裏日記「B面」

工房しはんが日々、ふと感じたり、しみじみとふけったり、ぴんとひらめいたり、つくづくと考えたりしてること。

進歩

2008年10月21日 09時14分54秒 | Weblog
「人間は進歩も退歩もしていない」
と、大岡昇平が語ってるのを読んで、はた、そうかも、とひざを打ってみる。
考えてみれば人間なんて、利不便性をテクニカルに補って「日進月歩」なんて大騒ぎしてる愚かな生物ですよ。
そんなものは進歩でもなんでもなく、ただ装置を大げさにしてるだけの話。
進歩ってのは例えば、二本足歩行が一本足で実現、とか、肩甲骨をはためかせて空を飛べるようになった、とか(これらは、ま、「進化」だけど)、言葉で語ることなく意志の疎通が可能になった、とか、人類全体が怒りという感情を放棄した、とか、解脱して菩薩さんになるくらいのステージの跳躍があってはじめて「進歩」と言えるってもんでしょう。
人間は変わってない。
相変わらず思慮が浅はかで、愚劣で、俗悪な生き物。
強欲にそそのかされて世界をつくり、強欲に蝕まれて世界を解体する、矛盾に満ちた奇妙な生命体。
いつになったら進歩できるのか。
そこで、未来に実現しそうないちばんリアルな「進歩」を考えてみる。
1、完全な平和、というかつてない社会を手に入れる。
2、完全な殺りく機械となって、キリなく殺し合ってみる。
人類を地球環境における「ガン」と考えるか、「ワクチン」と考えるかで、このふたつの意見は等質であると言えますね。
いつまでたっても賢くなりきれず、かといってバカにもなりきれない人類。
人間ひとりひとりはけっこう賢いと思うんですけどね。
どうも総体としてのジンルイが、もうあきれるほどに愚かすぎますわ。

上原ひろみさんとは対極にいる、やはり天才ピアニスト。
ピアノを弾くなら、オレはこんなひとになりたいな。

Thelonious Monk

東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園