ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

みんなで選挙!とにかく投票!おまけ「野党結集の課題・市民に望む事」 山本太郎さんのスピーチ文字起こし

2016年01月28日 | 日本とわたし
LET'S GO 在外選挙という、Non-Profit Organizationのフェイスブックより、お借りしました。
https://www.facebook.com/LETS-GO-在外選挙-1671271123132359/?pnref=story



「Let's go 選挙!」

面倒だと言われている在外選挙人登録申請。
それでも、在外投票には必要不可欠な申請。
重い腰を上げて申請書のダウンロード。
そして、記入例等と睨めっこしながら、1人コツコツ書き始める。

でも…。

ダウロードしなくても、目の前に申請書が差し出されたら?
あなたの横で、スタッフが優しく、記入の仕方を教えてくれたら?
その上、在外選挙の為になる話を、面白おかしく聞かせてくれたら?

1人で準備したって面白くない!
みんなで選挙🎵

是非、会場まで足をお運び下さいね!

↓以下詳細

Let' go 在外選挙!

日時 :
2月19日金曜日 19:00ー21:00(18:45 door open)

場所:
CRS
123 4th Ave, 2nd FL, New York, NY10003

http://www.crsny.org/ja

主催: 
OVERSEAs NY

ゲストスピーカー:
海外有権者ネットワークNY
共同代表 竹永浩之氏


推奨寄付 :
1人10ドル(会場費、チラシ等経費)

要予約

参加希望の方、お問い合わせは、下記メールアドレスまでお気軽にご連絡ください。
overseasny2016@gmail.com



そしてこの、わかこさんのブログ『在外選挙に行こう!』は、在外選挙というものについて、わたしたち海外在住の有権者に、とても分かりやすく説明してくださっています。

ちょこっとだけここに、転載させていただきまーす。
↓以下、転載はじめ

在留届の提出は済みましたか?

在留届の提出は、在外選挙人名簿登録の申請時に、同時にしても大丈夫です。
私的には、ごちゃごちゃして面倒なので、オンラインで済ますほうをお勧めします。

はい、では次に進みましょう。

その前に、申請から皆さんのお手元に届くまでの図をお見せしますね。


在外選挙人名簿申請書提出から、在外選挙認証が皆さんのお手元に届くまで、
最速で2~3ヶ月かかります。
最速でですよ!
後で説明しますが、もっとかかる人もいます


せっかく在外投票に行こうと思っても、のんびりしていると、投票日までに間に合わないという事態になりかねません
思い立ったら即、行動でお願いします。


「在外選挙制度」の説明を少しします。

海外に住んでいる人が、外国にいながら国政選挙に投票できる制度を「在外選挙制度」といい、これによる投票を「在外投票」といいます。
在外投票ができるのは、日本国籍を持つ18歳以上の有権者で、在外選挙人名簿に登録され、在外選挙人証を持っている人です。

18歳以上に注目です。

次回参議院選挙から、選挙権が18歳以上に与えられることになりました。
これは在外選挙に於いても同じです。

18歳以上とは
1. 2016年6月19日以降満18歳の日本国籍保持者
2. 選挙人登録申請時まだ17歳でも投票時に18歳になる日本国籍保持者


となります。

↑以上、転載おわり


わたしたちも頑張る!そして日本国内のみなさんも頑張る!
もうこれっきゃ方法が無いところにきてしまいました。


ミナセン全国連絡会&実行委員会が主催する「野党結集の結果をみんなで出す!『ミナセン(みんなで選挙)』市民選対勝手連シンポジウム」

https://www.facebook.com/hirofunrun/videos/583824778453225/?pnref=story
東京都千代田区参議院議員会館・2016年1月22日

山本太郎議員が、なかなか結集できない政党の事情、そして緊急事態条項がいかに危険なものかについて、簡潔に話してくださっています。
残念ながら、ここのそのビデオを載せることができませんので、その部分だけを文字起こししました。

↓以下、文字起こしはじめ

山本太郎議員:
僕はこの場での一体感を信じないことにしたんですよ。
この場での熱狂、安保の時の熱狂、国会前での熱狂、もうこれ終わったことなんですよ。
何が言いたいか。
もう旬は過ぎているんですよ。
国全体で、この法案はおかしいっていうような熱量は、あの時のものでは、今もうないんですよ。
だとしたら、安保では突っ切れないというのが事実だと思うんです。
でも、安倍政権は、突っ込みどころ満載じゃないですか。
原発再稼働もそうだし、TPPもそうだし、労働環境も貧困もって、もう山ほどあるんですよ。
安保でという話になると、これは勢いが自分たち削げちゃうことになる。
で、いきなり安保の話したって、ポッカーンって人が多いですよ。
今日ここでの熱狂が、みなさんお家に帰られて、職場に行かれて、どれくらい広がっているかということを、自分自身で考えると、
ね、なかなか難しいとこがある
と思うんです。
僕も今、全国回ってます。
自分の選挙は2019年ですけど、今、10人集まったらしゃべりに行きますってことやってて、
全国いろんなところで、ーーーーーところに行って、知らない、興味の無い人たちに話をしに行ってる状況なんですね。
だから今日何人、今の政治のでたらめさを伝えられたか。
昨日は何人だった?っていうことの連続でしか、道が拓けない
んですよ。
おそらく、分かってる者同士が寄り合って、民主がんばれ、共産がんばれ、生活がんばれ、社民がんばれっつってても、これは事態が打開されない。
これは根絶やしされてしまう
、間違いなく、と僕は思ってます。

民主の中にもいろいろ議論があると思います。
例えばね、どっちが悪いんだっていう話じゃないんですよ。
例えば、もう大前提考えていただきたいんです。
これは、各党に対する批判と受け取らないでくださいね。
一有権者として、僕が今までの流れを見てて感じたことを話させていただきたいんですけど。

例えば、共産党さんが言ってくださった『国民連合政府』
みんなで力を合わせてやっていこうぜ
これ、素晴らしい提案だと思うんですよ。
で、これ、僕は事実関係をよく分かってないんですけども、この件に関して、水面下でどれくらい動かれたのかな?という話だと思うんですね。
というのは僕、政治の世界に入って最初に言われたことは、とにかく段取りの世界だってことを散々言われた
この段取り、水面下、要は、いきなり打ち上げ花火を上げてしまえば、それに対応するのが大変な部分っていうのが、おそらく政治の世界にはたくさんあると思うんです。
で、おそらく、共産党さんの仕事っていうのは、同じ現場で、委員会とかでもたくさん見ていますから、素晴らしいお仕事されてると思います。
僕のあこがれの質疑をされる方も、共産党の方ですし。

そういう中で、じゃあ、どういう水面下での交渉を行ってきたのかってことが、すごく重要だろうなと。
どうしてかというと、やはり、野党第一党というのは、民主党になるわけですよ。
ここが一番議席を持っているということは、全国で一番議席を取れる確率というのは、今のところ高いわけです。
特に、一人区というところにおいては、そういうことだと思うんです。
で、ここで、上手い話し合いをしていくためには、おそらく水面下での最初の交渉が、どこまで深まっていたかということが鍵を握ると思います。
でもおそらく、今の流れを見てると、水面下での交渉というのが、事前の交渉は、あまり十分では無かったのかな、というふうに思うんです。
でもこれは、共産党に対しての評価は、すごく上がったと思うんですよ。
そうなろうがなるまいが、要は野党共闘ができようができまいが、共産党に対する評価っていうのはすごく上がってると思うんですよ。
これはこれ、共産党としてはすばらしいことだけども、他の党からしたらそうでもないと思うんですこれ。
どうしてか。
だって、急に打ち上げ花火を上げられたって、水面下でちゃんといろいろ調整してからの話にしてくれれば、乗れたかもしれないけれども、乗れない部分もある
どうしてか。
共産党はいい仕事をしているけれども、共産党に対して評価が低い地域というのもあるわけですよね。
バリバリの保守地盤だったりとかっていうのもあるわけですから。
そこで一緒にやっていくという流れというものを、拒否感というものを示す人たちも、一定はいらっしゃる。
だとしたら、この一人区で、絶対に、一騎打ちで勝っていくぞ、という話にはなり得ない状況が生まれるわけですね。

だからこの話に関して、共産が、民主がっていう話になっていくと、もうこれドツボなんですよ。
じゃあどうすればいいっていう話なんですけれども、
みなさんが、昨日何人、今日何人、明日何人、自分の一票を何票に広げていけたらっていうことから、毎日実践されることによって、党でさえもコントロールできると思うんです。
政治家でさえも党でさえも、コントロールできると思うんです。
そういう人で議会を埋めたらいいじゃないですか。

もしもね、どこかの政党の支援団体が、このひとつになろうという動きを阻害するならば、みなさんで電話すればいいんじゃないですか。
プレッシャーかければいいんじゃないんですか。
全員電話したら(会場をぐるりと見回して)、すごい迷惑ですよね、これね。
これ、3人ずつ増えていったら、どれだけ迷惑ですか。
3人がまた3人を呼んで、ということが、もちろん電話だけじゃなく票としても現れるというものが根本にあれば、これ、そのようにまとまっていくんじゃないかな。

政治の世界で答が出るまで、みなさんが待ちになっちゃうと、すごく厳しい結果になる可能性もあります
だからみなさんが、どれだけ動いたかということが、次の結果につながるんだろうなと。

で、緊急事態条項のお話なんですけれども、非常に恐ろしい話になってまいりました。
もうこれさえあれば何でもできる
世界中の独裁者が羨むカード、すべて手に入れてるんですよ、もう。
最後の一枚、この一枚で、憲法なんてすべて破壊できる、というものですね。
法律作れる、金は握れる、言うことは聞かせられる
で、いつまでも延長し続けられるっていうね、非常に恐ろしい話ですけれども。
でも、この憲法の話をしたとしてもね、イマジネーション必要じゃないですか。
こういうことができるんだ、だからマズいと思わないか?
例えばこれ、安保っていう話だったりとか、TPPという話だったりとか、みな想像するしかないっていう話ですよね。
イメージが必要になってくる話って、伝わりづらい部分無いですか?
だから、話す相手がどういうことに響くかっていう、自分のこととして考えてくれるような、当事者としての意識を持ってもらえる問題をまず投げかけて、
扉を少し開いてちょっとずつ話していくっていうことをやっていかないといけない
んだなぁって、
丁寧に口説くって大変ですね。
日々感じています、ほんとに。
力を合わせてやっていくしかないでしょう、そりゃね。
やってやりましょうよ。
ありがとうございます。

↑以上、文字起こしおわり


だからやっぱり投票に行こう!
だからとにかく在外投票しよう!

政治の世界で答が出るまで、みなさんが待ちになっちゃうと、すごく厳しい結果になる。
わたしたちがどれだけ動いたかということが、次の結果につながる。

だから、自分の半径5メートルに居る人から、場所から、その人が当事者として聞いてくれるような話題探しをして、
ちょっとずつちょっとずつ、丁寧に話していこう。

昨日何人、今日何人、明日何人、自分の一票を何票に広げていけたら。
そうやって毎日なんやかんややってくうちに、いつの間にか政治家や党に、わたしたち市民の思いをしっかり受け止めて、政治をしてくれる人が増えてくる。
時間がかかるかもしれない。
でも、太郎さんのような政治家、そういう人で議会がいっぱいになる日は必ずやってくる。
わたしたち次第で。

原発事故汚染と廃炉ショックで弱っていく日本は、原発展示即売会のモデルルーム&中国富裕層のアウトレット

2016年01月28日 | 日本とわたし
きーこさんが文字起こししてくださった文章を参考にしながら、自分自身でもう一度書き起こした樋口さんとビナードさんの講演会。
膨大な量と長さではありましたが、この最後のところにきて、作業をしながら涙ぐんでしまいました。
なんというか、じわじわと勇気と元気が生まれてくる感じがして…。

「信州なら信州弁、諏訪地方の言葉で、みんなで生活しながら何かをしようとすると、そこである種の発酵作用が起きて、それが文化になる。
文化は踊りだったり、建築物だったり、言葉そのもので作った作品だったり、いろんな文化がある。
でも、自分がそういう、発酵していく存在だっていうことが実感できれば、
「無力だ」とか「虚しい」とか「何も変わんないじゃん」とかっていうふうに絶望する、あるいはガッカリする、落ち込むことがなくなるような気がする」


一方で、こんな厳しい意見もありました。

「下手すると、日本列島が最終処分場に使われる可能性がある。
その最悪のシナリオは、
日本でもう一つ原発事故をやって、そうすると関東東北の汚染、それから九州、中国地方、関西の汚染をやって、そうすると満遍なくね統計がみんな赤くなる。
2箇所やって、日本経済がそれでもっと衰退、もっともっと袋小路に入っていって、それであるときから日米共同の研究機関があちこちにつくられて、
その研究機関は何か?というと、「アメリカの高レベル放射性廃棄物を置く場所」。
そういうふうにもう、日本は受け入れるしかないんだよね、経済的にはもうアウトだから」


「日本は、原発展示即売会のモデルルームであり、中国の富裕層のアウトレット。
だから日本列島じゃない。
日本アウト列島。
みなさん、日本アウト列島に住んでるんだよ」


また、だからこそ、それぞれわたしたち個人が、個々の暮らしの中に、個々の発酵による意識的な言動をすることが必要なんだと、とても分かりやすい例を話してくださったり。

「マコさんたちは、文房具屋に行ってボールペンを買う時に、あるいは買わなくてもいいんだけど、紙が置いてあるでしょ、試し書き。
それをちょっと先までめくって、それで「原発いらない」と書くんですね」


自分が政府と向き合っているというのを、絶えず示す必要がある!
24時間しっかり発酵!




日本列島は他国に原発を売るためのモデルルーム
下手すると日本列島が最終処分場に使われる可能性がある

樋口健二×アーサー・ビナード(文字起こし)


2015年12月20日
樋口健二氏&アーサー・ビナード氏 コラボトーク講演会


文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/YhZIRwFjtec?t=1h10m21s




アーサー・ビナード:
でもね、根っこが深いんですよ、原発は根っこがほんとに深い
だから、僕らがデモやって、声あげて、ステッカー作ったりいろんなことをやらなきゃいけないんだけど、
それよりもっと深いところでやらなきゃ、自分の生活や経済も含めて、自分の日々の行動も含めて、やっぱり歯止めをかけるしかないと思うんですね。


樋口健二:
そうですそうです、みんな犠牲ですよ。犠牲が無きゃできないって。


アーサー・ビナード:
だって、僕らはこの写真を見て、労働者の写真だと思うけれども、
でも今の日本で普通に生活していて、その原発労働者と同じくらいの被曝している人たちがいっぱい、僕らも含めて
だから僕らは、今みんな、1億総原発労働者になっている


樋口健二:
1億総被曝


アーサー・ビナード:
そういうことです、総被曝。


樋口健二:
の、時代が来てるんです。
九州電力がとんでもないPRを出してるけどさ、ね、これ、老人を騙すにはもってこいですよ。


質問


https://youtu.be/YhZIRwFjtec?t=1h12m51s

質問:
アメリカのほうでは、アーサーさんが知っている昔と今とでは、原発労働者は、自分たちの被曝のこととかなどはどう考えているのでしょうか?


