股関節痛は怖くない!~変形性股関節症の新しい考え方

変形性股関節症の常識には間違いが多く、怖さを抱えている人が多い。
常識の間違いを理解して人生を楽しみましょう!

手術のお話し

2006-02-04 16:44:24 | Weblog
今週はアメリカから先生を招いて、リンパドレナージュというセラピーの講習を行っていたので、かなり忙しくなってしまいました。
1週間ぶりのブログです。

今日は手術の考え方について書きましょう。

私は手術をすることに反対ではありません。しかし、手術はあくまでも最終手段であり、患者さんが時間をかけてしっかり納得し、自分で決意した時に行うものだと考えています。
「骨が正常でない人は手術」という考え方は間違いだと考えています。手術をするかしないかと言うことにはもっと多くの条件が関係しているように思います。
患者さんが納得して手術を希望される場合は、いろんな情報を与えて応援するようにしています。
また、患者さんの術後経過を良くするために、手術前後の筋肉のお手入れの手伝いをしています。
 しかし、患者さんが手術をしようかどうか迷っているうちは「手術をしないほうがいいですよ」と言います。
手術には可能性が低いとはいえ、リスクが伴うからです。

一例を挙げましょう。
ほとんどの場合、手術によって骨の長さ(脚の長さ)が変わります。
片脚が2~3cm短かい患者さんが、人工骨の手術をするとその日から2~3cm骨が長くなり、脚の長さの左右差が無くなります。
脚の長さに左右差が無くなることは素晴らしいことですが、骨が2~3cm伸びるということと同時に、神経や血管や筋肉も2~3cm伸びていると言う事実を理解しておかなければなりません。

何年間も縮んでいた神経や血管や筋肉は、手術日を境に急に2~3cm伸ばされるわけですね・・・神経や血管や筋肉には異常が出ないのでしょうか?

実は、手術に成功しても手術後に異常が出る人がいます。
確率は非常に少ないのですが、神経の麻痺が出る人がいます。
また、伸ばされたことによる筋肉の痛みが出る人がいます。
このような症状は未然に防ぐことは可能です。
手術前に、神経や血管や筋肉をストレッチして柔軟性を出してあげるだけでいいのです。術前にこのようなお手入れをしておくと、術後の経過が非常に順調に進みます。

手術後の筋肉痛が1年近く出ていた方がいました。病院では手術は成功していると言われていました。残念ながら手術前にお目にかかることができなかったので、手術後だけお手入れを手伝わせていただきました。
人工骨の手術をしたのに痛みが出るのです。
診察をすると、殿部の横と大腿部の筋肉の痛みでした。筋肉が引き伸ばされたような硬さが確認できました。

患者さんとしては、手術が失敗したのではないかと疑っていたようですが、筋肉が原因である可能性が高いことを説明すると安心したようでした。
結果的に、現在は痛みが無く、年に1~2回、忘れた頃に筋肉のお手入れに来る程度になっています。

手術の失敗はほとんど無いと思います。しかし、リスクはあるのです。
ところが病院では、「手術をすると何でもできるようになるよ。」みたいな説明しかされないことがあるので、手術後の状態にショックを受けることがあるのです。
患者さんも手術をすると、すぐに何でもできる様に考えている方がいますが、手術後の回復は以外とゆっくりで、手術直後は意外と脚は動かないものなんですよ。

手術をあせる必要はありません。どのような状況でもあせる必要はありません。
しっかり時間をかけて、いろんな先生の診察を受けて、十分検討してからでも遅くないと思います。


つづく

変形性股関節症を怖がらないでね




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