裏日記「B面」

工房しはんが日々、ふと感じたり、しみじみとふけったり、ぴんとひらめいたり、つくづくと考えたりしてること。

捨てられない女

2010年05月22日 08時37分48秒 | Weblog
ものを捨てることができません、うちのよめはん。
どれくらい捨てられないかというと、例えばチェルシーを食べると、その包み紙を折りたたんで、おみくじ結びにし、ポッケにしまい、何枚かたまると、食卓に並べておき、それを見つけたオレがうやうやしくゴミ箱に運ばねばならぬ、というぐあい。
以前にあちらの実家にいったとき、部屋に膨大にたまった「ロッキン・オン」(音楽誌)の処分を手伝うことになった。
やつはそれを一冊一冊ひもとき、ああなつかしい、だの、すてき、だの、ああこんな時代、だのとため息をついている。
そしてついに「ヨシ」と声を上げたかと思うと、十冊ひとからげにし、捨てる・・・かと思えば、元あった場所に再びせっせと積み上げていく。
これでは、バラバラだったものがただ十冊単位にまとまっただけの話ではないか。
つかオレは、読んでなつかしむお手伝いをさせてもらっただけではないか。
銀行やら支払いやらの明細書なども、大切に大切にしまいこんである。
かと思えば「あの明細を」というと、どこにしまったんだかわからない。
宝くじの番号確認をしたかと思えば、そのまま元の袋に戻し、取っておく。
どれが当たってるのかわからない。
最悪なときなど、このひとは肩こりなので最近、秘密裏に「ピップエレキバン」などというバカバカしいおまじないシールを肩に貼ったりするのだが、風呂に入ったあと、バスタブのへりにはがしたモノがちょこんと置いてある。
これだけはだれが捨ててやるものかボケ、とオレもほっておく。
その後、数日はそこにあったのだが、ある日、見当たらなくなっている。
やっと捨てたか、と思ったが、それと入れかわりに、黒い米粒のようなものがその場に置いてある。
はて、と思って拾ってみると、エレキバンのシールの中に入ってた丸い磁石片なのだ。
「いつか使うかもしれないから」取ってある、とのちにバカが口にすることになるのだが、使うかー!ボケー!
使い方がイメージできんわ、この着想の天才であるオレをもってしても。
しかしこんなひとだから、たいして働きもしないビンボーろくでなし男を捨てきれなかったのであろう。
・・・とか、きれいにまとめたりして。

東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする