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股関節痛は怖くない!~変形性股関節症の新しい考え方

変形性股関節症の常識には間違いが多く、怖さを抱えている人が多い。
常識の間違いを理解して人生を楽しみましょう!

忘れ去られる正常歩行

2006-02-18 19:39:05 | Weblog
今日、面白いことがありました。

ある患者さんが、病院に定期健診に行った時の話しです。
その患者さんは、このところ股関節痛が無く、年1~2回海外旅行にも行かれています。現在70歳ですが、今は手術は考えていません。
先生がレントゲンを見ながら「具合はどうですか?」と患者さんに聞いたそうです。
患者さんは「このところ痛みも無く調子いいです。」と答えたそうです。
すると先生が「そんなはず無いでしょう。」と言ったそうです。
患者さんが調子いいと言っているのに・・・ですよ?変な話です・・・。
先生はレントゲン(骨の変形)の状態と患者さんの状態が一致しないので「そんなはずは無いでしょう。」と言ったのでしょうね。
この先生は、東京でも有名な先生の一人なんですよ。
レントゲンは骨と軟骨の状態しか見ていないわけです。人間の身体が骨と軟骨だけでできているならそれでいいのですが・・・。
つまり、レントゲン像と患者さんの症状は一致するものではないのです。
よく考えると当たり前のことです!
レントゲンだけを見て話す先生の言うことを素直に信じないでくださいね。
皆さんの心が傷つくだけですから。
皆さん、この事実を良く覚えておいてくださいね。実はこのような会話があったということは多くの患者さんから聞いています。
「あなたはうそを言ってる!」と怒られた患者さんもいましたよ・・・。
皆さん、このような先生がいましたらどうしましょうか?
先生に向かって文句を言える方は、堂々と意見してください。
そうしないと変わらないでしょうね。
なかなか先生に向かって文句を言えない方が多いと思います。
そのような方は、その先生にお尻ペンペンでもしましょうか?
それとも、先生に向かって「あなたはうそを言ってる!」とでも言いましょうか?
皆さんの判断にお任せします。
本当に困ったものです。
私はこのような現状を改善していきます。一人では微力ですが、皆さんが少しでも協力してくれると助かります。
微力+微力+微力+・・・・・となるといいですね。



今日は歩行についてのお話です。

股関節痛が出ると、その痛みから身体が逃げます。
その方が楽だから無意識に身体を逃がすのです。

股関節痛が長期間続くと徐々に“正常歩行”が身体と言うか“脳内”から忘れ去られていくように思います。
正常歩行ができる状態でも異常歩行の“くせ”が出てしまうようです。

正常歩行ができない状態の人は、今すぐに無理をして正常歩行に戻す必要はありません。時が来て、正常歩行に戻せるまで待ちましょう。
正常歩行ができるのに正常歩行を行っていない人は、正常歩行を思い出したほうが良いと思います。
皆さんの中には、正常歩行ができるのに今までの“くせ”や無意識な怖さによって正常歩行を忘れている人が多いかもしれません。

以下に正常歩行の簡単な学習法を書きますので、できるようならトライしてみてください。
できるかできないかの判断基準は“股関節痛”の強さです。
1度トライしてみて痛みが強い場合は、今あせって行う必要がありません。筋肉のお手入れ優先ですよ・・・と身体が教えてくれていると言うことですね。





正常歩行の再学習



①身体をまっすぐにして立ちます。
 正面から見ても、横から見てもまっすぐに立ちます。
 肩の高さは等しいのが理想です。
 片脚が短い人は、短いほうの脚だけにスリッパを履いて長さをそろえましょう。
 バランスを保つ為に、片手は軽く壁や机に触れてください。軽く触る程度です。

②左右に均等に体重をかけるように立ちます。
 鼻からまっすぐにおろした線が、両脚の真ん中を通ればよいと言うことです。

③悪い方の脚を一歩前に踏み出します。
 この時に、踵から地面に着くように意識してください。
 人間は足を踵から着くように決まっているのです。

④一歩踏み出した脚の膝は伸ばしたままで、徐々に一歩踏み出した脚にほぼ全体重をかけていきます。
 膝を曲げないで行うのがポイントです。
身体、特に骨盤を前に動かすように一歩踏み出した脚に重心を動かしましょう。
 一歩踏み出していた脚と身体が横から見て一直線になるところまで前方に体重をかけます。この時も両肩の高さが等しいのが理想です。
後ろの脚(良いほうの脚)は、軽く膝を曲げた状態となり、体重はほとんどかかっていません。

⑤ゆっくりスタートの位置に戻ります。(重心を後ろ脚に戻します)
⑥ ②~⑤を数分繰り返します。(少し疲れるまで)


この練習は正常な重心移動の練習です。一歩踏み出した段階では、良い方の脚にほとんど重心がかかっていたのが、④の段階では悪いほうにほとんど重心が移っています。
この練習では、常に姿勢をまっすぐに意識することが重要です。
正常歩行は、この重心移動の繰り返しなのです。
ですから、この重心移動の方法を反復練習して、“正常な重心移動”を脳に再学習させ身体で覚える必要があるのです。
身体が正常な重心移動を覚えた時、皆さんの歩き方が正常近づきます。
文字だけでの説明ですから、ご理解が難しかったでしょうかね?
また機会をみて説明しましょうね。




変形性股関節症を怖がらないでね






心の個人差

2006-02-17 11:44:34 | Weblog
私達は生まれる前に魂だったようです。
生まれるにあたって、修行課題を持って生まれてくるようです。
様々な科学的研究によってこのことが明らかになってきつつあります。
心身に障害を持っている方々というのは、魂のレベルが高いから生まれる前にレベルの高い(より困難な)人生の修行課題を自分に課して生まれてくるようです。

変形性股関節症でお悩みの方々もきっと魂のレベルが高い方々なんだなと思っています。皆さんの魂自身が決めた修行課題みたいです。頑張ってください。

私の魂はややレベルが低い様に思います。
患者さんに魂のレベルを上げてもらっているように感じます。
頑張なきゃ・・・。




身体の個人差の大きさについては今までも多く触れてきました。
身体に個人差があるように、心にも大きな個人差があります。
それはストレスを受けた時のストレス解消能力の差と言っても良いかも知れませんね。
これには遺伝も関係していると思いますが、考え方を変えるだけで心が改善できる人もいます。
私が治療をしていて感じることは、治療によって痛みが半減した時に“半分も良くなった、よし頑張ろう”と前向きになれるか“まだ半分も痛い・・・”と前向きになれないかの違いです。
また、“痛みは筋肉だったんだ”と思い前向きになれる方と“痛みは筋肉なんですか・・でも病院では骨の変形が・・・”と前向きになれないかの違いです。

前向きになれた人は、痛みがどんどん無くなり笑顔がどんどん増えるのに対し、前向きになれない人は痛みにさほどの変化が無く、笑顔がなかなか戻ってこないという傾向を感じます。
私は患者さんの表情を重視しています。心の状態は顔の表情に出るからです。
笑顔がどんどん出てきた人には、もう私の力はそれほど必要ではなくなります。
「笑顔の治癒力」とか「笑顔と治癒力」なんて本が出ていますが、笑顔が出ると自己治癒力も上がる事はよく知られています。
“心と身体”という言葉の表現をよく耳にします。
実は心と身体の間にはあるものが存在するのです。
そのあるものとは“自律神経”なのです。ちょこっと付け加えるなら“ホルモン”なんです。
人間が強いストレスを受けると病気を招くので、そうならないように自律神経とホルモンが調整役となり、人間を常に正常な状態に保とうとします。

この働きを恒常性(ホメオスタシス)と言います。

しかし、どんどん気分的に落ち込んでいくと、ストレスは溜まり自律神経とホルモンのバランスが崩れていくのです。そうすると様々な症状が身体に出るんです。この様々な症状を心身症と言います。
自律神経は交感神経と副交感神経からなり、交感神経は“興奮”の神経であり、副交感神経は“リラックス”の神経です。
正常な心身の場合、1日のうちで交感神経と副交感神経がシーソーのように何回も入れ替わっています。

しかし、ストレスが多くなると交感神経が1日中働きっぱなしになると言うような状態になります。交感神経は“興奮”で、血管を縮め、胃腸の働きを悪くして、心臓の働きを活発にし、白血球の中のリンパ球の割合を低下させます。
つまり、自律神経の状態によって、血管や内臓や血液の成分まで変わってしまうのです。
その結果、不眠症や胃の痛み、筋肉痛、高血圧、免疫力の低下などを招くのです。

筋肉の中の血管が縮みますので、筋肉の中の血液量が減り痛みが出やすくなります。これも股関節痛の大きな原因の1つだと考えています。

ですから、心を正常な状態に保つことが重要なのです。

私がこのブログを始めた理由は、皆さんの心が少しでも楽になっていただきたかったからです。それだけです。
私は身体を施術していますが、身体以上に心の施術を心がけています。
身体の施術だけでは股関節痛を軽減できない人の多さに気づいたからです。
皆さんの心のストレスを手っ取り早く軽くする方法は、自分の心にある不安や恐怖や怒りを言葉として吐き出すことです。このことは以前にも書きましたよね。
カタルシス効果です。

プールに行って、また、股関節患者さんの集まりに出て、とにかく自分の心の中のストレスを言葉として吐き出していただきたいと思います。
私は、患者さんの話を聞きます。患者さんに喋っていただきたいからです。心を軽くしていただきたいからです。そして、ほんの少し不安、恐怖、怒りの元となっていることに対しての、常識的な医学的説明を加えています。
病院では常識で考えると不自然な説明を受けてそれを信じ込んでいたり、自分で勝手に余計な不安等を抱えてしまっている患者さんには、常識的な医学的説明は効果的なことが多いです。
「あなたの痛みは股関節の軟骨や骨の変形によるものではなく、筋肉の痛みである可能性が高いです。その証拠について説明しましょう・・・・」ってな感じです。この言葉だけで痛みが軽くなる人が実際にいるのです。

鹿児島の加治木町に私が大好きなご夫婦がいます。
私の講演会で初めてお会いしたのですが、それはそれは暗いご夫婦でした。
ご主人が退職されて、これから二人で人生を楽しもうとしていた矢先に、奥様が変形性股関節症の診断を受けたのです。
二人の将来は真っ暗になったそうです。不安だらけだったそうです。
それが今では、二人ともすばらしい笑顔にあふれ、奥様は「ちょっと位痛くても、筋肉の痛みだからへっちゃら」と言い、レクリエーション指導員をやってます。
ご主人は料理教室に通い、私に笑顔で料理の話しをしてくれ、自宅では家事を楽しんでいます。
私と会う前に「これが最後の旅行だね。」と言った旅行にも出かけられるようになりました。
東京に泊り込みで治療に来られても、二人で美術館めぐりを楽しみ、東京に来た目的は・・・いったい?と言う状態です。
自慢ではないのですが、もしも4年前の講演会で出会っていなければ、お二人の人生は大変つらいものになっていたかもしれません。
本当に良かったと思います。ちょっと自慢入ってましたかぁ・・?
お二人は、あの講演会の前に「どうせまた手術の話しだろう・・・」と思って参加を渋ったそうです。しかし、出席してみるとまったく違う方向の話だけど納得できたそうです。
講演会の会場からは、杖無しで帰ったそうです。
心のコントロールは難しそうで簡単にできる人もいます。
確かに心にも個人差はありますが、できる限り心を楽にしてくださいね。
そして、病院や整骨院や整体院の先生を探す時には心を軽くしてくれる先生を選んでくださいね。
私がスパの世界に踏み込んだわけは、スパには身体も心も軽くできる要素がそろっているからです。
心を軽くする手段をスパのスタッフと共に考えながら教育にあたっています。


変形性股関節症を怖がらないでね




手術のお話し②   ~手術の後遺症~

2006-02-15 11:40:51 | Weblog
小学校の同級生の小杉盛文君はチョコが嫌いでした。
男らしくてかっこいいのですがチョコが嫌いでした。
バレンタインズデイになると小杉盛文君を思い出します。
私は、スパ各店の店長3人と、学校のアロマセラピストの先生から計4ついただきました。
「先生、10倍返しね」と言われました。
怖い・・・。



怖くない話しを・・・。
手術のお話し第2弾です。
私は、股関節の手術後の患者さんに、『手術には後遺症があるんですよ』と説明します。
皆さんも、1度じっくり考えてみてください・・・。



手術の後遺症
 
①手術では、軟部組織を切りますので、しっかりくっつくまでには5~6週間かか るでしょう。
②手術によって急に脚が長くなったり、短くなったりしますので、手術後しばらく は筋肉や神経や血管に異常が出てもおかしくありません。
③手術前の身体のバランスと手術後の身体のバランスが大きく変わる人がいます。
 手術によって身体のバランスが正常に近づくことによって、今まであまり使ってなかった筋肉に急激な負担がかかることが考えられます。
 痛みをかばった生活が長かった人ほど可能性が高くなるでしょう。
 痛みをかばうと、重心が偏ります。そうなると身体はバランスを良くする為に骨盤を傾けたり背骨が曲がることがあります。手術後は、重心が左右均等に近づきますので、傾いていた骨盤や曲がっていた背骨は正常に戻ろうとします。
 この時に、手術前にあまり使っていなかった筋肉に疲労性の痛みが出るのです。
④精神的な後遺症
 手術直後の入院中に「脱臼に注意しなさい」「感染症に気をつけなさい」「転ば ないように気をつけなさい」「・・・はやっちゃダメです」なんて言われて、退院後もビクビク生活して
 いる人がいます。 入院中は手術直後ですから、脱臼は気をつけないといけないのですが、自己治癒力がありますので、どんどん脱臼しない股関節になっていくのです。
 自分の自己治癒力を信じてビクビクしないでくださいね。
 それ以前に、病院の先生には、手術前の説明で「手術をすると何でもできるようになりますよ」と言っときながら、手術が終わると「あれしちゃダメ、これしちゃダメ」と言わないで
 いただきたいと思います。商売ではこれを“詐欺”と言います。ナンチャッテ。手術前には、手術後の状態も含めたインフォームドコンセントが必要だと思います。


「手術に失敗した」という方がいます。
一大決心をして手術を受けたのに、手術後の経過が思わしくないと精神的なショックは大きいでしょうね。
そのような方のほとんどは上記のような後遺症で悩んでいるのです。
後遺症もレントゲンに写らないからです。
病院の先生はレントゲンで骨を見て「手術は成功しています」と言います。

確かに手術は成功しているのです。しかし、手術の後遺症を見落とし、後遺症に対する治療がなされないのです。

皆さんの中に、手術が失敗したと感じている方がいましたら、筋肉のお手入れを考えてみてはいかがでしょうか?
何度も言いますが、筋肉のお手入れとは筋力トレーニングのことではありませんよ。筋肉を柔らかくすることが重要なんですよ。
手術前に筋肉の病気で痛みを感じていた人が、手術という骨だけをいじる行為だけで筋肉の病気が治るのでしょうか・・・・?治らないケースもあるでしょう?

「手術に失敗した」と考えていて、病院では「手術は成功しています。」と言われたら、落ち込まないで手術の後遺症を思い出して前に進んでくださいね{。
手術後の経過も個人差が大きいです。一人ひとり歴史が違うんですもん、当たり前です。手術後すぐに動ける人もいますが、手術後の経過は皆さんが思っている以上にゆっくりな改善なんです。「経過が悪い」のではなく「経過ってそんなもんなんです」なんですよ。

さぁ、元気を出して! 笑顔、笑顔。


変形性股関節症を怖がらないでね



軟骨のお話し

2006-02-14 23:01:40 | Weblog
前回に続き、手術の話しを書こうと思ったのですが、今日すごく感動することがあったので『軟骨のお話し』に変えました。

その話を書く前に、スパの話しを少しだけ書きます。
皆さんはスパをご存知でしょうか?
日本では“大きなお風呂”的に思われていたり、“エステ”的に思われていたりします。
どちらもまったく間違いではないのですが、本来は“治療の場”なんです。
西洋医学以外の医療を代替医療といいますが、スパは代替医療の分野に入ります。
スパは治療であり予防医学です。
私は、シンガポールブランドのスパ(原宿、横浜、ディズニーリゾートにあります)で教育担当をしており、この春からは別のシンガポールブランドのスパを日本で広げると共に、スパで働くスパセラピストを養成する学校を始めます。
いずれは、西洋医学と代替医療をうまく取り入れた統合医療を普及させようと思います。
例えば整形外科病院の隣にスパを置き、西洋医学でカバーできない分をスパで補っていく形です。同じような形で内科や心療内科や産婦人科も可能です。
現在私の療法をスパセラピストにも指導しています。今のところ女性限定ですが、男性の先生も育てて行きたいと考えています。
また、人間を全体的に診れる整形外科の先生も育てて行きたいと考えています。
そんなこんなで今は忙しい毎日です。



それでは本題ですが、今晩会議をしながら食事をしていたら、ある患者さんから携帯にメールが入りました。私の患者さんの多くは、携帯メールで予約や情報の交換をしているので、携帯メールがよく届きます。
そのメールを読んだら、しばらく涙が止まりませんでした。泣き虫なもんで。
その患者さんは股関節痛を抱え、仕事を辞めて、病院で手術を勧められ・・・精神的に落ち込んでいたようです。
初めてお会いしたのは今年の1月31日でした。それから2回の施術を行いました。
本日整形外科で股関節のレントゲンを撮ったら、先生が大きな声で『関節が緩んでるよ!』と言ってくれたそうです。昨年10月のレントゲン写真では見られなかった関節の隙間がちゃんと写っていたとのことでした。

私はその事実に感動したわけではありません。このようなことは結構多いからです。
私は、私の施術によってこのような良い結果を招いたと自信を持って言えます。
過去の多くの患者さんのレントゲン結果が私に自信を与えてくれました。

その患者さんがメールの中に“今日はうれしい1日でした”と書いていて、精神的につらかった時期があったけど・・本当に良かったね・・と感動してしまいました。
また、そのような患者さんが喜ぶような診察をしてくれた先生に感動しました。(その先生は、以前、“私が尊敬している先生”と書いた先生でした。)

股関節の筋肉は、股関節の上から出て股関節の下にくっついている筋肉が多く、股関節痛が出るほど股関節の筋肉が縮んでしまうと、結果的に股関節が上下から強く締め付けられるのです。
その結果軟骨は強い圧迫を受けたままとなり、その状態で日常生活を行うと軟骨が磨り減ってしまうのです、もしくは、圧迫が強いから軟骨がつぶれて磨り減ったように見えるのです。

このような軟骨への圧迫が強い状態では“軟骨軟化症”が起きます。
これが軟骨が磨り減る原因なのです。体重をかけるから軟骨が磨り減るのではありません!
私は、縮んで痛みを出している筋肉を直接ストレッチ(深圧マイオセラピーと呼んでいます)して、股関節痛を和らげていると共に、関節内の軟骨への圧迫を和らげています。
つまり、深圧マイオセラピーで筋・筋膜症候群という筋肉の病気を改善させると共に、軟骨軟化症という軟骨の病気を改善させているのです。

圧迫が緩んだ軟骨には自己治癒力も働きやすくなります。この時期にグルコサミン等の軟骨成分を多くとることは有効だと考えています。
しかし、強い圧迫を受けたままでは自己治癒力が働くどころか、軟骨軟化症という病気によって破壊力のほうが上回るので、軟骨成分をとってもあまり効果は期待できないと考えています。

皆さんが考えなければならないことは、自己治癒力による“再生力”と軟骨軟化症による“破壊力”のバランスです。

“再生力”が上回ると維持や改善が期待でき、“破壊力”が上回れば軟骨は磨り減るのです。よく考えると当然のことですよね?

一般的に“破壊力”を改善してくれる医療人が少ないので、変形性股関節症が進行性に見えるのです。
ですから、進行を止めようとしない人は、医療人として問題ではないかと思うのです。

皆さん、100%とは言いませんが進行は止められます。

筋肉が正常に近い状態では、脚に体重をかけても軟骨は減らないのです!

悪いほうの脚で片脚で立てて、強い痛みの無い人は脚に体重をかけても軟骨は減らないんですよ!
強く痛む人は、落ち込んでいる暇があれば筋肉のお手入れをしてくれる先生探しに・・GO!


変形性股関節症を怖がらないでね


手術のお話し

2006-02-04 16:44:24 | Weblog
今週はアメリカから先生を招いて、リンパドレナージュというセラピーの講習を行っていたので、かなり忙しくなってしまいました。
1週間ぶりのブログです。

今日は手術の考え方について書きましょう。

私は手術をすることに反対ではありません。しかし、手術はあくまでも最終手段であり、患者さんが時間をかけてしっかり納得し、自分で決意した時に行うものだと考えています。
「骨が正常でない人は手術」という考え方は間違いだと考えています。手術をするかしないかと言うことにはもっと多くの条件が関係しているように思います。
患者さんが納得して手術を希望される場合は、いろんな情報を与えて応援するようにしています。
また、患者さんの術後経過を良くするために、手術前後の筋肉のお手入れの手伝いをしています。
 しかし、患者さんが手術をしようかどうか迷っているうちは「手術をしないほうがいいですよ」と言います。
手術には可能性が低いとはいえ、リスクが伴うからです。

一例を挙げましょう。
ほとんどの場合、手術によって骨の長さ(脚の長さ)が変わります。
片脚が2~3cm短かい患者さんが、人工骨の手術をするとその日から2~3cm骨が長くなり、脚の長さの左右差が無くなります。
脚の長さに左右差が無くなることは素晴らしいことですが、骨が2~3cm伸びるということと同時に、神経や血管や筋肉も2~3cm伸びていると言う事実を理解しておかなければなりません。

何年間も縮んでいた神経や血管や筋肉は、手術日を境に急に2~3cm伸ばされるわけですね・・・神経や血管や筋肉には異常が出ないのでしょうか?

実は、手術に成功しても手術後に異常が出る人がいます。
確率は非常に少ないのですが、神経の麻痺が出る人がいます。
また、伸ばされたことによる筋肉の痛みが出る人がいます。
このような症状は未然に防ぐことは可能です。
手術前に、神経や血管や筋肉をストレッチして柔軟性を出してあげるだけでいいのです。術前にこのようなお手入れをしておくと、術後の経過が非常に順調に進みます。

手術後の筋肉痛が1年近く出ていた方がいました。病院では手術は成功していると言われていました。残念ながら手術前にお目にかかることができなかったので、手術後だけお手入れを手伝わせていただきました。
人工骨の手術をしたのに痛みが出るのです。
診察をすると、殿部の横と大腿部の筋肉の痛みでした。筋肉が引き伸ばされたような硬さが確認できました。

患者さんとしては、手術が失敗したのではないかと疑っていたようですが、筋肉が原因である可能性が高いことを説明すると安心したようでした。
結果的に、現在は痛みが無く、年に1~2回、忘れた頃に筋肉のお手入れに来る程度になっています。

手術の失敗はほとんど無いと思います。しかし、リスクはあるのです。
ところが病院では、「手術をすると何でもできるようになるよ。」みたいな説明しかされないことがあるので、手術後の状態にショックを受けることがあるのです。
患者さんも手術をすると、すぐに何でもできる様に考えている方がいますが、手術後の回復は以外とゆっくりで、手術直後は意外と脚は動かないものなんですよ。

手術をあせる必要はありません。どのような状況でもあせる必要はありません。
しっかり時間をかけて、いろんな先生の診察を受けて、十分検討してからでも遅くないと思います。


つづく

変形性股関節症を怖がらないでね



維持をほめてよ!

2006-01-31 16:12:51 | Weblog
皆さん、最近ほめられたことがありますか?

私なんか患者さんにほめられると、「そんなことはありませんよ。」とか言いながらも、心の中では『ムフフ・・・』なんて思ってしまうんですよね。
そして、益々やる気が出るものです。
皆さんもほめられるとうれしくてしょうがないと思うのですが・・・・ねっ。



皆さんが病院で定期的にレントゲンを撮ったとき、「レントゲン上は変わりないですね。」と言われたことがある人は多いと思います。

もしもその先生が、「変形性は進行性だから・・・」とお考えなら、レントゲン上で変わらないと言うことは素晴らしいことではないですか?

なぜ、「レントゲン上では変わりがありません。素晴らしいことです。この半年間よく頑張りましたね。」って言ってくれないのでしょうか?
そうすれば、患者さんは、この半年間の努力が報われたんだな・・・よし、この調子で頑張ろう!と言う気持ちになると思うのですが。

患者さんも、「レントゲン上変わりがありませんね。」と言われたら大喜びをしましょう。

変わらないことぐらい素晴らしいことは無いのですから。そして、一生変わらないことを考えればいいのです。
股関節のお手入れが十分できた時、良い方向に変わる方もいます。
しかし、それは付録と考えて、とにかく維持に努めましょう。

股関節の軟骨も、骨の形状までも良くなることは十分にあります。

日本で初めての人工骨の手術にかかわり、その後手術を多く行っていた先生がいました。その先生は現在手術を積極的に行うのを止めて、手術を行わない治療法に重点を置いています。
その先生が担当している患者さんのレントゲンを診たことがあります。

股関節の変形が見事に正常に近づいていました。実際は、骨の変形は止められるし、方法によっては骨も改善するのです。

私は、この先生の方法に若干の異論がありますので、普段患者さんには積極的に勧めてはいませんので、ここでもこれくらいにしておきます。しかし、この先生のことは尊敬しています。

股関節の維持は素晴らしいことなんです。
維持をほめてほしいものです。

『維持をほめてよ!!!!』

変形性股関節症を怖がらないでね




関節の動き

2006-01-28 18:02:32 | Weblog
26日は栃木で施術してきました。
その中の1人が、2月に手術をすることになりました。私も背中を押しました。

その方は2年前に激痛がひどくて手術を希望して病院に行ったのですが、担当の先生が体調を崩され診察ができなかったため、紹介にて私のところに来ました。

手術を考えているレベルなのに、初診時に笑顔があふれていたのには驚かされました。すごい人だと尊敬しています。
診察では左の中殿筋がつってしまったような症状でした。
皆さんもふくらはぎがつったことがあると思いますが、同じような症状が左のお尻に出ていたのです。それも長期間。“こむら返し”ではなく“お尻返り”ですね。
これが筋肉の病気なのです。
中殿筋とその奥にある小殿筋を中心に施術しました。
現在強い痛みは無く、歩き方も良くなり歩行スピードがかなり改善しました。
小旅行にも出かけられるようになりました。

私はこのまま手術をしなくても、十分日常生活ができると考えていました。
しかし、この患者さんと付き合っていくうちに、この方の“生き方”として、現状では十分満足できないかも知れないと思うようになりました。

痛みが取れて、かなり動きけるようになったのですが、この患者さんはもっともっと広い範囲で動きたい人なのです。
その様に思っていた頃、『先生、私手術しようと思う。』と言ってきました。
私は、『あなたの“生き方”を考えるとその方が良いかも知れませんね。』と言って背中を押しました。
患者さんは『手術の話しをすると、先生に怒られると思った。』と言いましたが、私の基本的な考え方は、患者さんの望む施術、指導を行うことなのです。

この方は、2月中旬に、信頼している先生の下で手術をします。私は、手術前後の考え方、人工骨を長持ちさせる為の今後の方針をお話しさせていただきました。
そして、4月末に術後の施術を開始する約束をしました。
人工骨の手術をすると決心した以上、人工骨を20年も30年も長持ちさせる為に、この患者さんとはこれからも長い付き合いになると思います。

さて、本題です。
皆さんの中には、股関節の動きが悪い人がいると思います。
なぜ股関節の動きが悪くなるのでしょうか?

骨の変形の為に動かなくのでしょうか?・・・答えは、ほとんどNO!です。
変形性股関節症になると動きが悪くなるものなのでしょうか?・・・答えはほとんどNO!です。
股関節は進行性だから何をしても無駄・・・と言う考えがあるからかもしれませんが、股関節の動きが悪くなるのを誰も止めようとしないからです。

はっきり言っておきます、股関節周囲を温めてストレッチするだけでは、股関節の動きが悪くなるのを防ぐのは困難です。

私も20年以上前からの10年間は、ホットバックで温めた後ストレッチを行っていました。今でも一般的に行われている関節可動域訓練です。
これは温めた後の間接的ストレッチですから効果が小さいのです。
もしも、股関節の動きの悪さの原因が筋肉である可能性があれば、直接ストレッチを行うべきです。
(間接ストレッチと直接ストレッチについては1月20日のブログを読んでください。 )

一般的に関節の動きが悪くなるのは軟部組織の問題だと考えます。
つまり、筋肉や靭帯などに問題があると考えます。これは常識です。

軟骨のすり減りが関節の動きを悪くすることは無いでしょう。
骨と骨が当たって関節の動きが悪くなることは有り得ますが、ほとんどの人は骨が原因ではありません。

股関節に限らず、関節が硬くなる最初の原因は筋肉です。
筋肉の病気によって股関節をある方向に動かすと激痛が出た場合、ある方向に動かすと痛いものですから、ある方向には動かさなくなります。

その時に痛みを取ってあげれば、またある方向に動かせるようになるのに、その時に痛みを取ってくれる人がいないと、長期間ある方向には動かさなくなります。
この状態が、4~5年も続くと、筋肉は縮んでしまい、靭帯まで硬くなって、結果として股関節がある方向に動かなくなるのです。

筋肉をほぐしてあげると、2~3年間動かなかった関節も動くようになる場合があります。ほぐしてみないことにはわからないことですが、筋肉だけの問題で股関節が動かなくなっている人は、かなりの確率で股関節の動きは良くなります。

私は、股関節の動きを悪くしない為に筋肉の痛みを取っているのです。

筋肉の痛みが主な原因である股関節痛は、関節の動きを悪くするし、筋力も落とすし、心を蝕むんですね・・・・かといって、股関節痛をうらんだら心に悪いんですよね・・・股関節痛は一見悪者だけど、皆さんに『今はあまり無理してはいけませんよ。』と教えてくれているんだなと考え、股関節痛を許しましょう。『股関節痛、ありがとう。』という気持ちになれれば、何かが変わるのかもしれませんね・・・?無理なことでしょうか・・・?