アーサー・ビナード:
ん、そうですね、基本的には日本と同じように、他に仕事が選べない人が、原発の現場のきつい被曝にさらされる仕事をする
そこは近いし、差別を受けている側がそういうところに送り込まれる可能性が高いというのもあるんです。
さきほど、黒人労働者の写真のお話もあったんですけど、それがアメリカ国内でも。
でも、アメリカと(日本の)一つ大きく違うのは、原子力業界のそういう被曝させられる仕事の他にもう一つ、どこにも生き残る道が見いだせない人が行くところがあるんです。
それは何かというと、アメリカ国防総省がやっているアメリカの陸軍、海軍、空軍、海兵隊、州兵、兵隊です。
兵隊のほうがはるかに数が多いし、組織がでっかいです。

で、原子力と軍の組織はどういう繋がりがあるかというと、深いところではもう同じ組織なんです。
アメリカはそれを隠そうとしない
だからニュークリア(nuclear)とかニュークス(nukes)って言ったら、核兵器も原発もみんな入る
こんなに「平和利用」がまかり通っている、こんなに「平和利用」に騙されている人が多い国は日本だけですね。
っていうか、アメリカでいうと、ジョークみたいだよね、噴き出すでしょ。
「Atoms for Peace 」って懐かしい、アイゼンハワーの演説か、面白いね。
日本でまだそんなこと言っているからね、真顔で

原発労働者の問題に、ひとつに絞って運動しようとすると
いやだってね、「海兵隊に吸い込まれていってる、貧困にあえぐ若者をどうするんだ」みたいな
だから繋がっているんですよね、そこが。
軍隊と原発が
で、今のアメリカの企業と政府の動きを見てると、もちろん、原発は2016年に無くすとか、そういう流れにはなってないけれども、
でも、明らかに原発は止める方向で、全てが進んでね、廃炉にしている
それはどうしてかっていうと、もう利益が出ない
どうして日本は逆に、なんか大間にフルMOXの、ね、必ず壊れる原発を作ろうとしているのか?
あれは、大間違い原発ですよね、大間違いもいいところ。
それから上関、あの山口の上関の原発も白紙撤廃じゃないんですよ、「やる」って言ってるんですよ。

アメリカはもう、新規を時々造るようなふりをするんだけど、進まないで、廃炉は進んでいて
なんでもう、出口戦略が動いてるのに、日本がまだまだ「やるやる」って言ってるのかというと、
多分、「属国が、一番最後に残って、貧乏くじを引く」



樋口健二:
本当にその通りだ。


アーサー・ビナード:
だから、フランスと日本がカモなんですね。
アメリカは、終わるときにはもう引いている
だから、リーマンショックならぬ廃炉ショックは、他に押し付けるつもり。
ね、だから、早々と、ジェネラルエレクトリックも売っちゃったね。


樋口健二:
売っちゃったですよ。


アーサー・ビナード:
ウエスティングハウスも、ポンコツ原発製造部門は


樋口健二:
東芝に買い取らせた


アーサー・ビナード:
ねぇ、東芝を見てごらんなさい。可哀想だよね。
昨日、東芝で働いている友達と、今朝まで一緒だったんだけどね、もう悲惨ですよ。
で、なんでそうなってるかっていうと、米政府の政策ですよ。
5000人切るんだよね。


樋口健二:
4000から5000。
おそらく4000人はもう完全に切るんだよ。
あの3人の社長が、あんな悪しなかったら良かったのに。


アーサー・ビナード:
でも、そもそもウェスチングハウスという得マージンを食った時からなってたんですよね。
で、そういう流れを見れば、もう原発から早く引かないと貧乏くじ
下手すると、日本列島が最終処分場に使われる可能性がある
僕は、その最悪のシナリオは、
日本でもう一つ原発事故をやって、そうすると関東東北の汚染それから九州、中国地方、関西の汚染をやって、そうすると満遍なくね統計がみんな赤くなるんだよね。
そうすると2箇所やって、日本経済がそれでもっと衰退、もっともっと袋小路に入っていって、それであるときから日米共同の研究機関があちこちにつくられて
その研究機関は何か?というと、「アメリカの高レベル放射性廃棄物を置く場所」なんですよ。
そういうふうにもう日本は受け入れるしかないんだよね、経済的にはもう、アウトだから


樋口健二:
受け入れないとやっていけない。


アーサー・ビナード:
やっていけないし、TPPに入っているから、「飛んで火に入るTPP」の虫になって、とんでもないペテンパートナーシップでがんじがらめになって

これは最悪のシナリオで、僕は受け入れるつもりはないよ。
絶対にこれは止めなければいけないと思うんだけど、もうそういう、嫌な縁起でもないような予言が成立するところまで、僕らはきちゃっているというふうに思うんですね。

僕は、根拠はないですよ、CIAの工作員じゃないから、具体的な情報はこないし。
でも見てれば、状況を見てれば、そういうこともあり得るんじゃないかって、多分言えるんじゃないかなっていう気がする。


樋口健二:
結末がもう見えちゃってる。
僕はいつも言うようにね、核兵器で終わるんじゃなくて、原発で地球は終わるんですよ。
で、一番先に日本がおしまいになる


アーサー・ビナード:
だから、薩摩川内、伊方を動かすっていうのは、もうそういう道を歩むことだよね。


樋口健二:
それしかない。で、何が起きるかわからん。


アーサー・ビナード:
ほんとだね。


樋口健二:
国家がみんな、「安全だ」って口で言っているだけの話なんだからね。


アーサー・ビナード:
そう。でもね、薩摩川内が動き出して、1号機2号機。
で、「今度は伊方だ」って言って、それをニュースをわーってやっていた時に、安倍総理が中央アジアに行ってたんだよね。
で、いろんな、ばらまきながら、「原発買って」って売り歩いてたでしょ。


樋口健二:
売り歩いてた。


アーサー・ビナード:
それで見えてきたんです。
だって、樋口さんが言うように、原発はエネルギーじゃないもん。


樋口健二:
経済


アーサー・ビナード:
経済
「電気が必要だから」っていうのはナンセンス!
じゃあなんで動かすか?っていうと、今回は、1億総ショールーム化なんですよ。


樋口健二:
なるほどね。


アーサー・ビナード:
日本列島は、他国に原発を売るためのモデルルームなんですよ。
だって、「日本の原発買ってくださーい」って言って、国内では54基のうち1基も動いていないっていうと、ちょっと変ですよね。


樋口健二:
それじゃ売れねえからね。


アーサー・ビナード:
売れないですよ。
だからちょっとこう、モデルルームを作って、それで鹿児島がそれ
なんです。
展示即売会
で、日本のやつを動かして、「ほらほら大丈夫大丈夫」
大丈夫じゃないですよ、モデルルームですよ。
僕らはモデルルームにされている
しかもそれだけじゃなくて、日本経済で唯一明るい、アベコベミクスによってつくられた唯一の明るいニュースは「爆買い」でしょ。


樋口健二:
そう。


アーサー・ビナード:
「爆買い」
中国の富裕層とかが来ていっぱい買ってる。
だから日本は、原発展示即売会のモデルルームであり、中国の富裕層のアウトレットなんですよ。
だから日本列島じゃないです。
日本アウト列島なんです。(笑)
みなさん、日本アウト列島に住んでるんだよ。
こんな屈辱を味わいながら、よくみんな平気で日常生活ができるね


樋口健二:
いいこと言うね。


アーサー・ビナード:
ほんとうにそうですよね。
だから、原発の輸出のために、そういうことを背負わされるっていう、本当に残酷
全然生活者のことを考えてないね。


樋口健二:
先は全然見ておりませんから。


アーサー・ビナード:
自分たちだけ、ま、助かる自分たちだけ再就職先があるって、なんかそういう。


樋口健二:
今とにかく、おまんまが十分食えりゃいいんだ。今のことしか考えない。


アーサー・ビナード:
でも、おまんまっていうとちょっと、彼らは何千億、何兆っていうおまんま食ってるからね。


樋口健二:
だから止められない。それに群がりすぎちゃったのね、この40年間。


アーサー・ビナード:
本当です。


樋口健二:
いやぁ、彼は強烈ないいこと言いますね。



自分が政府と向き合っているというのを絶えず示す必要がある
「空気を読むな」

樋口健二×アーサー・ビナード(文字起こし)


2015年12月20日
樋口健二氏&アーサー・ビナード氏 コラボトーク講演会


文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/YhZIRwFjtec?t=1h23m59s



質問:
麹菌、納豆菌について


アーサー・ビナード:
カルチャーとか文化の話をしていて、カルチャーって英語で言うと、納豆菌もチーズ菌も麹菌もみんな入るんですよね。
カルチャーって「培養する」って言う意味だから。
土の中の微生物も含めた土壌が農作物を作ってくれる、それを見守って大切に育てることがアグリカルチャーであり、納豆カルチャーっていったら、納豆菌の働き者たちの集まり。
で、僕らも実はそういうふうに、人間同士でそういう醸し出して、日本語で生活して日本語で話し合って、みんなで。
信州なら信州弁、諏訪地方の言葉で、みんなで生活しながら何かをしようとすると、そこである種の発酵作用が起きて、それで文化が
文化は踊りだったり、建築物だったり、言葉そのもので作った作品だったり、いろんな文化がある
でも、自分がそういう、発酵していく存在だっていうことが実感できれば、
「無力だ」とか「虚しい」とか「何も変わんないじゃん」とかっていうふうに絶望する、あるいはガッカリする、落ち込むことがなくなるような気がする

樋口さんは、「40年後に自分の作品を見て、自分の作品に引き込まれる人がいるかもしれない」、
自分が作った本が、2000人もの人に届いたっていう、それがまさに発酵ですよね。
そこでいろんな大事な反応が起きて、醸し出されているものがあるという。
それを、集まってデモの時だけ声上げて、それで終わるんじゃなくて
納豆菌は24時間納豆菌なんですよ。
麹菌は24時間ずーーっと麹菌
だから、僕らは24時間日本語菌
日本語の文化を、もちろん英語に切り替えてもいいし、ロシア語に切り替えてもいいんだけど、自分の言語と生活を使って作り出すっていう。

デモに行って声を上げて、帰りにスターバックスに寄って金落として、また自動販売機から何かを買って、家に帰って公共放送なんか見たりしていると、
もうデモなんか行かなくていい
んだよ。

ここだけの話だけど、受信料を打ち切る方がずっと効果があると思うんですね。
あの、ここだけの話。
っていうか、もうとっくに干されているからいいんだ。
いや、公共放送は、まともな公共性のある放送なら必要かもしれない
でも、受信料を払うっていうことはもう、原発推進ジャーに「どうぞやってください」って言ってるようなもんでしょ?


樋口健二:
そうそう。


アーサー・ビナード:
それを考えなきゃいけないですよ。
で、まぁ、「いやあうちの妻はどうしてもNHKを見たい」って言うんなら、まあ何か妥協しなければいけない。
みんな生活は妥協だし。
だけど、「テレビを捨てる」っていう選択肢あるよ。
テレビなんかいらないよ。
僕はテレビに出るけど見ないよ。
いらないですよ、そんなん見ている暇ない。
俺は納豆菌として、っていうかアーサー菌として色々やることがあるから。
だからそういう、自分がやることは全部関係がある
自分が何を買うか。誰がこれを自動販売機で買ってきたのか。
僕は自動販売機を使わないんだ。
だから自分の生活の中、全部繋がっている
何を食うか、どこで何を買うか、何に乗るか、どこを歩くか、もう全部関係があるから。
で、そういうことがわかってくると、別に選挙がどうなったかでガッカリすること無くなるんですよ。
毎日毎日楽しいんですよ。

後ろの方にね、丁度こう振り向くと、夫婦漫才の天才のふたりが、マコさんとケンさん、いらっしゃるんですけど、
いろいろ教わったんですよ、やれること、僕ら市民にできること。
例えばその、マコさんたちは、文房具屋に行ってボールペンを買う時に、あるいは買わなくてもいいんだけど、紙が置いてあるでしょ、試し書き。
それをちょっと先までめくって、それで「原発いらない」と書くんですね

紳士的な発言ですよ。
デモでは届かない人に、どうやって届けるか
タクシーに乗ると、ずーっと運転手を口説いてるんです。
変な口説き方じゃないよ、まともな思想とか、そういうことをずーっとやるって面白いんですよ。

樋口さんだってね、もう24時間ですよね。


樋口健二:
僕も真面目に、同じ用語でやってるのよ。
「原発反対」なんてのは、国家からしたら、「あいつらとんでもねえ奴ら」って言ってるわけだから。


アーサー・ビナード:
そうですね。
だからそういう風に、自分が政府と向き合っているということを、絶えず示す必要がある
その話をするんです。
「空気を読むな」
全然空気を読む必要はないんです。
ちょっとだけね、嫌われ過ぎないように気をつけなきゃいけない


樋口健二:
僕なんか嫌われすぎちゃった。


アーサー・ビナード:
いやぁ、嫌われていない、樋口さんほど愛されている人はいないよ。


樋口健二:
こういう人たち(会場にいる人たち)には愛されてるけど、本当に。
だけど、国や電力会社からは、本当に、ブラックリストもいいところですよ。
経産省の資料があるんだけど、俺の名前とか、俺のみんな親友だ、広瀬隆も鎌田慧も。
みーんなブラックだよ。
名前だけ消してあるんだよ。
だけど本はちゃんと書いてあるんだよね。
アホか、って言ったの。


アーサー・ビナード:
僕は出てこないんですか?


樋口健二:
あなたはアメリカ人だから、迂闊なことは出来ねえ。
アメリカの人たちは、日本国家がやったらどうする?大変ですよ。
だって、アメリカの属国なんだから、日本は。


アーサー・ビナード:
じゃあ、僕は本国から来たんだ。


樋口健二:
あなたはここで、うんとやってくれればいい、バンバンバンバン。

アーサー・ビナード:
わかりました。
でも、樋口さんが、そうそうたるメンバーと一緒にブラックリストに載ってるって、すごく偉大なことですよね。


樋口健二:
偉大でもなんでもねえのよ。
俺はただ、ひたすら売れないことをやってきただけの話。


アーサー・ビナード:
でも、みんながそれを目指せばいいんですよ。
だから、別に職業は関係ないですよ。
写真家だからとかじゃないんだよね、鎌田さんも広瀬さんも。
だから、みんなで同じリストに載りましょう


樋口健二:
国民がみんな載るようになったら変わるんだよな。


アーサー・ビナード:
ですよね。
後ろの漫才師も載っているかもしれないし。
でも、みんなが載るぐらいの、楽しい運動をやっていきたい


樋口健二:
そうだね。


アーサー・ビナード:
ぜひ、やりましょう。


樋口健二:
あなたいいこと言いますね。
このまま言いつづけて、ほんと、あなた俺、大好きなのよ本当に。
こういう外国人っていないもん。


アーサー・ビナード:
ありがとうございます。
でもね、樋口さんの写真を見ていると、ちゃんと、今、どこから来たのか、今がどうしてこうなってるのか、っていうことがわかるんですよ。

福島第一原子力発電所が、建設中の写真があるでしょ。
それが僕らに一番欠けてること。
どこがどう繋がっているか。
樋口さんの写真ってのは、ほんとに、何度見ても新しい発見があって、何度検証しても自分が気づいていない事実が、必ずそこにあるんですよね、本当にありがとうございます。


樋口健二:
本当に嬉しいね。
こういうもののわかった人がものを言うっていうのはね、ありがたい。


アーサー・ビナード:
実は今日、これから深夜の便でロンドンに行くんです。
ウエールズには世界で一番古い、今も動いているポンコツ原発があるんです。


樋口健二:
ポンコツ原発です。


アーサー・ビナード:
そこのすぐ風下に、僕の幼馴染が住んでる。
これから行ってきます。
ロンドンって言ったけど、飛行機はロンドンに飛ぶんですけど、これからウエールズに行ってきます。
セラフィールドまで行けるかどうか。
あのね、イギリスって面白い国で、クリスマスとかその次の日は、電車とか全部止まるの。
だから、行けなかったら次にまた行きますけど。


樋口健二:
あなたは行動力がいいから、頑張りなさいね。


アーサー・ビナード:
なにをおっしゃるんです、行動力、(樋口さんは)行動力の塊じゃないですか。


樋口健二:
いや、そうでもないよ。


アーサー・ビナード:
ありがとうございました。


樋口健二:
本当にありがとう、今日は。


アーサー・ビナード:
みなさん本当にありがとうございました。

天皇・永久戦犯の地位を守った「残虐なる爆弾」の利用と、ポツダム宣言を「読んだ」と言えない安倍氏事情

2016年01月27日 | 日本とわたし
きーこさんが文字起こしをしてくださった樋口氏とビナード氏のコラボトークの続きです。

<玉音放送にある隠れた真実>
天皇・永久戦犯の地位を守った「残虐なる爆弾」の利用 

樋口健二×アーサー・ビナード(文字起こし)


昭和天皇の玉音放送について、「堪え難きを堪え、忍び難きを忍び」、私はこの部分しか知らなかった。
今までに、玉音放送の中身全てを聞いたことも読んだこともなかったし、読んでみようと思ったこともなかったから。

「なぜ、昭和天皇や永久戦犯の正力松太郎などの人々の地位が守られたのか?」

アメリカ人のアーサーが玉音放送を読み解くと、その中ある答えがあった。

「おっ!日本人は知っておくべきだ」
と思ったので、以下その部分の文字起こしをしました。


2015年12月20日
樋口健二氏&アーサー・ビナード氏 コラボトーク講演会



文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/YhZIRwFjtec?t=47m27s


アーサー・ビナード:
日本の原子力のペテン、そもそもの出発点はどこか
僕はずっとそれが気になってて。
というのはね、僕が生まれ育った国は、日本と違って、本当に原子力を作った輩がいるんですよ。
アメリカは、日本みたいに、どこからか買ってきて英語のマニュアルを和訳して、そして福島で湯沸かしをしているっていうのと違うんですよ。
米国とロシアは自分たちで作ったんだから、だから本物のワルなんです。
日本はもう、プチの可愛いペットみたいなやつらで、日本の原発業界は悪質だけど、小物ばっかり。
だけどアメリカは、本当の大悪がいるから。
彼らは、原発労働者の前のマンハッタン計画の中で、労働者を被ばくさせて殺し、実験に使って被ばく…。
放射能汚染をテネシー州で、ネバダ州で、ユタ州で、ニューメキシコ、ワシントンのコロンビアタワーを殺して、もうすごいことを…。
アメリカ国民に一切何も知らせないで、マンハッタン計画の秘密の中でやったでしょ。
でも、日本がいつ、「原子力やるぞ」っていう一部の人たちがくっついて決めたかって。


樋口健二:
1957年ごろ
かつて読売の社主に、正力松太郎というのがいて、その正力松太郎が永久戦犯だったから、アメリカから公職追放を食らった
それでね、東京大学法学部を出ている男ですよ、まだ50代ですよ。
自分はどうしてもこのままじゃいけない。このままじゃ追放のままだ。これはアメリカにくっついたら何かできるだろう
それが原子力なんです。
だから、ウエスティングハウスとGEの機械を持ち込んできたんだ、彼が。
それで、これだけじゃ入れられないから、彼は衆議院議員になったんだよ。
それで、科学技術庁の長官に伸び上がった
それで、東海村へ原子力研究所を作る
だから、原子力の父っちゅうのは正力松太郎なんだ。
その時にくっついてたのが、政治家の中曽根
もう一人が、読売のナベツネ
これは、20代の東大出のピンピンの記者がいて、これがみんなくっついてって、原子力勧めたんだよね。
言ってみれば、読売の社主が、アメリカの機械を持ち込んできた
こういうことなんです。


アーサー・ビナード:
正力松太郎って、日本語で考えると、なんか大物政治家とか読売で。
でもアメリカから見るとね、なんか違ってて。
うちでは、正力松太郎じゃなくて正力ネギ太郎って言ってる(笑)
中曽根さんは、中曽根康弘じゃなくて中曽根康カモ。
それでカモネギ、ネギ太郎と康カモであの二人がやったんですよね。


樋口健二:
これからは俺もそういう言葉でやろう(笑)


アーサー・ビナード:
その歴史を、僕もいろんなところで学ばせてもらったんですけど、一つずっと気になっている、出発点というよりも、一つのなんか谷みたいな言葉が、ずーっと僕に刺さってるんですよね。
その言葉が日本国民の耳に入ったのが、1945年の8月15日、正午からなんですよね。
昭和天皇が放送で、国民に対して幾つかの事を知らせたんですね。
それを玉音放送というふうに言われるんですけど、録音したのはその前の日なんですよね。

そのなかで、
「朕(ちん)深く世界の体勢と帝国の現状とに鑑み(かんがみ)非常の措置を以て時局を収集せむと欲し茲(ここ)に忠良(ちゅうりょう)なる爾臣民(なんじしんみん)に告ぐ。
朕は帝国政府をして米英支蘇四国(べいえいしそしこく)に対しその共同宣言を受諾する旨通告せしめたり」

そこから始まったのね。

で、その後に、いかに大東亜戦争が世紀の戦争であったか、みたいな文言が続くんですよね。
ポツダム宣言違反の文言を盛り込みながら、ポツダム宣言の受諾を発表しているという、不思議な文章なんですけど、
その後に、なんで戦争をやめて、なんでポツダム宣言を受諾するのか?っていう事を説明するんですね。
ちょっとね、古い言葉なので、もしかしたら2回ぐらい読んだほうがいいかもしれないけど、こういう言葉なんですね。

「最善を尽くせるに拘わらず戦局必ずしも好転せず、世界の大勢亦(また)我に利あらず。
加之(しかのみならず)敵は新に残虐なる爆弾を使用して頻に(しきりに)無辜(むく)を殺傷し惨害(さんがい)の及ぶ所(ところ)真(まこと)に測るべからざるに至る而も(しかも)尚交戦を継続せむか終に(ついに)我が民族の滅亡を招来するのみならず延て(ひいて)人類の文明をも破却すべし」


で、これをちょと読み解くとね、
なんで戦争を止めるか?っていうと、「敵は新たに残虐な爆弾を使ったから」なんです。
その「新たに残虐なる爆弾」は、広島のウラン弾と長崎のプルトニウム弾のことを言っているらしいんですよね。
具体的には何も言ってないんです。
だから、プルトニウムも出てこないし、ウランも出てこない。
でも、この新型爆弾「新たに残虐なる爆弾」が使われて、たくさんの人が殺されて、
「慘害の及ぶところまことに測るべからざるに至る」もう測り知れない被害が出ているから、それでやめます

で、もしも戦争をこれ以上続けたらどうなるか。
「なお交戦を継続せむか終に(ついに)我が民族の滅亡を招来するのみならず延て(ひいて)人類の文明をも破却すべし」というふうに書いているんですね。
これは、日本政府の中枢にいる人が、もしもこれ以上戦争をやったら、核兵器をさらに多く使われる
核兵器をまた使われたら、「核の冬」というものが来て、
「日本民族の滅亡だけではなくて、人類の文明が全て破壊されるから、なのでここで戦争をやめます」とおっしゃるんです
よね。


僕が知りたいのは、なんで千代田区1番地のところに、「核の冬」の情報がきてるの?
なんでそれを知っているんですか?


こういう事を知っているのは、マンハッタン計画の極秘のプロジェクトの中枢にいる物理の専門家と、彼らの話を聞いている大統領や国務長官ですよ。
これ、書けない文章なんですよ、内部資料がなければ。
なんで「核の冬」が、この時点で、おっしゃる事ができるんですか?


で、それが原子力に、僕のなかでは繋がっていくんですよ。
つまり、日本政府にとっても、原爆投下は戦争を終わらせる口実になったんです。
口実として使えたんです。
しかも、国体が護持されて、一部の人を除いてはみんな再就職先が出来たんです。
正力さんも中曽根さんも、ネギ太郎も康カモも、それだけじゃなくて、この玉音放送を読み上げたお方もみんなちゃんと地位が守られて再就職先があったんですよ。

その再就職先を得ることを可能にしたのは、実はこの「残虐なる爆弾」の利用なんですよ。

だから核の利用は、実はここからペテンとして、PRとして、というか逃げ道、口実、その使い方が、実はここから始まっているんじゃないかと、僕は読んでるんですね。

だから、僕らが、この原子力の問題を考えて、市民として何か行動する時に、核開発、原爆、核兵器、今の世界の核支配。
それと、樋口さんがずーっと撮って、同じ目線で、同じ立ち位置で撮られた労働者。
これは全部、深~いところで全部繋がっている。

だから、日本政府、日本の一流企業、電事連の皆さんが、
「下々の労働者を被曝させて殺しても平気」という、この彼らの心意気、彼らの心境は、実はこういうところと繋がっている
と思うんですよね。


樋口健二:
いい話でした。
僕知らなかったもの。
皆さん知ってました?
僕は知らなかった。

ー拍手ー


玉音放送の原文&現代語訳文

玉音放送

終戦の詔勅(玉音放送の内容)(より原文と現代語文をつかわせていただきました)

<原文>
<現代語訳文>

終戦の詔勅

朕(ちん)深く世界の大勢と帝国の現状とに鑑み、非常の措置を以て時局を収拾せむと欲し、茲(ここ)に忠良なる爾(なんぢ)臣民(しんみん)に告ぐ。
私は、深く世界の大勢と日本の現状について考え、非常の手段によってこの事態を収拾しようと思い、忠義で善良なあなた方臣民に告げる。

朕は帝国政府をして米英支蘇四国に対し、其の共同宣言を受諾する旨、通告せしめたり。
私は、帝国政府に、米国、英国、中国、ソ連に対して、ポツダム宣言を受け入れることを通告せしめた。

抑々(そもそも)、帝国臣民の康寧を図り万邦共栄(ばんぽうきょうえい)の楽(たのしみ)を偕(とも)にするは、皇祖皇宗(こうそそうそう)の遺範(いはん)にして朕の拳々(けんけん)措(お)かざる所、(さき)に米英二国に宣戦せる所以(ゆえん)も、亦(また)実に帝国の自存と東亜の安定とを庶幾(しょき)するに出(いで)て他国の主権を排し、領土を侵すが如きは固(もと)より朕が志にあらず。
そもそも日本国民の安全を確保し、世界の国々と共に栄えその喜びを共にすることは、私の祖先から行ってきたことであって、私もそのように努めてきた。
先に、米国・英国二国に宣戦を布告したのも、我が帝国の自立と東亜の安定を願ってのものであって、他国の主権を侵害したり、領土を侵犯したりするようなことは、もちろん私の意志ではない。


然るに交戦已(すで)に四歳(しさい)を閲(けみ)し朕が陸海将兵の勇戦、朕が百僚(ひゃくりょう)有司(ゆうし)の励精(れいせい)、朕が一億衆庶(しゅうしょ)の奉公各々(おのおの)最善を尽くせるに拘(かかわ)らず、戦局必ずしも好転せず。
しかしながら、戦闘状態はすでに4年を越え、私の陸海将兵の勇敢な戦闘や、私の官僚・公務員たちの勤勉なはたらき、私の1億国民の努力、それぞれ最善を尽くしたにもかかわらず、戦争における状況はよくならず。

世界の大勢、亦(また)我に利あらず。
世界の情勢も、我々には不利に働いている。

加之(しかのみならず)敵は新に残虐なる爆弾を使用して頻(しきり)りに無辜(むこ)を殺傷し惨害(さんがい)の及ぶ所、真に測るべからざるに至る。
それだけではない。敵は、新たに残虐な爆弾を使用して、何の罪もない多くの非戦闘員を殺傷し、その被害はまったく図り知れない。

而(しか)も尚、交戦を継続せむか、終(つい)に我が民族の滅亡を招来(しょうらい)するのみならず、延(のべ)て人類の文明をも破却(はきゃく)すべし。
それでもなお戦争を継続すれば、最終的には日本民族の滅亡を招き、そして人類文明をも破壊することになってしまうだろう。

斯(かく)の如(ごと)くは、朕何を以てか億兆の赤子(せきし)を保(ほ)し皇祖皇宗(こうそこうそう)の神霊に(しゃ)謝せむや。
そのような事態になったとしたら、私はどうして、わが子とも言える多くの国民を保ち、先祖の霊に謝罪することができようか。

是れ、朕が帝国政府をして共同宣言に応せしむるに至れる所以(ゆえん)なり。
これこそが政府に、ポツダム宣言に応じるようにさせた理由である。

朕は帝国と共に終始東亜の解放に協力せる諸盟邦(しょめいほう)に対し、遺憾の意を表せざるを得ず。
私は、日本とともに、終始東亜の植民地解放に協力した友好国に対して、遺憾の意を表さざるを得ない。

帝国臣民にして戦陣に死し、職域に殉し、非命(ひめい)に斃(たお)れたる者、及び其の遺族に想を致(いた)せば五内(ごない)為(ため)に裂く。
帝国臣民にして戦場で没し、職場で殉職し、悲惨な最期を遂げた者、またその遺族のことを考えると、体中が引き裂かれる思いがする。

且(かつ)、戦傷を負ひ、災禍(さいか)を蒙(こうむ)り家業を失ひたる者の厚生に至りては、朕の深く軫念(しんねん)する所なり。
さらに、戦場で負傷し、戦禍に遭い、家や職場を失った者の厚生については、私が深く心配するところである。

惟(おも)ふに今後、帝国の受くべき苦難は固(もと)より尋常にあらず。
思うに、これから日本の受けるであろう苦難は、大変なものになる。

爾(なんじ)臣民の衷情(ちゅうじょう)も、朕(ちん)善(よ)く之(これ)を知る。
国民たちの負けたくないという気持ちも、私はよく知っている。

然れども、朕は時運の趨(おもむ)く所、堪(た)へ難きを堪へ、忍ひ難きを忍ひ、以て万世(ばんせい)の為に太平を開かむと欲す。
しかし私は、これから耐え難いことを耐え、忍び難いことを忍んで、将来のために平和を実現しようと思う。

朕は茲(ここ)に国体を護持(ごじ)し得て、忠良なる爾(なんじ)臣民の赤誠(せきせい)に信倚(しんき)し、常に爾臣民と共に在り。
私は、ここにこうして国体を守り、忠義で善良なあなた方臣民の真心を信頼し、そして、いつもあなた方臣民とともにある。

若(も)し夫(そ)れ、情の激する所、濫(みだり)に事端(じたん)を滋(しげ)くし、或(あるい)は同胞(どうほう)排擠(はいせい)互に時局を亂(みだ)り爲(ため)に大道を誤り、信義を世界に失ふが如きは、朕最も之を戒(いまし)む。
もし、感情的になって争い事をしたり、同胞同士がいがみあって国家を混乱に陥らせて、世界から信用を失うようなことを、私は強く懸念している。 

宜(よろ)しく挙國(きょこく)一家(いっか)子孫(しそん)相(あい)傳(つた)え、確(かた)く神州の不滅を信じ、任重くして道遠きを念(おも)い、総力を將來(しょうらい)の建設に傾け、道義を篤くし志操(しそう)を鞏(かた)くし誓って国体の精華(せいか)を発揚(はつよう)し、世界の進運(しんうん)に後れさらんことを期すべし。
国を挙げて一つの家族のように団結し、子孫ともども、固く神国日本の不滅を信じ、道は遠く責任は重大であることを自覚し、総力を将来の建設のために傾け、道義心と志操を固く持ち、日本の栄光を再び輝かせるよう、世界の動きに遅れないように努めなさい。

爾(なんじ)臣民其れ克(なんじ)く朕が意を體(たい)せよ。
あなた方臣民は、私の気持ちを理解し、そのようにしてほしい。


御名御璽(ぎょめいぎょじ)
天皇の署名と印璽
昭和二十年八月十四日



「ポツダム宣言について僕はこう考えています」って安倍さんが言ったら、安倍政権は潰されるんです。
樋口健二×アーサービナード(文字起こし)



なんで安倍総理はこういう言い回しで逃げたか?っていうと、
「ポツダム宣言を読んでます」で、「ポツダム宣言について僕はこう考えています」って安倍さんが言ったら、安倍政権は潰されるんです。

「受け入れられない」と言ったら、米政府は安倍政権潰します。
「僕はポツダム宣言を100%受け入れます」って言ったら、自分の支持基盤、家系の右翼が全部破綻します。

だからどっちも言えないから、安倍さんは「わかんない」と逃げた。

共産党の志位委員長は、王手をかけていたということだったのだろうか…。
「ポツダム宣言も読んでない総理大臣」という、安倍はただのおバカかと思っていたが、
「読んだ」とは言えない事情があったのだ。

「へぇ~そうだったんだ」と納得しちゃう話なので、文字起こししました。

2015年12月20日
樋口健二氏&アーサー・ビナード氏 コラボトーク講演会



文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/YhZIRwFjtec?t=59m26s


アーサー・ビナード:
5月に、共産党の志位さんが、とても鋭い質問を党首討論の時にしたんですよね。
安倍総理に対して、「ポツダム宣言の認識はどうですか?」って
あれはすごい、見事な質問ですよね。


樋口健二:
面白かった。


アーサー・ビナード:
面白かったね。
安倍総理はなんて言ったか?って、


樋口健二:
「読んでません」って言ったんだよね(笑)


アーサー・ビナード:
あのね、厳密に言うと、樋口さんちょっと大雑把でした。
「読んでません」って言ったら、それはまずいですね。
安倍さんが言ったのは、
「まぁ、このポツダム宣言を我々は受諾をし、そして敗戦となったわけでございます。
そして今、えー、わたしも、つまびらかに承知をしているわけではございませんが、
ポツダム宣言の中にあった連合国側の理解、たとえば日本の、日本が世界征服を企んだ、えー、ということを、
どうも、あのー、いまもね、紹介になられました、えー、わたしは、わたしもいま、えー、この部分を、つまびらかに読んでおりませんので、えー、承知は、えー承知はしておりませんから、
え、いまここで、直ちに論評することは差し控えたいと思いますが、いずれにせよ、えー、ですね、いずれにせよ、えー、まさに先の大戦の痛切な反省によって、今日の歩みがあるわけでありました」


樋口健二:
よく取ってきましたね。「読んでねえ」っていうところだけ聞いてた。(笑)


アーサービナード:
「読んでない」んじゃなくて「つまびらかに」、これ、日本語、特殊な日本語の使い方。


樋口健二:
僕が直訳するとね、「読んでねえ」と同じなんだ。


アーサー・ビナード:
そう、心境的には正しいんですけど、
「つまびらかに読んでいないので、承知はしていない」
「承知はしていないので、直ちに論評することは差し控えたい」、っつったんですね。
だったらさ、6月に読んだ上でなんか言えよ
だったらさ、志位さんは機会あるごとに、志位さんだけじゃなくて「読んだかよ?」「読んで来い」って、毎日毎日、誰かがこれをつきつけなきゃダメなんですよ。
だって8月に、つまびらかにポツダム宣言を読まずに、70年談話を出しやがってんだよ。
つまびらかにポツダム宣言を読んでいない奴が、どうやって70年談話を出すんですか?
だから、今からでも遅くないから、皆さん聞いてくださいよ、安倍さんに

つまびらかに読んだか?
じゃあどうなんだ?って。

で、なんで安倍総理は、こういう言い回しで逃げたか?っていうと、
「ポツダム宣言を読んでます」って、「ポツダム宣言について僕はこう考えています」って安倍さんが言ったら、安倍政権は潰されるんです。

選択肢は二つあるんです。
「ポツダム宣言を読んだ」って言っちゃうと、あとは進む道は二つしかないんです。

一つは、
「ポツダム宣言にはいろんな問題があって、歴史的な事実と食い違っているところがあるので、そこは受け入れられない」って。
そう言ったら、安倍さんの支持の基盤になっているはずの右寄りの人たちは、もしかしたらね「ポツダム宣言は問題がある」って、ずっと右翼の伝統としてあるから喜ぶかもしれないけど、
安倍総理がそんなことを言ったら、もうその日の日付が変わる前に総辞職ですよ。
ポツダム宣言に文句をつけるっていうことは、もう政治生命終わり
米政府は安倍政権潰します
で、アメリカ国内でばーっと爆発します。
「ポツダム宣言受け入れない?コノヤロー!70年経って何を言いやがるんだ」って言って、
安倍さんは政治を、総理大臣を辞めるんじゃなくて、議員の生命が終わりなんです。
だから、「ポツダム宣言に問題がある」ていうことは、口が裂けても言えないんです。

でも、じゃあ、
「ポツダム宣言に何の問題もありません」「ポツダム宣言大好きです。僕はポツダム宣言100%受け入れます」って言ったら、
自分の支持基盤、自分の伝統、家系の右翼が、全部破綻します
から。

だから、どっちも言えないから、安倍さんは、
高校生といろんな話をすると、彼らもよく使うんです。
追い込まれるとね、「わかんない」
で、安倍さんは「わかんない」。
ちょっと違う「つまびらか」とかっていう言葉は使っているけれど、要するに「わかんない」

なんでポツダム宣言を問題にすると、こういうことがあぶり出されるかというと、ポツダム宣言はすごい文章がいいんですよ。
みんな読むべきなんです。
なんでこれがまかり通るかというと、皆さんもポツダム宣言を読んでいないからなんです。


樋口健二:
僕は出てますから。


アーサー・ビナード:
でも、訳がイマイチなんで、僕は今、和訳を作ろうとしていて。
来年(2016年)は、ポツダム宣言をつまびらかに読むっていうのを。
で、ポツダム宣言の中に番号が振ってあって、すっごくまともなことが書いてあるんです。
6番が1番、安倍さんと直接関わる部分なんですけど、6番にはなんて書いてあるか?というと、

6. There must be eliminated for all time the authority and influence of those who have deceived and misled the people of Japan into embarking on world conquest, 世界征服ってここなんですよね。
for we insist that a new order of peace, security and justice will be impossible until irresponsible militarism is driven from the world.

まだちょっと訳が…、


樋口健二:
じゃ訳して~。


アーサー・ビナード:
日本国民をペテンにかけて、


樋口健二:(笑)


アーサー・ビナード:
いや、本当ですよ。
misled(間違った方向に導いた)とdeceived(人を〉だます,欺(あざむ)く)って、ペテンって訳さないと伝わらないです。

日本国民をあざむいて、世界征服のペテンにかけ、袋小路に導いてしまう指導者たち。
彼らの支配力、権威、あらゆる影響力を、社会から永久に追放しなければなりません。


これですよ。
だから、岸とか正力ネギ太郎とか、また権力を握ったり権威になったり、支配力を持つということは絶対にありえない。
ポツダム宣言受諾というのは、そういうことを意味するのだから。

日本国民を欺いた指導者たちの支配力、権威、あらゆる影響力を、社会から永久に追放しなければなりません。
無責任な軍国主義を根絶やしにしない限りは、正義と安全を基調とする世界の秩序は生まれないからだ。

っていうことなんです。

で、この「ポツダム宣言を受諾しました」って言いながらも、実は何も遂行していないです。
何も現実と噛み合わせていないんですよね。
なにもしてない。
それは、日本政府の生き残りっていうか、日本の権力者、支配階級の生き残りの作戦だったんだけど、
このポツダム宣言に一番違反して、ポツダム宣言を反故にして、このポツダム宣言を作り上げたアメリカ国民を一番バカにしているのは、米政府なんです。


樋口健二:
てめぇの国ですか。


アーサー・ビナード:
そうです。
ポツダム宣言に違反しているのは、もちろん日本政府もそうだけど、日本政府はポチの、属国の、米属機関でしょ。


樋口健二:
そのとおり。


アーサー・ビナード:
ポツダム宣言を実行に移す権限と力を持っていたのは、アメリカ政府なんです。
GHQ(連合国最高司令官総司令部 General Headquarters, the Supreme Commander for the Allied Powers)なんですから。
で、こういう文章を作って、アメリカ国民に大々的に発表して、
「大日本帝國の悪い奴をみんなこれでやっつけます」
「彼らは日本社会から摘出して、まともな日本に生まれ変われるように俺たちがするから任せてください」って言って、
アメリカ国民を、1945年の7月下旬に、そういうことを発表して、ある意味信頼を得たんです。
ところが結局、占領が始まると、全然そういうことをしないで、ポツダム宣言を全部、米政府が反故にした

その蓋がまた開くと、米政府がヤバい。
だから彼らの無責任、彼らの裏切り、アメリカ国民を裏切った米政府の問題があぶり出されるから、絶対取り上げちゃいけない。



樋口健二:
共同通信というところがおそらく、「ポツダム宣言読みませんか」なんていう本を出しているはずなんだよね。


アーサー・ビナード:
だろうね、出したほうがいいと思うよ、僕がやると時間がかかるから。


樋口健二:
でも、あなたのほうが、明確な日本語になるじゃない。


アーサー・ビナード:
本にする前に、インターネットにバーッとアップして、みんなで読みたい。
「ポツダム宣言をつまびらかに読む」ホームページを作りましょう


樋口健二:
本にしてよ。僕は本で読みたい。


アーサー・ビナード:
わかりました。




安倍総理の答弁2分過ぎから→https://youtu.be/XsKrST00fBg?t=2m9s


ポツダム宣言

原文(出典:国立国会図書館 Birth of the Construction ofJapan>The Constitution and Other Documents)
現代語訳(神奈川県議会議員大山奈々子 ポツダム宣言つまびらかに読んでみました)←読みやすい訳文なので
外務省の日本語訳(出典:外務省編『日本外交年表並主要文書』下巻 1966年刊)←きーこさんはこの訳も掲載してくださったのですが、文字制限の2万字を超えてしまうため、ここでは省略させていただきます。

Proclamation Defining Terms for Japanese Surrender
Issued, at Potsdam, July 26, 1945

日本の降伏のための定義および規約
1945年7月26日、ポツダムにおける宣言

1. We-the President of the United States, the President of the National Government of the Republic of China, and the Prime Minister of Great Britain, representing the hundreds of millions of our countrymen, have conferred and agree that Japan shall be given an opportunity to end this war.

1.我々、アメリカ合衆国大統領、中華民国主席とイギリス首相は、我々の数億の国民を代表して協議した結果、この戦争終結の機会を日本に与えることで意見が一致した。


2. The prodigious land, sea and air forces of the United States, the British Empire and of China, many times reinforced by their armies and air fleets from the west, are poised to strike the final blows upon Japan. This military power is sustained and inspired by the determination of all the Allied Nations to prosecute the war against Japan until she ceases to resist.

2.アメリカ、イギリス、そして中国の陸海空軍は、何度も陸軍、航空編隊の増強を受けて巨大になっており、日本に対して最後の一撃を加える体制が整っている。この軍事力は、日本が抵抗をやめるまで同盟国によって維持できるものだ。


3. The result of the futile and senseless German resistance to the might of the aroused free peoples of the world stands forth in awful clarity as an example to the people of Japan. The might that now converges on Japan is immeasurably greater than that which, when applied to the resisting Nazis, necessarily laid waste to the lands, the industry and the method of life of the whole German people. The full application of our military power, backed by our resolve, will mean the inevitable and complete destruction of the Japanese armed forces and just as inevitably the utter devastation of the Japanese homeland.

3.世界中の自由な人々は立ち上がった。それに対してドイツが採った無益かつ無意味な抵抗の結果は、日本の人々に対しても極めて明快な例として示されている。現在日本に向かって集中しつつある力は、ナチスの抵抗に対して用いられた力―全ドイツ民の生活、産業、国土を荒廃させるのに必要だった力―に比べると、測り知れないほど大きいものだ。決意をもって、我々の軍事力全てを投入すれば、日本軍は壊滅し、また、日本の国土は焦土と化すだろう。


4. The time has come for Japan to decide whether she will continue to be controlled by those self-willed militaristic advisers whose unintelligent calculations have brought the Empire of Japan to the threshold of annihilation, or whether she will follow the path of reason.

4.日本が決断する時は来ている。知力を欠いた身勝手な軍国主義者によって制御され続け、滅亡の淵に至るのか。それとも、理性の道を選ぶのか。


5. Following are our terms. We will not deviate from them. There are no alternatives. We shall brook no delay.

5.我々の条件は以下の通り。条件からの逸脱はないものとする。代替条件はない。遅延も一切認めない。


6. There must be eliminated for all time the authority and influence of those who have deceived and misled the people of Japan into embarking on world conquest, for we insist that a new order of peace, security and justice will be impossible until irresponsible militarism is driven from the world.

6.日本の人々をだまし、間違った方向に導き、世界征服に誘った影響勢力や権威・権力は、排除されなければならない。無責任な軍国主義が世界からなくなるまでは、平和、安全、正義の新秩序は実現不可能である。

6.(とても理解しやすい アーサー訳)
日本国民をあざむいて世界征服のペテンにかけ、袋小路に導いてしまう指導者たち。彼らの支配力、権威、あらゆる影響力を社会から永久に追放しなければなりません。無責任な軍国主義を根絶やしにしない限りは、正義と安全を基調とする世界の秩序は生まれないからだ。



7. Until such a new order is established and until there is convincing proof that Japan's war-making power is destroyed, points in Japanese territory to be designated by the Allies shall be occupied to secure the achievement of the basic objectives we are here setting forth.

7.そのような新秩序が確立されるまで、また日本の戦争遂行能力が壊滅したと明確に証明できるまで、連合国軍が指定する日本領土内の諸地点は、連合国軍がこれを占領するものとする。基本的目的の達成を担保するためである。


8. The terms of the Cairo Declaration shall be carried out and Japanese sovereignty shall be limited to the islands of Honshu, Hokkaido, Kyushu, Shikoku and such minor islands as we determine.

8.カイロ宣言の条項は履行されるべきものとし、また、日本の主権は本州、北海道、九州、四国及びわれわれの決定する周辺小諸島に限定するものとする。


9. The Japanese military forces, after being completely disarmed, shall be permitted to return to their homes with the opportunity to lead peaceful and productive lives.

9.日本の軍隊は、完全に武装解除されてから帰還を許し、平和で生産的な生活を営む機会を与えることとする。


10. We do not intend that the Japanese shall be enslaved as a race or destroyed as a nation, but stern justice shall be meted out to all war criminals, including those who have visited cruelties upon our prisoners. The Japanese Government shall remove all obstacles to the revival and strengthening of democratic tendencies among the Japanese people. Freedom of speech, of religion, and of thought, as well as respect for the fundamental human rights shall be established.

10.我々は、日本を人種差別し、奴隷化するつもりもなければ国を絶滅させるつもりもない。しかし、われわれの捕虜を虐待した者を含めて、全ての戦争犯罪人に対しては厳重なる処罰を行うものとする。日本政府は、日本の人々の間に民主主義的風潮を強化しあるいは復活するにあたって、障害となるものは排除する。言論、宗教、思想の自由及び基本的人権の尊重が確立されなければならない。


11. Japan shall be permitted to maintain such industries as will sustain her economy and permit the exaction of just reparations in kind, but not those which would enable her to re-arm for war. To this end, access to, as distinguished from control of, raw materials shall be permitted. Eventual Japanese participation in world trade relations shall be permitted.

11.日本は産業の維持を許される。そして経済を持続し、正当な戦争賠償の取り立てに充当する。しかし、戦争を目的とする軍備拡張のためのものではない。この目的のため、原材料の入手はこれを許される。ただし、入手と支配とは区別する。世界貿易取引関係への日本の事実上の参加を許すものとする。


12. The occupying forces of the Allies shall be withdrawn from Japan as soon as these objectives have been accomplished and there has been established in accordance with the freely expressed will of the Japanese people a peacefully inclined and responsible government.

12.連合国占領軍は、その目的達成後そして日本人民の自由なる意志に従って、平和的傾向を帯び、かつ責任ある政府が樹立される限りにおいて、直ちに日本より撤退するものとする。


13. We call upon the government of Japan to proclaim now the unconditional surrender of all Japanese armed forces, and to provide proper and adequate assurances of their good faith in such action. The alternative for Japan is prompt and utter destruction.

13.我々は日本政府に対し日本軍の無条件降伏の宣言を要求する。かつ、誠意を持って実行されるよう、適切かつ十二分な保証を求める。もし拒否すれば、日本は即座にかつ徹底して撃滅される。

「原発事故の避難訓練は故郷を捨てる練習。原発やめりゃいいだけの話。脱アンポンタン」樋口氏×ビナード氏

2016年01月26日 | 日本とわたし
1時間50分もの、それもどちらかというと早口のアーサー・ビナードさん、そしてモソモソっと話す樋口健二さんのコラボトーク講演会を、コツコツ根気よく文字起こししてくださったきーこさん。
そのあまりの量に、ヘタレのわたしなどは、その労力と集中力を想像しただけで、心身ともに疲れきってしまいます。
いつも転記は自由にとおっしゃってくださるのをよいことに、甘えているのが本当に申し訳ないのですが、内容が素晴らし過ぎるので、この拙ブログにも載せさせていただくことにしました。
文字制限の2万字になるギリギリまで、ビデオときーこさんの文字起こしを参考に、もう一度書き起こしさせてもらいます。

きーこさん、いつも本当にありがとうございます!心の底の底から感謝しています!

<川内原発>九電の安心の理由はローマ字だらけの目くらまし
「何か起きたら帰れないということは書いてない」
 
樋口健二×アーサー・ビナード(文字起こし)





アーサー・ビナード:
僕らが、原発で働く人たちと自分の、一人一人のつながりを理解していれば、こういう世の中にはならなかったというのはもう、樋口さんの作品を見れば誰でもわかるんですよね。
右・左、保守・リベラル、一切関係ないですよね。
自分たちが現場に立つ、あるいは現場に立つ人と同じ景色を見て、同じことを体験をしていれば、誰もこの道を選ばないということですよね。


樋口健二:
そうです。


アーサー・ビナード:
でも、僕は、この間薩摩川内に、


樋口健二:
行ってきたの?


アーサー・ビナード:
行ってきた。
でも、薩摩川内の圧力釜の中には入れてもらえなかったけど、そうじゃなくて隣の、建屋は外から見るしかなかったんだけど、隣のPR館っていうのに行ったんですよね。
そしたら可愛いキャラクターがいてね、それから、いろんな新しい資料をもらってきたんですよね。
それによるとね、樋口さんとちょっと、薩摩川内の経営者の九州電力の原子力のイメージ、捉え方が違うんですよね。


樋口健二:
全然違いますよ。


アーサー・ビナード:
九電によると、もう安全になったらしいんですよ。大丈夫なんですよ。
「原子力だよりかごしま」
なぜかマヌケなひらがななんですよね、漢字が読めない人が書いたんだか。

表紙


原子力だよりかごしまをいただいてきたんですけどね。
事故が起きた場合どうするかということも、すごく細かく書いていて、
多分、樋口さんがイメージしているような対応、例えば、福島第一原子力発電所のメルトダウンの対応と、画期的に違うんですよね。

みなさんちょっとこう、ローマ字に頭を切り替えて、話を聞いて欲しいんですけど。
この可愛いパンフレットには、いろんなキャラクターとか市民も書いてあるんだけど、
Q&A方式で作ってあるんですね、Q&A。
で、このQ&Aでみなさんを安心させるっていうふうに作ってあるんですけど、
まず安心していい最初の理由は何か?っていうと、UPZがあるからなんですよ。

UPZというものを、30kmの輪っかを地図の上に書いて、それをUPZって言うんです。
ただし、UPZだけではすべてに対応できるわけじゃないので、UPZの他にPAZっていうのを作ったんです。
PAZ5kmの輪っかなんですよね。
だからPAZがあってUPZがあるんです。

そこで(それを)区別するんですけど、どういう風に区別するか?っていうと、EALっていうことで区別して、
緊急時活動レベルEAL1、EAL2、EAL3というふうに分けて、それで対応するので大丈夫なんです。

で、このEAL1、2、3の他に、それだけでは全てに対応できるわけじゃないので、OILというものを設けてあります。
このOIL運用上の介入レベルですから、EALの緊急活動レベルOILの運用上の介入レベルを組み合わせて、OILの場合は1、2、3、4、5、6まであります。
だから本当に細かく、その事態に合わせた対応ができるようになったので、みなさん、とりあえず安心していいみたいです。

P3~P4:鹿児島県の原子力災害対策について(2)


そういうことなんです。
これ作っているやつだって、わかっちゃいないんですよね。
なにがOILか。
これ、鹿児島のじいちゃんばあちゃんが、頭こんがらかって諦めるように作ってるとしか思えないでしょ?
「ここまで人をバカにできるんだ」っていう、九電らしいって言えば九電らしいんだけど、これは別に九電に限らずみんなやってるんだもんね。


樋口健二:
もし、書くことがあったら書いてください。


アーサー・ビナード:
書きますか?
だけど全部、これは、鹿児島の一般市民向けの資料。
そして、僕みたいに、暇でPR館を見るような奴に対して、
PAZUPZ


樋口健二:
それを説明してってくださいね。


アーサー・ビナード:
理解してるわけじゃないよ、僕。
こんなの理解してたら、頭腐っちゃうよ。


要するに、ここに、可愛いキャラクターになっている、鹿児島薩摩川内の建屋があるよね。
この子から30km、これがUPZじゃないかなあ。
で、多分これを5kmにするとPAZでしょうね。
これを分けることによって、いろいろ安全性が高まってる。
で、どういうふうにこれに対応するかっていうと、EALが、その対応のレベルを示して、UPZカッコ、PAZカッコ、全部カッコ、
こんな読めない文章ないでしょ。
PAZカッコ予防的防護措置を準備する区域カッコでは、施設内の状況で防護措置が決まる。


樋口健二:
俺もわからん。


アーサー・ビナード:
EAL緊急時活動レベル
これは、地震や津波の発生、または、原子炉冷却材の漏洩や電源喪失といった事態、事故など、緊急事態における初期対応の三つの判断基準。
それで、EAL1、EAL2、EAL3

だけど、結局これで、「要配慮者の避難準備」って書いてある。
要配慮者、配慮が必要な市民のことを「要配慮者」。
要介護じゃなくて、要配慮。
こういうものを作る必要あるんですか?
みんな配慮が欲しいよね。
少し配慮して欲しいんだよ、みんな。
「僕は配慮はいりません」っていう人はいないよね。

だけど、このUPZって、ちょっと蒸し返すようなんだけど、戻ると、
UPZ(緊急時予防措置を準備する区域)および30km以遠では、空間放射線量の値で、該当地域や防護措置が決まる。
それを、OILOIL。
OILは、運用上の介入レベル。
放射性物質の環境放出後に、適切な防護措置を行うための判断基準。
該当する地域では、緊急時モニタリングによる空間放射線量の値に基づき、原子力災害対策本部、国と県で協議して決定されます。


樋口健二:
なんだかわからん。


アーサー・ビナード:
樋口さんがわからないんじゃ誰も理解できない。


樋口健二:
あのね、ちょっといい?
40年前と同じもの作ってんだよね。


アーサー・ビナード:
そう。


樋口健二:
ほとんど。


アーサー・ビナード:
だけど、40年前はこんなにローマ字多くないでしょ?


樋口健二:
本質的には何も変わってないよ。


アーサー・ビナード:
そうですね。
でも、変わっているように見せるために、OILって言ったりEALって言ったり
これがつまり、樋口さんの作品でいうと、あの一流企業の優遇されている正社員がいる、コントロールルームの世界
コントロールルームしか見せないでしょ。
で、これ(原子力だよりかごしま)が、市民に渡すコントロールルームと同じ演出の、ローマ字だらけの目くらましなんです。

だから、これを見るとなんか、ま、TPPに入るし、まぁNHKも見てるし、やっぱりEALとOILも必要だろうな。

これ、言語的に、非常に確率の低い現象なんです。
原子力に対応する、原子力のメルトダウンを含めて、緊急事態に対応するために必要な言語的表現がすべて、例外なく全部、ローマ字の3文字で成り立つっていうのは、これは言語学的に有り得ないぐらい珍しい、もう宝くじが当たるのと同じぐらいなんですよ。
なんで全部3文字、未熟語、3文字未熟語になんで全部はまるかっていうと、もう最初からこれをとにかく、何が何でも3文字にはめるっていう。

だからコントロールルームだって、その向こうがどんなにメチャクチャであっても、コントロールルームは、なんかこう冷静で、「すべてがちゃんと制御できてまーす」って、そういう演出ですよね。


樋口健二:
ということだね。


アーサー・ビナード:
見事。
大胆ですよ。


樋口健二:
これ、30km、その先のことは一つも書いてありませんね。


アーサー・ビナード:
いやいや、樋口さん、ちゃんと聞いてなかったね。
UPZがそれなんですよ。
あ、自分も間違えた。
OILがそれなんだ、30km以遠。


樋口健二:
それはね、逃げるのはいいんだけれども、30km圏内は相当の人が住んでてね、それで何か起きたらここに帰れないということはひとつも書いてないね。


アーサー・ビナード:
そうです。


樋口健二:
こういうところがインチキもんなんだよね。


アーサー・ビナード:
そうです。


樋口健二:
本質的には皆さん、僕もね、かつて今から、ほら、73年ごろ、電力会社に行きゃ、パンフレットをこんなにくれるのよ。
デメリットは一つも書いていない
それと同じなんだよね、これ(原子力だよりかごしま)。
見事ですね、この、


アーサー・ビナード:
でね、樋口さんの作品をずっと見ていくと、労働者がどういうことをさせられているか、どういう被曝をさせられているかっていうことが見えてくるんだけど、
それが、さっきのバスの写真の作品を通じて、今度は地域の農民漁民、一般市民、そこにいる人たちの生活がいかに被曝の残酷なカラクリに吸い込まれていくんですよね。
でも、それが30km圏だったりするわけなんですよね。

でも、本当はそうじゃなくて、この日本という国の生活者はみんな、実は同じように触手が伸びて、
僕らの毎日の消費行動も、結局ここに吸い込まれている
んですよね。
その延長線上に僕らが居るという。


「避難訓練は故郷を捨てる練習なんです」
樋口健二×アーサー・ビナード(文字起こし)


アーサー・ビナード:
避難計画もね、この資料は、「事故が起きた時にどういう風に避難するか」輪っかがいっぱいついてる地図も載っているんですけど、
僕は、広瀬さんもおっしゃってたんですけど、「避難訓練をやってはならない」と、一切。


樋口健二:
僕は意味がないと思っています。


アーサー・ビナード:
意味は無いし、僕は心理的に精神的にやっちゃいけないことだと思うんですよ。
どうしてか?っていうと、今おっしゃったように、ま、本当に運が良くて、ものすごく珍しい原発事故のケースで、先に、放射線物質が降ってくる前に情報がきたとするでしょ。


樋口健二:
(笑)


アーサー・ビナード:
これも確立で例え話みたいなもんだけど、でも、本当に避難できたとするでしょ、ここ(原子力だよりかごしま)に書いてあるみたいな感じで。
それで、あんまり初期被曝もせずに、自分の住んでいる地域にセシウム、ストロンチウム、放射性ヨウ素、プルトニウム含めて降ってきた時に、自分がもう先に離れたとするでしょ。
でも、そんなことができたとしても、ふるさとはもう無い


樋口健二:
無い。
そのことが非常に重要だよね。
原子力だよりかごしまには、そんなこと一言も書いて無いよね。


アーサー・ビナード:
書いて無い。
二度と戻れないし、戻れたとしても、それは被曝を覚悟して、劣化した環境で、残酷な被曝を強いられるような生活になる
つまり、避難計画が作られて、それで避難訓練とかをやって、地域でみんなで頑張って、
それで、もうね、確率は1%以下だと思うんだけど、奇跡的に本当に避難できたとしても、
自分たちで、自分たちからすすんで故郷を捨てて、先祖の山、先祖の川、この美しい列島のあるところを、全部潰したということになる

だから避難訓練は故郷を捨てる練習なんです

精神的にそんなことをやっちゃいけないんですよ。
もう日本人じゃなくなる。

僕が言うとおかしいんですけどね、


樋口健二:
いえいえ、あなたの指摘はね、外国の人の指摘はとってもいいものを持っているんですよ、僕に言わせると。
でね、ひとつだけここで、ちょっとちょっかい入れさせて。
実は皆さんね、JCOの臨界事故が1999年9月30日にあった。
あの前にね、避難訓練をやってたんですよ。
やってたけどなんの役にも立たなかったね。

僕はそれで被曝して今、再生不良性貧血になっているわけだけども。
本当に皆さん、放射線をあの当日、最初はね、たった350mって言ったんだよ。


アーサー・ビナード:
350mってね、もう敷地の中ですよね。


樋口健二:
それで、周りに知らない人たちがみんな居ちゃったんだよ。
だから、あんなこと(避難訓練)をやっても、なんの意味もありません。

それからね、事故のわーって知らせがあったらね、車で逃げるはずでしょ。
今度は渋滞でアウトですよ。
だからなんの意味もありません

まず原発をやめりゃあ、こういうことは起きねえってことだよ。
そうだよね。
何にも意味なんて、彼が言う通りですよ、意味無いんですよ。
アホらしいことやってんだよ。
それで、これをあんまりやっているとね、一般の国民は「ああ、ああやって逃げりゃいいんだ」、
要するに、マスコミにいいように乗せられたっていうことですよ、また。
マスコミを批判すればいいんですよ。
なんであんなことを報道するんだって
その先のことはどうなってんだって
今彼が言うように、故郷なくなって、以降どうするんだっていう話。
そこが欠けてるんだよね。
いいこと言いますね。


アーサー・ビナード:
本当に。
だから、「故郷を捨てる訓練」って意味があると思うんですよ、彼らにとっては。
原発をやりたい人たちは、みんなに、半ば強制的に避難訓練をやらせることで、予行練習をさせてる。
僕はアメリカ国籍なんですけど、今年(2015年)の年末は、危なすぎてやらないと思うんだけど、
時々年末になると、米政府が、予算が通らないとデフォルトして、それで債務不履行に、要するにアメリカが借金を踏み倒すの、やってたでしょ。
あれはいつかやるつもりだから、練習してる。


樋口健二:
これも練習ね。


アーサー・ビナード:
練習練習。
ニュースとか、権力がやるようなことって、よく見ていると結構練習が多いんですよね。
みんなにまず、こう慣らして、「ちょっと過激に聞こえることを言ってみて、どのくらいみんなが抵抗するか」って。
だからこの避難訓練も、もしかしたら、「故郷を捨てることに慣れる」、「故郷を捨てる」という選択肢があるようにみんなが考え始める
みんながそういう人間に成り下がっていくための心理作戦だっていうことも、僕は考えていいと思うんですね。


樋口健二:
安心感を植え付けるね。


アーサー・ビナード:
そう、安心感と諦め
つまり、「もうそうなったらしょうがないね」、自分の故郷がいつかそうなるかもしれない、「だったら逃げればいい」って。
そういうふうに思考回路を作っていく
でも本当は、そういう思考回路の中に、僕らは入っちゃいけないんですよ。
だって、故郷捨てるって最低じゃないですか。
って言いながら僕、デトロイトにいないんですけど(笑)、でも、捨ててはいない。


樋口健二:
故郷っていうのはね、何十年たっても、僕も信州の山の中だけど、年取ってきたら故郷に帰りたい。


アーサー・ビナード:
信州のどこですか?


