ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

賞味期限を誤摩化してた餅屋にあれだけ騒いだマスコミさん、水道水の汚染はどうでもええのん?

2012年09月25日 | 日本とわたし
前回の記事と同じく、『原発はいますぐ廃止せよ』ブログの記事を転載させていただきます。

↓以下、転載はじめ

降下物が多いと水道が汚染される、あたりまえだ!!!

月間降下物が降ると、上水(蛇口)が汚染されている。その逆は無い。
あたりまえだわ。




降下物と水道のデータを、合体して見たら、よくわかった。

以前は毎日だった、水道水の測定、今は、3ヶ月間のまとめ測定。
まとめて測るとは、どうするのだろう?
1日ずつの水を、3カ月分溜めていって、かき回して混ぜて、測定するのだろうか?

それでも検出されているのが、怖ろしい。
風呂は大丈夫だろうか?
まさか、全身が、ベータ線熱傷になるなんてことはないだろうな。
原発の、地下の溜まり水の汚染度ほどはないから、大丈夫なのだろうか?

水道水中の、放射性物質の検査について

引用
(2) 水道水の目標の設定対象核種
食品衛生法に基づく飲料水の放射性セシウムの新基準値は、前述の放射性核種による影響を考慮したものである。

飲料水における放射性物質の濃度の評価は、水源とする淡水(河川水及び湖沼水等)中の放射性核種のセシウム137に対する初期濃度比を使用している。
ストロンチウム90以外の核種は、土壌中濃度比を固相-液相間分配係数で割って、初期淡水中濃度比を求めており、
ストロンチウム90については、文部科学省が行ったモニタリング結果から得られた、河川水中のセシウム137に対する、ストロンチウム90の比から、安全側の数値を求めている。

こうして求められた初期淡水中濃度比で、最も大きなものは、ストロンチウム90の0.02であり、セシウム137の2%である。
ストロンチウム90の、WHO飲料水水質ガイドラインのガイダンスレベルは、放射性セシウムと同じ10Bq/Lであり、
また、文部科学省による、東電福島第一原発の、周辺地域の河川における調査によれば、
ストロンチウム90の最大濃度は、0.018Bq/kgと、低い状況にある。

ストロンチウム90等については、極めて低い濃度レベルにあることから、測定が困難であり、
また、ベータ線核種については、測定できる機関が、極めて限られている。

以上のことから、平成24年4月以降の、長期的な状況に対応する、水道水中の放射性物質に係る、目標の設定対象核種については、
食品衛生法の飲料水の新基準値と同様に、検査の実効性を確保することが重要であり、
測定機関及び測定機器の数、並びに、測定に要する時間等の観点から、放射性セシウム(セシウム134及び137)を対象として、目標を設定する。

放射性ヨウ素については、半減期が短いことから、周辺環境においても検出されておらず、
ウランについては、放出量が極めて少ないと考えられることから、いずれも、水道水の、新たな目標を設定する必要はない。

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水道には、ストロンチウムが、セシウムの2%入っていると考えなさい。
ウランは、考える必要は無い。
ヨウ素は消えている、と言っているぞ。
確か、食品には、セシウムの10%、ストロンチウム他の核種が入っていると考えなさい、と書いていたな。

よし、とりあえずは、これを覚えておこう。


--------

引用
入浴による線量は、原子力安全委員会の助言を受けて、環境省が、平成23年6月にとりまとめた、水浴場の放射性物質に関する指針において、用いられた仮定と同様に、
放射性セシウムを、全てセシウム134とし、その放射能濃度が10Bq/kgの浴槽に、毎日30分全身を浸したとして、
水中に、一様に分布する、セシウム134による実効線量を、換算係数2.62×10-10Sv/(Bq・s/cm3)(EPA-402-R-93-081,Federal Guidance Report No.12 p.82, 各臓器への線量のうち、最も大きい値である、骨表面の換算係数)を用いて計算すると、年間で、0.0017mSvとなった。


