ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

骨盤と丹田

2010年09月30日 | 音楽とわたし
いよいよ明後日!

いっぱいやった。いっぱい落ち込んでいっぱい足掻いた。いっぱい試していっぱい失敗した。いっぱい勘違いしていっぱい悩んだ。
でももう、いよいよ明後日。どんどん近づいてくる本番に、心臓は早くもドクンドクンといつもより派手に波打っている。

つい先日、T師匠から『フレーフレーメール』が送られてきた。
ああ、師匠もきっと、大丈夫だろうかと心配してくれているんだと、すごく嬉しくなった。

『骨盤後ろに倒れてない?
 前むいて真っ直ぐ立ち上がってる?
 首と肩をリラックスさせてそして、指先に集中できてる?
 手のひら締めたり、ぐさぐさにゆるめたり自在にできてる?
 等間隔の枕木の上に敷かれた2本のレールの上を次から次と変化する景色を受け入れ、
 楽しんで走ってる電車に乗ってるように音楽にのれますように!』

骨盤のこと、手のひらのこと、首と肩のこと、そして指先のこと。
ピアノを弾く体のメカニックなことを熟知して、問題がある生徒には、解決に向けて、的確な指摘と指導ができる師匠。
わたしがどんなにひっくり返っても、彼女には叶わない、きっと。
今だって、練習中にふと、師匠だったらここではこう言うだろうなあ~なんて思いながら弾いてたりする。
もうそれは40年近くも前のことなのに……。

『骨盤は大丈夫、手のひらだってちゃ~んと意識して締めたり緩めたりしてるよ』
そんな返事を書いた。

ところが昨日、突然、骨盤が後ろに倒れていることに気がついた!どうしても弾けない所を練習中に。
わっ!いかんいかん!倒れてるよぉ~とばかりに前に向け、真っ直ぐに立ち上がらせると、あらあら、自然と丹田にしっかりと気がたまったではないか!
そしてスルスルッと弾けた……。

師匠!ごめんなさい!できてなかったよぉ~!でも、ずっとじゃなかったんだよぉ~!ちゃんと気をつけてたんだよぉ~!

実にこの、下半身のドスコイ感は、とてもとても大事なのだ。どんなに心臓がバクバク踊り狂ってても、腹にしっかり気が入ってればなんとかなる。
そのためには骨盤でしょ!
自分で自分を戒めるために、後ろ手でトントン叩いておいた。
あと1日。骨盤が後ろにダレ~ッと倒れないように気をつけて頑張ろう!
T師匠、ほんとにありがとう!


今日の夕方からの生徒は全員男の子。7才から11才。しかも、4人とも明後日のコンサートを聞きに来てくれる。
机の上に、縮小してみた楽譜を置いてあるのを見つけて大騒ぎ。
「ねえねえ、これって土曜日の曲?」
「ひぇ~!音符、ちっちぇ~!」
「こんなん、どうやって弾くん?マジ意味不明!」
「ねえ、ドキドキしてる?ちゃんと弾けそう?」

君達、先生はがんばるよ!たとえ、せっかく縮小してみたものの、音符がちっちゃ過ぎて、ローガンには合わなかった悲しい現実に打ちひしがれていても……。
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うっとうしい日にもしあわせ

2010年09月30日 | ひとりごと
明け方に大きな雷が鳴り、その後ざあざあ降りの雨になり、起きてみると、実にジメジメもわもわとした空気の中、まだ雨は降り続いている。
気温は25℃。窓という窓をぴたりと閉め、外のジメジメもわもわな空気が入らないようにしなくちゃ!

こんな鬱陶しい朝は楽しくいきたいものだ。いつもの朝食に突然飽きた、しかも同時にふたりして飽きた旦那とわたし。
今朝はこんな、とんでもない物をいただくことにした。
電子レンジでちょいと解凍、そしてトースターでこんがり。



たい焼きくんにはお茶でしょ!ってんで、今朝は登場願えなかったエスプレッソ。
彼はつい最近うちにやってきてくれた新人さん。コーヒーオタクの旦那の良き相棒。



実は、彼のことは、あさこから教えてもらった。
こちらでの新生活を始めるにあたり、必要最低限の物を揃えるべく、IKEAに買い物に行った彼女とわたし。
これがなくちゃ始まんない!とばかりに、嬉しそうに抱えてきたこの直火式の抽出器。
ステンレス製にしてはお値段が安過ぎ?!大丈夫かいな……と少し心配になったが、どうやら全くオッケーで、エスプレッソライフをご機嫌に楽しんでいる様子。
ほいじゃ~ボクも、とばかりに、つい最近旦那も買った。
挽いた豆を直接入れるので、ペーパーホルダーもいらない。エコにも役立つではないか!
ミルクを沸騰させて、そこにジュブジュブとエスプレッソを足す。それをふうふうしながらチビチビと飲む。至福の時。
それに、挽いた豆を直接入れるので、ペーパーホルダーもいらない。エコにも役立つではないか!


今日はレッスンとレッスンの合間に行こうと思っていたピラテスをやめた。
迫ってきた舞台のためにも、体を鍛えておこうと思ったのだけど、やることが詰まり過ぎてあまりにバタバタだし、ここはゆったりと、腹で息をしながら、自分でできるストレッチをすることにした。

で、できた時間でブログも書ける。なんちゃって。時間なんて無くても書いてるくせに。

シンガーミシンのことを書いた記事にchi-koちゃんがコメントしてくれて、そこにもあるやん、シンガーミシン!と教えてくれた。
わわわっ!そうだった!



ガレージセールで、当時の経済状況からすると、とんでもないお値段($50)もしたのに、どうしても欲しくて、有り金をかき集めて買ったミシン。
扉を開けるとポケットがついていて、そこにこんな箱が入っていた。
もうスペルも剥がれていて見えないけれど、中にはツヤツヤの部品がいっぱい!



おばあちゃんが一緒にいてくれるような気がして、すごく嬉しくなった。
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おばあちゃんの思い出

2010年09月29日 | ひとりごと
シンガーミシンはわたしにとって、とても懐かしいミシン。

父方の祖父母は紳士服の仕立て屋を営んでいて、その家の通りに面した四角い部屋は、コの字の壁沿いにずらりとミシンが並んでいた。
一台一台のミシンには、決まったお針子さんが座っていて、足踏みも軽やかに、カタカタという小さな音をたてて、一日中縫い物をしていた。
そのミシンがすべてシンガーミシンだった。
毎日、使った後にきちんと手入れされていたミシンはどれも、黒光りしていて、近づくとフンと機械油の匂いがした。
幼稚園児だったわたしは、そのミシンを使ってみたくてたまらなかったのだけど、おばあちゃんに厳しく止められていたので、近づくこともできなかった。

ある日、なぜだか仕事場には誰も居なくて、おばあちゃんも表の軒先で近所の人と話し込んでいて、わたしはその、少し薄暗い部屋にそっと忍び込んだ。
そしてミシンにそぉっと近づいて行き、お針子さんの椅子をお尻でグイッとどかし、お姉さん達がやっていたように、見よう見まねで、そこにあった布を縫おうと、脚踏みに片足を乗せてぐっと踏み込んだ。
ところが、何も知識の無かったわたしは、糸押さえを下げないまま布に手を置いて踏み込んだので、布と一緒につられて動いていったわたしの右手の人差し指に、ぶっといミシン針がブツブツと刺さっていった。
あまりの痛さにあげたわたしの悲鳴を聞いて、おばあちゃんが家の中に飛んで入ってきた。
5針ほど縫われたわたしの指を見て仰天し、なにやら怒鳴りながら、とにかくその、拷問のような状態からわたしを救い出してくれた。
そしてわたしをおぶって、すごい勢いで病院に駆け込んでくれた。

おばあちゃんの背中は骨だらけで、足が地につくたびにゴツゴツとほっぺに当たって痛かった。
けれど、そんな痛さより、「あんたはアホや!あんなに触ったらあかんでっておばあちゃんが言うてたのに、ほんまにアホや!女の子やのに、こんな傷つけて、どないすんの!指動かんようになったらどないすんの!」と、ものすごく怒った声で言われたことの方が痛かった。

おばあちゃんに叱られたのは、それが最初で最後。
おばあちゃんとわたしは同じ誕生日で、それが毎年桜の満開を迎える時期だったので、「わたしらは桜の神さんの子やな。おんなじ誕生日っていうのはすごく特別やねんで。そやからわたしはまうみが一番好きや」と、いつもニコニコしてそう言いながら、庭から見える、見事な桜のトンネルを二人並んで眺めていた。
大抵の親戚は、気の利かない本ばかり読んでいる変な幼稚園児のわたしより、三つも下なのに愛想のいい三才の弟の方を気に入っていて、だからわたしは余計におばあちゃんっ子なのだった。