そういえば、かつてアメリカに感覚の無い人がいたそうです。痛みも何も感じないのです。これは人間にとって大変危険な状態なのです。その人は29歳までしか生きられなかったそうです。皆さんは納得できないとは思いますが、本当は痛みを感じることに感謝しないといけないんですね。
私もかなり強い腰痛に3年間苦しんだことがあります。その時は『腰痛、ありがとう』なんて思えませんでした。ですから、皆さんの気持ちもわかるつもりです。現在、腰の軟骨がまったくつぶれてありません。第5腰椎と仙骨がくっついてしまい、大きなヘルニアもあります。しかし、今は普通に生活しています。骨が原因でしたら、いまだに激痛が続いていると思います。

皆さん、股関節の動きを今の状態で維持、改善したければ、痛みが出たらすぐに痛みを取ることを考えていただきたいと思います。

股関節の動きを悪くするもう一つの原因は、“心のトラウマ”です。
患者さんは、股関節をある方向に動かすと激痛を感じた経験が怖さとなっていることがあります。すでに痛みが取れて動かすことができるのに「またあの時の激痛が出るのが怖くて・・・」と言います。このトラウマを取り除くことは、意外と困難です。しっかりした筋肉の施術を受けて激痛が取れたなら、そう簡単には激痛が出ることは無いので怖がらないで動かしていただきたいのですが・・・。

動かしても大丈夫なんだなという経験を多く持たせて自信をつけされるのが良いのでしょうか}・・・いまだに悩んでいることの一つです。患者さんの性格にも関係してるとは思いますが・・・。

股関節の動きが悪くなっている原因の追究と、絞り込まれた原因に対する有効な治療法を見つけて行うことが重要ですね。
温めてストレッチを行うと言う古いやり方はもう考え直す時期に来ていると思います。


変形性股関節症を怖がらないでね






筋力トレーニング②

2006-01-27 00:28:25 | Weblog
実は私には別に本業があります。
これから4月にかけて、死ぬような忙しさを迎えます。
本業の空き時間に患者さんを診ています。

本業を今後10年間に全国展開するつもりですので、全国に行けるのを楽しみにしています。

私は海外が苦手で、日本が大好きです。今までに行ったところで良かったのは与論島です。小さい頃、和歌山の日高川でよく潜っていました。その影響で海で素潜りをするのが好きなもんで、いろんな海に行きました。
今は与論の海が好きですね。

では本業に戻りましょう・・・じゃない。

私は「○○の運動を何回やりましょう」と言うトレーニングはほとんど指導しません。

よほど関節の動きがよく、筋肉が正常に近い状態でないと言えないことだからです。
「筋力トレーニングをやりましょう」というには、かなりの時間患者さんの身体を診ないと言えないし、指導法によっては逆効果になります。
ですから、筋力トレーニングを重視している患者さんには私の指導は物足りない人もいるようです。

皆さんの足関節(足首)を守ってくれているのは、ふくらはぎの筋肉です。皆さんの膝関節を守ってくれているのは、ももの筋肉です。では、皆さんの股関節を守ってくれている筋肉はどこにあるのでしょう?股関節を守ってくれている筋肉をトレーニングすることが、股関節の筋力トレーニングのポイントとなります。

股関節を守ってくれている筋肉は、主にお尻にあります。
この筋肉にコリができた状態を“尻コリ”と言います・・・・誰も“尻コリ”なんて言いませんが。

“肩こり”とは、肩の筋肉にコリがある状態です。ももの筋肉にコリがあれば“ももコリ”、お尻の筋肉にコリがあれば“尻コリ”なんです。ただ、誰もそのような言葉を使わないだけです。ももやお尻に失礼です!

お尻のふくらみは主に筋肉です。脂肪も多い人がいるとは思いますが、主には筋肉なんです!

お尻の筋肉で代表的なのは、大殿筋(だいでんきん)と中殿筋(ちゅうでんきん)でしょう。お尻のことを専門用語では殿部(でんぶ)と言います。
後ろから見てお尻の大きなふくらみが大殿筋、お尻の外側で腰骨の下にあるのが中殿筋です。

一般的に、大殿筋のトレーニングはうつ伏せに寝て脚を上に挙げる運動として指導され、中殿筋は横向きに寝た状態で脚を上に挙げる運動として指導されます。

では、大殿筋と中殿筋は他の方法ではトレーニングできないのでしょうか?

大殿筋と中殿筋に対して一般的に指導されるトレーニング方法は、脚が地面についていない方法で指導されています。また、大殿筋は股関節を伸展(シンテン:立った位置で片足を地面から浮かして後ろへ動かすこと)する筋肉だと、中殿筋は股関節を外転(ガイテン:立った位置で片足を地面から浮かして外側に開くこと)する筋肉だと説明されています。

人間は地面に足を着けて歩きます。では、足を地面につけている時に大殿筋や中殿筋は働いていないのでしょうか?

右足に体重をかけた時に、右側の股関節は大殿筋や中殿筋の収縮によって守られているわけですから、いちいち足を浮かして後ろに動かしたり、横に開いたりしなくとも筋肉はしっかりトレーニングができているのです。それも皆さんの体重を支えるくらいの強いトレーニングをしていると言うことなんです。
このことは非常に重要なことです。

もっと詳しく話しをしましょう。右足に体重をかけた時に、右の大殿筋は“背すじを伸ばす”働きをします(背筋と同じ働きです)。つまり、大殿筋は足が地面から浮いている時は股関節の伸展運動を、脚が地面についている時は背すじを伸ばす運動をするのです。
同様に、中殿筋は足が地面から浮いている時は、股関節の外転運動をし、足が地面についている時は骨盤を水平に保つ運動をするのです。
一般的に説明されている足が地面から離れている時の大殿筋や中殿筋の働きに対して、足が地面に着いている時の大殿筋や中殿筋の働きをカウンタームーブメントと呼びます。
筋肉は脚が地面についているか、離れているかによって働きが変わると言うことです。

と言うことは、しっかり脚に体重がかけられるようになり、背すじが伸びて、骨盤が水平になるように立てれば、また歩ければ大殿筋と中殿筋の筋力トレーニングができていると言うことになります。

皆さんが歩いていて片足に体重をかけた時、背すじが前に曲がる人(股関節が硬くて常に曲がっている場合は別)は大殿筋が弱く、肩が左右に揺れる人は中殿筋が弱いと言えます。大殿筋は背すじを伸ばす筋肉ですから、大殿筋の筋力が低下すると背すじが曲がる(腰が曲がるとも言います)のです。

背すじが曲がると、バランスをとるために両膝を曲げるし、手を腰の後ろに持っていこうとします・・・こういう方がいますよね・・・。
大殿筋の筋力低下のために背筋が伸ばせなくと・・もう一つの背すじを伸ばす筋肉・・・背筋が一生懸命働くようになります。これが腰痛や背筋痛の原因にもなるのです。

中殿筋は、骨盤を水平に保つ働きがあると言いましたが、筋力が低下すると骨盤を水平に保てなくなる為、骨盤が上下に動いてしまい、肩が左右に揺れてしまうのです。

片脚で立った時の大殿筋と中殿筋の働きの見方

もしも痛みが少なく片脚で立てるようでしたら試してみてください。
ほんのわずかでしたら、安定のために机や壁につかまっていただいても結構です。

●片脚で立った時に背すじが楽に伸びている人 → 十分な大殿筋の筋力があります。
●片脚で立った時に両肩の高さが等しい → 十分な中殿筋力があります。

両方の筋肉が十分あるのであれば、わざわざうつ伏せで脚を挙げたり、横向きで脚を上に挙げたりするトレーニングをする必要は無いんじゃないですか?

私は上記の2つの●の運動ができない人には、大殿筋と中殿筋のトレーニングを指導することはあります、そう、寝た状態で行うトレーニングです。でもそう人は意外と少ないんですよ。

片脚に体重をかけられる身体になること、これには股関節痛が邪魔していることが多いので、私は股関節痛を取ろうとしているのです。

うまく股関節痛が取れると、大殿筋や中殿筋がしっかり働きます。脚に体重をかけると大殿筋や中殿筋が股関節を守ります。その結果、脚をかばう必要が無くなり、日常生活だけで筋肉も骨も強くなるんです。その方がが自然で簡単なトレーニングだと思いませんか?

