ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

米国陽気なおっちゃん事情

2010年06月30日 | 米国○○事情
昨日のこと。

日本とパラグアイの壮絶な闘いを見守り、運が尽きた哀しみを胸に、いつものように仕事に出なければならなかった。
ゲームなんだから、勝ちがあって負けがある。どうしてもどちらかが勝って負けなければならないのだから仕方が無い。
けれども、あんなに頑張ったんだから、勝たせてあげて欲しかったなあ~と、心の中は未練たっぷり。

いつもの道を走っていると、2週間ばかり工事中だった道路が、すっかりきれいに舗装されていた。
工事のためのデカい車も、規制のための警察官も工事人もいなくなって広々。
いやあ、きれいになったこと!と喜んだのも束の間、派手なチョッキを身につけたおっちゃん達が、すぐ先の交差点のど真ん中でなにやら作業をしている。
かといって、回り道のサインも、通行規制の指示も無いので、恐る恐る近づいて行くと……、

横断歩道の線を手描きしているおっちゃん、線が曲がらないよう指示しているおっちゃん、描いた線に水をかけて冷やしているおっちゃん、計3人のおっちゃん達が、わたしの存在なんぞまるで知らん!とばかりに無視して、作業に熱中しているではないか!?
いや、通ったらあかんのやったら引き返すし……けど、どっちかっていうとギリギリやから、このまま行かせて欲しいんですけど……。
と……心の中で悶々としながら待つ事1分、いきなり、じょうろで水をかけていたおっちゃんがわたしの方に振り向いた。
そして……。

じょうろを持ったまんま、両手を鳥の羽根のように広げ、ク~ネク~ネと踊り始めたではないかっ?!
へっ?しかもおっちゃん、わたしに微笑みかけてはるし……
一瞬ひるんだが、これはもう受けて立つしかあるまい。わたしもおっちゃんの真似して鳥さん風に両手を広げ、ク~ネク~ネと踊り返した。
大ウケするおっちゃん達。おまえ~、ええぞええぞ~よっしゃ、通ってけ!かまへんかまへん、また後で線描き直すから
いや……ちょっと……これって通行テストやったんっすか

なんだったにせよ、一気に湿っぽかった気分が晴れた。仕事に向かう元気が出た。ありがとよぉ~おっちゃん!

そして仕事から戻ったら、「もう出来てるから早く早く!」と、台所から旦那の声がした。
手を洗い、部屋着に着替えて台所に行くと、



きゃ~ん!おいしそうやぁ~ん!
そこらへんにアルモンデ(←chi-koちゃんお借りしました!)ご飯。鶏肉をほぐしたのに、セロリ、パセリ、パイナップル、ブルーベリー、ネギを混ぜてサラダを作ってくれた。それに冷凍してあった黒米とキビの混ぜご飯ととうもろこし。うっまぁ~!ごっつぁんでした!

ちょっと追加。
「トニーは料理うまい?」と旦那がボソッと聞いてきた。「いや、今は知らんけど、本の中では料理あんまり作れへん人らしい」「ふぅ~ん」

昨日は、アメリカンのおっちゃんに救われた日。Thanks!

みんなでここまでやってきた!

2010年06月29日 | ひとりごと
円陣組んで、声かけ合って、足りないところを皆で補い、持っている力と技を分け合い、走って、ぶつかって、頑張り抜いた。



勝ちは勝ち、負けは負けだけど、最後の最後まで走り続けた選手達は素晴らしかった。
文字通り身体を張って守り抜いた選手達。果敢に攻め続けた選手達。運悪く、ボールは何度もギリギリのところで入らなかった。

それにしても……なんたる孤独!なんたる崖っぷち!
PKってほんとに、どうしようもなく孤独。結果が容赦なくそこに出てくる。成功する者しない者。運不運。当たり外れ。0か1。



それまでどれだけ一丸になって戦ってきても、その孤独極まりない一瞬がすべてを決めてしまう。
まるで、巨大な鉈を振り下ろされるように。



だから駒野さん、自分を責めないで。


にっぽん、ほんとに残念!圧され気味ではあったけれど、よく守り、よく攻め、よく堪えた。

アフリカに行くまではボロクソに言われてたチームがなぜここまでに成長したかを、いいこともそうでないことも含めて、客観的に正しく報道して欲しい。

熱く応援する醍醐味を味わうことができて、すごく楽しかった。
ありがとう!選手の皆さん。ありがとう!選手を支えてきたすべての人達。
異国で『君が代』を歌う時、毎回胸が熱くなる。
すべての試合をきちんと放映してくれたアメリカのTVにも感謝!

また次のワールドカップを楽しみに。

ダーリンは外国人

2010年06月28日 | 家族とわたし
ずいぶん前に、「これ、おもしろいよ!」と言って友人が買ってくれた『ダーリンは外国人』。
読みながら、うんうん!そやそや!あるある!わかるぅ~くくぅ~!などという相づちを、いったい何度打ったことやら。

来年で、出会ってから丸20年を迎えるわたし達。
なんでそぉ~なるねん?な言葉や事柄をいっぱい乗り越えたり、適当に無視ったりしながらやってきた年月。

ちょいと前から、もうすでにかなり流行ったり映画になったりしているこの本のことを、先日の日本旅行の際に教えてもらった旦那。
自慢そうに、「『ダーリンは外国人』っていう漫画、知ってる?」と聞いてきたので、「そんなん、もう何年も前からうちにあるし」と言うと、「えぇ~!」と思いっきりびっくりした後、「なんでボクに黙ってたん?」と責めてきたので、「なんべんも言うた!」ときっぱり言ってやった。だって本当だもの。

『抜かれるなら、度肝がいいよね』←「これはトニー氏の格言の中の、わたしの一番のお気に入り」とうっとり顔で言うと、
(それぐらいボクだって……)と言いたげな旦那。うふふ、嫉妬しとる。
『三時のおやつの歌』や『タデ食う虫も好き好きの歌』を作詞作曲し、みたらし団子や納豆蕎麦や高菜漬が好物な旦那にとって、今やトニーはライバル?

ではここで、今夜の我が家のエピソードをひとつ。
夕飯の後で、大好物のスイカを食べておりました。
シンクの前に立ち、大胆にブツンブツンと四つ切りにしたのをスプーンでほじくりながら、おぉ~うめぇ~と独りで楽しんでいると、「ひとりで全部食べるつもり?」と旦那。トニー風に奥まった両目が、すでに不機嫌モード。
しゃ~ないので、お皿に乗っけてテーブルの上に置き、ふたりで交互にほじくることにしました。
あっ……冷て!あっまたっ!……どうしてだか、ひとほじくりするたびに、お汁を飛ばしまくる旦那。
ったく……下手くそなんやから……と思いながら、最後の残りの部分をスプーンでガリガリ削っていると、
「あ、めちゃお汁が飛ぶやん、そんなけすったら!」
けすったら?
スイカの実を口の中いっぱいに頬張ったところのわたしの頭の中に、(けすったら~こすったら~けずったら~あ~よいよい)と、盆踊り風の歌が聞こえてきた。
それが自分でも思いも寄らないほどツボにハマってしまい、口の中のスイカを吐き出さないようしばらく苦悶の表情を浮かべながら笑いこけていた。
日本語は実に難しい。旦那にとってなにが一番聞き取りにくいかって、それは小さな『っ』。これが入っているのかいないのか、それはもう宇宙の真理並みにつかみ所の無い問題なのだ。
痛いは『いたい』なのか『いったい』なのか……そんなことをいちいち考え始めると、もうどんな言葉もどっちなのかわからなくなる。
実際の話、痛い時にもいろいろあって、「痛っ!」「痛いなあ~」「いったいやん!」とそのいろいろに応じて言い方が変わる。
ひとつの動作にしても、英語だと同じ単語で済むものを、その時の雰囲気に合わせて言い回しや単語がまるで違ったりする。
大変だよね~ふふ~ん……お互い、苦労している相手を観察しながら、心の中でそう思う。同情はするけど優しくはしない。

さて……いったい旦那は、どんなことを思いながら読んでいるのだろう。
旦那からしてみれば、『ダーリンは外国人』なわたし。
お互い、この漫画風に描いてみたいことはいっぱいあるのだった……いや、きっと、どんな組み合わせの夫婦にだって、描けりゃ描きたいこといっぱいあるはず。
『ダーリンは大阪人』やら『ダーリンは名古屋人』やら、はたまた『ダーリンは宇宙人』やら『ダージリンはインド人』やら……。
みんながそんなふうに、話をし出したらおもしろいだろうなあ。


追加。
今日のお昼ご飯の時、食後にブルーベリーをパクパク食べていた。
すると、手のひらから一粒、スルリと落ちたブルーベリーが、すっかり完食したきゅうりの酢の物の三杯酢の中にポチャンと入った。
あ~あ、でももったいないし、食べちゃお!と口に入れた。三杯酢のマントを羽織ったブルーベリー。まあ別に食べられなくも無い。
などと心の中で独りごちているわたしの目の前で、旦那がなんと、わざとブルーベリーを数粒、三杯酢の中にポトポトと落とし始めたではないか!?
「なにしてんのよ~?」と呆れるわたし。
「どんな味か興味あるから」
「けど、そんなんわざわざ試さんでも……」
「そんなこっちゃまうみ、凄腕のシェフにはなれんで~」……疲れる……。
うち版『ダーリンは外国人』でした

これもひとつの引っ越し手伝い?