桜の老木の木の下に立ち、あんたもこっちにおいでと、にっこり笑って手招きしているおばあちゃん。
おばあちゃんを思い出す時はいつもその姿。
一度、本格的に死にかけた時、三途の川(といっても、とても幅の狭い、小川のような、けれども滅茶苦茶きれいな水だった)の真ん中あたりまで入って行った時、「まうみ!まうみ!」と、だんだん大きくなる声で呼び止めてくれたおばあちゃん。

いつだって見守ってくれている。ミシンと一緒に思い出したおばあちゃんのこと。
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米国シンガーさん事情

2010年09月29日 | 米国○○事情
今朝はシンガーさんのことで盛り上がったレア家であります。
どうしてそんなことになったかというと、昨日の記事にかわちゃんがくれたコメントの中に、鍼はアメリカでも作られているか?という質問があったからです。
そういや、鍼灸用の鍼の、アメリカ製ってのを聞いたことがなかったなあ~と思ったわたしは、旦那に聞いてみました。

彼が治療に使っている鍼の多くは、中国製、韓国製、そして日本製です。
断トツに中国製の鍼が多いのだけど、それはひとえに一番安いから。
彼が治療に使う鍼の量ったらもう、それはそれはたくさんなので、経費節減のために妥当な選択なのですが、
とても神経質な人や、痛みを異様に恐がる人(←旦那はすぐそばにいい例がある、とニヤリ)の治療には、必ず日本製の鍼を使います。
けれども日本製の鍼は、それこそ異常に高価なので、調子に乗って注文していると、とんでもないことになってしまいます。
長くやっていると、それほど素晴らしい仕上がりではない鍼でも、痛みを感じさせないで打てるようになるので、中国製の鍼でも文句はほぼ出てこないそうです。
でも、最近、韓国製の鍼が、中国製ほどではないけれど安くて、日本製ほどではないけれどかなり精巧に出来ているので、使い出したと言っていました。

で、その時にふと、ドイツ製ってのは無いの?という疑問が出てきて、旦那が「ほら、シンガーっていうミシンの会社もあることやし」と言ったのがきっかけで、「え?シンガーってドイツの会社やったん?」とわたしが聞くと、「え?ほな、どこやと思てるん?」と聞かれ、「日本かと思た」と答えたら、「そんなわけないや~ん」とばかりにさっそくウィキで検索開始!

すると……へぇ~?!アメリカだったのでした!!え?そんなこととっくに知っとるわい!って?


『アイザック・メリット・シンガー(Isaac Merritt Singer、1811年10月27日 - 1875年7月23日)は、アメリカ合衆国の発明家、俳優、起業家。ミシンの設計に重要な改善を施し、Singer Sewing Machine Company を創業』

と、ここまでは良かったのだけど、シンガーさん、この方、すご~い精力の持ち主だったらしく、4人の女性と重婚をくり返しながら、一緒に暮らしたりもしちゃったりして、18人の子供を持ったのでした?!
そのグループが一段落(というか、いっぱい悶着があった末に、とりあえず終わり終わり~とばかりに片付けてしまった)した後にまた5人目の女性と一緒になり、4人だか6人だかの子供を授かっています。

このクソ忙しい時に、時間をこんなことに使っててどうする?!と思いつつ、あまりのややこしさに二回も読み直してしまいました。
まあ、うちの父も同じような回数の結婚をしたけれど、重婚は無かった(と思う)し、子供もわたしと弟、それからひとり、腹違いの姉の3人だけだ(と思う)し、さすがの父もこのシンガーさんには勝てなかったな……と、変な感慨にふけっておりました。

ということで、鍼灸師の鍼からえらいところまで飛んでしまいましたが、シンガーミシンは米国が誇る機械なのでありました。

*わたしが読んだ仰天解説を読みたい方は、『アイザック・メリット・シンガー』と打ち込んで検索してみてください。ウィキが出てきます。
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米国東海岸にも竜巻?事情

2010年09月28日 | 米国○○事情
今日、出張レッスンの最初の家の玄関を入るなり、「まうみ、大丈夫なの?今日は竜巻が来るのに!」と言われてしまいました。

なぬ?

今日に限って天気予報を全く調べて行かなかったのでした。
けど、なんでこのニュージャージー州に竜巻なんかが来るん?
ニュージャージー州は、わたしが日本で住んでいた関西と同じぐらい、大きな天災が直接襲ってきにくい、のほほ~んとした場所なのですよ。

で、二軒目に行くと、またまた、「今日は竜巻が来るよ。運転大丈夫?」と言われ、いよいよ本気の様相。
そういや、二週間ぐらい前、ブルックリンが竜巻に襲われ、樹木や建物に半端じゃない被害が出て、高速道路を運転中の女性が巻き込まれて亡くなりました。
これまで、東海岸沿いには竜巻なんてもんは来ないもんだと信じられてきました。実際に一度も無かったそうです。
これもやっぱり地球が熱くなってきてることと関連していることなのかなあ。

三軒目あたりから、空の雲が異様な色形を見せ始め、ちょっとヤバいかなあ~と思いながらも、まあ、わたしが乗ってる車は巻き込もうにも無理だろう、などと思いながら最後の四軒目の家に着きました。

「竜巻が来るんだってね」
「ああ、もう来ないよ」

あっさりと竜巻さんは天気予報から姿を消してしまっていたのでした。

ところでこの、最近になってここ東海岸でも被害を出している竜巻、実はマイクロバーストと呼ばれる乱気流のひとつなのです。
二年ほど前には、その頃住んでいたモントクレアの町が、そのマイクロバーストによって大きな被害を被りました。
信じられないほど大きな木が根こそぎ倒されていたり、頑丈なフェンスがグニャリと曲がったりしているのを見て仰天したのを覚えています。
しかもその被害は、その気流が通った道だけに限られていて、まるで天空に住む巨人が、気まぐれにボーリングの玉をブウンと振り下ろしたような感じ。
被害に遭った所を通りかかる時、人々は立ち止まって見るのだけれど、そこにはなにか納得のいかない奇妙さが色濃く漂っていたのでした。


奇妙といえばこの方、



いくら職業とはいえ、よくもまあ、自分で自分に刺せることったら……これじゃあまるで猫じゃないですか!
でも、顔はやはり敏感なので、特別の鍼を使っているそうです。セイリンという日本製の鍼です。
こちらの鍼灸師の間でも、このセイリンは、ここぞという時に使う最高の鍼なのだそうです。
日本ってやっぱ、質のいい物を作りますよね~。

これは彼の鼻詰まりを解決し、ちゃんと寝られるようにするための治療だそうです。
さて、効果のほどはいかに?


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ただ今猛反省中!

2010年09月27日 | 音楽とわたし
先日の合同リハーサルの録音が送られてきた。
それを聞いてどっひゃ~ん

なんちゅう重たいピアノの演奏やねぇ~ん
思いっきり歌を引っ張ってしもてるやぁ~ん
あさこが重たぁ~~~い重りがついた足かせをはめられて、けども必死に前に進もう進もうともがき苦しんでいる図がくっきりと思い浮かぶではないか
ごめんよぉ~あさこぉ~

こりゃいかんと、今日はいろんな歌手の伴奏を聞き比べてみた。
すると……わたしらの演奏ってこんなに表情に乏しかったかしらん?
多分、音の響きやら色にこだわり過ぎて、それをいちいち聞き過ぎて、それで前に進むことや、表情に変化をつけることがおざなりになっていたのだと思う。
えらいこっちゃいや、まだ間に合うまだ4日もある

などと思いながら、明日の練習の計画を頭の中で練っていたら、あさこからメールが来た。

『ピアノのメロディー歌うとき、丁寧に弾くのですご~く響きは美しく宝石のようだけど、テンポがかなり遅くなります。
聴き過ぎ注意。弾いてる瞬間はもう過去形です。
手の中に入ってる宝石を味わうんじゃなくて、遥か彼方先に転がってる宝石を手を伸ばして拾いながら駆け足してる感じかなあ。
「インテンポな宝石」を期待してますう。(前のめりで良いくらいよ)よろしく~!君ならデキル!!』

やっぱり……いや、落ち込んでいる暇などありゃせん!『インテンポな宝石』目指して特訓じゃ~
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ポールの人生に祝福あれ!

