(2017.06.18訪問)
大大阪のほぼ南端泉南市から新大和路号は貝塚市に向かいます。これから訪ねるのは孝恩寺、大大阪でも数の少ない国宝建造物の本
堂、釘無堂とも呼ばれているお堂があるのをご存知の方もいらっしゃるのでは。このお寺のもう一つのハイライトは重文仏像十九体
が一直線に並ぶ宝物館の偉容なんです。林昌寺から孝恩寺まで約十五キロ、新大和路号にとってはイチコロの距離、はや心は釘無堂
の前に立っているのでありました。
▼道路に沿った石垣に白塀、いい雰囲気ですネ。
[ 孝恩寺 ]
●山号 慈眼山 (じげんざん)
●院号 大悲院 (だいひいん)
●寺号 孝恩寺 (こうおんじ) 愛称 釘無堂
●宗派 浄土宗 (じょうどしゅう)
●勅願 聖武天皇 (しょうむてんのう)
●開基 行基菩薩 (ぎょうきぼさつ)
●開創 神亀三年 (726年)
●本尊 阿弥陀如来立像
▲大阪府貝塚市木積798 Tel. 072-446-2360
▲拝観料 500円 ご朱印300円 宝物館拝観は事前予約のこと
▲南海本線「貝塚駅」乗り換え水間鉄道「水間観音駅」から水鉄バス蕎原行きで「釘無堂」下車徒歩すぐ
阪和自動車道「貝塚IC」から北へ約3分
▼石段前に釘無堂の石柱。はて釘無堂とは……。
孝恩寺縁起 (孝恩寺パンフから抄出)
行基建立四十九院のひとつで、現在はこの観音堂のみを遺しているが、創建当時は七堂伽藍が甍を並べていたが、室町期の戦乱や秀
吉の根来攻めの兵火などで伽藍の大半が焼失、唯一観音堂だけが残った。その後鎌倉期に旧堂を解体再建したものが、現在の観音堂
である。この観音堂は府下最古の木造建造物で、釘を使わずに建てられたので「釘無堂」とも呼ばれている。
▼アプローチ石段。
▼山門です。
▼鐘楼です。
▼本堂 (国宝) 観音堂とも釘無堂とも呼ばれています。
桁行五間、梁間五間、寄棟造、丸瓦と平瓦を組み合わせた本瓦葺 (行基葺)。
河内長野観心寺の金堂と並び称されている国宝建造物。このお堂のみの境内で、孤高を保ちつつ密教仏堂としての存在感を主張し
ているようです。
▼本堂前面。中央三間が桟唐戸、両脇間には連子窓が設えられています。
▼外陣から内陣の様子。手前の太柱は鎌倉再建当時の柱と云われているそうです。
▼須弥壇中央に本尊が祀られています。お堂の外観と内部荘厳の落差、外からは想像出来ません。
▼本尊阿弥陀如来立像。脇侍に観音菩薩、勢至菩薩。
このお堂名は観音堂、しかし本尊は阿弥陀如来、なんで?
▼本堂角柱の木鼻は、これ象でしょうか。
▼前面五面の蟇股彫刻もそれぞれ変化を付けているようです。
▼これが行基葺。
普通丸瓦を使用した本瓦葺は、丸瓦同士がぴったりはまるのに対し、こちらは瓦同士に段差が生じ、重ね合わせが見える屋根を、
行基葺きと呼ぶそうです。行基葺の建造物は少なく、この孝恩寺観音堂の他に、奈良の元興寺極楽坊、大分の富貴寺大堂など、僅
かしか存在していないそうです。
▼境内にはお地蔵さんも遠慮がちにお立ちです。
▼石塔三態。
▼真ん中の五輪塔。塔高110cm、地輪高24.6cm、幅39.4cm。
五輪上から空輪、風輪、火輪、水輪、地輪と云うそうで、造立年月日が明らかな
五輪塔として貴重な価値の高いものだそうです。
▼基壇ガッチリ、上の四輪なんか危なっかしいけど抜群のバランス。
▼木立の間にこれは納骨堂。
▼ヤッパリありました、オシマイ間近の ア ジ サ イ
▼境内の石畳。
▼最近新築されたんでしょう、新しい庫裏です。
▼庫裏前のお庭と放生池。
またも拝観失敗!
▼孝恩寺のハイライトはこの宝物殿。うーん扉は固く閉じられたまま。
重文仏19体が並ぶ圧巻の宝物殿は事前予約が必要とのこと、しかも6月(梅雨時)から9月一杯は閉館とのことです。
そこでなんとかこの19体を拝観したい、なんとかしましょう取り敢えず6体を。
▼聖観音立像 ▼薬師如来立像 ▼文殊菩薩立像
▼十一面観音立像 ▼普賢菩薩立像 ▼聖観音立像
孝恩寺宝物館には上記のほか13体が一直線に並べられているんです。
(写真は貝塚市貝塚の文化財HPからお借りしました )
http://www.city.kaizuka.lg.jp/bunkazai/bunkazaidata/bunkazai/kuni_sitei/tyoukoku/index.html
▼御朱印です。国宝釘無堂外縁に置いて撮りました。
またも事前確認を怠った罰が当りました。それにしても重文仏19体が一直線に並ぶのは壮観でしょうネ。
それにも況して貝塚市「貝塚の文化財」ホームページは素晴らしいホームページです。仏像一体一体の親切丁寧な説明は読んでいて
時間を忘れさす説得力があり、こんな完璧なホームページにはお目にかかったことはありません。願わくばもう少し写真が大きけれ
ばなお完璧。これでもう孝恩寺を訪ねることはナイでしょう、ウンニャ仏像は実像を拝見してこそなんで、10月になれば再度訪問し
たいと思っています。
孝恩寺これにて オ シ マ イ
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