「あー、今日もトレーニングをやらなかった・・・」なんて落ち込むことも無くなりますよ。


変形性股関節症を怖がらないでね





筋力トレーニング①

2006-01-25 23:58:23 | Weblog
株を買う人が増えていますね。
私も朝デニ中に新聞を見ていて、「買いだ!」と言う銘柄をいくつか見つけます。
しかしその度に「金が無かったんだ・・・」と思うんですよね。
これは冗談ではなく、いつもそうなんだよね・・・。
原因を追究しなくては・・・・トホホ。


気を取り直して・・・。

すべての人に筋力トレーニングが効果的ではないということはすでに説明しました。筋肉の状態(正常なのか異常なのか)によって筋力トレーニングが効果的だったり逆効果だったりするってことでしたよね。

脚が“重い”は黄色信号、脚が“痛い”は赤信号でしたよね。脚が重いときの筋力トレーニングは注意が必要です。脚が痛いときの筋力トレーニングは逆効果になる時が多いです。
また、薬で痛みを抑えて筋力トレーニングをすることは逆効果になる時が多いです。

あまり“筋力トレーニング不安症”にならないでくださいね。
皆さんは“日常生活”という筋力トレーニングを毎日行っているのですから。

これから、筋力トレーニングの考え方を説明しますが、上記のことを原則として考えください。

以下に私が説明する筋力トレーニングとは、筋肉が正常に近い状態の時に行ううえでの考え方であると言うことを前提にしています。

筋力トレーニングについて理解するには、2種類の筋肉について理解しておく必要があります。

筋肉には2種類の筋線維があります。



①赤筋(せっきん)=遅筋(ちきん) =タイプⅠ線維
②白筋(はっきん)=速筋(そっきん)=タイプⅡ線維

いろんな呼び方がありますが、ここでは覚え易いように赤筋、白筋と呼ぶことにします。この2種類の筋線維を理解できると筋力トレーニングの効果的な方法がご理解できると思います。


赤筋と白筋の特徴

赤筋と白筋は皆さんの筋肉の中に様々な割合で存在しています。その割合が一人ひとり異なるのです。このことが大きな個人差を生んでいる原因の一つです。

①赤筋
陸上で言うと、長距離選手向きの筋肉です。ジーと立ってる時や座っている時にも活躍します。
あまり強い筋力は出ませんが、収縮できる時間(回数)が長いのです。つまり瞬発力よりも持久力に向いた筋肉です。
この筋線維の割合が多い人は、筋肉が疲れにくいと言うことです。

この筋線維を鍛える為には、あまりきつくない負荷の運動、わかりやすく言うと長時間続けられる運動を行うことです。
マラソン選手には、筋肉の持久力が必要ですから長時間できる運動方法で鍛えているのです。長距離の走り込みがそれに当たります。

皆さんが行っている運動では、プールでのウォーキング、陸上でのウォーキング、自転車こぎ、軽い重りを使っての回数の多いトレーニングなどです。
これらの運動では、筋肉が太くなりにくく、脚が太くなりにくいのです。
従って、細くなった脚を太くする目的で、プールでのウォーキングをやってもあまり効果は期待できません。目的と効果的なトレーニング法が異なるのです。まったく効果が無いわけではありません、持久力を鍛える運動でも、瞬発力にも効果があるという研究報告はあります。しかし、脚を太くするという目的であれば、もっと効果的な方法はあるんですよ。



②白筋
陸上で言うと、短距離向きの筋肉です。動く時に活躍します。
この筋線維の割合が多い人は脚が太くなります。
強い筋力は出ますが、収縮できる時間(回数)が短くなるのです。
つまり持久力よりも瞬発力に向いた筋肉です。
この筋線維の割合が多い人は、筋肉が疲れ易くなります。
この筋線維を鍛える為には、強い負荷の運動、わかりやすく言うと短時間で疲れてしまう運動を行うことです。
短距離選手は、筋肉の瞬発力が必要ですから短時間で疲れるような負荷の強い運動方法で鍛えているのです。トレーニングジムにあるような重い重りを使って鍛えることもあります。

皆さんが行っている運動では、10~15回行うと限界になるような筋力トレーニングがこれに当たります。

これらの運動では、筋肉が太くなり、脚が太くなるのです。



以上は、人間の体の中の一部である筋肉のことに関するトレーニングでしたが、
もう一つ大事なトレーニングがあります。
それは全身持久力(体力)のトレーニングです。

全身持久力(体力)を鍛えるトレーニングの目的は、筋肉の持久力も関係していますが、それよりも肺と心臓を鍛えることになります。肺活量と心臓の壁の厚さ(心筋の大きさ)を鍛えると言うことです。

これは長時間できる全身運動を疲れるまで行うというトレーニングです。カロリー消費に向いたトレーニング法ですね。
マラソン選手は、全身持久力と筋肉の持久力の状態が良好な時に良い記録が出るのです。いくら肺活量があって、心臓の壁が厚くなっていても、筋肉が疲れているとレースの途中で筋肉の持久力が限界になって走れなくなるのです。
ですから、スポーツ選手も常に筋肉を正常にしておかないと、良い記録が出ませんしケガにつながるのです。

話しがややこしくなってきましたが、大切なことはトレーニングができる状態かどうかを判断することと、トレーニングの目的を明確にすることです。

病院の先生がそこまで考えて「筋力トレーニングをしてください」と言っているのであれば、私は何も言いません。筋力トレーニングができる状態かを診察で判断しないといけないのです。

また、皆さんもトレーニングをやるのであれば、現在の身体の状態をよく把握しないといけませんし、どのような目的でトレーニングするのかを明確にしないといけないと言うことです。

個人差の大きな方々が集まって集団トレーニングすることの矛盾もご理解いただけると思います。集団トレーニングを行う時は、無理にあわせないで、限界に近づいたら動きを止めることも必要です。
皆さんが集まっていろいろ話しをしながら一緒にトレーニングを行うと良い気分転換になりますから、集団トレーニングの目的も考えないといけませんよね。良い面もあるのですが、悪い面も理解しておいたほうが良いと思いますよ。

皆さんがトレーニングを行うのは、脚を太くしたいからですか?筋力を維持したいからですか?疲れにくい筋肉にしたいからですか?減量をしたいからですか?気分転換がしたいからですか?

先生に言われたから?筋肉がどんどん弱くなっていくと考えているから?トレーニングをやらないと不安だから?・・・そのような考え方は徐々にゴミ箱にポイです。
できればですが・・・。

ちょっと難しかったですかね?トレーニングについての考え方は大切ですから、後でも触れていきましょうね。


変形性股関節症を怖がらないでね





カウンセリング

2006-01-24 01:06:14 | Weblog
「モンロー研究所」「飯田史彦」「坂本政道」「スウェーデンボルグ」「生まれ変わり」
この単語をすべてご存知の方は、魂の存在を当然のように信じていることでしょう。私達の身の回りでおきることに偶然はなく、すべて必然なのです・・・ナーンチャッテね、どうしたの急に?


『人間には身体があります。その上に心があります。さらにその上に魂があります。身体を治すには心が病んでいたのでは治らない。心を治すには魂が病んでいたのでは治らない。』

私はこのような考え方を持っています。魂のことについても少しは勉強をしましたが、このことをいきなり話すと変人扱いされるかもしれないので、患者さんからそのような話が出た時だけしか話はしません。(事実変人だったりして・・・)
魂のことを潜在意識と置き換えてもいいのかもしれません。この分野についてはまだまだ勉強不足なので、知ったかぶりはやめておきましょう。


変形性股関節症患者さんは、身体に問題を抱えています。しかし、それ以上に身体の上にある心が病んでいる人が多いと思います。(一般的に心は脳の中にあると説明されています)

今まで書いてきたように、心が病んでいる原因のほとんどは病院にあったのです。
(本当は病院ではなく、あなたの心の中にあったのです・・と言う人もいるかも知れません・・・・が)

私は心理学をきっちり勉強しているわけではありませんので、参考程度と言う前置きをしておきます。

私の診察を初めて受けに来られた患者さんは表情が暗く、泣き出すケースが多々あります。
皆さんかなり心が追い詰められているのですね。そういう時には、患者さんの話をじっくり聞くようにしています。
人間は心にストレスを抱えた時、そのストレスを外に吐き出す方法を持っています。この方法が“しゃべる”と言うことです。心のストレスを言葉にして、身体から吐き出すことが効果的なストレス発散法だということです。

そういう意味では、変形性股関節症患者さんが会を作って、集まって様々な話をすることは良い事だと思います。そのような会に入っている人は、会に出席した時に自分の心にあるストレスを言葉にして吐き出しまくってくださいね。
ただ人の話しを聞いているだけでもいいのですが、できれば吐き出していただきたいと思います。

心理学では、言葉によるカタルシス効果と言い、心に溜まった様々なストレスを思い描いて言葉として表わすと、言葉と共に「心に溜まっていたストレスが排出」され、心の緊張がほぐれるそうです。
私は、患者さんの筋肉をほぐしながら心もほぐしているということですね。

私が行っている患者さんの心のほぐし方を簡単に説明しましょう。(カウンセリングのポイント)



1、聞き上手に徹する
 自分のことはしゃべらないで、聞き役に徹する。
 意見を聞かれたら手短に答える程度。
2、相手の話を肯定的に、興味を持って素直に聞く
3、相槌を打つ
 肯定的な相槌だけを使う 例)「ハイ、ハイ」「エー、エー」「ソウ、ソウ」
4、逆接の接続詞は使わない
 「でも」「しかし」「けれど」は使わない。「わかる、わかる」も使わない。
5、評論、助言は避ける。
 「その人の心は。その人にしかわからない」ので、医学的な説明以外は助言も避けるようにしています。

私は、患者さんの心を治療することの重要性に気づいた時、カウンセリングについての本を読み漁りました。その本に書いていたことは、『プロの聞き手は、聞き役に徹するために、相槌が多く、自他の区別があり、自分から話をしないものです。ベテランのカウンセラーになるほどしゃべらないものです。』と書いていました。

「なんだ、簡単なんだ。あまり難しく考えなくてもいいんだ。」と思いました。
こんなことを書くと、プロのカウンセラーの先生に怒られるかもしれませんが・・・ごめんチャイ。

ですから、皆さんも現在抱えている心のストレスを誰かに聞いてもらいましょう。

聞き上手な人っていますよね。そんな人が近くにいるといいですね。
ご主人や娘さんのような身近な人が聞き上手な人だといいですね。

人ってついつい自分のことを話したくなるように思いますが、私なんかもともと、医学以外のことは話をするのが苦手だったので、聞く方が楽です。
目指せ“相槌名人”です。

もしも、変形性股関節症患者さんが身近にいるという方は、聞き役に徹してあげてください。

皆さんも心に溜まったストレスを言葉にして誰かに聞いてもらいましょう。心に溜まったストレスをうまく排出できた時、他の患者さんの話を聞いてあげられるようになるんですよ。



変形性股関節症を怖がらないでね

 





インフォームド・コンセント

2006-01-23 10:27:35 | Weblog
先週の土曜日、東京にも雪が降りました。初めての雪らしい雪でした。
ほんの少しの雪でも交通機関が麻痺し、歩くのも大変ですね。
雪の多い地方の皆さんは大変でしょうね。尊敬いたします。
私の患者さんには札幌の患者さんが1人だけいますが、雪の多い日は脚が挙がらなくて歩けないんですよ・・と言っていたのを思い出します。

雪なんかに負けるな!



病院の先生が患者さんに様々な情報を与えて、その情報を患者さんが理解したうえで治療を行うことをインフォームド・コンセントと言います。

「インフォームド・コンセントが重要です。」と雑誌とかで言っている先生の診察が、患者よりも研修医への説明ばかり・・・なんてことがありましたね・・・。

病院の先生の中には、患者さんのためにもっと時間をとって、十分な説明をしながら診療を進めたいと考えている先生は意外と多いようです。
しかし、あまりにも患者さんが多く、一人にかけられる時間が制限されるので、先生方もかなりイライラしていることでしょうね。病院の先生もきっとつらいんでしょうね・・。
そんな状態ですからハラスメント的な言葉も多くなるのだと思います。患者さんに非常に評判の悪い先生の講演会を聞きに行くと、意外と優しそうな先生でびっくりしたことがあります。また、患者さんに評判の悪かった先生が、他の病院に移られた途端に人が変わったようにやさしくなることもありました。
逆に、私が長年付き合っていて先生の性格が優しい人だと知っていて、患者さんからも尊敬されていた先生が、病院が変わったら急に患者さんの評判が悪くなった先生もいました。病院の環境と言うか、忙しさによって先生も変わるのかも知れませんね。

これは、医療保険を扱っている以上、ある程度仕方が無いのかもしれません。
しかし、医療保険適応でありながら、診察時間をたっぷりとっている病院もあるのです。患者さんの数を制限すると言うことは、経営的には許されないことですが、
病院全体の経営能力のある病院ではそれも可能かもしれません。医療保険を扱うのであれば、病院全体として患者さん一人ひとりにかけられる時間を多くするような努力はしていただきたいと思います。

残念なことですが、皆さんも保険治療に対する考え方を変えた方が良いのかもしれませんね。保険治療に診療の質を求めてはいけない。安い医療費では、質の低い診療しかできないと・・・・どうも現代の医療現場を見ていると、そう考えざるを得ないような気がします・・・。

最近では、保険外診療の病院もできています。お金はかかります。お金をかければかけるほど良い診療が行えるとは思いませんが、納得の行く診療をしていただけるのであれば、多少高くても通いたくなる人は多いのではないでしょうか?

私も腰痛で悩んでいる時に、一度保険外治療の先生にかかりました。診療時間は確かに長かったと思います。神経ブロックをして、十分休んで帰ることができました。しかし、結果は・・腰痛に変化はありませんでした。

私も保険を使うことはできます。以前は保険を扱っていたこともあります。
保険を扱うと、ある程度数をこなさないといけない状況でした。
ところが、鹿児島や大阪から患者さんが来ると、10分~20分の診療で帰すわけにもいかず、かといって近所の方々との差をつけるわけにも行かず、不完全燃焼の施術となってしまいストレスタマリンになるので、保険を扱うことはやめてしまいました。

現在は一般の料金よりも高い施術料で施術していますが、時間を十分にかけることができ、患者さんの話をゆっくり聞く時間も十分取れるようになりました。
治療費が上がり、患者さんに怒られたこともありました。患者さんの数も減りました。しかし、私としてはこの方法を選んでよかったなと思います。
おかげで、心の治療の大切さを再認識できました。


私は、変形性股関節患者さんの施術の基本は60分~90分は必要だと考えています。
股関節の周りだけ施術すればよいと言うものではないからです。
初診の方にはさらにカウンセリングの時間を設けますので、初診時には90分~120分かけることもあります。

インフォームド・コンセントには時間を必要とします。
例え病院が混んでいても、皆さんは、時間など考えずにご理解できるまでしつこく質問をしていただきたいと思います。特に手術前後に関する情報は、しっかりご理解できるまで質問したほうが良いと思います。その為には、皆さんも自分の病気に関する情報を集めて勉強をする必要があると思います。

インフォームド・コンセントは必要です。しかし、もっと大切なことがあると思います。それはカウンセリングだと考えています。
私は最近カウンセリングに時間をかけるようにしています。患者さんと椅子に腰掛けてカウンセリングすることもありますが、施術をしながらカウンセリングを行うこともあります。
カウンセリングと言うと難しく感じるかもしれませんが、簡単なカウンセリングであれば、誰でもできるのです。ご主人でも、友達でも・・・皆さんが友達のカウンセリングもできます。カウンセリングの考え方について次回説明しましょうね。



変形性股関節症を怖がらないでね



メディカル・ハラスメント

2006-01-21 12:46:38 | Weblog
今朝、何気なくスポーツ新聞を読んでいたら、変形性股関節症に関する特集が組まれていました。
その中で治療法としては『「手術」と「保存療法」がある。「保存療法」としては、「薬物療法」「食生活の改善」「運動療法」「温熱療法」がある。』と書かれていました。

「薬物療法」→消炎鎮痛剤と筋弛緩剤
「食生活の改善」→腹八分で減量
「運動療法」→1日30分くらい歩くといい(水中とは書いていません)
「温熱療法」→ホットパックやレーザーで温める方法もある
そして最後に、筋力をつける方法として水中ウォーキングを勧めていました。

このような記事を読んで、さっそく30分ほど歩く方がいるんでしょうね?
大丈夫でしょうか・・・???
私の考えを付け加えておきます。



「薬物療法」、の消炎鎮痛剤は、免疫学的には“消炎鎮痛剤を飲むと、返って痛みが取れない身体になる”と言われていますよね。副作用のある筋弛緩剤を飲むくらいなら、筋肉を直接ほぐしたほうが良いと思いますが。筋肉の病気には意外と筋弛緩剤も効果が出ないんですよね。
 この新聞では、『単純に痛みだけを取ってしまい、痛みの無い状態で動くと、返って股関節の状態が悪化し、痛みも増えることがあるので消炎鎮痛剤の使い方が難しい・・』と書かれていました。これは重要なことです!
でも、違うんですよぉ・・・考え方が・・まず、炎症性の痛みか阻血性(循環が悪くなっている為の)の痛みかをしっかり診察しないといけないんですよ。
股関節に強い炎症があれば消炎鎮痛剤も効果があるでしょう。しかし、強い炎症があるのなら、安静が必要でしょう。また、阻血性の痛みなら“消炎”させる必要もないし、筋肉の病気があると言うことですから、痛みを抑えて動くと筋力が出ない状態で股関節に負担をかけるわけですから、股関節が傷んでしまうんですよ!阻血性の痛みなら、循環を良くする為に筋肉をほぐして温めないといけないんですよ。
「薬で痛みを抑えてどんどん運動しましょう」と指導している先生がいますが、大間違いです!こんなことしたら、どんどん股関節は悪化しますよ・・・くやしー。
私は、偏頭痛で動けないくらい痛みが出た時期がありました。イブA錠と言う薬を飲むと楽になったので、しばらく飲んでいました。しかし、一時話題になった安保先生の「免疫革命」を読んでからは薬を飲むのを止めました。その効果なのか、今はほとんど偏頭痛はありません。当時と比べてストレスが少なくなっただけかもしれませんが・・?
股関節のつらい時に薬を止めなさいとは言いませんが、痛みが取れても動く量は抑えて、冷静に股関節の触診をしてみてくださいね。

「食生活の改善」、減量は余り気にしてほしくないんですよね。と言うのは、体重が増えると筋力も増えるからなんです。体重を支えているのが筋肉ですから、体重が増えるとその体重を支える為に筋力も増えるのです。
ただ、急激に太ると筋肉の向上が追いつきませんので注意が必要です。
また、痛みなどの原因であまり動けない時期は減量というよりも、増量しないように気をつけたほうがいいですね。
実は、水中ウォーキングは筋力強化には余り効果はありませんが、減量には効果があるんですよ。専門的に言うと、“負荷が少なく長時間できる運動”では、筋力ではなく体力(心臓と肺の強化)の訓練になりカロリーが消費されるのです。
運動生理学を勉強している人には常識的な話です。
水中ウォーキングは“少し疲れるまでやる”のが目安でしょうね。30分とか40分とか時間を決めるのは危険です。日によって体調も違うし、何よりも個人差が大きいですからね。また、水中ウォーキングの欠点として体が冷えることがありますので気をつけてください。

「運動療法」、実は私も陸上でのウォーキングは良いと考えていますが、“筋肉が正常であり、生活の中(買い物とか映画を見に行くとか・・・)で行うウォーキング”しか勧めません。
筋肉が正常に近い状態であると私自身の手で確認できた人にしか勧めません。

「温熱療法」、自分で股関節を触診して激痛が無かった人(炎症の無い人)には、温めることは効果的です。しかし、強い炎症のあった人には逆効果です。温めて気持ちよく痛みが楽になるかどうかで判断してください。風呂に入って痛みが楽になる人には、強い炎症はありません。


