股関節痛は怖くない!~変形性股関節症の新しい考え方

変形性股関節症の常識には間違いが多く、怖さを抱えている人が多い。
常識の間違いを理解して人生を楽しみましょう!

メディカル・ハラスメント

2006-01-21 12:46:38 | Weblog
今朝、何気なくスポーツ新聞を読んでいたら、変形性股関節症に関する特集が組まれていました。
その中で治療法としては『「手術」と「保存療法」がある。「保存療法」としては、「薬物療法」「食生活の改善」「運動療法」「温熱療法」がある。』と書かれていました。

「薬物療法」→消炎鎮痛剤と筋弛緩剤
「食生活の改善」→腹八分で減量
「運動療法」→1日30分くらい歩くといい(水中とは書いていません)
「温熱療法」→ホットパックやレーザーで温める方法もある
そして最後に、筋力をつける方法として水中ウォーキングを勧めていました。

このような記事を読んで、さっそく30分ほど歩く方がいるんでしょうね?
大丈夫でしょうか・・・???
私の考えを付け加えておきます。



「薬物療法」、の消炎鎮痛剤は、免疫学的には“消炎鎮痛剤を飲むと、返って痛みが取れない身体になる”と言われていますよね。副作用のある筋弛緩剤を飲むくらいなら、筋肉を直接ほぐしたほうが良いと思いますが。筋肉の病気には意外と筋弛緩剤も効果が出ないんですよね。
 この新聞では、『単純に痛みだけを取ってしまい、痛みの無い状態で動くと、返って股関節の状態が悪化し、痛みも増えることがあるので消炎鎮痛剤の使い方が難しい・・』と書かれていました。これは重要なことです!
でも、違うんですよぉ・・・考え方が・・まず、炎症性の痛みか阻血性(循環が悪くなっている為の)の痛みかをしっかり診察しないといけないんですよ。
股関節に強い炎症があれば消炎鎮痛剤も効果があるでしょう。しかし、強い炎症があるのなら、安静が必要でしょう。また、阻血性の痛みなら“消炎”させる必要もないし、筋肉の病気があると言うことですから、痛みを抑えて動くと筋力が出ない状態で股関節に負担をかけるわけですから、股関節が傷んでしまうんですよ!阻血性の痛みなら、循環を良くする為に筋肉をほぐして温めないといけないんですよ。
「薬で痛みを抑えてどんどん運動しましょう」と指導している先生がいますが、大間違いです!こんなことしたら、どんどん股関節は悪化しますよ・・・くやしー。
私は、偏頭痛で動けないくらい痛みが出た時期がありました。イブA錠と言う薬を飲むと楽になったので、しばらく飲んでいました。しかし、一時話題になった安保先生の「免疫革命」を読んでからは薬を飲むのを止めました。その効果なのか、今はほとんど偏頭痛はありません。当時と比べてストレスが少なくなっただけかもしれませんが・・?
股関節のつらい時に薬を止めなさいとは言いませんが、痛みが取れても動く量は抑えて、冷静に股関節の触診をしてみてくださいね。

「食生活の改善」、減量は余り気にしてほしくないんですよね。と言うのは、体重が増えると筋力も増えるからなんです。体重を支えているのが筋肉ですから、体重が増えるとその体重を支える為に筋力も増えるのです。
ただ、急激に太ると筋肉の向上が追いつきませんので注意が必要です。
また、痛みなどの原因であまり動けない時期は減量というよりも、増量しないように気をつけたほうがいいですね。
実は、水中ウォーキングは筋力強化には余り効果はありませんが、減量には効果があるんですよ。専門的に言うと、“負荷が少なく長時間できる運動”では、筋力ではなく体力(心臓と肺の強化)の訓練になりカロリーが消費されるのです。
運動生理学を勉強している人には常識的な話です。
水中ウォーキングは“少し疲れるまでやる”のが目安でしょうね。30分とか40分とか時間を決めるのは危険です。日によって体調も違うし、何よりも個人差が大きいですからね。また、水中ウォーキングの欠点として体が冷えることがありますので気をつけてください。

「運動療法」、実は私も陸上でのウォーキングは良いと考えていますが、“筋肉が正常であり、生活の中(買い物とか映画を見に行くとか・・・)で行うウォーキング”しか勧めません。
筋肉が正常に近い状態であると私自身の手で確認できた人にしか勧めません。