手洗いによる線量は、水と接触する部位が、全身と比較して小さく、また、時間も短いことから、入浴による線量と比較して、小さいものと考えられる。

水道水で洗濯した、衣類からの線量については、一般的に、セシウムは繊維に付着しにくく、
洗濯物に含まれる放射性セシウムは、ごくわずかであることから、無視できるレベルにあると考えられる。

また、放射性セシウムについては、水道水からの揮発等、その他の経路については、想定しにくい。

以上の推定は

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なんだ、推定か、実験はしてないのか。
セシウムガンマー線風呂、ラドン温泉みたいなものかな。
24時間風呂は、原発の再循環除去システムみないなものだから、相当な濃縮をするだろう。
今時、家庭で、レジオネラ菌騒動で使っているところはないと思うが、
ぽかぽか温泉は、水道代をけちって、再循環しているのではないだろうか。

手洗いはいいにしても、洗濯はいいのかな。

まあ、それにしても、大変な時代だ。

ホットパーティクルに気を取られていたら、水道も危なかった。

次は、再浮遊、舞い上がりの研究だ。

乾燥して、風が強くなる季節がやってきた。


↑以上、転載おわり


心配やからって、水を飲まんわけにはいかへんし、気色悪いからって、洗濯や食器洗いをせんわけにもいかん。
風呂にも入りたい。水浴びもしたい。プールで泳ぎたい。
日本の水は、世界の中でも有数の、安全で飲みやすい水やと、一年半前までは、こちらの人らも認めてた。
特に、田舎の井戸水の美味しさや、小川の清らかさは、その地域に暮らす人達にとっての誇りでもあった。

それがあの事故を境に、一気に汚され、政府や官僚の陰謀によって、濃縮汚染は南の九州にまで広がってしもた。

水と空気と土が汚されたら、そこで生きる生き物もすべて、汚されるのは当たり前のこと。
汚されても生き残れるもの、ちょっと弱るけど、とりあえず生き残るもの、かなり弱って死んでしまうもの、
いろんなふうに影響が出てくるやろけど、この汚れは、いったん発生したら、居座る時間が長い。
わたしら人の寿命の長さから考えたら、それは永遠、という時間を意味する。

人工放射能を管理したり制御したりできると、いつかそういう方法が見つかると信じて、必死に研究を続けてる科学者達がいる。
もちろん、その研究は、今後も続ける必要がある。
せめて、実際に汚されてしもたものを、少しでも元の状態に戻すためにも。
そして、どこにも保管の仕様がないほどに増えてしもた、使用済み核燃料などのゴミの処理のためにも。

けど、せやからというて、核物質をこれからも作り出したりしてもええのかというと、もちろんだめ。
もう人類は、核をコントロールする、などという妄想を、持たんようにせなあかん。
核を武器にすることも、武器を使うために戦争することも、自分の欲のために国を支配することも。

失うて、初めてわかるありがたさ。
もうこれ以上、初めてわかるもんが増えんようにするためにも。


↓以下は、今から10ヵ月も前に報道された記事。
この頃にはもう、億ベクレル、みたいな数字にマヒしてしもて、こんなニュースを読んでも、円が上がった下がったみたいな、
どうでもええわ、みたいな気になっては、あかんあかん、この数字の意味をきちっと捉えなあかんと、自分で自分を叱ってた覚えがある。

阿武隈川河口で放射性セシウム525億ベクレル 読売新聞 2011年11月24日 

東京電力福島第一原子力発電所から、北に約70キロ離れた、阿武隈川河口(宮城県岩沼市)から今年8月、
1日あたり、525億ベクレルの放射性セシウムが、海に流出していたことが、文部科学省の委託を受けた、京都大防災研究所や、筑波大などの調査でわかった。

東電が、4月時点で推計した、同原発からの海への総流出量に比べると、約10万分の1の値だが、
専門家は、「流域の生態系などの影響に、注意が必要だ」と指摘している。

同川の2地点と、計画的避難区域に指定されている、福島県川俣町などを流れる、支流の口太川の4地点で、
8月10~30日、流れる水や、土砂の量を調べ、土砂に含まれる放射性セシウムを計測、流下量を計算した。

