キャンプ・ミーティング・リッジ ソノマ・コースト

2017-06-22 16:36:09 | ワイン
その昔、ここの造り手が元詰めを行っていなかった頃、『キスラー』にバルク売りをしていたそうなのだが、その品質に驚いた『キスラー』の醸造家のビミョウな心持ちは察するに余りある。

そもそも『キャンプ・ミーティング・リッジ』とは、先住の人々がカリフォルニアの暑すぎる夏を凌ぐ避暑地と言うことで付けられた名とのことだ。
すなわちその地は、日差しは強いが冷涼な風の通り道であり、凝縮したシャルドネができる絶好のマイクロクライメットということなのだ。



このワインを買った当時、5000円前後だったと思う。
ワインの価格を知るということは、間違いなく飲み手の意識に強く影響する。
5万円の価格表示は5万円の液体を期待し、よもやそうでない液体だったとしても、そうではなく今の状態はまだ序章なのだと、イイ方向で調整する。
一方この5000円のシャルドネは時価は付けられないほど高値であり、たといリリース値段だとしても、およそ3倍の価格となるだろう。
そこでThe Wine Heatの面々はこのワインをどう評価するのだろうか?
『このワインは好みではないが、正統なワインである。』というスタンスで目利きができるかどうか?
次にお会いする時には、是非聴いてみたいと思うのだが・・・

でこの98年物は、見ての通りのあたかもマンダリンでも漬け込んだかのような、オレンジのニュアンスを持った、山吹色の液体にメタモしていた。
色合いと歩調を合わせるように、注がれた液体は濃密な香気を発散させ、実に会の主宰を喜ばす状態に出来上がっていたのだ!

ブリオッシュ、発酵バター、マンダリンオレンジ、レモン、グァバ、ダージリン、蜂蜜などなど・・・
果実はオイリーで、酸味は抑えられており、アルコールの度数低めのフォーティファイドの様相を呈している♪

感じ方は様々だけれど、当方としては、このワインは押し並べて絶妙なタイミングで開けられたのだ、と感じている。
ジブンの手から放たれたワインは心配で不憫でもあるが、成長したわが子が都会に出てゆくのを送り出す親の心情のそれにも似ている。
そんな心根で登場させた『キャンプ・ミーティング・リッジ』、さて皆さんにはどう映ったのだろうか?

新しいヴィンテージですが、ここが最安値↓



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