ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

レイプ被害者の沈黙の壁を破った女性「わたしは『被害者A』ではありません。伊藤詩織です」

2017年12月30日 | 日本とわたし
日本との時差が14時間のこちら米国東海岸も、2018年の元旦を迎えました。
明けましておめでとうございます。
昨年は、年末の2ヶ月間、このブログを書き始めてから初めて、

先日のニューヨークタイムズのWEB版に、伊藤詩織さんの記事が載りました。
記事には、詩織さんと山口氏両名の写真が、大きく掲載されていました。

She Broke Japan’s Silence on Rape
https://www.nytimes.com/2017/12/29/world/asia/japan-rape.html





詩織さんが受けた被害、日本のレイプ被害者が遭遇する理不尽な扱いについて書かれていて、さらに、日本の主要メディアがどうしてこの件を報道しないのか、ということにも言及しています。

アメリカでは今や、大物プロデューサー、俳優、インタビュアー、報道関係者などによる性的暴力行為が、被害者の女性たちの告白で公になり、続々とその地位を剥奪され、大いに非難を浴びています。
それは当然のことであり、下劣で醜い行為をした者は、どんな地位にいようと、どんなに立派な作品を生み出していようと、どんなに社会に貢献していようと、罰せられなければなりません。
告白者の勇気に推され、思い出したくもないグロテスクな瞬間を、もう一度自分の言葉で話し始めた女性も、次から次へと現れ始めています。

Me, too!

日本でも、伊藤さんや、様々な理由で暴力を受けた人たちを応援し、支えようとする人たちが、今以上に大勢出てくることを願っています。
そしてまた、暴力を受けたにもかかわらず、誰にも話せないまま苦しんできた人たちの痛みが、少しでも和らぐよう願っています。

偶然か否か、日米ともに、政権トップの人間としての質が甚だ低く、特権を振りかざしてやりたい放題をしている最中ですが、
事の成り行きを見ていると、少なくともアメリカの方がマスコミと司法がまともである、いや、日本のマスコミと司法が想像以上に異常であることがよくわかります。
もう人任せではなく、その社会に生きる市民の側から、このような状況は続けるべきではない、マスコミと司法は態度を改めよという声を集め、戒めるべき相手にしっかり伝わる大きな声にしなければなりません。


以下は、フリージャーナリストの志葉玲氏が、これまでの事実関係を簡潔にまとめて書いてくださった、去年の11月7日の記事です。
詳しい事情をまだ知らない人は是非、この記事の後に紹介させてもらう、
【全文1/2】
伊藤詩織氏、2年前の「悪夢の始まり」を振り返る 
元TBS記者によるレイプ被害を告発

http://logmi.jp/242770

【全文2/2】
レイプ被害告発の伊藤詩織氏「女性からのバッシングもあった」 
会見中には、元TBS同僚の行為を非難する記者も

http://logmi.jp/242901

や、


https://www.amazon.co.jp/Black-Box-伊藤-詩織/dp/4163907823

を読んでください。


詩織さん VS 山口氏
元TBS記者「準強姦疑惑」反論の疑問点ー国会で「安倍政権への忖度」の追及を

https://news.yahoo.co.jp/byline/shivarei/20171107-00077859/

安倍晋三首相と親しい元TBS記者・山口敬之氏に、若手国際ジャーナリストの伊藤詩織さんが、性的暴行を受けたと告発した問題で、
伊藤さんは、10月24日、外国人特派員協会で会見を開き、真相の究明を求めるとともに、日本の司法や性犯罪被害者への支援の在り方についての課題を語った。
一方、山口氏は、10月31日発売の月刊誌『HANADA』(2017年12月号)で、伊藤さんの主張に対し、全面的に反論した。
ただ、今回の山口氏の主張には、自身の過去の主張と食い違う部分もある。


●「不起訴相当」検察審査会の判断への疑問
 
伊藤さんによると、彼女は2015年の4月、当時TBSのワシントン支局長であった山口敬之さんに、米国での就労ビザの相談のために会った。
二人で飲食している間に、伊藤さんは、急に昏倒し、意識を取り戻すと、山口氏にレイプされている最中だったという。
被害後、伊藤さんは、彼女の下着から検出された山口氏のDNA、山口氏のホテルへ移動したタクシー運転手の証言や、ホテルの防犯カメラ映像などの証拠を集め、
告発を受けた高輪署も、山口氏の逮捕令状を、裁判所から得た。
しかし、まさに、捜査官が山口氏を逮捕しようとしたその時に、警視庁本部の中村格・刑事部長(当時)の突然の指示で、逮捕は見送られた

その後、捜査は、警視庁本部捜査一課に引き継がれたが、十分な捜査は行われず、東京検察は不起訴
伊藤さんは今年5月に、検察審議会に審査申し立てしたものの、同9月21日、検察審議会は、『不起訴相当』を議決した

検察審査会は、小沢一郎氏の強制起訴など、かねてから、政治的思惑にその議決が左右されることが指摘されている
今回の不起訴についても、伊藤さんは会見で、以下の点で、公正な審査が行われたかに疑念を示した。

検察審査会に、証人や申立人の代理が呼ばれ、証言することがあるにもかかわらず、伊藤さんや、彼女の弁護士も呼ばれることはなかった。

・検察審査会の不起訴相当議決の理由として、不起訴処分の裁定を覆すに足りる理由がない、その内容の具体的な説明はなかった。

・伊藤さんが山口さんからタクシーから下され、ホテルへ引きずられていく防犯カメラの動画を、審査員に見てもらいたいと伊藤さんは主張。
だが、実際に動画として証拠が提出されたのかについて、検査審査会は回答しなかった。