「温熱療法」、自分で股関節を触診して激痛が無かった人(炎症の無い人)には、温めることは効果的です。しかし、強い炎症のあった人には逆効果です。温めて気持ちよく痛みが楽になるかどうかで判断してください。風呂に入って痛みが楽になる人には、強い炎症はありません。


しかし、この新聞の記事によると炎症を取る薬を飲まされたり、プールで冷やしたり・・・温めることは良いことですって言ったり・・・曖昧ですね。

有名な先生が書いているようなのですが、このような記事を鵜呑みにはしないでくださいね。

そろそろ本題に・・・
ハラスメントと言う言葉は一般的になっていますね。

数年前、内科の先生が『ドクターハラスメント』と言う本を出されましたが、皆さんは読んだことがありますか?
診察の時に先生が発する言葉の暴力による嫌がらせのことです。
ガンの患者さんでは、このようなハラスメントで精神的に落ち込み、免疫力が低下するので、ガン治療には逆効果になるのです。変形性股関節症でも同じですよ。自然治癒力が低下するんですから・・・。

私はドクターではありませんが、私もハラスメントを行う可能性がありますので、言葉には気をつけているつもりです。私としては、患者さんを勇気づけるつもりで言った言葉でも患者さんにとってはハラスメントと受け止めることがあるかも知れません。ハラスメントが皆無と言うのは無理だと思いますので、言葉を選んで患者さんを傷つけ無いようにしようとする意識を持っていることが重要です。

同じことが医学(Medical:メディカル)に関する仕事をしている看護師さんやレントゲン技師さんや様々な療法士さんにも言えると思いますので、私はメディカル・ハラスメントと呼んでいます。

診察を受ける時に、先生から言われる言葉に患者さんは結構傷ついています。
以下に実際にあった例を挙げてみましょう。


「厄介な病気になりましたねぇ。」
「いずれは歩けなくなり、車椅子になりますよ。」
「手術しか治療法はありません。手術はいつにしますか?」
「手術をしないんなら、うちの病院にはもう来ないでください。」
「あなたの股関節はあと2年しか持ちません。」
「あなたの骨には穴があいています。無理すると穴が潰れますよ。」
「今手術をしないと大変なことになりますよ。」
「手術後の経過が悪いのは、あなたに問題があるんですよ。」
自骨の手術経過が悪くて「やっぱりダメだったか・・人工の手術にしますか?」
人工の手術経過が悪くて「あなたの足は特別だったからね」

皆さんはどのような言葉に傷ついたことがありますか?
ぜひ皆さんの体験を教えてくださいね。

上記の言葉は、言葉だけの問題ではないと思います。初めての診察の時に言われたのか、何回目の診察の時に言われたのかによっても違うでしょう。
大切なのは、先生と患者さんの信頼関係ができているかどうかと言うことだと思います。
信頼関係があれば何を言ってもいいというわけではありませんが、信頼関係を築こうとする姿勢が重要だと思います。

すべて先生にお任せ、先生の言うことには逆らわず泣き寝入りする・・・患者さんの立場から見ても、そういう時代は終わっています。
心が傷ついたらはっきり言いましょう。「先生、それはハラスメントです!」
そして、そんな病院は行くのはやめて、もっと良い病院を探しましょう。

東京は病院が多いから、そんなことはできるかもしれませんが、地方では病院の選択肢が少なく、なかなかそれができないくいかもしれません。
だったら、「先生それはハラスメントです、改善してくれないと皆さんがこの病院には来れません。」と言って先生の言動を変えていくしかないでしょう。
病院の選択肢があれば、多少遠くとも良い先生を捜し求めていただきたいと思います。
私は整形外科が好きですし、今後の高齢化社会を考えると益々整形外科の必要性が高まると考えています。
しかし、病院が本来の目的である的確な診察と即効的・持続的・多面的な治療を行なえず、患者さんとの信頼関係が築け無いことには整形外科に未来は無いと考えています。

昔、西洋医学が一般的になる前にも医療は存在していました。インディアンのハーブ療法、インドのアーユルベーダ、中国の漢方、ヨーロッパのSPA、日本のあんま・・・様々な医療が一般的に行われていました。現在では代替医療と呼ばれる医療です。未来の日本では、西洋医学がなくなることは無いと思いますが、今のままでは確実に代替医療が主流になります。

私は、現在の整形外科を変えたいと思っています。このブログもその一つですが、
患者さんが病院に行って、明るく元気になって帰れる病院があるといいですよね。


変形性股関節症を怖がらないでね



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