(2019.10.26 訪問)
久々に西の京を歩きました。近鉄橿原線西の京駅で下車、前方右に薬師寺興楽門の寺石標が見えます。左に折れ北へ行くと右手に玄
奘三蔵院の伽藍を仰ぎつつ唐招提寺への道が続きます。右側にコーヒーショップを発見、「オネーサン、コーヒーとジャムトースト
お願い」、コーヒーの香りを楽しみながら今日の予定を思案中……。
[ 薬師寺 ]
●寺号 薬師寺 (やくしじ)
●宗派 法相宗 (ほっそうしゅう) 大本山
●勅願 天武天皇 (てんむてんのう)
●開創 天武天皇九年 (680年)
●本尊 薬師三尊。
▲拝観 玄奘三蔵院公開時1100円 玄奘三蔵院非公開時800円 朱印300円
▲時間 8:30~17:00
▲奈良市西ノ京町457 電話0742-33-6001
▲http://www.nara-yakushiji.com/
▲1998年「古都奈良の文化財」として世界遺産登録。
▲近鉄橿原線「西ノ京駅」下車徒歩3分
▼興楽門 (北門) 前の寺号石標。
薬師寺縁起 (薬師寺パンフから抄出)
天武天皇発願。天武天皇九年 (680年) 持統十年 (697年) 本尊開眼、文武天皇の時、飛鳥に堂宇伽藍が完成。のち和銅三年(710年)
平城遷都で現在地に移転。享禄元年 (1528年) の兵火で東塔を除く諸堂が灰燼に帰しました。昭和四十二年 (1967年) 高田好胤管主
により白鳳伽藍復興の発願、写経勧進に寄って諸堂が、平成十五年 (2003年) 大講堂がさらに平成二十九年 (2017年) 食堂が復興再
建され白鳳伽藍が甦りました。
▼世界遺産碑。英文表記もされてます。
▼中門を潜ると左手に三重の西塔が。
旧西塔は享禄元年 (1528年) の兵火で焼失、昭和五十六年 (1981年) 復興再建。
各層の下屋根は裳階で屋根の大小でリズム感を出しているそうです。
▼西塔初層が開扉され、釈迦の一生がリアルに再現されています。
▼在りし日の東塔。現在東塔は鋭意修復修理中。令和二年完了予定。
▼現在の東塔の姿。
▼金堂。桁裄五間、梁間五間、入母屋造、本瓦葺。二重二閣の竜宮造り、各層に裳階付、初層の裳階は三間繰上げ式。
昭和五十一年 (1976年) 復興再建。
金堂本尊の薬師三尊。
日本仏像史上最高の彫刻。制作年代の定説は不詳と云いますが、約1300年前にこの美仏を完成させた仏師がこの時代に確かにいた
んです。
▼中央、薬師如来坐像 (国宝)。 像高254.7cm、銅鋳造像。
▼正面右、日光菩薩立像 (国宝)。像高317.3cm、銅鋳造像。
▼正面左、月光菩薩立像 (国宝)。像高315.3cm、銅鋳造像。
▼大講堂。
桁裄九間、梁間四間、入母屋造、本瓦葺、下屋根は裳階。平成十五年(2003年)の再建。
薬師寺伽藍最大の建造物。なんと左右41mある横長のお堂です。
▼講堂本尊、弥勒如来坐像。像高約267cm。
▼講堂後堂には釈迦十大弟子がお並びです。彫刻家中村晋也さん造像。
▼今日は講堂全戸口が開扉されています。
▼食堂 (じきどう)。桁裄十一間、梁間四間、入母屋造、本瓦葺。
▼食堂内部。中央に絵本尊「本尊阿弥陀三尊浄土図」作家は田渕俊夫さん。壁面三方に「仏教伝来の道と薬師寺」
▼境内北端の玄奘三蔵院へ向いましょう。
▼礼門。桁裄三間、梁間三間、切妻造、本瓦葺のシンプルな門で連子窓の回廊で囲まれています。
▼境内中央の玄奘塔には、法相宗祖である玄奘三蔵の遺骨を奉安し、須弥壇には玄奘三蔵像をお祀りしています。
▼壁画殿。平山郁夫さんの「大唐西域壁画」が公開。
▼壁画殿扁額。
▼平山郁夫さん作大唐西域壁画「西方浄土須弥山」
▼東院堂 (国宝)。桁裄七間、梁間四間、入母屋造、本瓦葺、弘安八年(1285年)再建。元明天皇の鎮魂を祈り建立。
▼本尊聖観音菩薩立像(国宝)。像高188.9cm、銅鋳造像。
表情の柔和さ、天衣や裙裾のドレープの柔らかさ、金堂本尊薬師三尊に決して
負けない、欠点が見出せない美仏です。
▼聖観音菩薩のお顔。
聖観音の柔和なお顔に見惚れつつ、なお名残惜しげに久々の薬師寺参拝を終えました。