岩沼市の河口では、放射性セシウム525億ベクレルが流出。
上流側に、南西約40キロの福島県伊達市内では、計1763億ベクレルに達した。
放射性セシウムの9割以上は、水中の土砂に含まれており、河口までのダムで、一定量はせき止められたとみられる。



この、千何百億ベクレルのセシウムの中には、仲間の核種がウジャウジャ混じってるわけで、
しかも、雨水みたいに蒸発して消えてくれるわけでもなく、しつこう、なにかに混じったり包み込んだりして、
今も厳然と、日本のどこかに存在してる。

そのことの恐ろしさを、マスコミはなにも伝えへん。
ほんまに終ってるわ。

都民がどれだけ被ばくしたかを、後々になって、平然と文書にできる政府の冷酷っぷり!ど~ん!

2012年09月25日 | 日本とわたし
kokikokiyaさんのブログ、『原発はいますぐ廃止せよ』の記事を転載させていただきます。

↓以下、転載はじめ

東京のホットパーティクルからは、ストロンチウムが検出されていたのだ! 

大気浮遊塵中放射性物質調査報告書 東京都立産業技術研究センター
引用



ガンマー核種は言うに及ばず、ベータ核種のストロンチウムが、空気中から検出。

ということは、地上に落下して、土壌からも、ストロンチウムが検出されるはず。

横浜のビルの屋上から、濃縮されて大量に検出されたストロンチウムを、
文科省が、測定方法に疑問があるとケチをつけて、うやむやにされてしまったが、やはり、真実だった。
米国式スーピーディな、測定法の同位体研究所を、バカにした文科省は、隠蔽の親玉だった。
土下座して謝れ!!!

その浮遊塵、英語で『ホットパーティクル』が、部屋の中まで侵入。



http://oharagazou.blogspot.jp/2011/04/hotparticle.html


http://fujifilm.jp/important/article_20110322.html

エックス線フィルムが感光した、という情報は、去年の事故後、すぐに出回っていた話だ。
掃除機の中のゴミからも、いまだに、セシウムが濃縮されて検出される。

食品の基準値は、セシウムが100ベクレル以下にする。
他の核種は、測定が大変だから、費用対効果を考えて、測らないことにした。
しかし、セシウムの10%は含まれているとみなすと、はっきり厚労省は言っている。

現実には、セシウムが多く含まれる食品に、一体どれだけのストロンチウムやプルトニウムやルテニウムやウランなどの、長半減期の核種が含まれていたのかを、出して欲しいものだ。

吸い込んで、食べて、飲んで、被曝したのは間違いない。
セシウムだけではなく、ストロンチウムも。

さらに、それを継続するのか、しないのか、体内濃縮することを続けるかどうか、が問題である。

数値は必ずあるはずだ、ソ連の二の舞をしないでほしい。

ここは自由民主資本主義の国ではないのか?


↑以上、転載おわり

ここに、大気東京都立産業技術研究センターによる、大気浮遊塵中放射性物質調査報告書の全文を載せておきます。

東京電力福島第一原子力発電所事故に係る、大気浮遊塵中放射性物質調査報告書

平成23年12月

地方独立行政法人 東京都立産業技術研究センター

1.調査期間
平成23年3月13日から9月30日まで

2.調査地点
(地独)東京都立産業技術研究センター駒沢支所(4月1日以降は同跡地)
東京都世田谷区深沢2-11-1

3.調査方法
(1) 大気浮遊塵の捕集
大気浮遊塵の捕集は、3月13日から4月10日までは、Staplex TFIA型 集塵装置を、 4月11日以降は、SIBATA HV-500R ハイボリューウムエアサンプラーを用いた。
ろ紙は、100mmφ、又は、110mmφのガラス繊維ろ紙(アドバンテック東洋製GB100R)を用いた。
捕集は、駒沢支所構内、地上から約1mの高さで行った。
吸引量は、0.6m3/minであった。
大気浮遊塵の捕集時間は、初期は8時間、高濃度時には1~3時間、低濃度時は24時間であった。
捕集ろ紙は、ポリ塩化ビニリデンフィルムで包み、測定試料とし、捕集後、速やかに測定に供した。
測定時間は、3月13日から3月14日までが0,000秒、3月15日から4月11日12時までが1,000秒、それ以降は、20,000
秒であった。

