ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

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2023年12月28日 | ひとりごと
海の様子がおかしい。
クリスマスの4日前ぐらいから、家の中に居るには居るが姿を見せない。
食欲も無い。
その状況は、前に一度大怪我をした時とよく似ている。
クリスマスイブの前日に食欲が戻った。
でも相変わらず元気が無いし、そんな海を空が追っかけたり意地悪をしたりするので、すごく腹が立つ。
けれども我々はクリスマスを祝いに泊まりでペンシルバニアに行かなければならなかったので、お隣の友人に食事の世話だけをお願いして家を離れた。
戻ってきた25日の夜に、彼の尻尾の付け根に酷い裂傷があることがわかった。
尻尾はダランとして動かせないようだ。
傷が深くて神経をやられてしまっているのかもしれない。
様子を見ようとして近づくと逃げてしまうので、ちゃんと調べることができない。
彼はこの傷をずっと自分で舐めてきたのだろう。
獣医科病院に予約を入れた。

さて、前歯のおはなし。
本当は28日の午後からだったインプラント最終治療(作ってもらったクラウンを支柱に装着する)日が、27日の今日に変更になった。
最近、間近になって急に治療日の変更をお願いされることが多いのだが、明後日には日本に向けて発つ身なので、ギリギリのギリギリ(28日)よりギリギリ(27日)の方がよかろうと思って行くことにした。
この10ヶ月もの間、痛い治療(痛みはほぼ麻酔時なのだが奥歯の10倍は痛い)に耐え、歯抜けの不便さに耐え、上唇の不具合に耐えながらこの日をずっと待ってきたのだ。
それがやっと今日で終わる。

クリスマスを祝いにシアトルからやってきた次男くんとEちゃんが、最後のランチに誘ってくれたので、歯の治療前ではあるが、一番のお気に入りのコリアンバーベキューのお店に行き、三人分の焼肉セットを頼んで食べた。
ここ↓、もしニュージャージー州にお住まいの方がいらっしゃったら超オススメです!

お腹もいっぱいになり、会えて嬉しかった彼らと別れ、いざ出発!

歯を差し込むだけなので、麻酔も必要がなく、研究所から送られてきたクラウンを見せてもらって、じゃあ入れましょうという時になって、
「え?」
というドクターの声が聞こえた。
あ、これ、一番聞きたくない声かも…と思った瞬間、耳の後ろから背中にかけて、ゾワゾワ虫が這い始めた。
原因は不明だが、インプラントの支柱がいきなりスポンと抜け、結局これまでの治療が全て水の泡になってしまった瞬間だった。
骨移植を10ヶ月前にやって、それからずっとレントゲンやCTで調べながら様子を見てきたのに、そしてその様子は完璧で何の問題も無さそうだったのに、なぜか骨が育っておらず、支柱を支えるに至らなかったのだそうな。
「こんな症例はものすごく珍しいのだけど、全く無いことも無いのです」
「…」
「残念ながら、あなたはその、ものすごく珍しい例の一人であるということです」
「…」
「で、もう一度初めからやり直してもいいけど、また同じ結果になる可能性がゼロではない。どうしますか?」

うわぁ〜、いやもう、これ、どうよ、まうみってる(通子師匠の造語)にも程があるやん!
強烈なガッカリ感に浸る間もなく、ブリッジに切り替えるかどうかの判断を迫られて、わたしは思わず瀕死のカバのように唸る。
でも、でも、明後日の朝には飛行機に乗って日本に行くわけだし、もう一回挑戦したところでまたスポンとなる可能性があるわけだし、ううう、ブリッジにしてくださいっ。

ということで、これまでの治療にかかった時間とお金はパーになった。
けれども、この超親切な歯科医院はまた、ブリッジ治療にかかる費用(インプラントよりも1500ドル高い)を払わなくていいと言ってくれて、ありがたくそのご厚意を受け取らせてもらうことにした。
急遽、再び骨移植の手術をし、失敗したインプラントの両側の歯(一つは健康な歯、もう一つは30年前の差し歯)を半分ぐらいまで削り、とりあえず帰省用の臨時ブリッジを入れてもらった。
合計2時間半の、レントゲンを撮っては削り、また撮っては削り、途中で麻酔の追加をし、またまためっちゃ痛い(麻酔が特に)治療となった。
骨移植はもちろん、何針も歯茎を縫ったわけで、こんなんで飛行機乗ってもええんか?って思ったけど、今となっては元々の予約日が明日だったのが向こうの都合で今日に変わったのは、せめてもの幸いだったのかも。
とりあえず見た目だけ歯は揃ったので、話したり笑ったりするのにいちいち気をつけなくてもよくなったけど、柑橘系や固いもの、辛いものは食べてはいけないし、噛むのは奥歯のみ、というのを1ヶ月ほど続けなければならない。
もちろん餅とお酒は以ての外で、久しぶりの日本でのお正月だというのに楽しみが半減する。

なんてこった…とうなだれてる場合ではない。
明日しかないのだから、全く何もし始めてもいないパッキングをしなければならない。
その前にまず、めちゃくちゃ嫌がるだろう海をケージに入れ、獣医科病院に連れて行かなければならない。

というわけで、バタバタな準備日になりそうだけど、何はともあれとりあえず行かせてもらえることに感謝しようと思う。
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前歯のおはなし

2023年12月17日 | 日本とわたし
散歩道に可愛らしい葉っぱが落ちていた。

先週の水曜日に、前歯のクラウンの色合わせをしてもらいに、歯科医から教えてもらったラボラトリーに行った。
全面ガラス張りの広々とした部屋に通され、待つように言われたのだけど、落ち着かないったらない。
棚の中や机の上にはいろんな歯の、いろんな色のサンプルが置かれていて、これだけたくさんあれば、わたしに合う色を見つけることができるだろうと思うほどの種類の多さだ。
「お待たせしました」と言って入ってきた男性はアジア系の人で、多分韓国人なのだろうと思って見ていたら、いきなり「あなたは韓国人ですか?」と聞かれた。
「かなりの確率でそう聞かれるのですが、わたしは日本人です」と韓国語で言うと、「え、かなり話せるじゃないですか」と言われ、「勉強はしていますが、この応え文句を特化して覚えてるだけなので、それほど話せるわけではありません」と英語で答えたら笑ってた。

手鏡を持ちながらの色合わせが始まった。
サンプルの色合いの違いがあまりに微妙なので、しまいにはどれがいいのかわからなくなってしまった。
こういう場合は専門家に任せようと思い、彼の意見を聞いたところ、30年以上も前に何の相談もなくいきなりはめられてしまった上の前歯4本のクラウン(今は一本抜けて3本になっている)の色と、わたしの自前の歯の色がかなり違うので、あなたはどちらの色に合わせたいのですか?と聞かれた。
そりゃあなた、真正面に並んでるニセモノに合わせるしかないんじゃないですか?
ニセモノ以外の歯ははっきり言ってかなり黄ばんでいて、できることなら漂白したいと思うくらい気になっていて、そんなものに合わせて欲しくないに決まってるじゃないですか。
ということで、ニセモノの色に合わせることになったのだが、すると彼はまたこんなことを言い出した。
「あなたのこの3本の差し歯はメタルコアなので、ほら、白さの中にも暗さが漂っているでしょう?」
「たしかに」
「で、今回、あなたの担当医が指示しているのジルコニアなんですよ」
「それがなにか?」
「ジルコニアをメタルコアの歯の横に並べると、暗さが微塵もない明るい白さが目立ってしまうと思うんですね」
「それで?」
「なので、ちゃんと合わせたかったら、ジルコニアではなくて、メタルコアにした方が僕はいいと思うんです」

ううむ…またまた話が変な方向に行きそうな気配ではないか。
いやあ、4本ものメタルコアの前歯を30年以上も抱えてきたのだが、軽度の痺れと違和感はずっと続いているし、金属と接触している部分の歯肉の黒変も年々ひどくなってきた。
今回のやり直しはその中のたった1本なのだけど、もう本当に懲り懲りだと思う治療過程だったので、あとの3本はこのまま、できたら火葬場まで持って行くつもりだ。
なので、やっぱりちょっとくらいの色の違和感があってもいいから、ジルコニアのクラウンにして欲しいとお願いした。
そんなわずかな違いより、ニセモノ4姉妹と他の歯の色の違いの方がダントツに大きいのだから。

選んだサンプルと一緒に何枚ものお口あんぐりの写真を撮り、じゃあこれでよろしくお願いしますと言って立ち上がろうとすると、「あ、もう一つ、お話が」と、今度は写真を撮ってくれていた技師さんに引きとめられた。
「実はですね、あなたの前歯、形がちょっとユニークなんですよ」
「???」
「ほら、見てください、前歯っていうのは普通、角が四角くて尖っているでしょう」と言って、彼の前歯を見せてくれる。
「で、あなたの前歯、というかクラウンなんですが、なぜか全部角が丸いんですね」
「え?」とびっくりして手鏡で見直すと、うんうん、確かに丸い。四角くない。
「なので、今回我々も、その形に合わせて歯を作らなければならないのです」
「はあ…どうもすみません」
「いえいえ、あなたが謝る必要は無いですよ、ははは!まあ、女性なので優しい印象になるかも、ですね」
慰めのつもりで言ってくれてるのだろうか。
いや、もうそれからというもの、その丸さが気になって気になって…。

28日には絶対に間に合うと言ってくれたのは良かったのだけど、その日、実際に入れてみてちゃんと合うのかどうか、歯茎がちゃんと治癒しているのかどうか、そこのところの確信がイマイチ持てない。
いや、でも、歯抜けのまま飛行機に乗ったりお正月を過ごしたり、ましてや50年ぶりの同窓会に参加したりしたくない。
前歯でちゃんと噛んで食べたいし、大口あけて笑いたい。
早寝早起きを心がけ、ちゃんと運動もして頑張るので、神さま、どうかお願いします!

余談:
歯の漂白は、担当の歯科医に相談してみたら断られてしまった。
漂白効果が現れるのは自前の歯のみで、それがニセモノの4本とは似ても似つかない白色になるので、お勧めできないと言う。
仕方がない、あの世に行くまでは目玉焼きコンビネーションで生きていこう。

余談その2:
記事を読んでくれたfacebook友さんたちが、前歯に支障が生じると木管楽器を吹く時に困るよね、とか、発音に支障が出るよね、とか話してくれて、そうそう、そのことを書くのを忘れてたことに気がついた。
そうだった、前歯4本がニセモノになってからは、クラリネットを吹くとすごく不快だったし鈍痛に悩まされた。
そして今回1本が欠けてた10ヶ月の間は、『f』や『th』がある英単語がちゃんと発音できなくて、生徒を教えている間中、気をつけていなくてはならなかった。
あ〜もうほんと、こんな毎日を終わらせたい。

おまけ写真:
夕飯時限定、うちのモデル猫
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1年がどんどん短くなる今日この頃

2023年12月09日 | ひとりごと
12月に入り、朝晩が零下まで冷え込み、家々の軒先や前庭にクリスマスのイルミネーションが輝き始めた。
この月の3分の2は一年のうちで一番暗くなり、毎年夫はそのことが気になるようだ。
わたしは逆にちょっぴりワクワクする。
どん底まで落ちたらあとは這い上がるのみ。
ちょっとニュアンスは違うけれども、その時のワクワクと似ている感じがする。

