土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

薬師寺、時代の息吹は次代の今に…。

2012年05月04日 | 奈良の古寺巡り


(2012.04.28訪問)
唐招提寺から薬師寺に通るあの細い道、クルマだけはバンバン走ります。電車で来られた方は北門から入山
されるのですが、やはりやけに閑散としています。お坊さんがお一人看板のゆがみなどを直しておられまし
たよ。ヒマなんでしょうか。

[ 薬師寺 ]
●寺号 薬師寺(やくしじ)
●宗派 法相宗大本山
●発願 天武天皇(680年)
●開眼 持統天皇(697年)
●創建 文武2年(698年)
●本尊 薬師三尊(国宝)。

薬師寺縁起 (薬師寺HPより)
天武天皇により発願(680年)、持統天皇によって本尊開眼(697年)、更に文武天皇の御代に至り、飛鳥
の地において堂宇の完成を見ました。その後平城遷都(710年)に伴い現在地に移されたものです。
現在は平成10年よりユネスコ世界遺産に登録されています。

▼中門。昭和59年(1984年)再建。



▼中門阿形(右)吽形(左)両金剛力士。



▼手水舎。



▼金堂。昭和51年(1976年)再建。重層二閣竜宮造り、各層に裳階。白鳳伽藍はすべて創建時の姿、竜宮造
 りのデザインを踏襲しているそうです。
 桁行7間、梁行4間、入母屋造、本瓦葺。



▼金堂正面、見えませんが薬師三尊がいらっしゃいます。



▼本尊 薬師如来坐像(国宝)。像高254.7cm、銅造、白鳳時代。



▼左脇侍 日光菩薩立像(国宝)。像高317.3cm、銅造、白鳳時代。



▼右脇侍 月光菩薩立像(国宝)。像高315.3cm、銅造、白鳳時代。



いずれも許可を戴いて金堂の外から撮っています。

▼西塔。昭和56年(1981年)再建。東塔と対称になる位置に建ち、旧塔と同じ様式、技法で再建。



▼西塔西側の廻廊。



▼東塔の覆屋。
 凍れる音楽と謳われた東塔もついに覆屋に覆われてしまいました。解体修理完成は2018年の予定。
 薬師寺の顔はこの状態がしばらく続きます。工事の進捗状況が見学出来るそうなのでそれに期待しましょう。

 

▼大講堂。平成15年(2003年)再建。白鳳伽藍最大の建物。一層裳階つき。
 桁行11間、梁行6間、入母屋造、本瓦葺。
 本尊 弥勒如来坐像(重文)、像高267.5cm、銅造、奈良時代。
 左脇侍 法苑林菩薩立像(重文)。像高288.7cm、銅造、奈良時代。
 右脇侍 大妙相菩薩立像(重文)。像高301.4cm、銅造、奈良時代。

 

▼大講堂鴟尾。



▼大講堂。



▼講堂から見た東塔北側の覆屋。



▼東塔東側の廻廊。



▼東院堂(国宝)。桁行7間、梁行4間、入母屋造、本瓦葺。鎌倉時代弘安8年(1285年)再建。創建時は南面し
 て建てられたそうですが、江戸期に西向きに変えられたそうです。
 本尊 聖観音菩薩立像(国宝)、像高188.9cm、銅造、白鳳時代。


 
▼鐘楼。



▼会津八一の歌碑。
 すいえんの あまつおとめが ころもでの
         ひまにもすめる あきのそらかな



▼佐々木信綱の歌碑。
 ゆく秋の 大和国の 薬師寺の
         塔の上なる 一ひらの雲


 
▼北門(興楽門)。今日は電車で来ましたのでこちらから入山しました。



白鳳伽藍は青空によく映える。朱と緑そして白、金色に輝く鴟尾と相輪、創建時の寺勢が偲ばれます。
天武系の皇位は100年で潰えましたが、彼らが残した遺産は、名もない仏師が残した信仰の証数々とともに
1300年の時空を超え、今ボクたちに時代の息吹を伝えている。なんと素晴らしいことでしょう。


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