・伊藤さんの申し立てを扱った審査員の男女比は、男性が7名、女性が4名。
男女比を半々にするべきではなかったか。



●伊藤さんが望むこと―真相の究明と性犯罪被害者の救済
 
逮捕令状が発令されていたにもかかわらず、山口氏が逮捕されなかった件についても、
伊藤さんは、当時の警視庁本部刑事部長・中村格氏に対し、何故、急に逮捕をやめさせたか、取材を何度も申し込んでいるにもかかわらず、中村氏は取材に応じないと報告。
中村氏に対する追及が、国会の場でも行われることを期待する、と述べた*。

*中村氏については、同氏が菅義偉官房長官の秘書官時代に、
テレビ朝日『報道ステーション』に強い圧力をかけていたことを、当時、同番組のコメンテーターであった元経産官僚の古賀茂明氏が指摘している。
安倍晋三首相と親しい山口氏が逮捕されなかったことも、なんらかの政治圧力が働いた可能性がある。




会見では、伊藤さんは、先月18日に出版した手記『Black box』(文芸春秋社)についても触れ、同著で伊藤さんが最も訴えたかったことは、
「捜査や司法のシステムの改正に加え、社会の意識を変えていくこと、そして、レイプ被害にあった人々への、救済システムの整備が必要だということ」と語った。

伊藤さんは手記の中で、スウェーデンでの性犯罪被害者の病院などの受け入れ態勢を紹介。
同国のような性犯罪被害者救急センターを、日本でも充実させるべきだと訴えている。
また、今年7月に、刑法改正を評価しつつ、
「被害者が抵抗できないほどの暴力、脅迫があったと証明できなければ、罪に問われることがない、という現状は変わっていません」と課題を指摘。
3年後の見直し向けて、さらなる議論が必要になること、その議論に、自身の手記が役立つことを期待する、と述べた。


●山口氏の反論と、その疑問点



一方、山口氏は、月刊誌『Hanada』の記事(2017年12月号)に、約20ページにわたり、自身の主張を寄稿。
「伊藤さんはホテル内を自力で歩いて、部屋に入った」
「汚れたブラウスの代わりに、私が貸したTシャツを伊藤さんは着て帰ったが、レイプ犯の服を着て帰る被害者がいるだろうか?」
「ホテルでの件での後も、ビザについてのメールを送ってきている。被害者がレイプ犯に送るメールだろうか」等と、伊藤さんに反論している。
 
だが、今回の山口氏の主張には、伊藤さんが被害を受けたとするホテルでの件の後、山口氏自身が彼女に送ったメールと食い違いがある
今回の『Hanada』の記事では、ホテル入室後、トイレに駆け込んだ伊藤さんの描写として、山口氏は以下のように書いている。



しかし、伊藤さんが被害を受けたとする晩の約2週間後、彼女に山口氏が送ったメール(2015年4月18日送信)では、以下のように書いているのだ。










問題の晩から約2週間後のメールでの文面では、意識がない、或いは朦朧としている伊藤さんの服を脱がし、ベッドに寝かせたのは山口氏だ。
だが、今回の『Hanada』の記事は、より伊藤さんが、「自らの意志で服を脱ぎ下着姿になった」と強調する意図があるのではないか。
この描写の食い違いについて、筆者は山口氏に、月刊Hanada編集部を通じて説明を求めたが、山口氏からの回答は無かった。
今年7月、改正前の刑法においても、泥酔し意識がない、あるいは正常な判断能力や抵抗する能力が失われている女性に対し、性行為を行い、その女性が被害を申告した場合には、準強姦罪(3年以上の懲役)となる。

 
●なぜ「泥酔した」女性をホテルに無理矢理連れて行ったのか?
 
山口氏の他の主張についても、疑問を持たざるを得ない。
「伊藤さんが、自力で歩いて部屋に入った」ということに関しても、ホテルのロビーの防犯カメラの映像を観ないと、第三者には判断がつかないし、
山口氏が確保していた部屋のあった2階の廊下には、防犯カメラがないため、映像で確認できない。
山口氏が貸したTシャツを、伊藤さんが着たことについても、ブラウスが濡れていたため、他に着るものが無く、仕方なく着たが、帰宅するなり、ゴミ箱に投げ込んだことが、伊藤さんの手記の中で書かれている。
また、ビザに関するメールも、警察への告発に山口氏が気づかないよう、引き延ばしのために、伊藤さんやその友人達が内容を考え、送ったものだと、やはり伊藤さんの手記の中に書いてある。
また、山口氏は、ホテルの室内と浴室で、伊藤さんが二度嘔吐したとしているが、伊藤さんがホテル側に確認したところ、吐しゃ物を清掃した記録はないというのだ。
つまり、問題の晩のホテル室内で起きたことについての、山口氏の主張が事実か否か、疑わしいわけであるが、なぜ山口氏は、吐しゃ物にこだわるのか。
伊藤さんの、「薬物を使用し昏倒させた」という疑いに対し、「酒を飲み過ぎただけ」との印象を持たせようとするためだろうか。

そもそも、山口氏は、伊藤さんがタクシー内で、「駅で下して」と訴えていたにもかかわらず、ホテルに連れていったことについて、
「泥酔した伊藤さんを、駅に置いておくわけにはいかなかった」とするが、
常識的に考えても、出会って間もない他人同然の女性が、体調不調を訴えて帰りたがっているのに、既婚男性が、自分の部屋へと連れ込むこと自体が、極めて不自然だ。
もし、伊藤さんの身体を本当に気遣っていたのであれば、警察や救急に預けるべきだったのではないか。

この点についても、筆者は山口氏に説明を求めたが、やはり回答は無かった。

本件について、伊藤さん寄りの発言をしている、東京新聞の望月衣塑子記者やTBSの金平茂紀氏らについて、
山口氏は、自身のフェイスブックで、「一方的な主張をしている」と批判していたが、
あくまで自身が正しいと主張するならば、都合の悪い質問にも答えるべきであるし、その主張を裏付ける、客観的かつ具体的な証拠を提示すべきだろう。


