土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

渡岸寺観音堂、秀逸無比の十一面さんにやっと逢えた。

2019年03月07日 | 滋賀の古寺巡り





(2019.03.02訪問)


いつ逢いに行こうか、がやっと実現。全国に七躰現存する国宝十一面観音菩薩像のボクがお会いする最後のお一人が渡岸寺観音堂の
十一面さんなんです。奈良の室生寺、法華寺、聖林寺、京都の大御堂観音寺と六波羅蜜寺、そして大阪の道明寺の十一面さんが有名
なんですが、とりわけここ渡岸寺観音堂の十一面さんは日本の仏像彫刻史上最高傑作と常々評価されていることは皆さんもご存知の
とおり。写真でしか見たことがない秀逸の国宝に今から逢いに行くんです。





            ▼参道口に建つ堂々の石柱。刻された文字も貫禄と品が感じられます。







            [ 渡岸寺観音堂 ]
            ●寺号 渡岸寺観音堂(どうがんじかんのんどう)
            ●宗派 浄土真宗真宗大谷派
            ●開創 伝天平8年 (736年)
            ●勅願 伝聖武天皇 (しょうむてんのう)
            ●開基 伝僧泰澄 (たいちょう)
            ●本尊 阿弥陀如来坐像 (あみだにょらい)
            ▲拝観 9:00~16:00
            ▲拝観料 500円 (仏像拝観)
            ▲滋賀県長浜市高月町渡岸寺50 TEL 0749-85-2632
            ▲問い合わせ 渡岸寺観音堂国宝維持保存協賛会 0749-85-2632 
            ▲JR北陸本線「高月駅」徒歩10分
             北陸自動車道木之本ICまたは小谷城スマートICから10分





▼仁王門。桁裄3間1戸、梁間2間、入母屋造、本瓦葺。両脇に阿吽の仁王像が安置されています。
 門を通して前方に見えるのは本堂。







渡岸寺観音堂縁起 (渡岸寺観音堂冊子から抄出)
聖武天皇の天平8年当時都に疫病が流行、天皇は除災の祈祷を僧泰澄に勅し、泰澄は勅を奉じ祈願をこめて十一面観世音を刻み、一宇
を建立し息災延命、万民豊楽の祈祷をこらしその憂いを絶ったと寺伝は伝えます。以来霊験あらたかな観音像として敬仰せられ、桓
武天皇の延暦二十年には比叡山の僧最澄が勅を奉じて七堂伽藍を建立、多くの仏像を安置し繁栄の美を極めました。その後、戦国時
代の兵火戦火のためお寺は廃滅、この兵乱で観音像を敬仰する住職を始め地元住民たちは猛火を冒して観音像を搬出、お祀りする堂
なく、やむなく土中に埋蔵して難を免れたといわれています。





▼参道一直線、本堂が近づいてきます。     







 





目指す十一面さんは本堂には居られません。渡り廊下で繋がった観音堂(慈雲閣)でお待ちです。我が国仏像彫刻史上最高傑作は中央
台座にお立ちです。ガラスや囲いなど無粋な遮るものはありません、そして周囲を巡ることが出来るので後ろ姿もバッチリ、最高の
仏を最高の環境で拝観出来る、中々ありませんヨ。これで写真OKなら云うことなしですがそうはいきません。



























像高194cm、檜材一木造、彫眼 平安初期の造像。こういう素晴らしい仏像に限って仏師が不詳なんですよネ。惜しいよネ。

(十一面さんの写真は渡岸寺観音堂カタログから複写)





▼ご朱印です。




理屈なしです。素晴らしいの一言です。今夜は気分よく眠れます。