股関節痛は怖くない!~変形性股関節症の新しい考え方

変形性股関節症の常識には間違いが多く、怖さを抱えている人が多い。
常識の間違いを理解して人生を楽しみましょう!

股関節の動きを知ってるかい? 特別編

2006-04-16 13:55:32 | Weblog


股関節の動きと正常関節可動域

①股関節 屈曲 125度
②股関節 伸展  15度  
③股関節 外転  45度
④股関節 内転  20度
⑤股関節 外旋  45度
⑥股関節 内旋  45度

股関節の動きについて説明してきました。
実は、これらの角度は他動的な関節可動域を原則としています。
他動的関節可動域とは、他の人に動かされた時に動く関節の角度と言うことです。
これに対して、自動的な関節可動域と言うのが別にあるのです。
皆さんが自分の力で動かすことのできる関節可動域のことです。
これには、筋力が影響します。

つまり、人間の関節は他の人に動かされて動くだけでは役に立ちません。
自分の力で動かないといけないのです。

先日、次のような例がありました。
長期間股関節が屈曲拘縮していた患者さんがいました。
股関節が曲がったまま伸びないので、長期間大殿筋を使えない状態で生活してきた方でした。
腸腰筋の短縮が原因のことが多いので、必死こいて腸腰筋をほぐしました。
治療後は、ほぼ完全に股関節が伸びました。患者さんも「お尻がへっこんだみたい」と喜んでくれました。
うつ伏せも楽に寝れ、仰向きも腰痛が無く楽に寝れました。
しかし、2回目に来られた時には、また屈曲拘縮状態でした。

施術を何回か繰り返すと伸びるようになります。
しかし、ここで大切なことはただ関節の動きだけを良くすればいいというわけではないと言うことです。

この患者さんは、長い間股関節を曲げる腸腰筋は使いやすいので良く使ってきました。
しかし股関節が伸びないので腸腰筋は短縮していました。
その結果、股関節を伸展する大殿筋は使いたくても使えない状態だったので、
股関節を伸ばす筋肉、大殿筋の筋力が低下していたのです。
施術によって股関節が伸びても、それを維持する大殿筋の筋力が弱いと、腸腰筋に引っ張られてまた股関節に屈曲拘縮が出やすくなるのです。

この患者さんの場合、大殿筋も正常に近づきましたので、これからは腸腰筋をほぐしながら、大殿筋の筋力を強化していきます。
大殿筋に筋力が出てきたとき、この患者さんの股関節は何年かぶりに元のようにしっかりと伸びた股関節になるのです・・・ムフフ。
かっこいいヒップラインが返ってくるのです・・・頑張ります


このように、人間の能力の原点は“関節の動きと筋力が共に比較的正常に近いこと”なのです。
皆さんの中には「私は関節も硬いし、筋力は弱いから・・・無理!」と思っている方もいるでしょう。
確かに正常には戻らないとしても、努力をすることは進行を止めることにつながりますし、改善の可能性は誰にでもあります!

皆さん、最近脚を広げて立ったり、脚をクロスしたり、「ブラブラ、ブラブラ」と言いながら内外旋のブラブラ体操をして関節が少し緩んできたことでしょう。
この運動を続けながら、次回からは股関節を動かす筋肉について勉強してみませんか?
そうしましょう



変形性股関節症を怖がらないでね