股関節痛は怖くない!~変形性股関節症の新しい考え方

変形性股関節症の常識には間違いが多く、怖さを抱えている人が多い。
常識の間違いを理解して人生を楽しみましょう!

関節の動き

2006-01-28 18:02:32 | Weblog
26日は栃木で施術してきました。
その中の1人が、2月に手術をすることになりました。私も背中を押しました。

その方は2年前に激痛がひどくて手術を希望して病院に行ったのですが、担当の先生が体調を崩され診察ができなかったため、紹介にて私のところに来ました。

手術を考えているレベルなのに、初診時に笑顔があふれていたのには驚かされました。すごい人だと尊敬しています。
診察では左の中殿筋がつってしまったような症状でした。
皆さんもふくらはぎがつったことがあると思いますが、同じような症状が左のお尻に出ていたのです。それも長期間。“こむら返し”ではなく“お尻返り”ですね。
これが筋肉の病気なのです。
中殿筋とその奥にある小殿筋を中心に施術しました。
現在強い痛みは無く、歩き方も良くなり歩行スピードがかなり改善しました。
小旅行にも出かけられるようになりました。

私はこのまま手術をしなくても、十分日常生活ができると考えていました。
しかし、この患者さんと付き合っていくうちに、この方の“生き方”として、現状では十分満足できないかも知れないと思うようになりました。

痛みが取れて、かなり動きけるようになったのですが、この患者さんはもっともっと広い範囲で動きたい人なのです。
その様に思っていた頃、『先生、私手術しようと思う。』と言ってきました。
私は、『あなたの“生き方”を考えるとその方が良いかも知れませんね。』と言って背中を押しました。
患者さんは『手術の話しをすると、先生に怒られると思った。』と言いましたが、私の基本的な考え方は、患者さんの望む施術、指導を行うことなのです。

この方は、2月中旬に、信頼している先生の下で手術をします。私は、手術前後の考え方、人工骨を長持ちさせる為の今後の方針をお話しさせていただきました。
そして、4月末に術後の施術を開始する約束をしました。
人工骨の手術をすると決心した以上、人工骨を20年も30年も長持ちさせる為に、この患者さんとはこれからも長い付き合いになると思います。

さて、本題です。
皆さんの中には、股関節の動きが悪い人がいると思います。
なぜ股関節の動きが悪くなるのでしょうか?

骨の変形の為に動かなくのでしょうか?・・・答えは、ほとんどNO!です。
変形性股関節症になると動きが悪くなるものなのでしょうか?・・・答えはほとんどNO!です。
股関節は進行性だから何をしても無駄・・・と言う考えがあるからかもしれませんが、股関節の動きが悪くなるのを誰も止めようとしないからです。

はっきり言っておきます、股関節周囲を温めてストレッチするだけでは、股関節の動きが悪くなるのを防ぐのは困難です。

私も20年以上前からの10年間は、ホットバックで温めた後ストレッチを行っていました。今でも一般的に行われている関節可動域訓練です。
これは温めた後の間接的ストレッチですから効果が小さいのです。
もしも、股関節の動きの悪さの原因が筋肉である可能性があれば、直接ストレッチを行うべきです。
(間接ストレッチと直接ストレッチについては1月20日のブログを読んでください。 )

一般的に関節の動きが悪くなるのは軟部組織の問題だと考えます。
つまり、筋肉や靭帯などに問題があると考えます。これは常識です。

軟骨のすり減りが関節の動きを悪くすることは無いでしょう。
骨と骨が当たって関節の動きが悪くなることは有り得ますが、ほとんどの人は骨が原因ではありません。

股関節に限らず、関節が硬くなる最初の原因は筋肉です。
筋肉の病気によって股関節をある方向に動かすと激痛が出た場合、ある方向に動かすと痛いものですから、ある方向には動かさなくなります。

その時に痛みを取ってあげれば、またある方向に動かせるようになるのに、その時に痛みを取ってくれる人がいないと、長期間ある方向には動かさなくなります。
この状態が、4~5年も続くと、筋肉は縮んでしまい、靭帯まで硬くなって、結果として股関節がある方向に動かなくなるのです。

筋肉をほぐしてあげると、2~3年間動かなかった関節も動くようになる場合があります。ほぐしてみないことにはわからないことですが、筋肉だけの問題で股関節が動かなくなっている人は、かなりの確率で股関節の動きは良くなります。

私は、股関節の動きを悪くしない為に筋肉の痛みを取っているのです。

筋肉の痛みが主な原因である股関節痛は、関節の動きを悪くするし、筋力も落とすし、心を蝕むんですね・・・・かといって、股関節痛をうらんだら心に悪いんですよね・・・股関節痛は一見悪者だけど、皆さんに『今はあまり無理してはいけませんよ。』と教えてくれているんだなと考え、股関節痛を許しましょう。『股関節痛、ありがとう。』という気持ちになれれば、何かが変わるのかもしれませんね・・・?無理なことでしょうか・・・?

そういえば、かつてアメリカに感覚の無い人がいたそうです。痛みも何も感じないのです。これは人間にとって大変危険な状態なのです。その人は29歳までしか生きられなかったそうです。皆さんは納得できないとは思いますが、本当は痛みを感じることに感謝しないといけないんですね。
私もかなり強い腰痛に3年間苦しんだことがあります。その時は『腰痛、ありがとう』なんて思えませんでした。ですから、皆さんの気持ちもわかるつもりです。現在、腰の軟骨がまったくつぶれてありません。第5腰椎と仙骨がくっついてしまい、大きなヘルニアもあります。しかし、今は普通に生活しています。骨が原因でしたら、いまだに激痛が続いていると思います。

皆さん、股関節の動きを今の状態で維持、改善したければ、痛みが出たらすぐに痛みを取ることを考えていただきたいと思います。

股関節の動きを悪くするもう一つの原因は、“心のトラウマ”です。
患者さんは、股関節をある方向に動かすと激痛を感じた経験が怖さとなっていることがあります。すでに痛みが取れて動かすことができるのに「またあの時の激痛が出るのが怖くて・・・」と言います。このトラウマを取り除くことは、意外と困難です。しっかりした筋肉の施術を受けて激痛が取れたなら、そう簡単には激痛が出ることは無いので怖がらないで動かしていただきたいのですが・・・。

動かしても大丈夫なんだなという経験を多く持たせて自信をつけされるのが良いのでしょうか}・・・いまだに悩んでいることの一つです。患者さんの性格にも関係してるとは思いますが・・・。

股関節の動きが悪くなっている原因の追究と、絞り込まれた原因に対する有効な治療法を見つけて行うことが重要ですね。
温めてストレッチを行うと言う古いやり方はもう考え直す時期に来ていると思います。


変形性股関節症を怖がらないでね







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