昨日の朝、やっとバイデン候補の当確が報道されました。
夫と二人で町の様子を見に出かけました。
天気は上々、遅れてきたインディアンサマーの気持ち良い日です。
町全体がお祭り騒ぎになっていました。
行き交う車がクラクションを鳴らしてお祝いしています。
本当に久しぶりに、もっと言えば4年ぶりに、人の心を持った言葉を聞けたような気がします。
CNNの政治コメンテイター、バン・ジョーンズ氏の、バイデン勝利確定の報道の際のコメント
このジョーンズ氏のコメントを翻訳してくださったKatsumiさん@tkatsumi06jに感謝!
書き起こし
ヴァン・ジョーンズ氏:
今日は朝から、親であることが楽になりました。
父親であることが楽になりました。
人格は大切なんだ、真実を伝えることは大切なんだ、良い人間であることは大切なんだと、子どもたちに伝えることができるから。
他にも多くの人が楽になったことでしょう。
この国に住むムスリムなら、大統領が、自分のことをこの国に居て欲しく無いと思っていると感じずに済むようになるでしょう。
移民なら、大統領が喜んで赤ちゃんを奪い去ろうとしたり、夢見る人々を理由も無しに国に送り返すようなことはしないと思えるでしょう。
多くの苦しんできた人々にとって、これは証明となりました。
「息ができない」と言うあの言葉。
あれは、ジョージ・フロイドだけのものではありません。
大勢の人々が、息ができないと感じていたのです。
毎朝目覚めるとああいうツイートが目に入ってきて、どう感じていいのかすらわからなくなる。
どこかの店に入ると、人種差別的な考えを公に晒すことを遠慮していた人たちが、日に日に酷い言葉を浴びせてくる。
子どものことが心配でたまらなくなる。
妹のことが心配でたまらなくなる。
ウォルマートに行って無事に帰ってこられるだろうか、何か心無い言葉を浴びせられたりしないだろうかと。
自分の精神を日々保つことに全神経を費やしてしまう。
だからこれは、私たちにとっては大変なことなんだ。
こんなにも心が平穏で、「リセット」する機会を与えられるなんて。
国の人格というのは大切なものなんだ。
良い人間であることは大切なことなんだ。
息子たちに見せたい、見せたいんだ。
安っぽい方法で誤魔化すことはできても、いつかしっぺ返しが来るんだって。
しっぺ返しがあるんだって。
だからこの国にとって、今日は良い日なんだと。
負けてしまった方々には申し訳なく思う。
彼らにとっては良い日では無いだろうから。
でも、大勢の人々にとって、今日は良い日なんだ。
バイデン氏とハリス氏の勝利演説が行われる会場に車で駆けつけた市民。
ソーシャルディスタンスが守られていました。
カマラ・ハリス氏の勝利演説
こんばんは。
ありがとうございます。
ジョン・ルイス下院議員は亡くなる前に、民主主義は状態ではなく行動であると言いました。
その意味するところは、アメリカの民主主義は、決して保証されていないということです。
私たちの意思があってこそ強いものになります。
私たちは守るべきなんです。
当然のものとして受け止めてはなりません。
民主主義を守るためには、戦い、犠牲を払い、喜びもあります。
進展もあります。
より良い将来を構築することが可能です。
私たちの民主主義そのものが、今回、投票にかけられました。
アメリカの魂がかけられていました。
世界中が注目していました。
皆さんが、新たな日をアメリカにもたらしてくれました。
選挙陣営のスタッフの皆さん、ボランティアの皆さん、すばらしいチームです。
感謝します。
これまでよりも多くの人たちが、この民主的なプロセスに入ることができました。
そしてこの勝利を可能にしました。
選挙管理の関係者が、すべての集計を進めています。
皆さんが、この民主主義の尊厳を守りました。
皆さんが、私たちの美しい国を成り立たせているのです。
感謝します。
記録的な投票数となりました。
皆さんのメッセージを、しっかりと発信してくれました。
この数カ月は大変な時期でした。
悲しみがありました。
痛みがありました。
心配も、戦いもありました。
しかし、皆さんの勇気を、不屈の精神を、目の当たりにしました。
寛容な精神を発揮してくれました。
4年間にわたって皆さんは前へ進んできました。
平等、正義、私たちの命のために、そして私たちの地球のために尽くしてくださいました。