●伊藤さんと山口氏だけの問題ではない
 
伊藤さんが被害を受けたとする晩に、何が起きたか。
伊藤さんと山口氏の主張は、相反するところが大きい。
しかし、そもそも何故、高輪署による逮捕を中止させたかについて、中村氏が伊藤さんの取材にも応じないのであれば、やはり国会での調査も、必要となってくるだろう。
中村氏の現在の役職は、警察庁組織犯罪対策部長。
共謀罪摘発を統括する役職だ。
多くの冤罪を生むことになりかねない共謀罪を扱う役職は、人権意識が高く、時の政権とも適切な距離を置ける人物であることが望ましい。
その役職に、中村氏がふさわしい人物であるか否か、と見極めるという点においても、伊藤さんの求める真相究明に、国会は協力すべきであろう。

また、日本において、性犯罪被害者がその被害を訴えづらいことも事実だ。
女性捜査官によるケアや、病院などでの被害者の受け入れ態勢の改善、セカンドレイプやバッシングから被害者を守る、社会の意識変革も必要だろう。

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以下は、詩織さんが自らの性暴力被害をつづった手記『Black Box』が、昨年10月18日に発刊されたことを受け、24日に行われた日本外国特派員協会での会見の内容です。

【全文1/2】
伊藤詩織氏、2年前の「悪夢の始まり」を振り返る 
元TBS記者によるレイプ被害を告発

http://logmi.jp/242770

【全文2/2】
レイプ被害告発の伊藤詩織氏「女性からのバッシングもあった」 
会見中には、元TBS同僚の行為を非難する記者も

http://logmi.jp/242901



https://www.amazon.co.jp/Black-Box-伊藤-詩織/dp/4163907823

痛々しいほど切実

2015年4月3日夜、『Black Box』の著者であるジャーナリストの伊藤詩織は、以前から就職の相談をしていた、当時のTBSワシントン支局長と会食した。
数時間後、泥酔して記憶をなくした彼女が、下腹部に激痛を感じて目を覚ますと、信頼していた人物は、全裸の自分の上にいた。
そこは、彼が滞在しているホテルの部屋だった。
一方的な性行為が終わって、ベッドから逃げだした彼女が、下着を探していると、
「パンツくらいお土産にさせてよ」と、彼が声をかけてきた。

当事者しか知りえない密室のやりとり、そして、レイプの被害届と告訴状を提出したからこそ直面した、司法やメディアの壁について、伊藤はこの本で詳細に記している。

本当は書きたくなかったに違いない。
しかし、ようやく準強姦罪の逮捕状が出たにもかかわらず、当日になって、警視庁刑事部長の判断で逮捕見送りになり、さらには不起訴処分となった以上、伊藤も覚悟を決めたのだろう。
今年の5月には、「週刊新潮」の取材を受け、検察審査会への申し立てを機に、記者会見を開いた。
審査会が「不起訴相当」と議決した際には、日本外国特派員協会で、会見に臨んでみせた。

マスコミの反応は今も鈍く、ネットでの誹謗中傷は続いている。
そんな状況下で、伊藤はこの本を上梓したのだが、通読して強く感じるのは、ジャーナリストとして真実に迫りたい、という彼女の心意気だ。
それは痛々しいほど切実で、心労で苦しみながら核心へと迫り、権力の傲慢さとともに、レイプ被害にまつわる法や社会体制の不備──ブラックボックス──の実相を、具体的に伝えてくれるのだった。

評者:長薗安浩

(週刊朝日 掲載)

内容紹介

真実は、ここにある。
なぜ、司法はこれを裁けないのか?
レイプ被害を受けたジャーナリストが世に問う、 法と捜査、社会の現状。
尊敬していた人物からの、思いもよらない行為。
しかし、その事実を証明するにはーー密室、社会の受け入れ態勢、差し止められた逮捕状。
あらゆるところに〝ブラックボックス〟があった。
司法がこれを裁けないなら、何かを変えなければならない。
レイプ被害にあったジャーナリストが、自ら被害者を取り巻く現状に迫る、圧倒的ノンフィクション。

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コメント

ありがとうね

2017年12月30日 | 家族とわたし
昨日、この子のことを書くのをすっかり忘れてた。


下の突起をパコンと押し込むと、中の鉛筆がピョンと飛び出してくる。


大阪の弟からの、『どないしたん?元気出しや』箱の中に入ってた。

箱の中には、富士山のジグソーパズル、温泉の素、大阪弁に訳されたちょっとシュールでほんわかな不思議な絵本、腕に問題を抱えて生まれた女の子の話、日本の番組の録画が入っていて、
その一つ一つから、弟の「大丈夫やで」の声が聞こえてきた。

いつまで経っても全然音沙汰がない姉を心配してくれた。
自分もめちゃくちゃ大変な状況に居たのに、あれこれ買い揃えたものを箱に詰め、高い送料を払って送ってくれた。

筆入れを、さっそくレッスンで使ってみると、鉛筆を手に取ろうとするわたしを、大抵は何かを注意される時だから首をすくめて見ている生徒が、
まずはこの可愛い顔を見て笑い、それからピョンと飛び出した鉛筆を見てちょっと飛び上がり、最後にニヤニヤしているわたしを見て笑った。
レッスンがなかなかいい感じで進んでいく。

大丈夫やで。

そう言ってくれる家族や友人がいることは、本当に幸せな、恵まれたことだ。
だからって、気持ちを無理やり動かせはしないのだけど、少なくとも自分が自分に言う『大丈夫やで』とは全く違う温かな何かが、すうっとしみこんでくる。

ありがとうね。
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大丈夫やで

2017年12月29日 | 家族とわたし
今年のクリスマスは、夫の姉の家で祝った。


イヴの日の昼過ぎに家を出て、クリスマスの夜に家に戻る予定で、今回初めて自動餌やり器なるものを買って、猫たちの世話を誰にも頼まずに家を留守にした。

家から車で5分ぐらいの高速に乗った瞬間、フロントガラスの向こうに広がった光景。


イヴディナーは、前年と同じインディアンレストランに、夫の両親、姉一家、姉の義弟、それからバージニアからやってきたうちの長男くんと我々夫婦の9人が集まった。
それぞれの近況を、と言いたいところだけど、ついひと月前に感謝祭で会って話したばかりなので、真新しい話はあんまりない。


クリスマス当日はよく晴れた。
けれども寒い!マジで寒い!







暖炉が大活躍。


とうとうティーンエイジャーになったエメラだけど、まだまだクリスマスが嬉しい女の子。


クリスマスというとこれ、エグノグ(卵、ミルク、砂糖、シナモン、たまにラム酒などを混ぜて作った飲み物)。


クリスマス特別おやつを待つソニア。




わたしの今回の主要作業は栗の皮むき。
平らな側に十字の切れ目をつけた栗を熱湯で湯がき、熱々の時に剥いていくのだけど、なぜかこれだけの栗を剥くだけで30分以上もかかってしまった…。


この栗は、ブラッセルスプラウトとシャロットと一緒に炒め、タイムと塩コショウで味付けした。


今回はターキーではなくハム。
今年は次男くんが欠席したので、切り役を仰せつかった長男くん。


夫とポール。


でっかいオーブンが2台あると、こういう日の料理には超便利。


そろそろ出来上がり。


いただきまーす!


グルテンフリーバージョンのパイもある。



クリスマスといえば贈り物。
だから、クリスマスが近づいてくると、商店街近辺の路上駐車は軒並み無料になる。
さあ、どんどん買い物してくださいよーと、パーキングメーターにまで呼び込まれているような気がする。
以前は、周りの興奮にすっかり巻き込まれて、最後の方なんかはどうでもいいような物を買ってしまうことがあったのだけど、
ある年から、家族以外は送る人ともらう人を決めて、プレゼントはその人の分だけを60ドル以内で買うっていうルールになってからは、超〜シンプルな買い物になって大助かり。
疲れ切った顔をして、両手に荷物を抱えながら、それでもなお何かを買おうとしている人を見ると、余計なお世話だけれど、みんなもそうすればいいのに、なんて思ってしまう。


家に戻って真っ先に、台所の自動餌やり器を点検しに行くと、エェ〜!?器の中にドライフードがてんこ盛り?!
な、なんで…?
空も海も、とりあえず無事な様子だけど、この餌の残り様は異常だ。
セットしたにも関わらずめちゃくちゃ多い量が出てしまったのか、それともドライフードだけというのが気に入らなかったのか。
空はともかく海は、目の前にあったらあっただけ食べてしまう大食らいなのに…。
とりあえず様子を見ることにしたのだけれど、二匹とも機嫌がすこぶる悪い。
追いかけっこをした挙句に、どちらからともなく飛びかかる寸前の一触即発状態。

黒猫の空は、暗がりではよく写らないのでわかりにくいのだけど、後ろに回って飛びかかろうとしている海をけん制して、思いっきり睨みつけている。


やっぱり世話をお願いするべきだったか…。


年末年始も仕事と受験勉強があるからと、さっさとバージニアに帰ってしまう長男くんと、1年に1度のすき焼きパーティ。


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10月の末に親友のルエルが亡くなって、カナダとここを二往復した。
そのあと生徒の発表会が近づいてきて、平常時のレッスンに臨時のレッスンが加わり、そこに発表会の準備作業が重なって疲れが溜まっているところに、高校生の生徒たちが数人、急に出られないという知らせが入った。
どの子も皆、一から教えてきた子たちで、それぞれ上手になってそれなりの曲を弾く予定だったので、プログラムが寂しくなってがっかりした。
そこに、今回わたしとデュエットを弾いてくれるはずの友人からのドタキャンがあり、急遽ソロで弾く曲を選ばなくてはならなくなった。
それで、ずっと頭の中で歌っていた曲を弾こうと思い、楽譜を探したのだけどもどうしても見つからなくて困っていたら、ピアノ教師の友人が助け舟を出してくれた。
彼女が届けてくれた楽譜のコピーを譜面台に置いて、練習を始めたのが発表会の3日前。
曲はショパンのノクターンの遺作。
発表会の最後に弾くにはちょっと暗い曲想なのだけど、わたしはどうしてもこの曲が弾きたかった。

発表会は、当日までのストレスが一気に解消されるような、気持ちの良い会になった。
会場の教会の係りの伝達が悪くて、発表会の準備が全くされてなかったばかりか、前に行われたであろう行事のゴミや物が散乱していたことを除いては…。

すごく疲れたけれども、心地よい満足感に浸りながら、夫が運転する車の助手席に座っていると、
「あの曲は、ルエルのことを想って弾いたんだろう」と、夫がポツンと言った。
それを聞いて初めて、あの曲がずっと頭の中に流れていた理由がわかったような気がした。

発表会の後の1週間は、身体を支えているはずの骨がスポンジになったみたいで、立っていても座っていても、同じ姿勢を続けるのが辛かった。
疲弊した時に決まってやってくる膀胱炎も始まった。
腎臓結石を患った時に感じた背中の痛みもやってきた。
さすがにこれはかなりヤバいかもと思い、徹底的に休むことにした。

なのに、休んでも休んでも、一向に元気が戻ってこない。
膀胱炎と結石は、重い症状になる前に退散させることができたけど、今度は夕方になると微熱が出てくるようになった。

体が弱ったから心も弱ったのか、心が弱ったから体も弱ったのか。

いずれにせよ、ほんの少しの無理もできなくなった、というより、したくなくなった。

けれども、音楽家協会の役員会議に出かけたり、3月のコンサートのための舞台慣れになるからと、パートナーのエリオットと一緒にコンサート兼パーティに出演したりした。
芸術家であり市民運動家でもある素敵な女性の家のパーティに誘われて、出かけて行ったこともあった。
そこで出された料理は、デザートの和菓子に至るまで全てその女性の手作りで、本当に美味しくて素晴らしかった。
そのどちらのパーティも、わたしは写真を撮っていたのだけれど、ブログに載せることができないまま時間が経ってしまった。