2010年09月27日 | 友達とわたし
金曜日の、わたしがお礼を言いに行った日の夜に、ポールは78年の、彼の生涯を閉じました。

今日は一日中雨が降っていました。

昼と夜に分かれてメモリアルサービスがあったので、旦那とわたしは夜の部に行ってきました。

ポールの人となりがたくさんの人達を呼んだのでしょう、会場は人であふれかえっていました。

アイリッシュのお葬式らしく、今は神の御手に抱かれ、安息の地を得たポールの、新しい生の出発を祝福しましょうと、牧師さんがおっしゃっていました。

もう人間の姿形をしたポールには会えないし、話したり手を握ったりもできないけれど、彼の魂はきっと、独り残って病魔と闘うピンキーの側に寄り添い、彼女を温かく包んで励ましてくれると思います。

ポール、お礼を聞いてくれてありがとう。あの時生きていてくれてありがとう。わたしは本当に救われました。

ポールは本当は、心臓の手術を受けたくなかったんだってね。
どうしてかっていうと、今手術なんかしたら、ピンキーのことを看てあげられなくなるからだったんだよね。
でも、ピンキーはどうしても今、ポールに手術を受けさせたかった。
どうしてかっていうと、今なら自分がポールのことを看てあげられるからって思ったから。
ふたりはそうやって、自分のことよりも相手のことを思い遣っていて、その結果、たまたまこういうことになってしまったんだよね。

明日からもまた、ピアノを聞いてね。今日のように、いろいろと悩みながら練習するから、同じ所を何回も何回もくり返して弾いたりするだろうけど。

わたしはこれまで通り、ポールとピンキーに聞いてもらってるつもりで弾くよ。これからもどうぞよろしくね、ポール!

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買い物ってしんどいねん!

2010年09月26日 | ひとりごと
昨日今日と、長時間車を運転しては買い物に行き、膨大な面積の店舗の中を歩き回る、というパターンが続いた。

昨日は拓人の部屋を整えるべく、旦那とわたしが昼過ぎからクィーンズに行ったのだけど……。
まず、友人からベッドのマットレスをもらった、ということで、直接そちらまで行くことになった。
ところが……リンカーントンネルで混み、マンハッタン内を横断してクィーンズに渡る橋に行くまでに、なぜか突然トチ狂ってしまったナビゲーションさん(画面上で車がクルクル回り出し、車の上には『?』マークが出まくり)のおかげで、ものすご~く変な道に入ったり完全に逆だったり、ヘトヘトになってしまった。
で、友人の女の子Mちゃんちには手伝いに来てくれたという男の子K君が居て、マットレスを車の屋根にくくり着けたまでは良かったのだけど、彼らの用件もついでに、ということになっていたらしく、車にクーラーと扇風機も積み込んだ。
まあいいや、さあ出発!後部座席の拓人の横に二人も乗り込み、クーラーと扇風機の届け先にまず行くことにした。
ところが、拓人がいい加減に縛ったものだから、走っているうちに薄いマットレスが風を受けた帆のように盛り上がってしまい、周りの車から注意受けまくり!
しょうがないので、運転手以外の窓から腕を出して、皆で押さえながらなんとかやり過ごした。
後ろでは、ボケとツッコミ満載の大阪人の漫才のような会話に花が咲き、楽しいことは楽しかったのだけど、旦那とわたしの頭の中には?マークがつきっ放し。
そして……クーラーと扇風機を届けた家から出てきたMちゃんとK君、ここでお別れやんな~と思っていたら、再び車の中に。
拓人のアパートに着き、荷物を運び入れ、「へ~、すごい広いやん!ええやん!」と嬉しい感想を耳にしてニヤニヤの拓人。
さあ今日の第一目的であるIKEAに行こう~と外に出ると、へ?ここでもお別れちゃうん?……またまた車に乗ってきた彼ら。いったいどないなってんねん?!

