福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

嫌音権2018(6) ヘッドフォン遍歴(1) イヤフォンのステレオ化からはじまった

2018年03月16日 07時30分48秒 | コラム、エッセイ
 私のヘッドフォン好きは鉱石ラジオとイヤフォン生活にルーツがある。

 昭和27年小学校低学年頃、兄から鉱石ラジオをもらった。
 不思議なことに電源が不要でイヤフォンを耳に入れるだけでいつでもNHK第一放送が聴けた。実際には第二放送のほうがクリアに聴こえたが、もっぱらわたしは第一だけ。
 落語や歌謡曲を中心に聴いていた。私の落語ズキはこの頃の習慣に端を発している。
 それといまだに続いているラジオのながら勉強の習慣もここに発している。今はBlu-reyディスクの音声を流し、興味のある部分だけちょっと画面をみる。

 鉱石ラジオは微弱な出力で、当時のイヤフォンはセラミック、クリスタルイヤフォンと呼ばれていたが、鉱石ラジオの微弱な出力で蚊の羽音より若干大きな程度の音で鳴った。

 中学生時、昭和35年頃であるが、東京通信工業が発売したポケットサイズのトランジスタラジオ「ソニーTR-6」を兄が置いて行ったのでもっぱらそれを用いた。使用電池は今でも入手できる9Vの006Pタイプであったが、大きな音でスピーカーを鳴らすと電池の消耗が激しく、単一電池を6本つないで外部電源とし、通常はイヤフォンで聞いていた。私の使い方では電池の購入費用がなかなか工面できなかった。

 このころイヤフォンがダイナミック型にかわり音質も音量も数段よくなった。
 このダイナミックイヤフォンはけっこう楽しめたが片耳である事が不自然で聞き難く、ケーブルの途中で2ケを合体させて両耳で聴いていた。音声はモノラルであったが方耳よりははるかに効きやすくなり私は一人悦に入っていた。

 昭和38(1963)年、我が国でFMステレオ放送が始まった。昭和40年に進学の為に新潟に転居したが、そのときにFM-AM 2バンドのポケッタブルラジオを購入した。イヤフォンではステレオで聞けた。そのためステレオイヤフォンを自作した。これで音楽鑑賞が一層楽しくなった。

 自作のステレオイヤフォンは、現在多くの方達に用いられているカナル型インナーイヤー型のヘッドフォンの原形と言えるものであった。実際には市販品が人気を博す様になったのは2000年頃からだから、私はかなり時代の先端を走っていたことになる。特許を取っておけば良かった、と思う(笑)。

 この自作品で音楽鑑賞の幅は大きく広がり、私のオーディオ遍歴につながっていく。
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