こんなことは本当に初めてで、自分のことながら、一体どうしてしまったんだろうと思うのだけど、その答がいつまで経っても出てこない。
時間が解決してくれるのかと思ったけれど、2ヶ月近くも経っているというのに一向に見つからない。

このことは書きたいと思い、いろいろと関連する記事や写真を探しては、それをパソコンの画面上に残しているのだけども、書けないまま時間が過ぎてはゴミ箱に移動させるということの繰り返し。

でも…。

大丈夫やで。
そう思えるとこまで戻ってきた。

いや、もしかしたら、戻ってきたんじゃなくて、新しい自分に向かってるのかもしれない。
弱ってるのじゃなくて、自分で自分に無理を強要しない人に変わろうとしてるのかもしれない。

いずれにせよ、ブログの記事を毎日書くことがとても重要なことだと思って、書くことを自分に課してきた6年半だった。
それは、家族との時間や身の回りの始末を蔑ろにしたり、疲れている自分を無視し続けてきた6年半でもある。
夫婦ともにとても親しく付き合ってきた二組のカップルの、いずれも夫が続けざまに亡くなり、残された二人の妻の悲しみと喪失感の深さを目の当たりにして、妻としての自分自身の在り方を思い直した。
それと同時に、40代50代の時と同じように考えて、無理をし続けていても良いのかどうかも考えた。

ペースが落ちるかもしれないけれど、これからも書いていくつもり。

外はずっと零下が続いている。
日中でもマイナス7度ぐらい。
朝晩はマイナス11度になる日もある。
だから外に出ると、まるで巨大な冷凍庫の中に入ったような気になる。
なのに、我が家の猫たちは外遊びをやめない。
さすがに長い時間出っ放し、ではないけれど…。

温かな部屋を失ったホームレスの人たちは、シェルターや教会に避難している。
ホームレスではなくても、お金が払えなくなって、部屋を暖められない人たちもいる。
寒さが厳しくなるたびに、そういう大変な状況に陥っている人たちや、野生で生きていかなければならない動物たちのことを考える。

わたしはいくら感謝してもし足りないくらいに恵まれているのだ。

1年が終わり、1年が始まる。
無事に生かされていることに感謝することは、その恵みを自分以外の人に配ることだ。
今はまだ、元気よくはできないけれど、もしも中に、同じように元気を失っている人がいたら、その人に言ってあげたい。

大丈夫やで。
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首相夫人が名誉校長だったからこそ発生した、森友学園国有地問題。安倍夫妻はもう完全に詰んでいる!

2017年12月21日 | 日本とわたし
思いっきり国側が口裏合わせしてますやん。

ゴミはほとんど出てないって言うてる現場の業者に、
「『9メートルまでの範囲でごみが混在』してる、ってな感じの表現にしといたら虚偽になりませんから」なんて言う政府職員って…。

籠池氏はその当時、昭恵夫人を名誉校長に仕立て、安倍首相とも昭恵夫人を介して、おだてたりおだてられたりの仲やった。
そやからかなり調子に乗って、幼稚園児相手にやりたい放題してた。
けど、その様子を見学して、涙流して感激してた昭恵夫人は、今じゃ別のとこで涙流しながら、えらい目に遭うたと吹聴してる。
来年の通常国会では、何が何でも証言させなあかんと思う。
こんなことがまかり通るような社会を、政治を、わたしらは許したらあかんと思う。




以下書き起こし

森友側「昭恵氏」前面に

官僚の忖度焦点

土地値引き「半分は自身のため」

学校法人「森友学園」に売却された国有地が、8億円超も値引きされた問題。
土地価格算定の目安となるごみの量が、虚偽報告となることを懸念する学園側の工事業者を、財務省近畿財務局や国土交通省大阪航空局の職員らが説得していた。


なぜ、政府職員がそこまでしたのか。

前学園理事長の籠池泰典被告=詐欺罪などで基礎=は席上、
「棟上げのときに、首相夫人が来られる」と発言しており、安倍晋三首相の妻、昭恵氏の存在が、官僚の忖度につながったのかが、改めて問われている。
(望月衣塑子、藤川大樹)

「半分は、損害を最小限にするために、一生懸命やっていただけると。
もう半分は、責任問題に発展しないように、頑張っていただけるという意味で信頼している。
半分はわれわれのために。半分はご自身のために、頑張ってください」


昨年3月下旬に行われたとみられる、国と学園側の競技の音声データには、学園の代理人弁護士が、財務局職員らに、こう迫る様子が記録されていた。

学園側は、今年4月の小学校開校を目指していた。
国が自ら、地中のごみを撤去すると、予算措置や発注業務などに時間がかかる。
財務局は、開校に影響が生じた場合、損害賠償請求を受ける可能性があることを考慮して、学園の要望に応じ、学園側に売却する方向で、話を進めたとしている。

籠池被告はこのとき、
「棟上げのときに、首相夫人が来られることになっている。どうするの、僕の顔は」と、国側に訴えていた。

この協議を受けた3月30日付の、学園側の打ち合わせのメモも残されている。
籠池被告夫妻や弁護士、こう事業者、設計業者の5人が参加。
設計業者のメモには、
「航空局、財務局→彼らのストーリー」
「調査ではわからなかった内容で、かしを見つけていくことで、価値を下げていきたい」
「9メートルの深さまで、何か出てくるという報告を、財務局から学園サイドに言われている」

などと記されていた。

地中のごみに関する、国と学園側の協議の約2週間前の3月15日には、籠池被告が、財務省国有財産審理室の田村嘉啓室長(当時)と面会した。

籠池被告が公表した、別の音声データの文字記録によると、籠池被告は、同省が小学校建設に非協力的として、
「あの方(昭恵氏)自信が愚弄されている」と憤った。
さらに、
「昭恵夫人の方からも(話を)聞いてもらったことがあると思う」と、地中のごみ処理を要請すると、
田村氏は、
「近畿財務局が、責任を持って回答する」と応じていた。

田村氏は、昭恵氏が15年9月に、学園の小学校の名誉校長就任後、首相夫人付きの政府職員から、土地取引を巡る照会を受けていた。
昭恵氏は、今年2月の辞任まで、名誉校長だった。


大阪地検特捜部は、学園が小学校開設を目指していた大阪府豊中市の国有地について、
不当に安い価格で売却し、国に損害を与えたとする近畿財務局関係者らに対する、背任容疑での捜査を継続している。

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昭恵氏の存在があったから

法政大の五十嵐敬喜名誉教授(公共事業論)の話

地下9メートルといえば、建物2階分で相当深い。
そんなところまでゴミがあったというなら、はっきりした根拠が必要で、音声データのようなやりとりはあり得ない。
虚偽報告を懸念する工事業者を説得して、土地の価格を安くしたとすれば、国の職員の忖度そのものだろう。
安倍晋三首相の妻、昭恵氏の存在があったからとしか思えない。

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「森友」国有地 売却協議の詳細判明 
「9メートルまでごみ混在、虚偽にならぬ」

東京新聞】2017年12月20日
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017122090070453.html

学校法人「森友学園」への国有地売却を巡り、昨春行われた学園側と財務、国土交通両省との協議の詳細が、本紙が入手した音声データで判明した。

8億円超の値引きの根拠となった、地中のごみについて、学園側の工事業者は、
「3メートルより下にあるか分からない」と主張し、虚偽報告の責任を問われかねないと懸念。

これに対し、国側は「9メートルまでの範囲でごみが混在」しているとの表現なら、虚偽にならないと説得し、協議をまとめていた。 
(望月衣塑子、清水祐樹)
 

音声データには、昨年3月下旬に行われたとみられる、学園側と財務省近畿財務局職員、国交省大阪航空局職員らとの協議などが、記録されている。
 
データでは、国側が、
「3メートルまで掘ると、その下からごみが出てきたと理解している」と発言。
これに対し、工事業者が、
「ちょっと待ってください。3メートル下から出てきたかどうかは分からない。断言できない。確定した情報として伝えることはできない」と主張した。
 
さらに国側が、
「資料を調整する中で、どう整理するか協議させてほしい」と要請すると、
工事業者は、
「虚偽を言うつもりはないので、事実だけを伝える。
ただ、事実を伝えることが学園さんの土地(価格)を下げることに反するなら、そちらに合わせることはやぶさかでない」
とやや軟化した。
 
この後、学園の代理人弁護士(当時)が、
「そちら(国)側から頼まれて、こちらが虚偽の報告をして、後で手のひら返されて『だまされた』と言われたら、目も当てられない」と懸念。
工事業者は、
「3メートル下からは、そんなに出てきていないんじゃないかな」と付け加えた。
 
国側は、
「言い方としては『混在』と、『9メートルまでの範囲』で」と提案したものの、
工事業者は、
「9メートルというのはちょっと分からない」と難色を示した。
 
しかし、国側が、
「虚偽にならないように、混在していると。ある程度、3メートル超もある。全部じゃないということ」と説得すると、
工事業者がようやく、「あると思う」と同意。
国側が、
「そんなところにポイントを絞りたい」と決着させた。
 
国が算定した地中のごみの量を巡っては、会計検査院が、最大7割、過大に算定されていた可能性を示した。
大阪航空局は、建設用地から実際に撤去したごみが、国の算定の百分の一だったことを明らかにしている。
 
音声データは、11月28日の衆院予算委員会で、財務省が存在を認めた内容を含む、より詳細なもの。
本紙が、著述家の菅野完(たもつ)氏から入手した。
 
本紙の取材に、財務、国交両省から回答はなく、学園の当時の代理人弁護士は、「一切コメントしない」と回答。
工事業者の代理人弁護士は、電話取材に、
「国と学園側の落としどころの金額に沿ったものを出したが、根拠が十分ではなかった。
こちらの試算では、ごみを完全に撤去する費用は、9億数千万円だった」
と述べた。


◆口裏合わせ はっきり記録

<解説> 
会計検査院の検査では、学校法人「森友学園」への国有地売却で、8億円超の大幅値引きの根拠となった、地中ごみの処分量が、最大7割も、過大に算定されていた可能性が示された。
一方で、契約に至る資料の一部が、廃棄されたことなどが壁となり、価格決定の詳しい経緯は、解明できなかった。
 
しかし、今回、財務省が存在を認めた音声データの全容を、詳細に分析すると、
地中ごみが、地下3メートルより下からは、ほとんど出ていないにもかかわらず、地下9メートルまであるという形にまとめようと、国側が口裏合わせを求めたともとれるやりとりが、はっきりと記録されていた。
学園側が、国側のストーリーに合わせて報告を行えば、虚偽にとられかねないと、不安視している発言も含まれていた。
 
なぜ、財務省職員らが、そんな無理をして値引きしようとしたのか。
安倍晋三首相の妻の昭恵氏が、小学校の名誉校長に就いたことや、首相夫人付きの職員が、国有地について財務省に照会したことが、影響した可能性はないのか。
 
学園側への国有地の売却では、分割払いや価格の非公表など、さまざまな特例がなぜか付されていた。
その理由も、政府はいまだに明らかにしていない。
この音声データが明るみに出たのを機に、関係者を国会に呼ぶなどして、もう一度調査をやり直すべきだ。 
(望月衣塑子)



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少し寒さが和らいだ日に

2017年12月19日 | ひとりごと


やっと記事を書いた。
やっと記事が書けた。

長い長いトンネルの、まだ出口には届いていない心を抱えてはいるけれど、
長い長いダンマリを、いつまで続くのかもわからない無投稿を、それでもいつか再開するだろうと、じっと待ってくれている人がいることは、
まるでとても寒い日の暖かなお日様のように、抱えた膝に顔を埋めて座り込んでいるわたしの背中を、ホカホカと温めてくれる。

また、ぼちぼちと書き始める、かもしれない。
でも、やっぱりまだ無理、かもしれない。

でも、ちょっとだけ、自分の内側で、何かが動いたような気がする。


今日は長男くんの、31歳の誕生日だった。
シアトル近郊に暮らす夫の弟が、通勤途中の高速道路で、脱線した列車が道路に落下するという大事故を目の当たりにした。

先月の8日から今日までに、わたしの周りでも、いろんなことが起こった。
記事に書けたらと思いながら集めた資料が、机の上やパソコンの画面上に、溜まりに溜まっていた。
でも今日、それらを全部、消去したり処分したりした。


そしてまた、恐る恐る断捨離を始めた。
自分の心に響かないもの、とりあえず取り込んでしまっているものと、さよならしていくことにした。

ピアノは毎日弾いている。
まるで学生時代に戻ったみたいに。
3月の演奏会に、舞台の上で後悔したくないから、しっかりと質のいい練習を積み重ねていく。

寝不足と慢性疲労が、どれだけ心と体を弱らせてしまうか、それが見にしみてわかったので、もう無理はしない。
なんて言いながら、もう夜中の1時。

おやすみなさい。
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WRH→「だからほんとうに危機を感じないといけないのは、国民の意識の低さ!お前たちのことだ!」

2017年12月18日 | 日本とわたし
【ある界隈で大絶賛されてると話題】ウーマンラッシュアワーのネタが政治的過ぎる


今朝、この漫才を聞いて驚きました。
すごく早口なので、何度か止めて聞き直したりしましたが、彼らが何を言っているのかを全部聞いてからは、別の意味でまた何度も聞き直しました。

原発問題、沖縄の基地問題、そして北朝鮮問題…。
地元の人たち、問題に苦しめられている当事者の人たちが、泣きながら笑ってくれたという漫才。
そしてその人たちに、この漫才を東京で、全国ネットのテレビ番組で演るからと、約束して帰った彼ら。

彼らは一体何者なのか。
この怒涛の漫才を演じた彼らのことを、いち早く書いてくださった『LITERA』の記事を紹介させてもらいます。

ウーマンラッシュアワーが『THE MANZAI』で怒涛の政治批判連発!
原発、沖縄基地問題、コメンテーター芸人への皮肉も

【LITERA】2017年12月18日
http://lite-ra.com/2017/12/post-3665.html

まさに「圧巻」の5分30秒だった。
昨晩放送された、フジテレビの恒例演芸番組『THE MANZAI 2017』に登場した、ウーマンラッシュアワーの漫才のことだ。
 
ウーマンラッシュアワーの村本大輔といえば、8月に放送された『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日)で、
「安倍さんは戦争の臭いがプンプンする人」
「核の抑止力っていうのはほんとうに意味がない」
などと、物怖じすることなくはっきり意見を口にし、
北朝鮮問題にも、「対話」の努力を政治家に求め、その上、日本が侵略した過去にまで言及
終戦記念日には、〈僕は国よりも自分のことが好きなので、絶対に戦争が起きても行きません〉とツイートし、本サイトでは「最強反戦芸人」としてこの話題を取り上げた。
 
だが昨晩は、ウーマンラッシュアワーという芸人として、こうした政治批判を、なんと漫才のネタに見事に昇華し、披露してみせたのだ。
 
まず、村本は、初っ端から、
「ニュースのコメンテーターやってるのも吉本の芸人」
「ニュースを読むのも芸人、犯罪を犯してニュースに出るのも芸人ですね!」
と言い、所属する吉本を含めた芸人の不祥事・スキャンダルを立てつづけに紹介。

まあ、ここまでは、ナイツや爆笑問題といった時事ネタ系漫才コンビも、話のタネに使うものだ。
 
だが、続いてもちだしたネタは、なんと原発。
まず、村本は、
「福井県出身なんですよ」
「よかったら、きょうは福井県の場所だけでも覚えて帰って下さい。いいですか?北朝鮮の向かい側!」
と言うと、相方の中川パラダイスとこんな掛け合いをはじめる。

村本
「福井県の大飯町、知っていますか?大飯原発がある大飯町です」
中川
「あー、ニュースであるよねー」
村本
「原発の町、大飯町です。
 大飯町の隣は高浜町・高浜原発。
 その隣は美浜町・美浜原発。
 その隣は敦賀のもんじゅ。
 小さい地域に原発が4基あるんです!! 
 しかし、大飯町には、夜の7時以降にやっている店がないんです! 
 夜の7時になったら、町が真っ暗になるんです! 
 これだけ言わせてください! 
 電気はどこへゆく〜!!!」

 
漫才がはじまって早々にぶっ込んできたのが、テレビタブーである原発ネタ。
しかも、村本の超高速、かつ「立て板に水」の語り口の迫力もあって、観覧席も大爆笑だ。
 
しかし、ここからがすごかった。
「福井に住ませてください」という中川に、福井に「愛」をもっているか否か、次々に村本が質問を浴びせ、最終的に「ようこそ福井へ!」と歓迎する。
そのスタイルを、ほかの土地にも当てはめてゆくのだが、福井につづいて東京を俎上に載せて、小池百合子を「自分ファースト」と揶揄したかと思えば、次にテーマにしたのは、沖縄だった。


◼️沖縄への基地押し付け、思いやり予算、対米追従も批判

彼らの漫才の命でもあるリズム感、スピード感を伝えきれないことの野暮さは百も承知だが、ぜひ見逃した人にも知ってもらいたいので、以下に書き起こしたい。
村本
「現在、沖縄が抱えている問題は?」
中川
「米軍基地の辺野古移設問題」
村本
「あとは?」
中川
「高江のヘリパッド問題」
村本
「それらは沖縄だけの問題か?」
中川
「いや日本全体の問題」
村本
「東京でおこなわれるオリンピックは?」
中川
「日本全体が盛り上がる」
村本
「沖縄の基地問題は?」
中川
「沖縄だけに押し付ける」
村本
「楽しいことは?」
中川
「日本全体のことにして」
村本
「面倒臭いことは?」
中川
「見て見ぬふりをする」
村本
「在日米軍に払っている金額は?」
中川
「9465億円」
村本
「そういった予算は何という?」
中川
「思いやり予算」
村本
「アメリカに思いやりをもつ前に──」
中川
「沖縄に思いやりをもて!!!」
 