皆さんは投票してくれたのです。
はっきりとしたメッセージを届けてくださいました。
皆さんの希望を選んでくれました。
結束、良識、科学を選んでくれました。
真実を選び取ってくれました。
ジョー・バイデンを次期アメリカ大統領として選んでくれたのです。
ジョーは結束を進める人、傷をいやしてくれる人です。
今まで試練を乗り越えてきた人です。
喪失の経験から、目的を意識している人でもあります。
国としての目的、自分たちの中に、目標を見出させてくれる人です。
心の大きな人です。
非常に大きな愛です。
ジルは素晴らしいファーストレディーになるでしょう。
私は、彼が父親として、亡くなった息子さんのことをどんなに愛しているかを知りました。
私は、私の夫、子ども、妹、家族全員に対して、とても大きな愛を感じています。
ジョーとジルには感謝しています。
この素晴らしい道のりをともにさせてくれました。
また、私がここに立っているのは、私の母のおかげでもあります。
19歳でインドからやって来た母は、こんな瞬間が訪れるなんて夢にも思っていなかったでしょう。
彼女はアメリカを深く信じていました。
今、母のことを考えています。
多くの黒人の、アジア系の、ラテン系、ネイティブアメリカンの女性たちのことを私は考えています。
彼女たちによって道が切り開かれました。
女性たちは多くのことを犠牲にしました。
対等な権利のために戦いました。
すべての人たちのために、正義をもたらそうとしました。
黒人女性たちは、これまでも見過ごされてきました。
しかし、民主主義の根底にある大切な存在だ、ということがわかっていました。
すべての女性たちは、投票する権利を守るために、1世紀に及ぶ努力を続けてきました。
2020年、新たな世代の女性たちが投票しました。
投票するという基本的な権利、自分たちの意見を伝える権利のために戦っているのです。
今夜、私は、その苦しみを思い起こします。
確たる意思、ビジョンを持っていました。
私は、何が成し遂げられるか見極め、後をついで取り組みたいと思います。
ジョーは人格者です。
なんと言ってもジョーは、バリアを打ち砕くことができました。
女性を副大統領候補に選んだのです。
私が初の女性副大統領になるかもしれませんが、最後ではありません。
すべての幼い女の子たち、今夜この場面を見て、わかったはずです。
この国は可能性に満ちた国であると。
私たちの国の子どもたちへ、私たちの国は、はっきりとしたメッセージを送りました。
ジェンダーなどは関係ありません。
野心的な夢を抱き、信念を持って指導者となるのです。
そして、他の人とは違った見方をするのです。
皆さんの一歩一歩を見届けます。
アメリカ国民の皆さん、どちらへ投票したかは関係ありません。
私は副大統領としてしっかり取り組みます。
ジョーがオバマ氏に対して副大統領として尽くしたようにです。
忠誠を誓い、誠実に準備を整えます。
毎朝、目覚めれば、皆さんや皆さんの家族について考えます。
これからが真の仕事となります。
大変な仕事です。
必要な仕事です。
いい仕事に取り組みます。
人々の命を救い、この病気に打ち勝つのです。
経済を立て直します。
人々への差別をなくすことにも取り組んでいきます。
気候変動と戦い、国を結束させ、アメリカの、国としての魂の傷をいやしていかなければなりません。
道のりは決してやさしいものではないでしょう。
けれども、アメリカは準備が整っています。
ジョーと私も準備ができています。
私たちが選んだ大統領は、私たちの最善の部分を引き出してくれる人です。
子どもたちが見上げて尊敬できるような大統領、軍に対し敬意を払い、国を安全に保つ最高司令官、そしてすべてのアメリカ国民のための大統領となってくれる人です。
光栄にも、アメリカ合衆国次期大統領、ジョー・バイデン氏を紹介させていただきます。
バイデン氏の勝利演説
米国民の皆さん、このダンスパーティーに私を招いてくれた米国人の皆さん、デラウェアの市民の皆さん、国民が声を上げ、我々を明らかな、納得できる勝利に導いてくれた。
大統領選の歴史上、最も多くの票を得た。
7400万票だ。
私は驚きを隠せない。
今晩、我々はこの国、町、あらゆる場所に、世界に広がる、ほとばしる希望の喜びを目にしている。
明日への新たな信念と、より良き日を迎える希望だ。
あなたが私に与えてくれた信頼と自信を謙虚に受け止める。
分断させようとするのではなく、結束させる大統領になることを誓う。
赤い州や青い州ではなく、ただ米国だけを見ることを誓う。
心から、あらゆる人の信頼に応えるために働く。
米国はそうあるべきだ。
私たちは国民のための政権だ。
米国の魂を立て直す。
米国の屋台骨を建て直し、中間層を再構築し、米国を世界から再び尊敬される国にする。
私の人生において、多数の米国人が我々の理想像に投票してくれた。
そしてその理想像は現実になり、我々の仕事となる。
私はジルの夫だ。
彼女の愛と絶え間ない支援がなければここにはいなかった。
息子のハンター、娘のアシュレー、孫たち、親戚と家族たち。
ジルは母であり教育者で、人生を教育にささげてきた。
米国の全ての教育者たちにとって偉大な日だ。
教育者の一人をホワイトハウスで迎えるのだから。
ジルは素晴らしいファーストレディーになるだろう。
とても誇りに思う。
素晴らしい副大統領、カマラ・ハリスと働けることは光栄だ。
彼女は、女性かつ黒人で、南アジアの祖先を持つ移民2世で、初めて米国の国政選挙で選ばれた人物だ。
何年も懸命に戦ってきた人がいるなか、ずっと先延ばしになっていた。
だが、米国は再び、道徳の弧を正義の方向へと向けた。
カマラと(夫の)ダグ、好むと好まざるとにかかわらず、あなたは家族だ。
名誉にもバイデン家の一員だ。
(新型コロナウイルスの)パンデミック(世界的大流行)下で、投票所でボランティアや働いてくれた人々、各地の選挙管理担当者の方々は、米国全体の感謝に値する。
私の選挙チームとあらゆるボランティアで協力してくれた人、この瞬間を迎えるために尽くしてくれた人に、あらゆる恩を受けた。
我々を支援してくれた全ての人々へ、我々の選挙活動を誇りに思う。
我々は、歴史上最も幅広く、多様な連合を組んだことを誇りに思う。
民主党、共和党、独立派、急進左派(プログレッシブ)、穏健派、保守派。
若い人、年老いた人、都市部、地方に住む人、ゲイの人、そうでない人、トランスジェンダー、白人、ラテン系、アジア系、米国先住民の人。
特にこの選挙活動が停滞していたときに、アフリカ系米国人の共同体が、私のために立ち上がってくれた。
彼らは常に私を支えてくれ、私もあなた方を支える。
私は選挙活動の初めから、この選挙戦を、米国を代表するものにしたいと言ってきたし、そうした。
今度は、政権をそのようなものにしたい。
トランプ大統領に投票した人々は今夜、落胆しているだろう。
私自身も(大統領選への立候補で)2度撤退している。
今度はお互いに機会を与えよう。
暴言をやめて冷静になり、もう一度向き合い、双方の主張に耳を傾けるべきだ。
前に進むために、互いを敵とみなすのはやめなければいけない。
私たちは敵ではない。
私たちは米国人だ。
聖書は全てのことに季節が巡っていると教えてくれる。
立て直し、稲穂を刈り取り、種をまき、傷を癒やす時だ。
米国の傷を癒やす時が来た。
今や選挙戦は終わった。
人々の意志は何か。
私たちの使命は何か。
私は、米国民が、私たちに品位と公正の力を導くことを求めたと信じている。
私たちの時代の大きな戦いのなかで、科学と希望の力を導くことを求めた。
ウイルスを制御し、繁栄を築き、あなたたちの家族の健康を守るために戦う。
この国の人種的平等を達成し、構造的な人種差別を根絶するために戦う。
環境を守るために戦う。
品位を回復し、民主主義を守り、この国のすべての人に公正な機会を与えるために戦う。
私たちの仕事は、新型コロナを制御することから始まる。
ウイルスを制御下に置くまでは、経済を修復し、活力を取り戻すことはできない。
孫をこの手に抱いたり、誕生日や結婚式、卒業、あらゆる人生で最も貴重な瞬間を味わうことはできない。
月曜日(11月9日)に、私は、一流の科学者と専門家のグループを、政権移行のアドバイザーとして指名し、新型コロナ対策の「バイデン・ハリス計画」を作り、2021年1月20日(の就任日)から始める政策の青写真を描く。
その計画は科学に基づいて作られ、思いやり、共感、そして懸念に配慮したものになる。
パンデミックを好転させるための努力や責任を惜しまない。
私は誇り高き民主党員だが、米国の大統領として統治する。
私に投票しなかった人々のためにも、私に投票した人々に対するのと同じように一生懸命働くつもりだ。
この厳しい悪夢の時代に、今ここで終わりを告げよう。
民主党員と共和党員が互いの協力を拒否したのは、われわれの制御が及ばない不思議な力によるものではない。
全ては決断であり、私たちの選択に尽きる。
私たちは協力することを選択できる。
これは、米国民が私たちに与えた使命だと確信している。
彼らの利益のために協力することを望んでおり、それが私の選択だ。
私は議会、民主党員、共和党員に対して、私と同じ選択をとることを呼びかけていく。
米国の物語は、ゆっくりと着実に、チャンスを広げている。
間違いをおかしてはならない。
多くの夢はあまりにも長い間かなわなかった。
私たちはこの約束を、人種や信仰、アイデンティティー、障害に関わらず、全ての人にとって現実のものにしなければならない。
米国は常に、私たちが何者なのか、何を目指しているのかという難しい選択を下した際に、転換点を迎えてきた。
これまでのリンカーン、ルーズベルト、ケネディ、そしてオバマといった歴代大統領が証明している。
「Yes We Can(われわれはできる)」
私たちはいま、転換点に立っている。
絶望に打ち勝ち、繁栄と目的のある国を築くチャンスがあり、それができると知っている。
私たちは、米国の魂を取り戻さなければならない。
米国は、天使と悪魔の絶え間ない戦いによって形作られてきた。
今夜、私たちの天使が勝つ時がきた。
全世界が米国に注目している。
私たちが模範となって、導かなければならない。
私は常に、米国を一言で定義できると信じてきた。
「可能性」だ。
米国では、全ての人が夢をかなえる機会が与えられるべきだ。
この国の可能性を信じ、常に先を見据えている。
自由で公正な米国、尊厳と敬意を持って雇用を創り出す米国、がんやアルツハイマーなどの病気を治す米国、誰も置き去りにしない米国、決して諦めない米国に向かっていく。
素晴らしい国で素晴らしい人々がいる。
これが米国だ。
私たちが力を合わせれば、不可能なことなどない。
投票日までの最後の数日間、私と私の家族、そして亡くなった息子のボーにとって、大きな意味を持つ賛美歌について考えていた。
それは私自身を支える信念であり、米国も支えると信じている。
今年、恐ろしいウイルスで愛する家族を失った人たちの慰めになるよう願う。
私の心は、あなた方一人ひとりに向けられている。
この賛美歌があなたの慰めになることを祈る。
「(賛美歌を引用して)神はあなたをワシの翼で持ち上げ、夜明けの吐息で支え、あなたを太陽のように輝かせ、そしてあなたを神の手のひらの上で抱きしめる」――。
そして今、ともに「ワシの翼」で、神と歴史が求める仕事をしよう。
心を込め、しっかりとした足取りで、米国とお互いを信じ、国への愛と正義への渇望を持って、私たちが目指す国を作り上げよう。
国は団結し、強くなり、そして癒やされる。
子どもの頃、祖父に言われた。
「ジョー、信念を貫け」。
祖母が生きていたときは、「ジョー、信念を広めよ」と。
米国に神のご加護を。
神が私たちを守ってくださいますように。
ありがとう。
今回の選挙は、バイデン氏を大統領にしようという気持ちよりも、トランプ氏を大統領という立場から外したいという願いが勝っていました。
この4年間、市井の市民をはじめ様々な立場の人たちが弾劾を試みてきましたが、そのどれもが最後まで進めることができなかったからです。
自分たちさえ良かったらそれでいい。
差別したり憎んだりすることも遠慮しなくていい。
こんな考えを持つ人々がじわじわと増えてくることの恐ろしさ。
その中心に居るのが大統領であるという現実は、本当に多くの人たちを苦しめました。
選挙の後半になってくると、共和党関係者による信じられない投票妨害が各地で繰り広げられ、その異常さに震えるほどの恐怖を感じました。
トランプ氏や共和党が、何もかも悪いというのではありません。
彼らの何もかもに賛成できないというのでもありません。
けれども見る見るうちに暴力的な社会に変貌していく様は、本当に恐ろしかった。
トランプ氏は任期中、外国に戦争をけしかけなかった大統領ですが、自国で市民戦争が起こっても不思議では無いくらいに分断し、そこに増悪を植え付けた大統領でした。
終わらせることができて本当に良かったです。