先日秋田市広報紙を見ていて3月3日ルミエール秋田で立花家橘之助襲名披露公演称する演芸会があるのを知った。出演者は柳家やなぎ、三遊亭歌武蔵、柳家喬太郎、2代目立花家橘之助の各氏であった。
秋田駅に隣接する映画館のルミエール秋田では秋田落語会を定例でおこなっており、今回が5回目だという。今回の公演ではじめて知った。ホールのサイズ、座席共は大き過ぎず、座席もゆったりしているのでストレスは少ない。今後が楽しみである。
各出演者の出し物は
■柳家やなぎ 二つ目 「松竹梅」
長屋の住民が謡の調子で、割ゼリフにしてご祝儀の言い立てをやり、最後に 「蛇になられた」と言うべき所を 「亡者になられた」で失敗するのがこの噺の笑わせどころ。有名な古典落語の1つ。
■三遊亭 歌武蔵 「稲川」
氏は力士から転身した噺家。マクラでは力士時代のエピソードを面白おかしく話すことが多い。今回も通常ではしれない角界の数々のエピソードが語られた。
大阪相撲の関取稲川が江戸へ出て来たて10日間全勝をしても贔屓が出来ない。もう大阪へ帰ろうかと考えているところへ、乞食が現れて蕎麦をおごるから食べてくれという。 乞食の差し出す蕎麦を快く食べる稲川。「大名でも乞食でも贔屓に変わりはない、喜んでいただきます」と快く蕎麦を食べますと、隠れていた大勢が酒肴を運び込んで、・・・という人情噺。
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休憩のあと、立花家橘之助襲名披露の口上があった。
氏はこの世界ではかなりのキャリア持ちという。東京都出身、落語協会所属の三味線漫談家。自称「日本に2人しかいない女流三味線漫談家」。花柳流日本舞踊の名取りとも言う。
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■柳家喬太郎 たいこ腹
古典落語一つ。某道楽息子が鍼の修業を始めた。猫に鍼を刺そうとして失敗。出入のたいこ持ちに目を付け練習台にするが、なんと針が折れてしまった。「迎え鍼」をうつが、これも折れてしまう・・・・。そんな噺。
■立花家橘之助 俗曲 端唄、日本舞踊など披露
三味線片手に俗曲 端唄、漫談を語った。私は俗曲 端唄などは殆ど馴染みがなく必ずしも楽しめたとは言えなかった。しかし、氏が自在に繰る三味線の音色、技能については十二分に堪能した。締め括りには花柳流日本舞踊の名取りの腕前も披露した。見事な舞であったと言うべきだろう。
ルミエール秋田「秋田落語会」では古典落語3題、三味線の技能が楽しめた。
今後が楽しみである。