しかし、この新聞の記事によると炎症を取る薬を飲まされたり、プールで冷やしたり・・・温めることは良いことですって言ったり・・・曖昧ですね。

有名な先生が書いているようなのですが、このような記事を鵜呑みにはしないでくださいね。

そろそろ本題に・・・
ハラスメントと言う言葉は一般的になっていますね。

数年前、内科の先生が『ドクターハラスメント』と言う本を出されましたが、皆さんは読んだことがありますか?
診察の時に先生が発する言葉の暴力による嫌がらせのことです。
ガンの患者さんでは、このようなハラスメントで精神的に落ち込み、免疫力が低下するので、ガン治療には逆効果になるのです。変形性股関節症でも同じですよ。自然治癒力が低下するんですから・・・。

私はドクターではありませんが、私もハラスメントを行う可能性がありますので、言葉には気をつけているつもりです。私としては、患者さんを勇気づけるつもりで言った言葉でも患者さんにとってはハラスメントと受け止めることがあるかも知れません。ハラスメントが皆無と言うのは無理だと思いますので、言葉を選んで患者さんを傷つけ無いようにしようとする意識を持っていることが重要です。

同じことが医学(Medical:メディカル)に関する仕事をしている看護師さんやレントゲン技師さんや様々な療法士さんにも言えると思いますので、私はメディカル・ハラスメントと呼んでいます。

診察を受ける時に、先生から言われる言葉に患者さんは結構傷ついています。
以下に実際にあった例を挙げてみましょう。


「厄介な病気になりましたねぇ。」
「いずれは歩けなくなり、車椅子になりますよ。」
「手術しか治療法はありません。手術はいつにしますか?」
「手術をしないんなら、うちの病院にはもう来ないでください。」
「あなたの股関節はあと2年しか持ちません。」
「あなたの骨には穴があいています。無理すると穴が潰れますよ。」
「今手術をしないと大変なことになりますよ。」
「手術後の経過が悪いのは、あなたに問題があるんですよ。」
自骨の手術経過が悪くて「やっぱりダメだったか・・人工の手術にしますか?」
人工の手術経過が悪くて「あなたの足は特別だったからね」

皆さんはどのような言葉に傷ついたことがありますか?
ぜひ皆さんの体験を教えてくださいね。

上記の言葉は、言葉だけの問題ではないと思います。初めての診察の時に言われたのか、何回目の診察の時に言われたのかによっても違うでしょう。
大切なのは、先生と患者さんの信頼関係ができているかどうかと言うことだと思います。
信頼関係があれば何を言ってもいいというわけではありませんが、信頼関係を築こうとする姿勢が重要だと思います。

すべて先生にお任せ、先生の言うことには逆らわず泣き寝入りする・・・患者さんの立場から見ても、そういう時代は終わっています。
心が傷ついたらはっきり言いましょう。「先生、それはハラスメントです!」
そして、そんな病院は行くのはやめて、もっと良い病院を探しましょう。

東京は病院が多いから、そんなことはできるかもしれませんが、地方では病院の選択肢が少なく、なかなかそれができないくいかもしれません。
だったら、「先生それはハラスメントです、改善してくれないと皆さんがこの病院には来れません。」と言って先生の言動を変えていくしかないでしょう。
病院の選択肢があれば、多少遠くとも良い先生を捜し求めていただきたいと思います。
私は整形外科が好きですし、今後の高齢化社会を考えると益々整形外科の必要性が高まると考えています。
しかし、病院が本来の目的である的確な診察と即効的・持続的・多面的な治療を行なえず、患者さんとの信頼関係が築け無いことには整形外科に未来は無いと考えています。

昔、西洋医学が一般的になる前にも医療は存在していました。インディアンのハーブ療法、インドのアーユルベーダ、中国の漢方、ヨーロッパのSPA、日本のあんま・・・様々な医療が一般的に行われていました。現在では代替医療と呼ばれる医療です。未来の日本では、西洋医学がなくなることは無いと思いますが、今のままでは確実に代替医療が主流になります。

私は、現在の整形外科を変えたいと思っています。このブログもその一つですが、
患者さんが病院に行って、明るく元気になって帰れる病院があるといいですよね。


変形性股関節症を怖がらないでね


筋力低下についてのお話②

2006-01-20 02:28:54 | Weblog
前回に引き続き筋力低下の原因について説明しましょう。

3、筋肉の病気による筋力低下

筋肉の病気による筋力低下は非常に重要ですので先にも説明してきました。
筋肉が病気になると、筋肉は収縮したまま固まってしまいます。
正式には筋・筋膜症候群といいますが、この病気では筋肉内に疲労物質である乳酸が溜まってしまい、やがてセロトニンなどの発痛物質(痛みの物質)が筋肉内に溜まりますので痛みが出やすくなります。

前回説明しましたように、筋肉は痛みがあると筋力があるのに筋力が出なくなります。また、痛みの原因が筋力を出す筋肉自体にあるとき、筋肉の収縮力は低下しますので筋力はさらに発揮できなくなります。
変形性股関節症で、脚をかばうことにより細くなった脚の筋肉に病気が起きると、いろいろな筋力低下の原因が重なり筋力が弱くなったようにみえるのです。

筋・筋膜症候群の代表的な症状は痛みですが、放っておくと痛みは筋膜や骨膜に沿って広がります。筋・筋膜症候群の1つである肩こりを放っておくと頭痛やめまいや吐き気が出るように、股関節痛も腰や膝の痛みとして広がっていきます。
こういう時でも、病院では膝や腰のレントゲンを撮るんですね・・・膝や腰の軟骨に少しでも異常があると、それを痛みの原因だと説明するんですよね・・・それでも、痛みを取ってくれればいいんですけど・・。なかなか痛みを理解してもらえないことが多いんですよね・・・。レントゲンに異常がない時には何と説明するんでしょうね・・・?

筋肉の病気をさらに放っておくと、異常に疲れやすくなったり、精神的に落ち込んだり、自律神経障害や免疫力の低下を招きます。
股関節周囲の筋が筋・筋膜症候群になり放っておいた場合、長距離歩けなくなったり、骨の変形が進んだり、不眠症になったり、風邪を引きやすくなったり、急に膝に力が入らなくなったり、背中が痛かったり、肩がこったり、寝違えを起こしやすくなったり、足首まで痛くなったり・・・・様々な症状が出てきます。
皆さんにはこのような症状はありませんか?

もちろん、脚の太さが違う人は脚のアンバランスな使い方を腰や背中や肩や首でバランスを補っている為に、また、杖を強くついているため腕や肩の筋肉で体重を支えている為にいたるところの筋肉を、無意識に多く使っていることも関係しています。

私が今書いたことは、私の経験にもとずく想像で書いたものではありません。
以前紹介しました、滋賀医科大学の横田先生の著書にも書かれていますし、病院でリハビリを担当する理学療法士という資格を持った先生方の間では、常識的になってきている理論です。

筋肉が病気になると、筋肉は縮んで循環が悪くなります。
ですから、筋肉の病気の治療法は筋肉を伸ばすことなんです。
筋力トレーニングは、筋肉を収縮(縮む)させる方法です。股関節痛がある時は、筋力トレーニングよりも筋肉ストレッチのほうが効果的なんですねぇ。

子供の頃、アキレス腱を伸ばす運動をした覚えがありますよね。あれが筋肉ストレッチです(下腿三頭筋:ひふく筋とひらめ筋:のストレッチです)

しかし、一般的に言われている“筋肉ストレッチ”もいいのですが、それよりももっと効果的な筋肉ストレッチがあります。それは筋肉を直接押して筋線維を伸ばす方法です。


筋肉のストレッチにも2種類あるのです。

1、間接ストレッチ→効果が低い
2、直接ストレッチ→効果が高い

自分で行う筋肉ストレッチ体操は、一見筋肉は伸びるのですが、筋肉の中の一部分に発生している筋肉のコリが伸びない可能性があるのです。
ですから、いわゆる筋肉ストレッチといわれている体操は、間接ストレッチと呼ばれています。あくまでも間接的なんです。ですから効果も低いんです。

これに対して、筋肉のコリを直接押す方法を直接ストレッチと呼びます。
硬くなった筋肉の一部(コリ)の筋線維を直接伸ばしますので効果は高いのです。
股関節は人体の深いところにありますので、やや強めに押さないと効果が出ない場合があります。極端に言うと、表面の脂肪だけ押しても筋肉の痛みは取れないということです。脂肪のすぐ下の筋肉を押しても痛みが取れないことがあります。筋肉は幾重にも重なり、関節に近い深層筋に痛みが出ることが多いのです。

表面の筋肉の病気はマッサージや指圧で取れることはあります。しかし、深層筋となるとかなり強く押すことも必要なので、なかなか皆さんの痛みを取ってくれる先生がいないのです。しかし、まったく筋肉のお手入れをしない人に比べると、マッサージや指圧で手入れしている人のほうが、遥かに筋肉の状態は良いようです。
かなり強く押すと、指は痛いし、肩はこるし、疲れますもん。これが、かなり強く押す先生が少ない理由でしょうか・・・・。

私も筋肉がコリやすいタイプのヘナチョコ野郎です。
ヘナチョコ野郎は関係ないですね。
ですから、いろんなところで施術も受けますが、なかなか満足できません。
押し方が弱いところには二度と行きません。誰か、良い先生をご存じないですか?・・・・ナーンチャッテ。


私は、薬局で快癒器(かいゆき)というのを買って、背中や腰の下に入れて寝て、自分の体の重さで押しています。
昔から、中山式快癒器というのがあって、和歌山の山の中で育った私でさえ、子供の頃すでにうちのおばあちゃんが使っていたのを覚えています。今でも薬局に置いてますよ。いろいろ工夫しながら、快癒器を使いこなしている患者さんもいますよ。快癒器友の会を作って私も頑張っています。(うそです)

また、ももが痛い時やだるい時は、ビール瓶で筋肉を叩くようにしています。(本当です)
私はけっこう強く叩きますが、皆さんは強く叩くというよりビール瓶の重さを利用して、重さで叩くといいでしょう。腕が疲れない範囲にしてくださいね。
けっこう楽になりますよ。皆さんも、痛いところを叩いてみてはいかがですか?
ただし、骨は叩かないで下さいね。骨を叩いても、コツという音だけで、まったく意味無くただ痛いだけですから。
後は、自分で触診して股関節の炎症が無ければ、どんどん温めることですね。

「筋肉を強く押すと、筋肉に炎症が起き、さらに筋肉が硬くなります。」という先生がいます。そのような先生には「先生は強く押したことがありますか?」って聞いてください。私はもう10年も強く押していますが、押すことによってよって悪化した人は見たことがありません。もちろんもともと炎症がある場所は押しませんし、押し方の上手下手はあると思いますが。

また「筋肉を強く押すと痛みが取れるのは知っていますが、そんなことをしたら指が壊れてしまうので、私は押しません。」という先生もいました。
ちなみに私の指は壊れていません。

プレート療法という治療法があります。木片を皮膚に押し付けて押す方法です。
理論は一緒ですので上手な先生を見つけるといいかも知れません。以前、私の患者さんが一度受けたました。私は付き添いのフリをして見学しました。
見学していて、「これは駄目かな・・・」と思っていたら、終わったあと患者さんが私の方を見て手で×をしました。浅いところの筋肉の押しが弱いし、深いところに力が届かなかった。とその患者さんは言いました。先生しだいだと思いますが、基本的にプレート療法で効果がある可能性はあります。

しかし、同じ押すのであれば、神経の行き届いた指や肘で押せばいいのに・・・と思ってしまうのであった。
人間の身体は利口で、私の親指や肘は筋肉の細い線維まで感じるようになりました。初めて押した時なんか、どこに何があるかわからなかったのに(解剖学はしっかり勉強していましたよ)・・・。何回も押していると、指も肘も壊れるどころか、どんどん強くなって神経が研ぎ澄まされていくのです。人間ってすごい

これは私の持論ですが、“人の心と身体を楽にする仕事の人は、自分が楽をしていては駄目だ!”

なんか変な終わり方になりましたが、筋肉の病気は、かなり筋力が低下したように見えることがあり、筋肉の病気が治るとすぐに筋力が出るようになるということをご理解いただきたいと思います。


4、脚の長さが短くなる為の筋力低下

筋肉というのは、ある一定の長さの時に最大の筋力が出るようにできています。
これは事実です。
肘を曲げる筋肉(上腕二頭筋:じょうわんにとうきん)を例にとると、上腕二頭筋は肘を伸ばしたときに最も伸びて長くなります。この時には力は出にくくなります。また、肘を深く曲げたときには最も縮んで短くなります。この時にもあまり力は出ません。しかし、肘を90度くらい曲げた時には、しっかり筋力が出るのです。てこの作用も関係していますが、一般的に人間の筋肉は、最も力が出る長さにできていて、最も力の出る関節の角度があるのです。

正常の股関節の場合、大腿骨頭(だいたいこっとう)は非常にきれいな円形をしています。しかし、変形性股関節症患者さんの場合、変形(実は修復なんですけど)のおかげで、円形がつぶれて楕円形のような形になる場合があります。

円が楕円になりますので、結果として大腿骨は短くなるのです。

皆さんの中で片脚だけが短い人がいますね、気がつきにくいのですが両方の脚が以前より短くなっている人もいますね。以前はいていたズボンなんかをはくとわかるかもしれません。


脚が短くなる理由はいくつもありますが、7つほど挙げてみます。

1、骨盤が傾いている。
2、大腿骨頭の形が楕円形になっている。
3、膝や股関節の軟骨が減っている
4、股関節か膝関節が曲がったまま伸びない。
5、手術で骨を切っている。
6、以前何らかの理由で骨折などをして骨が短くくっついている。
7、脊髄性小児麻痺(ポリオ)などによって骨に発育障害がある。

この場合も、なぜ脚が短くなっているのかという原因を突き止めないと、適切な対策はできません。仰向きに寝ると片方の脚が短いから、靴の中に中敷を入れて調整すれば良いという簡単なことでは解決できないことがあります。

上記の1、と4、は脚が短くなっているように見えるだけの可能性があります。
1、は骨盤を元の位置に戻すことが対策になります。4、は関節の動きを良くする事が対策です。
他は、脚の長さが骨や軟骨の長さの変化によって起きている可能性が高いので靴の中敷や踵を高くすることによって脚の長さをそろえるべきです。脚の長さにも左右差はよくありません。長いほうの脚の膝関節周囲に痛みが出たり、腰や肩に痛みが出やすいからです。

人間の身体は利口で、脚の長さが違う場合は体全体のバランスがとりやすいように骨盤を傾けたり、背骨が横に曲がったりするんです。脚の長さが違うとき、背骨が曲がったり骨盤が傾くのは、バランスを良くしてくれているのです。
ですから、いきなり、中敷などを高くして脚の長さを合わせると、最初は痛みが出ることもあります。曲がっていた骨盤や背骨が元の戻ろうとするからです。ですから、中敷などは徐々に高くしたほうがいいですね。

なぜ、脚が短くなる話をしてきたかというと、脚が短くなるのは骨と軟骨に何か異常が生じた時に起こるということをご理解していただいたうえで、次のことをを理解していただきたかったのです。


脚が短くなる(骨が短くなる)ということは・・・

●骨が短くなるのと一緒に、筋肉、神経、血管も短くなるということです!

このことを良く覚えておいて下さい。


5、手術による筋力低下

手術は人工的なケガです。手術をするとケガの影響で筋力が出にくくなります。ましてや、手術直後は人工的なケガの痛みによりさらに筋力が出ない状態ですね。
手術によって骨はかっこよくなり正常に近づきます。しかし、骨まで達するまでに切られた筋膜や靭帯や筋肉は手術することによって正常から遠のくのです。
よく考えるまでも無く当たり前のことですね。
長年脚が短く、筋肉や神経や血管が縮んでしまっている人が、人工骨の手術を受けると急に2~3cm脚の長さが伸びるんですよ。つまり骨を元の長さに戻すのです。これは良いことですが、手術によって筋肉や神経や血管も急に2~3cm伸ばされるのです。かなり縮んでいた筋肉などはびっくりしているでしょうね。筋肉がかなり縮んでいると、急に伸ばされた痛みも出るでしょうね。
手術後に痛みが出て先生にそのことを言うと「手術はうまくいってますよ。」と言うでしょう。レントゲン上骨は正常に近づいているのですから。手術が失敗することはほとんどありません。しかし手術後に痛みが出る人はいるのです。そのような方は「手術が失敗した」と言います。
痛みのことを何回も言って先生に怒られた人もいます。「あなたの骨が悪かったんだね」「あなたのリハビリの方法が悪いのです」と言われた方もいました。
もしも、現在そのような状態の方がいたら、骨以外のことに痛みの原因を求めてみてはいかがでしょうか?手術は成功しているわけですから、自信を持って他の治療法を探しましょう。

手術によっては、大腿骨を切って角度を変える手術をする人もいます。
この場合も筋肉の両端の位置関係が変わるので筋肉の長さが変わる可能性があります。重力のかかる位置も変わることがあります。(アライメントの変化と言います)その場合、10年後くらいに、骨盤が極端に傾き脚が内側に曲がってしまう方がいます。
手術後も、気を抜かずにお手入れは必要だと思います。病院の先生方には、長期間の追跡調査をしていただきたいと思います。手術が終わったら私の役目は終わりです・・・みたいな先生がいますが、もっての外です。一生患者さんと付き合う気持ちがないと股関節専門なんて言えないように思います。
この考え方は私の持論ですが、間違っているかもしれません。
私は、股関節を専門に診ようと決断する時に、このことで悩みましたが、一生診ると決めて決意しました。

ただ、問題が2つあります。
1、こっちはそのように決意しているのに、患者さんが去っていく・・・仕方ないですよね。!
2、患者さんより先に死ねない。先に死んだら許してね。
先に死なないように、長生きしながら後継者を育てないといけないですね。ただ、後継者に知識と技術を教えても、優しさというか・・・魂の性質というか・・・
伝えきれないものを感じます。難しいですね、皆さん誰か紹介してください・・・魂の性質の優れている人を・・・・。

最近の傾向として、入院日の短縮化、手術の傷の短小化があります。
手術の傷の短小化は、できるだけ筋肉や筋膜や靭帯を傷つけないようにすると言う意味でよい傾向だと思います。ただ、入院を短縮する為に早い時期から立たせたり歩かせたりするのはどうでしょうか?筋力の出にくい股関節に体重をかけることは良いことでしょうか?内部の切られたところに負担をかけても良いのでしょうか?

私は手術に立ち会ったことがけっこうあります。その時の先生に教わったことは「内部がしっかりくっつくには、5~6週間かかるんです」と言うことでした。
私はこの言葉を今でも信じています。表面の皮膚のくっつき方とは違うはずです。
その状態で、早く立たせる意味は何でしょうか?
入院日が早い病院ほどいい病院的な風潮があるように思います。医学は進歩しています、しかし、人間の身体は進歩していないと思うのですが・・いかがでしょうか?私の中ではまだ疑問程度のことですが、これから手術を受ける患者さんには「手術後は一生懸命リハビリはやらないで下さい」と言って私の考えをお話ししてとにかく手術前に筋肉などを柔らかくすることを心がけています。
ちなみに、人工骨の手術の入院期間は4週間になりつつあります。

  
変形性股関節症患者さんの筋力低下は、今までに説明した筋力低下の原因が2つや3つ重複していることが多いです。
筋力低下=筋力トレーニングだけではないということをご理解いただければと思います。

変形性股関節症を怖がらないでね