The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

2005 リボッラ・ジャッラ ヴェネッツィア・ジュリア IGT ラディコン 500ml

2015-06-25 11:37:43 | ワイン
この摩訶不思議な白ワインを飲んだのは、はていつのことだったのか?
少なく見積もっても10年以上は経っていると思う。

それは自然派の北イタリアのワインが一斉に紹介されるようになって、そのときにこのワインもインポートされるようになった。
まさしく『ヨスコ・グラヴネル』や『ミアーニ』などと一緒の頃だ。

その中でも摩訶不思議ぶりはこの造り手が群を抜いていて、その意味では一度は飲んではみるものの、興味が失せれば『グラヴネル』ほど浸透はしなかった。
特にも紅茶のように褐変した白ワイン?においては、その特異さは安穏を旨とするワインライフを好む御仁にとっては、いささかキツイ代物なわけだ!(ブラインド・アイテムとしては重宝したのだが、汗)

で、昨日急遽『ドゥエ・Mーニ』さんにおじゃすることになって、何と忘却の彼方に消えた『ラディコン』とのご対面となったのだ!
到着するなり『テルザヴィーア』でカンパイ!
ゴージャスな泡を、前菜や『雲丹↑(シッカリ語尾上げ)のクロスティーニ』などで楽しみ、しばし魚料理を待った。









『テルザヴィーア』をリターンしているうちに、魚料理の『ほうぼうのソテー、ヒヨコマメとグアンチャーラのソース』ができてきた!
そしてそのタイミングで『ラディコン』となったのだ。







『ラディコン・グラス』に注がれたその神秘的な瑪瑙の色合いは、かつてのそれより濃いと思う。
あんぽ柿、ダージリン、サンザシ、胡椒に甘い和菓子の香りを漂わせるが、その香気はただただ自堕落に放散はしない。
あくまでも内向的に、そして飲み手の内省を促すかごとくなのだ・・・

果実は染みて優しく、酸度は控えめで、内実は中庸に収めている。
しかしながら底に潜んでいるある種の余韻は、正しくクリームのように口腔を満たすのだ・・・

かつて飲んだ『ラディコン』より、ラディカルではないけれど、その自己主張はかつてのそれを遥かに超越し、ただただ驚くばかり♪
それにもまして驚いたのは、料理との相性で、実に見事にアッビナメント!

このワインの本当の楽しみ方を、今やっと分かりかけてきたということかもしれない・・・