イワン・アサノヴィッチの一日  畑と映画の好きな卒サラ男。

政官業癒着体質の某公共事業職場を定年退職。鞍馬天狗・鉄腕アトムの人類愛に未だに影響を受けっ放し。孫には目がない。(笑い)

ブラボー!胴体着陸の機長

2007-03-19 23:10:10 | ニュース

 13日、高知空港で胴体着陸事故があった。幸いなことに死傷者は一人もでなかった。

カナダ製の航空機で、前輪が出なかったためである。操縦や整備不良という問題ではなく、どうやら製造上・構造的な原因らしい。それでなくともとかく故障の多い航空機で、「空飛ぶシンドラー」などと報じられている。

 ニュースのビデオの画面には、胴体着陸機は殆ど上下左右の振動もなく、まるで油の上を滑るように滑走路に入って来る映像が流れていた。

やがて機首が滑走路と摩擦を始め、大きな火花が飛び始める。しかし、急制動は禁物だ。炎上も覚悟で着陸行為を続行しなければならない。機長としては、この時間がジレンマであったと思う。

パイロットとして最高の技が披露された。見事に横転も炎上もなく胴体着陸した。

降り立った乗客たちは異口同音に機長が冷静だったと称賛していた。機長は機内で着陸の方法を乗客に説明したそうだ。訓練を十分にしているから安心してくれとも言ったそうだ。

そして、機内の重量バランスを取るために、乗客を前後左右均等に着席移動をさせたという。また、乗務員には落ち着いて指示・指導業務をするよう命じたという。

大惨事になるかも知れない直前に、実に見事で冷静な機長としての言動である。

私はかねがね、管理職者は部下の人心を掌握・統率し、組織(部下)の矢面に立って決断する存在であると考えていた。

この機長はその原則を究極的な場面で見事に実践・証明した。それに付けても、世の企業やお役所に、この機長に比肩する管理職者が如何ほど居るものか…。