ブルックリンにあるIKEAまでは大渋滞。後ろでは大盛り上がりの若者達。旦那もわたしもだんだんムカムカしてきた。
いったい我々は何しに来たん?
やっと着いたIKEAでは旦那は完全に別行動。友達の二人も喉が渇いたので、とレストランに行き、拓人とわたしだけが買い物開始。
ショールームに展示されている、机、ベッドのフレーム、ソファなどを見ながら、行ったり来たり、あれがいいこれがいいと悩んだ末にとりあえず決定。商品の名前と番号、そして一階のレジ前の倉庫のどこにあるかを書き込んでいった。
あとの細々としたハンガーや食器やコップ、食器立て、布巾などを買い物し、一番大事なカーテンのレールをあれこれ見ていると、再三電話がかかってくる。
まだ~?もう外に出てるんやけど~。それに、ちょっと約束あるし、その人にも待ってもらってんねんけど……。
焦る拓人。知り合ったばかりだし、10才ぐらい年上なので、やたらと気を遣っている。わたしから見ると異様なくらいに。
でも、今日は何しに来たんよ。ビルとわたしは、ニュージャージーから、拓人が新しい生活を始めやすいように少しでも助けたくてやってきたのに……。
だんだん本格的に腹が立ってきた。拓人の無計画さと彼らの無頓着さに。
でもまあいいや。今さら言ってもどうにもならないし。
結局Mちゃんはそこからウォータータクシーに乗ってマンハッタンに行き、拓人は夕飯をおごる約束をしていたらしく、K君と一緒に食べに行くと言い出した。
そこで初めて旦那が、「拓人はボクらと別々に食べたいの?せっかく一日をふいにして手伝いに来て、ずっと君らを乗せて車を運転しているのに、どうしてそんなふうに考えられるの?」と文句を言った。 
拓人にしてみたら、両親と一緒ではK君が気詰まりだと思ったのだろうけど、わたしもそれではあんまりだ!と思っていたので、旦那が言ってくれて気が済んだ。
机とベッドのフレームと椅子とソファは、一括でIKEAから送ってもらうことにした。買った物は、車で行かなくても済んだ物ばかり。まったくもう。

イーストヴィレッジの、K君お勧めの居酒屋は、安くて旨くていい所だった。
K君は日本の大学の経済学部を出ていて、こちらでいろいろと頑張った苦労人。
けれども、ビザが切れてしまうので、残念だけど、あと2ヶ月ほどしたら日本に帰ることになったそうだ。
「30代だとまだ可能性が残っているけど、40代になって日本に戻ったら難し過ぎるから」、と真剣な顔で話すK君。今は本当に厳しいけど頑張れ!


さて、クタクタの土曜日の翌日の日曜日(土曜日の次には当たり前に日曜日が来るのだが……)の今日。

朝から美容院に行き、美容師のエリさんに、舞台の上で右横さえちゃんと見られるようにしてもらったらいいからと、髪を整えてもらった。
こういう贅沢ができるようになったのだなあ~と、大きな鏡の前に座りながらしみじみ感謝!

それからミツワの敷地内にある日本の小物を売っているお店に行き、赤ちゃんのお祝いを選ぶのにこれまた時間がかかった。
本当は日本的な柄の赤ちゃんの服を買いたかったのだけど、法外に高かったので却下。
それで店の隅から隅まで見て回ったのだが決められず、結局は自分が使い良かったガーゼの大判タオルと、小ぶりのセラミックのおろし器とすり鉢を買った。
旦那に金額の合計を報告がてら電話をかけると、「それだったらもう一軒、お祝いしたい家があるからあと一セット買っといて!」と言われて再び店の中へ。
その後ミツワに行き、日本食の買い物をして、冷凍物を氷で冷やしながら、本当はそこでやってた『北海道展』で売ってるカレーコロッケだのプリンなんちゃらだの、サンマやアジのめっちゃ美味そうな開きだのカニ弁当だのがすご~く気になったのだが、続きで舞台衣装を買いにアウトレットモールへ行かなければならなかったので泣く泣く諦めた。
そこでも4時間もの間、歩いて歩いて歩き回り……けれども結局ドレスは見つからなかったのだった……マジで号泣する準備はできてるぞ!