(2) ガンマ線計測による放射能測定
放射能濃度は、ガンマ線スペクトロメトリー(注1)により求めた。
Ge半導体検出器は、3月13日から4月10日までは、CANBERRA GR3019、4月11日以降はORTEC GMX25を使用し、
放射能標準ガンマ面線源を、校正用線源として、放射能濃度を算出した。
最も放射能濃度が高かった、3月15日午前10時から午前11時にかけて、捕集した試料については、
核種同定、及び詳細分析のため、2ヶ月後、及び6ヶ月後に、再度測定した。
放出するガンマ線のエネルギー、ガンマ線の放出割合、及び核種の半減期の相違による、ピークの減衰から、核種の同定を行った。

(3) ベータ線核種の放射能測定
放射能濃度が高かった、3月15日午前0時から午前7時12分までの試料、及び午前10時から午前11時まで捕集した試料について、
財団法人日本分析センターに委託して、ストロンチウム89、及びストロンチウム90の、放射能濃度を測定した。
分析方法は、文部科学省放射能測定法シリーズ2「放射性ストロンチウム分析法」(平成15年)に準じた。

(4) 吸入摂取による実効線量の算出(注2)
連続的に捕集した、試料の測定結果をもとに、呼吸率(成人)を用いて、累積吸入摂取量を求め、
次式を用いて、3月13日から9月30日までの、吸入摂取による実効線量(μSv)Hを算出した。

H=ΣKi・Ai

Kiは、放射性物質iの実効線量係数(μSv/Bq)、Aiは各放射性物質iの累積吸入摂取量(Bq)を示す。
呼吸率として、22.2m3/日(成人)を、吸入摂取した場合の実効線量係数として、ICRP Pub72のデータを用いた。
最も濃度が高かった、3月15日午前10時から午前11時まで、捕集した試料については、
ガンマ線計測、及びベータ核種計測の結果をあわせて、1時間の吸入摂取による実効線量、及び核種寄与率を算出した。

4.調査結果
(1) ガンマ線核種測定結果
平成23年3月13日から9月30日までの、測定結果と吸入摂取量を、表1に、
累積吸入摂取量、及び吸入摂取による実効線量、ならびに核種毎の割合を、表2に示す。

・ 累積吸入摂取量は、
ヨウ素131 が1,000Bq(28.0%)
テルル132 が960Bq(26.9%)
ヨウ素132が670Bq(18.8%)
セシウム134が230Bq(6.4%)
セシウム137が220Bq(6.2%)
テルル129mが190Bq(5.3%)
テルル129が160Bq(4.5%)と、主要7核種で、96.1%
を占めている。

総累積吸入摂取量は、3,600Bqであった。

吸入摂取による実効線量は、24μSv と算定された。
寄与率は、高い方から、
セシウム137が8.6μSv(35.3%)、
ヨウ素131が7.4μSv(30.4%)、
セシウム134が4.6μSv(18.9%)、
テルル132が1.9μSv(7.9%)、
テルル129mが1.5μSv(6.2%)
の順であった。

・ 実効線量への寄与は低いが、
ヨウ素133が68Bq(1.9%)、
テルル131mが24Bq(0.7%)、
セシウム136が33Bq(0.9%)と算出された。

平成23年3月から9月までの月別の吸入摂取量を表3に、吸入摂取による実効線量を表4に示す。

・ 各月の吸入摂取量は、
3月が3,600Bq 、
4月は13Bq、
5月は1.9Bq 、
6月以降は1Bq以下と算出された。

・ 吸入摂取による実効線量は、
3月が24μSv、
4月は3月の100分の1の 0.24μSv、
5月は0.05μSv、
6月以降は0.01μSv以下と算出された。

核種ごとの寄与率は、
3月には、
セシウム137が8.3μSv(34.6%)、
ヨウ素131が7.4μSv(30.8%)、
セシウム134が4.5μSv(18.8%)、
テルル132が1.9μSv(7.9%)、
テルル129mが1.5μSv(6.3%)
の順であったが、