樋口健二:
信州の諏訪郡富士見町で、標高1000mだよ。
だから僕は逃げ出したのよ、食えないから。


アーサー・ビナード:
そうか。


樋口健二:
でも故郷はやっぱり、歳とれば取るほど懐かしい。捨てられませんよ。


アーサー・ビナード:
でも放射能汚染が。


樋口健二:
放射能汚染がないからね。


アーサー・ビナード:
放射能汚染が自分の故郷に降ったら、


樋口健二:
放射能汚染が起きる前に、やっぱり止めさせる運動をしなきゃね。
福島があの通りだから。
もっとはるか遠くのチェルノブイリは、30km圏内はみんな住めなくなってる



「脱原発だけじゃダメだ。脱オタンコナスをやろう」 
樋口健二×アーサー・ビナード(文字起こし)


アーサー・ビナード:
広島に行ったりきたり、広島にいることが多くて、もちろん広島県だけじゃないんですけど、広島の市民が、なんとかね、
福島にいて生活している方々、特に子供達が、比較的線量の低いところで、しかも選りすぐりの食べ物食べて、夏の間でも、休みの間でも保養して、内部被曝を減らすことができたらいいな、って。
福島のことを、福島以外のところもみんな思っていて、そういうふうに保養の運動をしている人たちがいっぱいいて、友達も頑張ってるんですよね。
北海道でも、野呂美加さんは、チェルノブイリの事故の後に、ベラルーシの子供達を受け入れて、それをずっとやってきて今も、関東東北の子供達もやってる。

でもね、保養で、僕らがチェルノブイリとつなげて考えるときに、一つ忘れちゃいけないことがあって、
これは、みんなそれぞれが判断すべきことだと思うんですけど、
もし、僕の数字の計算とか、僕の今まで見た地図と汚染の度合いの資料が間違ってなければ、ベラルーシでは、事故から何年かかけてなんですけど、
今、日本政府が、いろんな生活者を戻そうとしているようなところには、人は一人も住んでいないんですよね。

で、例えば、野呂さんがずーっと受け入れて、子供達の内部被曝をなんとかしようとしていた、そのベラルーシの子供達が住んでいる地域っていうと、東京都とか、関東ぐらいの汚染なんですよ。

で、もっと濃い汚染のところには、何年に人が住めなくなった、何年にここはダメだっていうふうになったかって、少し年代は違うんですけど、
でも、基本的には、日本にベラルーシから来てた、あの可愛い素晴らしい子供達が、実は関東の日本の子供達ぐらいの汚染の地域に住んでたんですよね、住んでるんですよ
それが今、日本の市民には見えていないような気がする。

どれほど被曝が恐いか
それで、どれほど低線量が警戒しなきゃいけないかっていう。

で、僕は、いつもそう考えるときに、樋口さんがちゃんと、労働者の被曝、労働者が30mSvだったらどうなったか?って、その一人一人の人生、一人一人の体験を踏まえて撮ってるので、
もちろんベラルーシ、ウクライナ、チェルノブイリのデータと29年の体験があるから、そこを踏まえてもいいんですけど、
でも、日本国内でも、(原発)労働者に目を向けていれば、もうちょっと、今政府に何をつきつけなきゃいけないのか
保養をやる市民でも、何をしようとしているのか、もうちょっと具体的になるんですよね。


樋口健二:
そうだね。
これちょっといい?
皆さんね、この被曝問題が、3.11以前に持ち上がらなかった理由があるんですよ。
これは末端の労働者達だったから
これが皆さんのようにね、ハイクラスの集まり、中産階級の人たちにもし及んでたら、これ社会問題になってたんじゃないですか。
違いますか。
これは大きなネックだったね。

それから、どうしてそういうふうに抑えてきたかっていうのは、さっきも言いましたね、連合ですよ。
ここが本気になって、こういうことが起きてる、自分とこの労働者はあれだけど、末端の人たちを皆さん、助けるようなことをしましょう、ってもし言ったらね、違ったんじゃないですかね。
ただ、これを言っても仕方がないから、前を向いていくしかないんですよ、今。
というのは、ここにこんなに集まっている、この人たちが変えてってくれるんだ。

だから僕は、そういう意味で、ちょっと時間はかかったけど、世の中が変わるってことは皆さん、容易なことじゃない
つまりね、今の日本は、民主主義で手をあげたらさ、ほとんどが自民党になっちゃう。
だけど、少数真理という言葉があるじゃないですか。
少数の中にとても重要な意見があるんだって。
これで行きたいなと僕は思っています。


アーサー・ビナード:
樋口さんは政治家ではないので、政治屋でもないし。
だからちょっとね、僕が聞くのはお門違いかもしれないんですけど、


樋口健二:
いや、いいんですよ。


アーサー・ビナード:
原発が嫌だって、ちょっともうやめてほしいって思っている人は、多分、この日本列島の人口の半分以上はいるんですよね。


樋口健二:
半分どころじゃねえの、70%と思ってください。


アーサー・ビナード:
はい。
でも、さっきおっしゃったように、自民党に入れちゃう


樋口健二:
入れちゃう。


アーサー・ビナード:
これはね、アンポンタンだから?そういうことなんですか。


樋口健二:
もちろん。
いや、これねほんと、ここにいる人たちは入れないだろうけどね、


アーサー・ビナード:
入れてるかわかりませんよ、上流階級、ハイクラスの。


樋口健二:
あのね、実はこの選挙がね、どうして勝っちゃうのかっていう答が見えたんだよね。
うちの国分寺っていうとこがあるんだよね。
それで、民主党が来ても誰もこない
自民党来たらね、老人がみんな集まる、駅前で
これわかる?
みんな、そういうふうに通達を出している
昔から、保守的な人たちがいるじゃないですか。
それで、生活は非常に逼迫しているのにね、「自分ところになんかしてくれる」って思っている


アーサー・ビナード:
あべこべのことをされてるのに


樋口健二:
そういうところが勝っちゃうんですよ。
だって、投票率は実は22%という…。
これですよ、日本の保守層っていうのは、最後には自民党

こういうところから、これから変えていくしかないんですよ。
変えてくの、これから。
そういうことじゃないですか。


アーサー・ビナード:
僕も、全くそう思う。
駅前のそういう光景も、僕は見たことがあって、そういう光景を見ると、なんか言い方が失礼だけど、老害みたいな感じですよね。


樋口健二:
ああ、老害だね。


アーサー・ビナード:
でも、僕は、大学生とか高校生といろいろ話す機会があって、そういう意味ではすごく恵まれているんだけど、大学で教えているわけじゃないけど、呼ばれて。
そうすると、なんかこう、変な存在としてすっと入れるんですよね。
ま、樋口さんがいろんな現場に行って、


樋口健二:
俺なんかもっと変ですよ。


アーサー・ビナード:
僕も大学に行って、それで英文学の話なんかしたり、いろんな話をするんだけど、大学生と話す機会がいっぱいあるから、聞くんですよ、みんなどう考えているかとか。
で、投票はこれから18歳からやるから、高校生にもちょっとそういう話を振ってみるんですけど、
意外と18、19、20、21、22も、自民党に入れちゃうの。


樋口健二:
そういう教育を永遠とやってきているんです。


アーサー・ビナード:
そうです。
で、さっき言ったアンポンタンか、アンポンタンじゃなくて、彼らはオタンコナスなの。
もっとわかってないんだから、すごいんですよ。


樋口健二:
とってもいい言葉。
日本人が今のあなたのようなことを言ったら、ぶっ飛ばされるけどね。


アーサー・ビナード:
彼らは何にもわかってないですよ、見事に
だから、可愛くていい子たちだなと思うんだけど、でもそれじゃあ餌食にされるだけじゃない。


樋口健二:
そういうことです。


アーサー・ビナード:
国分寺の駅前に集まる、貧困にあえいでいる老人の方と、あんまり変わらないんですよ。


樋口健二:
ほとんど変わりません。


アーサー・ビナード:
だからそこが…。
僕も希望を別に失っているわけじゃないし、アンポンタンだって言いながら、実は自分だって20歳の時アンポンタンの最たるものだったし、


樋口健二:
みんなそうなんですよ。


アーサー・ビナード:
ですよね。
だから、自民党は延々と、みんなオタンコナスなまんま、やっていきたいんですよ。
今の与党は愚民政策以外、何にもやらない
んですよね。
でも、それに対抗する、僕らの、少数派であったとしても、学んで見抜く流れを作らないといけないです。
これも「10年かけて」とかってやってると、憲法を潰されて、もう弾圧の時代に入りかねないので、
なんかこう、樋口さんの写真展以外に何かこう…。


樋口健二:
この運動が3.11から持ち上がって、反原発にだいぶこう、持ち上がったよね。
1000万署名なんて、すごいと思ったよね。
それで最初はみんなやっぱり、ここにいるような人たちばっかりだったんだよ。
ところがね、大学生が立ち上がりましたね。
高校生も最初はね、少数だけど立ち上がってる
一番素晴らしいのはインターネットだ。
これがあるからね、僕は希望を持っていますよ。
優秀な子が世の中にはいますよ、やっぱり。
この連中が一生懸命やってくれている
で、あなたが言うアンポンタンを変える力を持ってると思うんです。
で、あなたはね、そのいまの言葉は、遠慮なくいろんなところで、大学で言ったらいい。
言ってやって、「あなたらはアンポンタンよ」って。


アーサー・ビナード:
だからその言葉もね、山本太郎さんと中国地方でツアーを組んで、ずいぶん前ですね。
彼が芸能界から外されて、俳優の仕事が全然なくて、でも、いまの職業に就く前の、ある意味、太郎さん、どうしたらいいかって、その時に中国地方を回っていて、
「脱原発」というふうに話を聞きに来てくれた人たちが言ってたんだけど。
僕は「脱原発だけじゃダメだ。脱オタンコナスをやろう」って。
だって、原発だけじゃないからね。


樋口健二:
そう、いろんなものがみんな絡んでるもんね。


アーサー・ビナード:
そう、さっきの利権の話がすごく重要で、原発が何も偶然に続いているわけじゃなくて、何も止められない必然性もなくて
でもこれだけの企業、メディア、経済力と政治力を持った組織が全部、これにがんじがらめになって、それで、抜ける方法すら失ってる
この状況の中では簡単には止められない


樋口健二:
そうそう。


アーサー・ビナード:
だからそこなんだよね。


樋口健二:
でもね、そこだからこそ、相手が大きければ大きいほど、我々は頑張らなきゃいけないっていうことなんですよ。
しょぼくれちゃ絶対にいけないの。


アーサー・ビナード:
でも樋口さん、色々と、どんなに素晴らしい写真を撮っても載せてもらえなかったり、どんなに声をあげても無視されたり、落ち込むことはないですか?


樋口健二:
ない!
いい質問をしてくれました。
実はね、僕の写真は大体、陽の目を見るのに最低10年かかるんだよね。
一番僕が辛いのはね、患者たちが、「早く発表してくれねえのか、我々は死んでくんだ」。
僕もね、説得力が非常にうまいですよ、百姓の出だから。
相手もみんな百姓だ。
あるいは漁民だから、俺、信州弁丸出しでやるわけ。
安心するのよね。
朝日新聞の記者たちと違うのよ。
こうやって上からものを見ない。
そこ行って座るのよ。だからこうやって真正面。
で、百姓言葉を使ったからね、これがぴったり来ちゃってね。
ま、そういうことで、希望を絶対失っちゃいけない

もう一度言うよ。
40年間無視されてきたんだよ。
でも必ず誰かが共鳴してくれる
共感してくれる
俺の写真に感動してくれる。
時があるかもよ、っちゅってきたんだから、そしたらあったじゃないの。
でもね、ありがたいことで、3.11以後は6冊の本が出ましたね。
とにかく僕のやってきたことを、みんな本にしてくれました。
自費出版は一冊もありません。
それだけね、僕はやっぱり、この支援というより、重要だって言ってくれた編集者たちがいたってことよ。
だから、いまバーっと6冊じゃなくて、その前にプチ、プチ、プチ、プチと出るでしょ。
そうするとこれがね、全国ネットで僕の本を買ってくれる人が、2000人ぐらいおるんだぜ。
2000人もいるんだぜ。
だから、その人たちを、次の作品が出た時に裏切っちゃいかん。
これが僕の支えになってきた。
そしたら今こんなに、何十になってると思う?みなさん。
いい加減にやめろって思ってるでしょ、心の中で。
彼に話させりゃいいじゃないかって。
そんなわけで、とにかく支援をしてくれた人たち、これを裏切れなかったということでしょうね、僕は。
そうじゃなかったら、信州に10年に一回ぐらいは、小学校の同窓会があるじゃない。
一度行った。
みんな隠居してたよ。
「おめえは元気だなあ」っちゅわれて。
俺はね、ちょっと仕事があるんだよ。
一生やらなきゃいけない仕事。
どこで野垂れ死にしてもいいんだけどさ、ジャーナリストなんてのは。
まあ頑張りたいと思っています、よろしく。

中略

「突き詰めていくと、中産階級って要するに貧乏人のことなんだよね」
樋口健二×アーサー・ビナード(文字起こし)


アーサー・ビナード:
(樋口さんは)自分の置かれている立場と被写体の立場が一緒。
そうじゃない写真を撮る人、そうじゃない視線で世の中を見る人はいっぱいいるんですけど、
でも、突き詰めていくと、さっきの中産階級っておっしゃったんだけど、中産階級って、要するに貧乏人のことなんだよね。

ただ、極端な貧乏じゃない。
貧乏人ってつまり、ビル・ゲイツとソフトバンクの孫さんとか、今の世の中は、そういうとてつもない富を得ている人たちが本当の金持ちで、
この間証券会社の人と会ったんだけど、ミリオネアっていう言葉はもう誰も使わなくなったって。
どうしてか?っていうと、うじゃうじゃいるから。

ミリオネアっていうのは貧乏人のことなの。
ビリオネアじゃないと金持ちじゃないんですよ。
ビリオンって、丸を三つ増やすことをビリオン。


樋口健二:
こんな差があるんだよ。


アーサー・ビナード:
そう、その人たちが、実は金持ちなんですよ。
だから、ファーストホールディングスのYさん、Yさんのぼっちゃま、Yさんのもう一人のぼっちゃま
彼らの資産を合わせれば、国家予算みたいなものですよね。
でも、僕らは彼らと比べたら、中流だろうと下流だろうと、本当に日雇いしかないっていう人、生活保護の人と、本当は仲間なんだよね。
仲間じゃないっていうのが実は錯覚で、いつでもそこに落ちていけるし、いつでも僕らも同じように扱われる

福島ではそれが示されたんですよ。
福島の原発の風下にいた人たちは、中流も下流も、みんなSPEEDIの情報を得られなかった
みんな、誰もまともな避難をさせてもらえなかった
本当に選ばれし人は、もしかしたら、米軍のヘリで運ばれたかもしれないけど、
僕らはその情報も得られないという、それがもう、はっきりしたんですよね。


樋口健二:
ちょうどいい、ちょっと一言言わせて。
みなさん、電通っていうのを知ってるでしょ、日本の最大規模の広告会社
その電通が、あの事故で、ほとんど外国へ一度逃げたそうだね。
すごいですよ、広告とつながってるからね、これは早いですよ。

60年安保闘争のアレを決めたのは電通だからね。
すごいじゃないですか、びっくり仰天したんだ、金の力。

ー続きますー

米国『大雪のあとのちっちゃな動物たち』事情

2016年01月26日 | 米国○○事情
雪がたくさん降った翌日、カラリと晴れた空に、バーッと鳥の群れが飛び立ったかと思うとまたどこかに…そんなことの繰り返しが、延々と続いておりました。
そのどこかというのが、ここ、我が家の前庭の、西洋杜松(ねず)の木だったのです。


鳥たちはもう、やんややんやの大騒ぎで、杜松の木の実を突ついています。


逆さになったり、


上からだったり、


突ついてはまた次と、忙しいったらありゃしない。


とても騒がしい木の下ではこの方が。


たくさん実がついた枝をへし折って独占中です。



この実は、こちらではジュノバベリーと呼ばれています。
前庭のネズミの額というあだ名がある畑一面をすっかり覆うぐらいに、この実が落ちているのですが、ずっとそのまま放ったまま、季節が来ると野菜を植えたりしていました。

なんで鳥やリスに、こんなにも人気があるのかな…。
ということで、ちょっと調べてみることにしました。
夫からは「ジン酒はこの実で作るんだ」と、常々聞いてはいたのですが…。
ほんでもってさらに言うと、もしかしたら前にも調べたことがあったかもしれません。
でも、すっかりきっぱり忘れてしまっているので、仕方がありません、もう一度調べないと、やれやれ…。

アロマオイルとしての効能とか、香辛料やハーブティーとしての活用法とか、調べてみるといいことだらけ。
もしかして、うちのネズミのおでこ畑は、ある意味最強の畑なのではないか…なぁ~んて調子の良いことを考えてみたり…。


パーティは延々と続き、二階の夫の書斎の窓(一度も磨いたことが無いという伝説のバッチさ)からは、海がその様子をじぃ~っと眺めていました。






屋根に積もった雪の中からも、実をほじくり出しています。


ちょっとちょっとロビンさん、どうしてこんな寒い時に?


ロビンは春を告げる鳥と呼ばれていて、毎年3月の、厳しい寒さもそろそろ収まりそうだという頃にやってくるはずなのに…。



車が通行する通りは、市が雪かきをしてくれるので、狭いながらも運転可能なのですが、
結局のところは雪を道の両側に移動させるだけなので、しばらく(雪が完全に溶けるまで)の間は、生徒たちの車を駐車する場所がありません。
なので、我が家のドライブウェイに1台分のスペースを空けるため、夫の車を別の場所に止めておくにはどうすればよいか、毎日互いのスケジュールを見て工夫しなければなりません。
まあ、これぐらいの不便など、停電や洪水、あるいは倒壊や事故などで、大変な思いをしている人たちのことを思うと、不便のふの字にもならない些細なことなのですけれども。

明日からまたお日様が出て、気温も5℃ぐらいまで上がるので、雪解けが少しは期待できるかもしれません。

投票率低すぎるよ!奴らの思うツボだよ!なんのかの言ってないで、とにかくまず投票しようよ!