あさこは中世のギリシャ神話に出てくるような、シンプルなんだけどとてもシックで上品なドレスを着る予定なので、その横でゴチャゴチャっとしたくない。
なのでやっぱり、いつものまうみ色『黒』でってことになりそう……家にある物をあれこれ組み合わせてみよう。トホホホホ……。

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それぞれに大きな意味があった日

2010年09月25日 | 家族とわたし
ついさっきまで、ブログに名前を書くのを躊躇していたのだけれど、なぜ躊躇しているのか自分でもあまりはっきりわかってなくて、だからいつも頭文字を打ち込むたびに、なんでこんなことをしているのかなあ……などと思いながら、TとかKとかBとか……。
でもたった今、いきなりもう、名前を出そうと思った。出そうが出すまいが、いったいそれを誰が気にするのか……誰も気になんてしない、と思う。
気にするどころか、きっとわたしと同じように、なにかしらの『けったいな感じ』を味わっているに違いない、と思う。

なので、唐突ですが、家族の紹介。

わたしは眞由美。
けれども、海という存在、感じ、音が大好きで、一時期眞海と改名していたことがあった。このブログの中では眞海でいたいのでまうみ。

旦那はビル。
これは呼び名で、正式にはWilliam(ウィリアム)。Willというのをドイツ語発音で読むとヴィルになるところからBillと呼ばれるようになったらしい。
彼はおじいさんの名前をもらった三世。なので、おじいさん、おとうさん、彼は、みんな同じ名前。

息子Tは拓人。
彼がこの世に誕生する直前まで女の子と思い込んでいて、まったく男の子の名前を考えていなかった。大難産の後、意識が戻り、チューブだらけのベッドの上で5日間朦朧としていたが、やっとテレビを少しなら観てもいいと許可が出て、その時流れたコマーシャルから「メットインTAKUTO!」という元気な声が聞こえてきた。
タクト、いい音だなあ。好きな漢字『拓』を使い、そこに『人』を足した。

息子Kは恭平。
彼の時も女の子とばっかり思っていて、けれども前回のお産があまりにも酷かったので、検査がたくさんあり、男の子と判明。その日またまた、たまたまテレビに出ていた柴田恭兵さんを観て、こんな渋い男になってくれたらなあ~とふと思い、『兵』の字を平和の『平』に替えて命名した。

一瞬、長男の名前をバイクのコマーシャルからつけたんだから、その時流行っていた軽自動車のアルトにしようかな~などとも思ったが、長男がバイクなのに次男が軽自動車だと、後々文句言われるかなあ~とか、アルトは合唱の女性パートだから、それでいじめられたら可哀想だ、とか思ってやめた。
でも、よくよく考えてみたら、タクトだって、指揮者に思いっきり振り回される指揮棒なんだけど……。

というわけで、いきなりの、どうでもいい紹介でした!


で、本題の大きな意味とは……。

昨日は拓人の、新居初お泊まりの日なのだった。
前にひとりでアパートに行った夜、台所で遭遇した二匹のゴキブリに仰天した拓人。
何が苦手って、ちっちゃなゲジゲジでも悲鳴を上げてドタドタと逃げてくる男なのだ。なので、ゴキブリなんてモッテノホカなのだ!
早速ネットでゴキブリ駆除のキットを手に入れ、その使用方法を熟読し、ゴキブリがどこで死ぬのかをクヨクヨ考えながら、会社からアパートに初帰宅をした。
 
わたしはその頃、リハーサルと、リハーサル後のお疲れさん会で盛り上がっていた。

そして恭平は、かれこれ数年に渡り、正露丸を詰め込んで痛みを誤摩化していた親知らずの歯を、痛みの無い物も含めて4本、いっぺんに抜歯した。
こちらではこの4本いっぺんというのが普通で、恭平のように手術が必要な場合に限らず、大抵は全身麻酔が施される。
なのに彼は、ユーチューブで自分と同じような状態の歯を持った人が受けた手術の様子を映したビデオを観て、あんな悲惨なことを、寝てる間にやられるのは困る。などと、わたしとは真反対の意見の持ち主で、局部麻酔を選ぶと言い張った。
でも、本音のところではきっと、全身麻酔にかかる費用500ドルを、自分がほんの1時間我慢することでゼロにできるなら、と思ってくれたに違いない。
それに、全身麻酔だと送り迎えが必要で、そのことも彼は考えたのだと思う。
とりあえず治療と手術は無事終わり、今は痛みと格闘中。出血も半端じゃなかったので、少しボォ~ッとしている。

わたしはやっぱりその頃、リハーサルと、リハーサル後のお疲れさん会で盛り上がっていた。

今日はこれから、恭平のための味噌粥を作り、それから旦那とふたりで、ぶっといロープ持参で拓人のアパートに行く。
拓人が知り合いから譲り受けたマットレスをもらいに行かなければならない。
そしてブルックリンのIKEAに行き、家具とカーテンを買い、生活に要る細々とした物を揃える予定になっている。

それが終わったらいよいよコンサートに集中できる。
拓人は当分ここには帰ってこないだろうし、恭平の痛みに歪んだ顔を見ることももう無い。

一安心と淋しさが入り交じった朝。今日もまた暑い。






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いよいよあと一週間!