4月以降、テルル132、テルル129mなどの核種の寄与はほとんどなくなり、ヨウ素131の寄与も順次減少し、

6月以降は、セシウム137とセシウム134によるものとなった。

(2) 高濃度時の詳細測定結果
ベータ線核種測定結果
・ 3月15日午前0時から午前7時12分までの試料については、
ストロンチウム89が0.020Bq/m3、ストロンチウム90が0.0022Bq/m3であり、
吸入摂取による実効線量は、それぞれ0.0011μSv、0.0024μSv
と算出された。

・ 放射能濃度が最も高かった3月15日午前10時から午前11時まで、捕集した試料については、
ストロンチウム89が0.120Bq/m3、ストロンチウム90が0.011Bq/m3であり、
吸入摂取による実効線量は、それぞれ0.00087μSv、0.0016μSv
と算出された。

3月15日午前10時から午前11時まで採取した、高濃度時大気浮遊塵試料の詳細

測定結果により、同定された核種と核種毎線量の、1時間値、および割合は、表5のとおりで
ある。

注1) ガンマ線スペクトロメトリー;
放射性核種は、半減期が異なり、放射性核種からのガンマ線は、それぞれ固有の、エネルギーと放出割合を持っている。
これら3つの情報から、核種を同定し、エネルギー分布のピーク面積と、校正線源との比較から、放射能を定量する方法。

注2) 吸入摂取による実効線量;
吸入摂取された放射性物質が、放射性壊変、及び排泄により減衰する間、継続して被ばくを受けるため、
予測される内部被ばくを、将来(成人の場合は50年)にわたって、積分した総線量のこと。
この場合、預託実効線量という。

核種毎、摂取方法毎に、実効線量係数をICRPが定めており、累積摂取量に実効線量係数を乗じて算出する。

注3) 表1の数値は、指数で表示した。
(例1) 2.5.E+02は 2.5×102=250
(例2) 2.5.E+00は 2.5×100=2.5
(例3) 2.5.E-02は 2.5×10-2=0.025
また、NDは検出されず、(検出限界値を下回った場合)を示す。

注4) 表中の数値は、放射能濃度の測定精度を考慮し、有効数字2桁とした。

人生のふるい

2012年09月25日 | ひとりごと
これは先週の土曜日の話。
それはそれは変な日で、一日中、雨が降ったり止んだり、かと思うと、カーッと晴れたり。

そして突如、晴れているのに大雨が降ってきた。


旦那とふたり、「きつねの嫁入り!」と叫んで外に出た。


旦那は、ドライブウェイに早くも出現した、小川のような雨水の流れをじっと見下ろしている。


その流れを見ながら、前日の、気功瞑想の後の、道教の勉強をしていた時に、ミリアムと話したことを思い出した。


彼女は突如、3才だった頃の思い出を話し始めた。
当時、彼女が住んでいたイスラエルの町では、空から恐ろしい爆弾が落ちてくるのは、特別珍しいことではなかった。
特別珍しくはない→日常茶飯事。
だからといって、恐くないのかといえば、そんなことは全然なくて、もちろん恐ろしい。
大人も子どもも、そして、事情を理解できない動物達も、一様に恐がっていた。
けれども、起きている間中恐がっているわけにはいかないので、皆それぞれのやり方で、その恐怖を心のどこかに押し込んだり、忘れようとした。

そんな毎日が続いていた時、ミリアムの頭の中に突然、奇妙なアイディアがぽっかり浮かび上がってきた。
明るい時は恐い物が落ちてこない→明るい時は目をあけている→目を閉じさえしなければ恐い物は落ちてこない。
ミリアムは興奮した。
すごいことに気がついた、と思った。
その日の晩から、だから彼女は、目を閉じないことにした。
いくら頼んでも、灯りをつけてはもらえなかったので、いつもそこだけほんのりと明るい、天井のある一点を見据えることにした。
そこから目を離したらおしまい。
あの恐ろしい物が、空から一斉に落ちてきて、わたしの身体はグチャグチャになる。