街の通りでは、路上駐車が2時間無料になる。

YMCAの建物の地下にも。

わたしはケチなので、週3日のアクアビクス&スイミングに通うときは、2時間無料の路上駐車を実行すべく最大限の努力をする。
かなり離れていてもとりあえず空いている場所を探すのだけど、真夏と真冬はけっこうきつい。
なのでこの無料期間はとてもありがたい。
もちろん競争率は半端ではないのだけど…。

雨が降り続いた時に目の前に突然現れた巨大ゲジ虫(ゲジチュウ・息子たちが名付けた)。


昨日はインプラント治療の2回目(最後)の手術を受けた。
1回目のそれは、骨まで浸潤していた膿を取り除き、欠けた部分を補修するという手術だったので、時間がかかるわ痛いわで散々だったのだけど、今回は切開と縫合はあったものの30分程度で終わった。
被せ物の型取りをして、さあ帰ろうと思ったら、アシスタントの女性がやって来て、ちょっと話がしたいと言う。
「うちでももちろん被せ物を作ることはできるけれど、あなたの場合は上の前歯なので、色や形を完璧にできる専門の施設にお願いする方がいいと思うのですが」
「専門の施設?」
「そう、うちと提携している施設が何ヶ所かあるので、そこに行ってカスタム仕様の歯を作ってもらうことをお勧めします」
「その費用はどうなるんですか?」
「加算されません」
「それはありがたいです。でも、そこと予約を取らないといけないんですよね?」
「そうですね」
「今わたしにとって1番重要なのは、29日の日本行きまでに治療を完了するっていうことなんですよね」
「わかっています。だからドクターも若干治療の行程を早めたわけですから」
「それって可能なんでしょうかね?」
「うーん…一緒に事務カウンターまで行きましょう」

親切なスタッフさんが施設に電話をかけてくれたのだけど、来週の水曜日しか空いていないと言われ、それだと28日までには無理だとわかり、また診察室に戻る。
じゃあここでやりましょうということになり、歯の色をサンプルで決めていると、さっきとは別のスタッフさんが駆け込んできた。
「なんとかして28日にはこちらに届けるって言ってます!」
マジか!(心の声😅)
というわけで、13日の水曜日に行って、カスタム仕様とやらの被せ物を作ってもらうべく、また1時間ほどの間、あんぐりと口を開けることになった。
そして出発前ギリギリの28日に、その被せ物が歯科医のもとに届き、めでたく前歯が揃うことになるわけなのだが、ドクターとアシスタントはしみじみと、その被せ物がピッタリとあなたの口に収まることを祈るばかりですと言う。
この間約1時間、治療より長い時間を、わたしの極めて個人的な要望で振り回してしまった方たちに、心からの感謝とお詫びを申し上げる。


さて、昨日からうちの猫たちがかなり動揺している。
前々から仲が悪かったハチワレ猫が、うちの裏庭によく現れるようになったかららしい。
ハチワレ猫っていうのはこんな感じの猫で、わたし的には好きなんだけど、空と海は彼とは仲良くなれないみたいで、喧嘩をしては頭やら首筋に傷を増やして帰ってくる(特に海は傷が絶えない)。

その猫が、なんと、ネコ窓に頭を突っ込んで、部屋の中に入って来ようとしているではないか!
部屋の中では空が、外では海が、うぎゃ〜うぎゃ〜と大声で威嚇しているのだが、ハチワレちゃんはものともせず、彼らにも増して大声を張り上げるもんだからうるさいったらない。
それにしても、これまでにも何度か、野良猫やアライグマがネコ窓の外から部屋の中を伺っていることはあったのだけど、窓を頭で押して入ろうとしたことはなかった。
それでわたしもびっくりして、勝手口のドアを開け、コラ〜ッと叫んだのだけど、うっせ〜な〜みたいな顔をしてノロノロと階段を降りて行き、長男くんの愛車の下に潜り込んでしまった。
彼はどう見ても野良猫ではなく、うちのように外遊びも許されているどこかのお家の飼い猫のようだ。

それからというものの、我が家ではこんな感じの空海なのである。




お願いだから入って来ないでね、ハチワレくん。
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