2016年01月25日 | 日本とわたし
日本国内でも、若い人たちが続々と立ち上がっていますが、海外在留の若者たちも、日本社会の一員として、様々な政治・社会問題について積極的に向き合っていこうという意思の下に集まり、活動を始めました。
紹介させていただきます。
詳しい内容は、ぜひ彼らのホームページフェイスブック、そしてツィッターでの発信を読んでください。



http://www.voyce-jpn.com

▪️VOYCEについて
VOYCE(ヴォイス:Voices of Overseas Youth for Civic Engagement)は、日本国内外で起きている様々な政治・社会問題について、
日本社会の一員として積極的に向き合っていこうという共通の意思
の下に集結した、日本国外にいる若者を中心にした集まりです。
当初、私たちは「安全保障法政に反対する在外学生の意志を可視化させる」ことから活動を開始しました。
しかし、日本の政治・社会問題は、安全保障法政に限られたものではなく、
人びとの自由を保障する民主的な社会を実現するためには、継続的な政治参加を呼びかけていく必要がある
と考えます。

▪️活動声明
私たちが望む自由で民主的な社会とは、人びとが、主権者として積極的に声を上げることで、健全な民主主義が機能し、また、個々人の多様性が最大限に尊重される社会です。
そして同時に、日本が、武力ではなく、人道支援と対話に基づく外交によって、国際平和に貢献する社会であることを、私たちは強く願います。

健全な民主主義に基づいた社会を実現するためには、一人ひとりがよりよい社会とは何かを考え、その実現のために努力することが必要だと考えます。
現在の日本では、自国の政治への関心が低下しているだけでなく、政治に対して、自らの声を上げることを阻害するような圧力が存在しています
私たちは、自らが率先して行動すると同時に、日本社会と関わりながら生きているすべての人びとに対して、共に自分たちの社会に、真剣に向き合うことを呼びかけます

私たちは、日本の社会が、個々人の望む多様な生き方を実現するための自由を、最大限保障する社会であることを望みます
現在の日本におけるエスニシティ(一つの共通な文化を意識的にわかち合い、何よりもまずその出自によって定義される社会集団)、国籍、信仰、性別、性的指向などの属性に基づく差別、
そして拡大し続ける経済的格差は、多様な生き方のための自由を否定するもの
です。
私たちは、一人ひとりの多様性を否定し、抑圧するような日本社会の動きに対し、抗議の声を上げます

私たちは、日本が自国内のことのみならず、国際平和に対して関心を持ち、貢献する社会であることを願います
世界では、多くの人びとが貧困や紛争によって、人権や自由を侵害されているという現実があります。
2015年9月、日本政府は、新しい安全保障法制を制定し、国際平和に積極的に貢献すると宣言しました。
しかしながら、武力に頼った手段は、紛争を解決するどころかそれを拡大し、再生産するものであることは、これまでの歴史から明らかなことです。
私たちは、武力ではなく、紛争地における人道支援と対話に基づく外交によって、日本と国際社会の安全と自由の保障に寄与することこそが、国際平和への正しい貢献であると考えており、
そのような形での国際貢献を、日本の政府・社会に対して働きかけます

日本は、70年前に終結した第二次世界大戦において、自国民と、そして、とりわけアジアの多くの人びとの、自由と人権を侵害するという過ちを犯しました
私たちは、その事実から目をそらすことなく、また二度と同じ過ちをこの社会が犯さぬように、日常の中からできることを考え、行動に移します

私たちは、以上の考え方に基づいて、次の三つを実行していきます。







↑以上、転載おわり


そして以下↓は、彼らが、在外投票についてまとめてくれたポスターです。



在外投票率の向上、これが今、強く求められています。

なぜ在外投票率を上げることが大事なのか?=それは、影響力は大きいのに、活かされていないから。

在外有権者→約95万人=(山形県、石川県の全有権者数に匹敵)
うち有権者登録数→約11万人=(全体の12%)
うち投票率→約23%(全体の2.7%




いやあもう、日本在住の方々の投票率の低さをはるかに上回るひどさ!
これでは政治がまともになるはずがありません。
行ったって仕方がない。
投票する意味がない。
真剣に考えても何も変わらない。

ひとりでも多くの人がそんなふうに考えるようになることが、今の政権に至るまでの長い長い年月をかけ、地道にコツコツ根回ししてきた者たちの夢でした。
その夢が今、叶いつつあることに勢いを得て、時には息を潜め、時にはあからさまに、本性を現し始めています。
日本について考えていることを言えない。言うと何か悪いことが身に降りかかる。
政権に対する疑問や非難があっても、それを表現できない。表現すると除外されたり非難されたりする。
そういうことが、一般の市民から学者や芸能人、そしてニュースキャスターや番組に至るまで、頻繁に起こるようになりました。

其処此処に存在していた意見の相違や対立がだんだんと矮小されていき、のっぺりとした、権力と金のある者たちに都合の良い空気が、じわじわと広がってきています。

GLOBAL NOTE・グローバルノート - 国際統計・国別統計専門サイトによると、

議会選挙投票率 国別ランキング・推移(データ更新日2015年10月14日)は、このようになっています。







日本はどこかと思いながらスクリーンショットを取り続け、やっと見つけたのが151位。
なんとアメリカは42.50で179位…。
さすが、1%が堂々とのさばっている国だけありますね。
(でもまだ、マスメディアや社会の中での政治や政治家に対する意見や非難は、自由に行われているところがマシだと言えますが…)
日本は、この国の悪いところばかりを真似していくつもりなんでしょうか?
それとも、そうするよう命じられてでもいるのでしょうか?
あるいは、日本会議や神社本庁や神道政治連盟の、長年の夢(企て)を叶えるための周到な計略に、まんまと嵌められてしまっている結果なのでしょうか?

いずれにせよ、今年の夏の選挙は、日本の分岐点となるほどの重要なものであることは確かです。

日本社会と関わりながら生きているすべての人びとよ、
共に、自分たちの社会に、真剣に向き合ういませんか。
すぐには変わらないかもしれません。
思い通りにもいかないかもしれません。
でも、わたしたちの政治への関心が低下することが、なによりも喜ばしい連中がいます。
その連中は、わたしたちの人権や自由を侵害することに長け、暴力や武力による破壊や殺しを良しとし、金と権力と保身に執着しています。
今のような無関心、あるいは無気力は、そのような連中に栄養を与え、数と力をどんどん増やしてしまいます。
すっかり取り囲まれ、縛り付けられてからでは遅いのです。
わたしたちが今まだ持ち得ている力を、世代を超えた集まりで、大いに発揮するべき時が来ました。

選挙に行きましょう。
政治を語りましょう。
候補者を吟味しましょう。


次の記事では、わかこさんがまとめてくださった『在外選挙に行こう!』ブログを紹介します。
在外投票期日まで、あと160日となりました。
手続きに3ヶ月かかる場合もあることから、そろそろ登録を済ませなければなりません。
その登録なのですが、よくわからん、面倒そうだ、という方に是非参加してもらいたいイベント「Let 's go 在外選挙」が開催されます。

↓引用はじめ

このイベントでは、在外選挙人登録の方法が1発で分かってしまう!
いちいちこのブログの字を追いかける必要も無いし、書類をダウンロードする必要もないのです。

手取り足取りで登録申請のお手伝いをします。
在外選挙人登録に詳しいスタッフが揃っているので大丈夫です。

詳細はまた後ほどお知らせしますが、、、2月19日(金) 午後7時からです。
お忘れなく!

↑以上、引用おわり


ということで、また詳しいことは、次の記事でお知らせします!

米国『モンスタースノーデー』事情

2016年01月24日 | 米国○○事情
予報通りの、いえ、予想を超えた猛吹雪でした。
金曜日の夜から降り始めた雪は、とても細かな粒の雪で、いくら降ってもそれほどたくさん積もらないのではないか、などと思いながら寝床に就き、
土曜日の朝に窓のカーテンを開けると…、

わわわ!





どの窓にも吹き付けられた雪が積もり、その向こうは一面の銀世界。









丸一日、吹き荒れる強風に吹き飛ばされながら、降り続ける雪は、あれよあれよと言う間に60センチに達しました。



ハンモックが地面に着いちゃった…。



とうとう畑の囲い板も埋もれ、



でも、一番心配していた停電にならなかったので、昼寝三昧の空と海を横目に、映画を見たりドラマを見たり、ゆっくりとした休日を過ごすことができました。

マンハッタンでは、午後から地下鉄を除く鉄道やバスが一斉に運休し、一般の車の通行も禁止となったようです。
クィーンズに引っ越した次男くんとまなっちゃんが、この週末にやってきて、引っ越しの最終作業をするつもりだったのですが、ここまで降られてはどうしようもありません。

翌日曜日はカラリと晴れて眩しいこと眩しいこと!



再び、窓から見えるご近所さんの雪景色をご紹介します。

♪犬は喜び庭駆け回り♪


ブランコの足の部分がほぼ埋もれてしまいました…。


彼らは窓の向こうの変わり様を、どう理解しているのだろう…。
 



窓の氷をお日さまが溶かしていきます。


ワラで包んだイチジクの木が、すっかり埋もれてしまいました。大丈夫かなあ…。


夫の大奮闘の成果。




これがあったら便利なんだろうけれども…。


ソリ遊びを楽しむ近所のちびっ子たち。


それにしても、たった一日でこんなに積もるとは…。




大雪が降る時は、道路ではなく自宅のドライブウェイに車を移すのですが、雪かきの範囲を少しでも減らすために、1台以上ある場合は数珠繋ぎに、そして最前列の車の先端は歩道ギリギリの所に止めます。
そうすることで、車の上に積もった雪を落としさえすれば、とりあえずは道路に出て運転することができます。

すっぽり埋まった車を救済中の夫。




今回わたしは、一日中パジャマ姿で、家から一歩も出ずに過ごすという、超~ナマケモノになっておりました。
ということで、雪かきは全部、夫がひとりでやってくれたのでした。ナマステ~!

雪を溶かす塩を撒く車。


わたしの背よりもうんと高いフェンスの下半分が埋もれています。


今日は一日とても良いお天気でした。
強い風もおさまり、キラキラと輝くダイヤモンド・ダストがあちこちで発生していました。

久しぶりに遊びに来てくれたお隣さん夫婦のエステラとロバートと、軽く食べながらいろんな話に花を咲かせていると、歩美ちゃんがやって来て、
今度は彼女と3人で、残り物ばかりの手料理で一緒に夕飯を食べ、すっかり遅くなったから車で送ろうと外に出ると、

なんとも美しいお月さまが。


まん丸お月さまなのでした。

大雪こんこん、翻訳こつこつ

2016年01月22日 | 日本とわたし
気温よりもっと寒く感じる今日、夜から雪が降り始め、たくさん積もるだろうという予報が出ています。



カエデの爺さんの遊び場は、地面よりはお日様に近いだろうけれども、



いくらシッポでカバーしても、やっぱ寒ぅ~~~!なリスくん。どこか温かな場所を探すんだよ。



で、家の中も、20℃の設定をしてあるのですが、地下のバーナーが頻繁に働いてくれているのに、16℃ぐらいまでしか上がりません。
そんな日は、少しのすきま風も体に響きます。
なので、工作の時間です。

台所のキャビネットと床の間に、3センチもの隙間があって、そこからビュウビュウと冷たい風が入ってくるので(それを去年の冬まで放っておいた?!)、それを解決すべく、



おいおい、そんなんで解決になるんかい?とお疑いのみなさん、それがそれが、ダンボール紙を二重にすると、なかなかいいのですよ。
空と海の餌を4週間に1回、配達してもらっているのですが、その時の箱を解体して、それをチョキチョキ切って、あちこちテーブでつなぎ合わせ、隙間にペタンペタン。
けっこうな長さでしたが、余裕ですべてふさがりました。

なんてなことをのんびりとやって、優雅なもんだと思われるかもしれませんが、
ところがどっこい、この2日間は、脳みそと心にとっては大きな試練となりました。
いつもなら、わたしには多分無理だということで、丁重に断り続けてきた日本語から英語への翻訳を、
やってみよう、いや、やれるかもしれないと思ってしまい、やる気満々で始めたのですが…。

翻訳文は、沖縄の宜野湾市の市長選挙において、現市長で候補者でもある佐喜真氏が、普天間基地の跡地にディズニーリゾートを誘致するという公約をあげていることについて、
ディズニーは承知しているのか、佐喜真氏は許可を得ているのか、そして先月の始めには全力で応援すると約束していた官邸はどうなのか、
そういうことも含めて、有り得もしないウソを公約として票を得ようとするような候補者と、それを軽々しく全力で応援するという官邸に、喝を入れようというようなものだったのです。

わたしもその件については腹を立てていたので、自分にできることなら少しでも役に立ちたいとばかりに、一語一文すべてを必死になって英語に換えていきました。
とりあえず出来上がった翻訳文を何度か読み返して、ふんふん、もしかしたら今回はちょっとイケてるかもしれない、などと自己満足に浸りながら、
でもまあ、公に出す文章なので、念のために英語人の夫に読んでもらった方が良いかもしれないと、軽い気持ちでメールで送ってみたところ、

「あんなの英語じゃない。全然だめ。何が言いたいのか全く分からない。全部書き直し」と、ケチョンケチョンに言われてしまいました。

そ、そんな言い方せんでもええやんか…とブツブツ独りごちながら夕飯を食べ、気を取り直してもう一度、ほなどうしたらええの?と、まあかなりふて腐れながら尋ねると、

「あれは多分、日本語をそのままただ英語に換えただけだったよね。だから英文になってない。文法だって間違ってる」

夫は普段から、英語に関したことを聞くと、大抵は不機嫌になって、いまだにそんなことも分からないのかと言わんばかりの口調でガンガン責めてくるので、
だからできるだけ、英語の質問は避けるようにしているし、もちろん翻訳の手伝いや指導を願うことなど以ての外だったのですが、
日本で10年暮らし、日本語の能力もそこそこ維持している人なので、母国語を第二言語に訳する時の大変さを理解してもらえると思ってしまったのが運の尽き。
いやもう、かなりグサグサと突き刺さる言葉をかけられ、すっかり萎れてしまいました(うそうそ)…めちゃくちゃ腹が立って(夫にも自分にも)、猛然とファイトがわいてきました。
くっそぉ~!やり直しちゃる!
言い方はクソったれでしたが、彼が言わんとしたことを落ち着いて整理すると、

・訳する日本語をまず、自分の言葉で作り直す。
・誰を相手にしているのか、その相手に何を期待しているのか、全く何も知らない状態でも分かるような話なのか、
・まうみのように、毎日毎日、考えたり調べたり記事を書いたりしている人とそうでない人を、一緒くたに考えていないか、
・言いたいことだけ並べていないか、
・その背景にあることを、簡潔に分かりやすく説明できているか、
これらのことをまず念頭に置いて、書いたものを読み直してみろ。

ということで、いただいた文章を書き直してみました。
そしてもう一度、それを英文に換えて、恐る恐る夫に見せると、

「まあマシだけど、まだダメ」

とほほ…。

ギノワン、フテンマ、ヘノコ、ミッキー、オリエンタルランド、ディズニー、ネイビー…etc。
これらの単語が全くつながっていかない。意味不明な部分が多過ぎる。

そんなこんなで2日も経ってしまい、署名が選挙に間に合わなくなってしまいました。
さらに、あの文が役に立てるかどうかもわかりません。
なんということだ…。
でも、たくさんの学びと良い経験ができました。
そして、この選挙のためだけではなく、このような態度、無責任さが横行している、特にその傾向が際立っている現政権に物申すためにも、どんどんと声を上げていかなくてはと思っています。


この件について、よくまとめてくださっている良い記事を見つけました。
ここに一部紹介させていただきます。

【宜野湾市長選】宙に浮いた5年以内の普天間運用停止策
【沖縄タイムスプラス】2016年1月22日
https://www.okinawatimes.co.jp/cross/?id=366

↓引用はじめ

大接戦が予想される宜野湾市長選は終盤を迎え、国政選挙なみの熱を帯びている。
メディアが指摘するように、辺野古新基地問題で激しく対立する安倍政権と、翁長沖縄県知事の「代理戦争」そのままの構図といっていい。

市民にとってわかりにくい選挙になったのではないか。
わかりにくいといえば、政府と前知事が約束した5年以内の普天間基地の運用停止の実現に向けてどう取り組むのか、これも曖昧模糊としている

政府からこの言質を引き出したのは大きい。
辺野古の新基地工事は完成まで10年から15年かかるとみられるが、普天間の危険性を除去する方法は、「移設」によらなくても早急に実現できると認めたからだ。

したがって、今回の市長選では、
政府の約束を確実に履行させるための政治環境の整備と、跡地利用の構想について、
両者は沸騰するような議論を戦わせ、その本気度を政府に提示すべきであった。


その跡地利用ついて、佐喜真氏はディズニーリゾートの誘致をぶちあげ、志村氏はマリンレジャーのメッカを目指すオーシャンフロント・リゾートの建設を提唱している。

佐喜真氏のディズニーランド構想については、メディアの報道が錯綜したために、あたかも普天間基地の跡地に「夢の国」がやってくるとイメージしている人たちも多いようだが、これは正確ではない

物議を醸している案件は、ディズニーブランドのリゾートホテルで、「ランド」ではない
実は、このホテルの誘致も、雲をつかむような話であることがわかってきた。

東京ディズニーリゾートを運営する株式会社オリエンタルランドが、昨年の12月9日に発表ししたプレスリリースで、
本件は、当社として、今後慎重に検討を行っていくものであり、現時点で対応方針など決定している事実は一切ありません」と述べているからだ。

↑引用おわり


おまけ
瞑想ネコ

できもしないディズニー誘致公約と、市議レベルの人間に直接激励の電話をかける官邸…宜野湾市長選挙の実態

2016年01月20日 | 日本とわたし
沖縄の宜野湾市長選挙が、3日後の24日に迫ってまいりました。
なにやら安倍首相や菅官房長官が、宜野湾の市議レベルに直接、激励の電話をかけているようです。
官邸は、ウオルトディズニーの政治利用に関しては関係していない、という閣議決定を出しましたね。
これはもう、いつもの誤魔化しにすぎませんが、全力で協力するよ、なんて言われて調子に乗っていた佐喜真氏は、完全にハシゴを外されたわけです。
その佐喜真氏も、関連会社のオリエンタルランドに掛け合っていただけ。
ディズニーは全くこのことを知らないか、耳にして憤慨しているか、そこのところの詳しいことは知り得ませんが、
なんともいい加減なことを公約にして、それを破廉恥に言いふらして、だから市民の人たちは、架空の話だとも知らずに応援したり喜んだりしているのです。
↓↓↓
▼佐喜真アツシを応援する 宜野湾市の未来を創る市民の会
https://www.facebook.com/ginowanmirai/photos/a.484097351772721.1073741829.476611925854597/507536379428818/?type=3&theater

【直接交渉で信頼を築く!佐喜真アツシだから出来るディズニーリゾート誘致】
これはもう、虚言か詐欺。騙されている方々の、1日も早い気づきを祈るばかりです。
などと、のんきなことを言っている場合ではないのです。
選挙は今週末の日曜日に行われるのですから。


官邸は知らんふりをしていますが、実は去年の12月8日に、こんな報道がしっかりとされていました。

宜野湾にディズニー誘致、官房長官「全力で協力」
【日経新聞】2015/12/8 20:54

菅義偉官房長官は8日、米軍普天間基地のある沖縄県宜野湾市の佐喜真淳市長と、首相官邸で会談した。
市長は「ディズニーリゾート誘致に全面的に協力してほしい」と求め、
菅氏は「夢のある話だ。全力で誘致できるようにしたい」と応じた。
菅氏は、運営するオリエンタルランドの加賀見俊夫会長に、協力を求めている

宜野湾市は、来年1月に市長選があり、普天間基地の早期移設を訴える佐喜真氏と、辺野古への移設に反対する新人の志村恵一郎氏が対決する見通し。
リゾート誘致への協力で、佐喜真氏を側面支援する狙いがある。



で、本人の佐喜真氏は、これで押し通してしまうつもりなんでしょうか?
 

そして政府は、こんないい加減なデタラメを言って誤魔化し通すつもりなんでしょうか?


普天間ディズニー誘致要請
「政府 答える立場ない」


【東京】
政府は19日、佐喜真淳宜野湾市長のディズニーリゾート誘致構想をめぐり、
菅義偉官房長官、島尻安伊子沖縄担当相が、同リゾート運営会社オリエンタルランド役員と会談したことに関し、
「政治家個人の活動に関するものであり、政府としてお答えする立場にない」とする答弁書を閣議決定した。
照屋寛徳衆院議員(社民)の質問主意書に答えた。

佐喜真氏は、ディズニーリゾート誘致のため、島尻氏とともに、昨年12月2日に、オリエンタルランド役員と会談し、
同月8日には、政府にディズニー誘致、普天間飛行場を東京五輪聖火リレーのメーンルートとして検討することーなど、6項目を要請していた。

ディズニーリゾート誘致の協力要請に対し菅氏は、
「政府として全力で取り組んでいきたい」などと述べ、政府として支援する考えを示していた


照屋氏は質問主義書で、ディズニーリゾート誘致について、2014年名護市長選で、石破茂自民党幹事長の「名護振興基金」構想と同じだ、と指摘した。
有権者の歓心を買うために、原市長と菅官房長官が一緒になって、大風呂敷を広げているだけで、実現可能性は極めて乏しい」と批判し、要請内容や検討状況を問うた。

政府は、聖火リレーが基地内を通った「事例はない」として、ルートは大会を準備、運営する2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会が検討する、とした。

普天間飛行場をルートに設定する場合に必要な、日米地位協定の手続きと、19年2月が期限となる、普天間の「5年以内の運用停止」が実現した場合に必要な手続きは、
「仮定の質問であり、お答えすることは差し控えたい」と答弁した。


すっかりハシゴを外された佐喜真さん、いったいどうするおつもりなんですか?

宜野湾市の市民のみなさん、嘘八百の餌に釣られるようなみっともない投票しないでくださいね。

ということで、座間宮さんから依頼を受けたわかこさんのお誘いを受けて、こうなったらこのことを英語で、ミッキーとディズニーに直接伝えるべく、今必死で取り組んでいるところです。
が、なんといっても苦手な翻訳…つい先ほども、何時間もかけて必死で訳した英文を、ちょいちょいと斜め読みした夫から、
「こんなの英語じゃない。全然だめ。まるで文章になってない。日本語で考えてるからその時点でアウト」と、ケチョンケチョンにけなされてしまいました。
なにもそこまで言わなくても…と、かなり落ち込んで、それから怒りがふつふつとこみ上げてきて、おかげで(?)夕飯の味が全くわかりませんでした。
でも、思いっきり怒ったおかげで、こんにゃろ~、もういっぺんトライしてやるぅ~と、新たな気力が湧いてきて、再度挑戦中です。
ここで紹介できるまでに、選挙が終わってなければいいのですが…なんて弱気になってる場合ではありません。
がんばりまっす!

キング牧師が貫いた非暴力の抗いを胸に、雪のハーレムを歩く

2016年01月17日 | 日本とわたし
昨日は朝から、それもあわや電車に乗り遅れそうになったので、通りを猛ダッシュで走った挙句、何段もの階段を駆け上がり(本人は駆け上がっているつもりだけど、他人にはそうは見えなかったに違いない)、さらには遥か彼方に止まっている電車まで、プラットホームをヨタヨタと走るという、
待ち合わせをした歩美ちゃんが、オロオロと心配しているのを目の端っこに見ながら、心臓がバクバクを通り越して痛み出すぐらいの運動をした。
やっとのことで電車に乗り、さんざっぱら心配かけた歩美ちゃんと隣り合わせに座り、とりあえず一息つく。

1月17日、OVERSEAs総がかり行動 in ハーレム!



とてもたくさんの言葉で語られたこのスピーチを、ここに全文載っけるとたちまち制限の2万語を超えてしまい、記事として載せることができない。
なので、ビデオの直前の文節を少し加えて、ここに掲載する。
全文→http://www.americanrhetoric.com/speeches/mlkivebeentothemountaintop.htm

これらの言葉の中からにじみ出てくる、キング氏自身が強く予感している死。
それを聞けば聞くほど、胸が締め付けられる思いになる。
アトランタから最期の地メンフィスに移動する飛行機から、その緊張は存在していた。
暗殺。
だからチェックにチェックを重ね、そのために飛行機の離陸が遅れた。
メンフィスに到着してからも、複数の(病的な思考で支配された白人たちによる)脅迫があった。

******* ******* ******* *******

前略
And they were telling me --.
Now, it doesn't matter, now.
It really doesn't matter what happens now.
I left Atlanta this morning, and as we got started on the plane, there were six of us.
The pilot said over the public address system,
"We are sorry for the delay, but we have Dr. Martin Luther King on the plane.
And to be sure that all of the bags were checked, and to be sure that nothing would be wrong with on the plane, we had to check out everything carefully.
And we've had the plane protected and guarded all night."

And then I got into Memphis.
And some began to say the threats, or talk about the threats that were out.
What would happen to me from some of our sick white brothers?

Well, I don't know what will happen now.
We've got some difficult days ahead.
But it really doesn't matter with me now, because I've been to the mountaintop.

And I don't mind.

Like anybody, I would like to live a long life.
Longevity has its place.
But I'm not concerned about that now.
I just want to do God's will.
And He's allowed me to go up to the mountain.
And I've looked over.
And I've seen the Promised Land.
I may not get there with you.
But I want you to know tonight, that we, as a people, will get to the promised land!

And so I'm happy, tonight.
I'm not worried about anything.
I'm not fearing any man!

Mine eyes have seen the glory of the coming of the Lord!!


↓(以下、紺色の文字部分のみ、まうみ訳)
この先には険しい日々が待ち受けているだろう。
でも今、私にとってそれはもう、大して重要なことではない。
何故なら、私はすでに、山の頂上に立ったからだ。

だからもう、いいんだ。

誰でもがそうであるように、私も長生きしたい。
長寿はいいものだからね。
でももう、今の私は、長生きできないのではないか、などと心配しない。
私はただ、神が望むままに行動したい。
そして神は、私が山頂を目指して登ることをお許しになった。
そして私は山頂から、山の向こうを見た。
そして私はそこに、約束の地を見た。
私はみなさんと一緒に、そこに辿り着くことはできないかもしれない。
でも今夜、これだけは知ってもらいたい。
私たちは国民としてひとつになって、きっとあの約束の地に辿り着く!

今夜はだから、私はとても幸せだ。
心配することは何もない。
誰のことも恐れていない!

我が眼は、主の到来の栄光を見た!*
*「リパブリック賛歌(Battle Hymn of the Republic)」の歌い出し。
「怒りの葡萄の酒倉を主は踏みつけている(He is trampling out the vintage where the grapes of wrath are stored)」と続く。
南北戦争で奴隷制廃止を目指す北軍が歌い、戦後は人種差別撤廃を求める公民権運動で歌われた。



このスピーチを、わかこさんが所属する教会の、キング牧師の生誕(1月15日)を祝う礼拝で聞いた。
彼の言葉が書かれた画用紙を、高く掲げて歩くゴスペル聖歌隊の子どもたちを目で追っているうちに、滲んでよく見えなくなってしまった。

暴力に非暴力で抗う。

それを貫いた人の言葉を聞きながら、抗い続ける道を選ばざるを得なかった、沖縄のお年寄りたちの姿を思い浮かべていた。


ここが、わかこさんの教会。


一階の広場では、ランチの準備中。




礼拝中は写真も携帯も禁止。なので、すべてが終わってから撮らせてもらった。






戦争反対署名をお願いする。
わかこさんのおかげで、たくさんの人に署名をしてもらうことができた。



初めてのゴスペル礼拝は、じわじわと満ちてくる高揚感と自由感に包まれて、汗をかいたり涙が出たり。
長い長い牧師さんの説教は色とりどりの内容で、キング牧師が辿った険しい道を語っているかと思えば世間話になり、かと思うと歌が始まる。
その歌がまた上手い!
さらに、バックを務めるミュージシャンの演奏がまたまたすごい!
これは礼拝か、はたまた演奏会か。
いつの間にかわたしも、両手を高く掲げたり広げたりしていた。
神のご加護を。

わかこさん、ありがとう。

ソウルフードのランチを教会でご馳走になり、


その後は外に出て、ハーレムの街をマーチする。


教会の前で集合写真を撮り、ここから合流するメンバーを待っていたら、あらあら、警察官さんたちから職務質問を受けた。


ちゃんと説明すると彼らの表情も和らぎ、「私たちに何か頼みたいことはないか?」と聞いてきたので、
「マーチに参加してください!」と言ったら、当たり前だが断られた、笑顔で。

ジョージさんは、いつも撮影係を引き受けてくれる。
今回も、たくさんの、活き活きとしたすばらしい写真を撮ってくれた。
わたしもとりあえず、マーチをしながら撮ったので、それらと合わせてここに載っける。







マルコムX氏がスピーチ中に殺害された、オードゥボン舞踊場が見えてきた。




出発当初から降り始めた雪が、本格的に降ってきた。
粒が小さいので積りはしないが、それでもやっぱり寒い寒い!
でも、歩美ちゃんのお太鼓に合わせて、『We Shall Overcome』を歌いながら歩いていると、
通りすがりの人たちが立ち止まってくれたり、一緒に歌ってくれたり、写真やビデオを撮ってくれたり、ピースサインで応えてくれたり、「ハレルヤ!」と声をかけてくれたり、
その笑顔が、その気持ちが嬉しくて、ありがたくて、そして何より、みんな戦争なんかこの世から無くなっちまえと思ってるんだとしみじみわかって、

それはそれは温かかった。










We shall overcome
We shall overcome
We shall overcome someday
Oh deep in my heart
I do believe
We shall overcome someday

We shall hand in hand
We shall hand in hand
We shall hand in hand someday
(chorus)

We shall all be free
We shall all be free
We shall all be free someday
(chorus)

We are not afraid
We are not afraid
We are not afraid today
(chorus)

We are not alone
We are not alone
We are not alone today
(chorus)

The whole wide world around
The whole wide world around
The whole wide world around someday
(chorus)

We shall overcome
We shall overcome
We shall overcome someday
Oh deep in my heart
I do believe
We shall overcome someday


(まうみ訳)
私たちは必ず乗り越える
私たちは必ず乗り越える
私たちは必ず乗り越える いつの日か

ああ、心の深いところから
私はそう強く信じている
私たちは必ず乗り越える いつの日か


私たちは手に手をとって協力し合う
私たちは手に手をとって協力し合う
私たちは手に手をとって協力し合う いつの日か
(コーラス)


私たちはみんな自由になる
私たちはみんな自由になる
私たちはみんな自由になる いつの日か
(コーラス)


私たちは恐れない
私たちは恐れない
私たちは恐れない 今
(コーラス)


私たちは独りじゃない
私たちは独りじゃない
私たちは独りじゃない 今
(コーラス)


私たちの思いはこの広い世界に広がる
私たちの思いはこの広い世界に広がる
私たちの思いはこの広い世界に広がる いつの日か
(コーラス)


私たちは必ず乗り越える
私たちは必ず乗り越える
私たちは必ず乗り越える いつの日か

ああ、心の深いところから
私はそう強く信じている
私たちは必ず乗り越える いつの日か







マーチの後は、わかこさんはじめ、OVERSEAsのメンバーが心を込めて折ったジュゴンの千羽鶴版、名付けて『千頭ジュゴンちゃん』と一緒に、辺野古に届けてもらう寄せ書きをするため、IHOPに行く。
ちなみに、この千頭ジュゴンちゃんは、東京在住のけいこさんが、直接辺野古まで行って届けてくださるのだそうだ。




残念ながらここはパンケーキが売りのレストランで、いろいろなものを中断中のわたしには、注文できるものがひとつも無かった…とほほ。

みんなで再び記念写真。






寄せ書きと同時に、在外投票についての話し合いがあった。
この件についてはまた、別の記事で。
今年の7月に行われる参議院選挙。
海外に暮らす日本人が、投票をするという、主権者としての責務を果たすために、まずするべきこと、しなければならないことを、とても分かりやすくまとめてくださったわかこさん。
そのブログ『在外選挙に行こうhttp://zaigaisenkyo.blogspot.comの紹介と共に書こうと思う。