一気呵成に畳みかけられてゆく、事実と正論。
次に取り上げたのは、熊本だ。
ここでふたりは、いまなお仮設住宅に暮らしている人が、熊本で4万7000人、東北では8万2000人もいること、
一方で、新国立競技場の建設費が、1500億円もかかることを掛け合い


「国民はオリンピックが見たいんじゃなくて」
「自分の家で安心してオリンピックが見たいだけ」
「だから豪華な競技場建てる前に」
「被災地に家を建てろ!!!」
と展開したのである。
 
さらに、次にぶち込んだのは、アメリカと日本の関係だ。

村本
「現在アメリカといちばん仲がいい国は?」
中川
「日本」
村本
「その仲がいい国は何をしてくれる?」
中川
「たくさんミサイルを買ってくれる」
村本
「あとは?」
中川
「たくさん戦闘機を買ってくれる」
村本
「あとは?」
中川
「たくさん軍艦を買ってくれる」
村本
「それはもう仲がいい国ではなくて──」
中川
「都合のいい国!!!」


◼️最後は国民に、「意識の低さ」という問題を突きつける!

安倍首相が、完全に「トランプの犬」に成り下がっていることは、すでに世界が知っていることだが、
日本のメディアだけがそこから目を逸らし、日米関係の強化を後押し

だが、武器の爆買いをネタにして、そんなのおかしいだろう、と吠えたのだ。
 
そして、極めつきが、この応酬だ。

村本
「現在日本が抱えている問題は?」
中川
「被災地の復興問題」
村本
「あとは?」
中川
「原発問題」
村本
「あとは?」
中川
「沖縄の基地問題」
村本
「あとは?」
中川
「北朝鮮のミサイル問題」
村本
「でも結局ニュースになっているのは?」
中川
「議員の暴言」
村本
「あとは?」
中川
「議員の不倫」
村本
「あとは?」
中川
「芸能人の不倫」
村本
「それはほんとうに大事なニュースか?」
中川
「いや表面的な問題」
村本
「でもなぜそれがニュースになる?」
中川
「数字が取れるから」
村本
「なぜ数字が取れる?」
中川
「それを見たい人がたくさんいるから」
村本
「だからほんとうに危機を感じないといけないのは?」
中川
「被災地の問題よりも」
村本
「原発問題よりも」
中川
「基地の問題よりも」
村本
「北朝鮮問題よりも」
中川
「国民の意識の低さ!!!」
 
言葉の勢いは増し、息をつかせぬまま、最後に突きつけられる「国民の意識」という問題。
社会や政治の出来事を風刺する、旧来の漫才ネタではなく、情報の多さとスピード感で見る者を引きつけながら、言葉の力で圧倒させる。
しかも、毒舌芸人として鳴らす村本らしく、最後はマイクに向かって、「お前たちのことだ!」と言い放ち、ステージを去った
それは、まったく見事な、新しい「漫才」だった。


◼️ 村本「コメンテーターなんて情報集め、センターマイクの前で吐き出す」

「政治ネタはNG」、という空気が蔓延するテレビ界に迎合せず、しかもきっちりと「話芸」というかたちに落としこんだその技量は、素晴らしいものだ。
事実、ツイッターでは、ウーマンラッシュアワーの話題が急上昇、多くの人が2人を称えた。
 
そして、印象的だったのは、ネタを終えた村本の一言だ。
番組のエンディングで流れた映像では、ステージ袖の村本は、
「ただコメンテーターで終わる芸人と、いっしょにしないでほしい」とカメラの前で述べた。
また、ツイッターでも、
〈コメンテーターなんか情報集めにしか過ぎなくて、おれがほんとに吐き出す場は、センターマイクの前だけ〉とつぶやいた。
 
奇しくも、先週金曜日、安倍首相に誘われ、焼肉を囲んだ松本人志
同日には、米軍ヘリ窓落下事故を受けて、沖縄県の翁長雄志知事が、官邸で米軍機の飛行中止を求めたが、
安倍首相は面会もせず、そのくせ、松本や指原莉乃らといった面子と会食

一方、松本は、自身の番組『ワイドナショー』(フジテレビ)で、安倍首相を平身低頭で迎え、無批判に擁護を繰り返し、ついには“メシ友”に成り下がった
これぞ、地に落ちた「コメンテーター」の姿だろう。
 
だが、『ワイドナショー』にも、コメンテーターとしてたびたび出演してきた村本は、
安倍政権を刺激することを恐れて、テレビが取り上げようとしない原発や沖縄の基地問題を、漫才というかたちにして、「これでいいのか」と視聴者に投げかけた。

〈ほんとに吐き出す場はセンターマイクの前だけ〉という、芸人としての矜持と、権力や空気に巻かれないという覚悟。

──もしかすると今後、テレビ界には、村本は使いづらいという空気が流れるかもしれないが、視聴者は彼らの笑いにビビットに反応したということを、よく覚えていてほしい。
視聴者が見たいものは、予定調和のコメントでも、ましてや権力の犬となった芸人ではないのだ。
(編集部


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上記の記事の最後に書かれている松本人志と安倍首相のオトモダチ会食の件に関して、村本さんはこんなツイートしています。


彼はそして、自分は「言いたいことを言いたいだけ」、と言っています。


『言いたいことを言いたい』

このことがどんどん難しくなってくるような世の中にならないよう、わたしも言いたいことを言い続けていきたいです。

*おまけ*

独演会があるそうです。

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