みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

【悩みのるつぼ】Q母から逃れたいです/Aあなたが母親を導いてあげれば(上野千鶴子)

2012-01-08 19:39:08 | ジェンダー/上野千鶴子
昨日午後は、WAN上野ゼミ出前編「上野千鶴子さんと語る『女ぎらい』」のイベント。
続く夕方からは、著者の上野さんを交えての「女ぎらいの会」の温泉合宿。
宿をチェックアウトしたその足で、、上野さんが1年ぶりに山県にいらっしゃって、
ともちゃんと3人でおしゃべりしながらお茶を飲んで、また岐阜駅までお送りしました。

ちょっと一息ついて、昨日からの新聞を開いたら、
なんと、今年最初の【悩みのるつぼ】の回答者はわかれたばかりの上野さん。
またお会いしましたね(笑)。

母から逃れたいです
相談者 高校1年生女子 15歳

2012.1.7 朝日新聞be

 15歳の高校1年生女子です。
 自分の希望を押し付ける母親がうっとうしくて、仕方がありません。 何か賞を取らせておけば後に良いことがあるとでも思っていたのか、小学生の時から硬筆や書き初め、作文や絵画コンクール、科学展など、ほとんどが親の案で賞をもらってきました。
 自分が子どもの時にもらったことがないからと母は喜び、私もうれしく思っていましたが、ある時、自分が、それまでほとんど母親の意向に従って動いていたことに気が付きました。
 優等生ではないため、もちろん迷惑も散々掛けていますが、自分の思い通りにさせようとすることは我慢できません。
 私は現在、公立の中堅女子高校に通っていますが、母が2校に絞ったため、他方に落ちてここに決まりました。
 高校からは自分で決めて行動しようと決意したものの、大学では母はAO入試を目指させたいらしく、勝手にいくつかの国立大に絞り、有利になるよう賞を取らせようと画策しています。自分が国立に落ちたのを子どもで取り返したい気持ちも分かりますが、そんな母の姿を見ていると、強く反発出来ない自分に怒りがこみ上げてきます。
母の機嫌を損ねずに、自分の意思をはっきり伝えるには、どうすれば良いのでしょうか。
 上野千鶴子先生に助言をいただきたいです。

----------------------------------------------------------------------------------------------------
あなたが母親を導いてあげれば
回答者 社会学者・上野千鶴子


 以前、こんなことがありました。女子学生が身の上相談にわたしの研究室を訪れました。彼女は寮生活をしていましたが、門限を守らない仲間や掃除をしない寮生たちにくどくどとお説教をし、周囲からいやがられているんだそうです。だらしない友人が許せないと思う気持ちや、相手を責める口調が、自分の母親そっくりで、「自分がロボットじゃないかと感じる」と、わたしに訴えました。
 とっても健全な反応です。そう、母親が乗り移っている彼女はお母さんのロボットです。自分をそう感じる時点で、彼女はすでに母親の呪縛から一歩を踏み出しています。
 あなたは母親のロボットでもなければ代理人でもありません。あなたはあなたです。そう言った途端に、娘を分身だと思っている母親は「裏切られた」とショックを受けるでしょう。はい、「母の機嫌を損ねずに」母親から離脱するなんてことはできません。できるのはソフトランディングを選ぶかハードランディングを選ぶかの違いだけ。ある日ぶっちぎりで母を傷つけ、半狂乱になった母親に「親でも子でもない」と言わせるようなハードランディングを避けることはできます。そのためにはがまんの限りをぎりぎりまで重ねないことですね。
 まず母親に秘密をつくりましょう。それだけで母親に対してあなたは気持ちのうえで優位に立てます。小さなことから母親の意向に背き、娘は思うようにならないことを学習してもらいましょう。母親の意向と自分の意向とが食い違ったら、「お母さん、それはあなたのしたいことで、わたしのしたいことじゃない」とはっきり伝えましょう。でないと学校選びだけでなく、そのうちあなたの就職先選び、果ては配偶者選びにも干渉してきますよ。
 あなたが親バナレをしなくてはならないように、母親にも子離れをしてもらわなければなりません。あなたが自己主張をすれば家庭はざわつき、母親は嘆き、母娘関係はぎくしゃくするでしょう。でもそれを怖(おそ)れてはいけません。よい子仮面をかぶっていると、今度はあなたに将来ツケが回ってきます。母親を恨み、呪い、許せない、と思うようになりますよ。
 将来、母と娘としてよい関係を結ぶために、娘のほうが母親を導いてあげなくてはならないとはごくろうさまなことですが、15歳でこんな質問をするあなたは、あなたの母親よりも十分におとなです。
(うえの・ちづこ)
東京大学大学院教授。1948年、富山県生まれ。京都精華大教授を経て93年、東大助教授、95年に教授。家族、介護、福祉問題を女性学の視点から研究。著書に『老いる準備』など。
題字・イラスト きたむらさとし  


応援クリック人気ブログランキングへ してね 
本文中の写真をクリックすると拡大します。

昨日の第一部の非公開ゼミは、参加者は撮影禁止。
主催者のわたしも準備から本番、後片付けまで分刻みのスケジュールのなか
アクシデントもあってバタバタしてて、写真一枚も撮る余裕もなく会場を後にしました。

老舗の温泉宿にチェックインして、ひと風呂浴びてさっぱりしたところで、
いよいよ温泉合宿の「読書会セッション1」です。
予定より1時間近く遅れての開始。
合宿初参加のメンバーもいて、報告にも緊張感が張り詰めます。

その後の夕食で今日初めてのデジカメ撮影。


  
緊張もほぐれて和気あいあいの雰囲気のなか、おいしい夕食でした。
  
リラックスした「セッション2」のあとは、差し入れのお菓子をいただきながら
レディスプランのマニュキアとアロマを楽しみ、夜更けまで"熟"女子会を満喫。

一夜明けて、目の前に流れる長良川の川音で目が覚めました。

泊まった宿は老舗旅館の「十八楼」
朝食バイキングも種類が豊富でおいしかった。
 

上野さんを駅に送った帰り道、フランボワーズに立ち寄って、
ともちゃんが、6日遅れのバースディケーキを買ってくれました。





友人たちからいただいたバースディプレゼントもうれしくて、
心がほっこりあったかくなりました。

心にのこるいい一日でした。

最後まで読んでくださってありがとう
人気ブログランキングへ クリックを

 記事は毎日アップしています。
明日もまた見に来てね
  



コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

1月7日(土)のつぶやき

2012-01-08 02:45:20 | 花/美しいもの
07:51 from Tweet Button
昨日の中日新聞に載りました。でっかい記事です。●ニッポンの女子力<4>挑戦 物言う市民派 育て~母親目線 地方議会に送る(中日新聞)
http://t.co/dDNdDYQo
by midorinet002 on Twitter
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする