土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

常楽寺、湖南三山を初めて訪ねます。

2014年10月14日 | 滋賀の古寺巡り



(2014.10.11訪問)


巨大台風19号射程中、迷車大和路号は今週も近江路を軽快に走っています。湖南地方と云ってもやや内側、
山間を走るので山道細道が続きます。今日は初の湖南三山を訪ねます。湖南市にある常楽寺、長寿寺、善水
寺を湖南三山と称し、いずれも国宝に指定された本堂を持ち、仏像の宝庫、そして紅葉で有名なのが共通点
だそう。先ずは常楽寺へ。今日も大和路号快調です。


▼木立隠れの本堂。




[ 常楽寺 ]
●山号 阿星山 (あぼしさん)
●寺号 常楽寺 (じょうらくじ)
●勅願 伝聖武天皇 (しょうむてんのう)
●開基 伝良弁僧正 (ろうべんそうじょう)
●開創 和銅年間(708~715年)
●宗派 天台宗
●本尊 千手観世音菩薩立像 (秘仏)
▲拝観料 500円 朱印300円 駐車場無料
▲拝観時間 10:00~15:00 拝観は事前予約制
▲湖南三山の一
▲滋賀県湖南市西寺6-5-1 Tel. 0748-77-3089
▲JR草津線「石部」駅下車 4キロ、タクシー約7分
 名神栗東ICより約8キロ、約15分


         ▼寺標。




常楽寺縁起 (常楽寺パンフより抄出)
聖武天皇の勅願により東大寺開山、良弁僧正が、甲賀に造営された紫香楽宮の鬼門封じの為に開いたとされ
る。元々常楽寺は、南都六宗の法相宗寺院であったが、延暦年間、延暦寺の末寺へと組み込まれ、天台宗に
改められたと云う。その後火災で全焼したが延文五年再興された。

疑問が一つ。
鬼門は北東のはず、常楽寺は紫香楽宮の北西に位置、これで鬼門封じになるの?
どなたか教えてくれませんか。


▼鐘楼。





         ▼本堂前の石灯籠 (重文)。応永十三年(1406年) の銘あり。





▼本堂 (国宝)。桁行七間、梁間六間、入母屋造、檜皮葺、三間向拝付。延文五年(1360年) 再建。
 琵琶湖東岸の天台古寺には檜皮の屋根が多く、このお寺もそうで、古刹然とした貫禄を感じます。



 本尊は千手観世音菩薩立像で秘仏、お厨子の奥深く祀られ、お厨子左右に二十八部衆が並んでいます。
 小粒ながら中々のショーを見せてくれてます。文字で書いても写真がなけりゃ説得力ありませんネ。



▼本堂扁額。寺号が書かれています。





▼本堂から境内。ボツボツ染まりだしましたが錦秋近江路のあの人出を想うと……。





         ▼本堂越しに三重塔。





         ▼三重塔 (国宝)。
          塔高22.8m、本瓦葺、四方三間。室町時代の応永七年 (1400年) 再建。
          実に堂々流麗の姿、近江路では最大の三重塔らしいです。





▼組み物の美。二層目、三層目の組み物を見て下さい、芸術を越えてもう神業、凄い寺大工がいたもんです。





▼木立向こうに三重塔。





▼小さな楓がはや、主張してます。





▼ヤバい行者堂。お堂身ごろが右に捩れ、屋根は左へ、震度実験のようですね。
 お堂の中は空っぽ、役行者像は現在行方知れず、早い話が盗難中。





▼普賢堂。





▼薬師堂。





         ▼本尊 薬師如来。新しいもので信楽焼き薬師さんだそうですヨ。





▼階段状に積まれた石仏群。





▼本堂裏山を巻くように西国観音巡礼の散策道。三十三の観音さんが待ってます。





▼最終三十三番札所華厳寺の観音さん。





         ▼最後にもう一度三重塔。





▼御朱印です。




近江路もいよいよ楓が染まりだし秋本番が近づいています。秋はもみじの唐錦、とりどりの赤や橙、黄が織
りなす錦秋の美しき織物がもうすぐ織り上がるのでしょう。愛でる人もワンサカでしょうネ。
早く冬が来ないかなァ。

十九号が列島暴れまわっていますが皆様の方、被害はなかったでしょうか。お見舞い申します。
先ほど我が家に近い大阪岸和田市付近に再上陸しました。



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