2010年09月25日 | 音楽とわたし
来週土曜日の、カーネギーホールでのコンサートのための最終合同リハーサルが終わった。
みんなそれぞれに、先月末の演奏よりとても良くなっていて、なんだか嬉しかった。
ピアノを弾く人達に、ちょっとお節介だとは思ったけれど、この1週間でなんとかなりそうな事柄だけを選んで注意した。
例えば今日、わたし自身があさこから教わってとても役に立ちそうだと思ったこととかを。


今日の彼女の例えは新体操。
「うーんとさ、ほら、新体操とかあるじゃない。(と言いながらすでにリボンの新体操の演技に入っているあさこ)でね、こういう動きをしている時に(腕を大きく広げている)、棒の先端はこういう弧を描くのだけど、その後からリボンがヒラヒラヒラヒラっと。音ってなんていうのかなあ、尾っぽがないとだめなんだよね、彗星のようなさ」
「歌うとよくわかるんだけど、ドスンドスンと音符をひとつずつ音にしちゃうと、もうそこで終わっちゃうわけ。だから、そうならないように、どんなに短い音でもどこに行きたい音なのかがわかっていなければならないし、そのわかってるってことが音に出せないとだめなの」


ピアノはある意味打楽器でもあるので、鍵盤を押し込んでハンマーが弦を叩くと、それっきり音の響きは弱くなっていく。
声や弦楽器や吹奏楽器のように、のばした音の強弱を自由自在に変えることはできない。
なので、息の長いフレーズに限らず、ほんの3音のレガートでさえも、本気でつなげようとしないと、レガートには聞こえなかったりする。
あさこは、そういうピアノ特有の物理的な問題を充分ふまえた上で、それでも意思とイメージを強く保ち、全身で、特に腹の底から歌えば、わたしがそのフレーズのどこの音までを目指しているのか、どんなふうに歌おうとしているのかが、必ず聞いている人達に伝わると教えてくれた。

幸いなことにわたしは吹奏楽を長年やっていて、息を使う楽器の、微妙に心地良くズレる感じ、というのを知っている。
ほんとうに、この世に無駄な経験は無い。


「わたしは客席の正面向いて響きを飛ばせるけど、まうみは横向きじゃない。でもさ、横向きだってなんだって、そっからビューンって飛ばしちゃって!」
「で、大切なのは、飛ばしたい響きをちゃんと出したかどうかなんだよね。だから、それをちゃ~んと聞くこと。確認できてないのに焦って次を弾いちゃったらだめ。そこで音楽は終わっちゃうから。そんなのほんの0.1秒のことじゃない。歌うことにもっと貪欲になること」
「でね、もしうまく出せなかったとしても、あ~やっちゃった~……なんて気にしちゃだめ。ひとつ気にしちゃうともうそっからどんどんどんどん細かい所が気になっちゃって、歌どころじゃなくなるの。そんなのはもういいの。パッと切り替えて歌うことに専念するの、最後の最後の音まで」
「まうみのソロの部分はさ、もうまうみの世界なんだから、誰にも気を遣う必要なんて無いでしょ。好きなよ~に、ど~じゃ~!って感じで弾ききらなきゃ」



今夜のマンハッタンは、国連の行事が続いているからか、世界からの要人だらけで、道路はどこも異様に混んでいた。
旦那は、リハーサルの開始時間ギリギリにわたし達を車から降ろし、そのあと駐車できる場所を探しに出たのだが、黒塗りの、窓から外に向けて銃を構えているSPが乗った車やパトカーや救急車が賑々しく走るパレードに出くわしてしまい、焦っていたとはいえ、事もあろうに、中央の車線からいきなり右折をしてしまい、めでたく再びチケットをいただいた。


いよいよコンサート本番が近づいてきた。



ザンケルホールのピアノはどんなのだろう。そしてそれはどんな響きが出るのだろう。ドキドキとワクワクが同じぐらい。心臓さん、しっかりね!

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