裏日記「B面」

工房しはんが日々、ふと感じたり、しみじみとふけったり、ぴんとひらめいたり、つくづくと考えたりしてること。

ポアンカレ系

2014年04月28日 11時28分14秒 | サイエンス・ガクジュツ的な
子供の頃、海にプカプカ浮きながら水平線をぼんやりと見てるうちに、ああ、地平とは直線ではなく、丸いのだなあ、と感じたことがある。
水面よりも上から見ると、それは下に向かって湾曲しており、水面下から見ると、そのRは上に向かう。
そして、自分の両サイドをぐるっと一周して、背後で円として閉じてるわけだ。
自分が円の中心にいると、その円は直線となるんだった。
だけどその図形は円ではなく、かといって直線でもない。
ぼくらの習う基礎的な幾何学の作法では説明のつかない、位置による相対的な図形だ。
ものの本によると、それを非ユークリッド幾何学というらしい。
たとえば、三次元の球面上では、「平行線」を引いてもやがて左右の端でつながってしまうし、三角を描いたら内角の和は180度にはならない。
ユークリッド幾何学の定義の範疇を超える幾何学が存在するわけだ。
ギリシャ時代にユークリッドが定義した二次元の幾何学は、ぼくら三次元(というか、二次元より上)の人間にしか認識できない。
同様に、ぼくらの生きる三次元世界における幾何学の振る舞いは、座標系をいっこ増やした四次元上から鳥瞰しないと、実体像がわからない。
そんな三次元の現象を四次元世界からながめて説明しよう、というのが、トポロジー。
そんな本を、今読んでるのだった。
世の中には本物の天才というのがいるもので、いや、天才というかなんというか、「異能のひと」というの?
そういう人物には、四次元の世界が実際に手でこねくり回せるくらいに見えてるらしい(イメージの中で)。
理論上にしか存在しない、空間のゆがんだ(というよりも、座標軸がいっこ多くて、三次元世界ではどうしても絵的に表現でき得ない)奇妙な構造物を、例えば「ナイフでこう切ると、こういう切り口になる」というようなことが直感で理解できる人間がいるというんだな。
その人物は、実際に四次元の世界を生きてるわけだ。
宇宙の根源を煎じ詰めてくと、必ずこの問題、すなわち「次元がいっこ違う世界」の問題に突き当たる。
アインシュタインは時間と空間の原理を相対性理論で統合したけど、量子力学なんかでは「力」のさらなる大統合に向けて、時空を超えたりもどってきたり、ってことが普通に理論化されてる。
どういうことやねん、と思ってたけど、トポロジーの考え方を知って、ほんの少しリアルに理屈が理解できたよ。
物理学と数学と天文学・・・どこまでもつながってて面白いな。

東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園
コメント
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