3才の女の子は、それからずっと夜の間中、一点を睨みつけ続けた。

「だから、気がついた頃には、重症の不眠症になってしまってたの。まだ小学校にさえ行ってない子どもなのに」
と、ミリアムは苦笑いをしながら言った。

わたしにも、状況は全く違うけれど、死がいつも、ついて離れない影のようにつきまとっていた頃があった。
それは、他人がもたらす死であり、自分自身もいつしか望んでいた死でもあった。
けれども、いくらそれが身近にあったとしても、やはり恐れていたわたしは、その影にすっぽりと包まれてしまわないようにと、心のどこかで祈っていた。
眠ると必ず金縛りに遭い、それがどんどんエスカレートしていって、しまいにはおぞましい化け物まで見えてきた頃、
わたしもとにかく、眠らないように、天井のある染みを睨みつけ、いつしかその染みと話をしたりしていた。

そんなお互いの昔話をしていた時、急に思いついたことがあって、口に出してしまった。

「わたしね、幸せになるのが今だに恐い」
「どうして?」
「子どもの時から、幸せやなあって思たらその後に必ず、普通では考えられへんようなとんでもない悪いことが起こって、その幸せが吹っ飛ばされたから。
そやし、結婚も、あんまり幸せ過ぎひんような感じが大事で、けどもやっぱり、それやと幸せになれへんから辛うて……。
でも、やっと母親になれて、もうどうしようもないほど幸せで、そしたらそれが恐くて恐くて、息子らが死んでしもたらどないしょうと、毎晩のように悪い夢見て……。
どうにかこうにか、息子らも、病気や事故で死にかけたことはありながらも、ほんで、このわたしの人生に巻き込まれて往生しながらも、無事に大人になってくれて、
わたしもようやく、アホなことを心配せんようになって、ピアノにも専念できる時間もできて、カーネギーで演奏するというような幸運にも恵まれて、
さあ、これからもっともっと勉強するで~!と意気込んでた矢先に、ピアノが弾けへん状況に陥って……」
「……」
「旦那は、それは、まうみが子どもやった頃の、運、不運とは違うって言う。
ただまうみが、いくら必要やからというても無茶をし続けてきたことと、更年期に入ってること、そういう諸々のことが重なってるだけって」

本当に気をつけないといけないこと。本当はちゃんと心配しなければならないこと。
それがわかっていながら、それらにも勝る情熱や喜び、あるいは恐怖がある時に、人は易々と、大切なことを無視して、自分に自分でウソをついてしまう。
それが、どれほど人の身体や心を傷つけてしまうか、弱らせてしまうか、そのことを知る時にはたいてい、もう取り返しがつかないことになっている。
よほど身体や心が強かったり、頑固だったりする人は、そのウソが死を招いたり、一生に渡る病に冒されることになる。
でも、多くの人は、そこまでに至るほどに強くもないし、頑固でもないので、ウソが続かない。
だからといって、本当の世界に戻ったからといって、その世界に一番適切な行動がとれるのかというと、またそこで、人はふるいにかけられる。

「そのふるいはいったい、誰の手が持っているんやろね」
「まうみは誰だと思う?」
「……神様、と言いたいとこやけど……自分自身」
「自分の人生のふるいをぎゅっと握っているのは自分ってこと?」
「イメージがあんまりはっきりとせんけど……ただ、自分しか決められへんってこと、かな」
「そうね。その人その人しか決められない。そしてその人が決めたことはその人だけしか変えられない」

わたしはまた、日本のことを考える。
その人が決めたのなら、その決定を尊重するべき。
その地に留まると決めた人に、留まることは危険だと呼び掛けたり、説得したりするのではなく、
留まりたくはないが、飛び出す勇気が持てなくて迷っている人、飛び出したくてたまらない人に手を差し延べることに集中する。

わたしのような考えの持ち主を、危険厨だとか放射脳だとかいうあだ名をつけて、苦笑混じりに呼んでいる人達はきっと、きっぱりと決めた人達なのだ。

少しだけまた、心の中のゴタゴタを、片付けられたような気がした。



みんながそれぞれに、穏やかな気持ちで暮らせる日がきますように。