2010年06月27日 | お家狂想曲
かあちゃん、なにしてるん?


本ニャンは手伝っているつもりでも、なかなかに邪魔な家猫。今日、友人夫婦が引っ越しには持っていかないと決めた家具の中から、分けてもらった物をうちに運び入れました。
引き出しの中を拭き掃除して、『WHOLE FOODS』でもらう紙袋を解体した紙を引き出しの中敷きに使いました。

あんたの遊び場とちゃうねんって!


引き出しが入るたんす。上半分が深い長持になっていて、そこに毛布や薄い布団を全部入れようと思っています。


長持の中。


この棚は、友人夫婦の集めたアンティークコレクションのひとつ。いろんな分厚い板を組み合わせて作られたもので、かなり重いです。


ふたつお揃いで買った本読みランプ。


一目惚れしたコーヒーテーブル。


うちの台所は、ガスコンロがポツンと離れた所にあるので、鍋を置いたり、ちょっとした準備をしたりするワゴンが欲しかったので。手前の開き扉の網が、昔懐かしい蠅入らずの戸棚を思い出させてくれます。


ちょっと趣が違うのだけど、中に折りたたみ式の椅子が4脚入っているコンパクトテーブル。いつかTが使うかな~なんて……勝手に計画中。


玄関ポーチにはこんなのが。


そして今日一番の重量級。わたしの背より大きな棚ふたつ。あんまり重いので、とりあえず地下に。


ちゃっかり紙類のストックを仕舞っちゃいました。


無言の「あんたは学生やで!勉強しなはれ!」圧力をかけようと、これまたコンパクトに収まるパソコン机。これはKの部屋に既に入れました。


これにあと、ちょこちょことした小物とガス椅子を入れて、今日は合計5回の往復をしました。
わたしはともかく、旦那も腰がかなりやばいようです。
明日はふたりそろって、カイロプラクティックに行かなければならないかも……。



あじさい受難

2010年06月27日 | ひとりごと


どこの誰だか知らない。知ったとしてもしょうがない。

お昼過ぎまで知らなかった。先に外に出た旦那が見つけた。旦那が指し示す先に、哀れなあじさいの姿があった。
それを目にしても、脳がそれをいくら理解させようともがいても、こんなことがあっていいのかと思う心が邪魔をして、言葉が思いつかなかった。

今頃どこでどうしているのか。
幸いにも、枝から折られたのではなく、根こそぎ引き抜かれているので、命がつながれている可能性が大きい。
せめて、こんなことをした人が、あのあじさいをわたしの代わりに楽しみ、愛でてくれることを祈るばかり。


旦那のオフィスの所有者であるドォン&ブライアン夫妻が、息子達も巣立ち、良い学区に住み続ける理由もなくなったので、高額な固定資産税(彼らの家で年160万円)でその名を馳せるモントクレアの町(わたし達が引っ越した理由もそれ)から引っ越すことを決めた。
自分達の手で改装し続けてきた愛すべき三階建ての持ち家を売り、隣町のこじんまりとしたアパートに住むことにした。
なので、趣味で集めた、ごつい板を組み合わせて作られた家具を一式売ることになった。
わたし達はその家具の一部を安くで分けてもらい、それらを今日の昼から、5,6回往復して運んでいる。
うちにはトレーニングで筋肉を鍛えている、チビだけど屈強な若い男が二人もいるというのに、急に頼むのがイヤな旦那は、出血中の五十路の妻をこきつかう。

道すがら、どこの家にも植えられている、すくすくと大きく育ったあじさいをついつい目で追いかけてしまうわたしの膝を、旦那はポンポンと叩く。

今まで寄りかかっていた仲間がいなくなったので、せめてこれで凌いでもらおう。


ごめんな、あじさい。どこかでまた、みんなが元気にしてますように。

疑惑のノーゴール

2010年06月27日 | ひとりごと
イギリスとドイツの試合を観ている。
どちらの国の血も流れている旦那にとっては、どちらか一方だけを応援するわけにもいかず、どちらも頑張れ!的に観戦している。
はじめ、ゴール間際のディフェンスが手薄になりがちだったイギリスの隙を突き、もちろんドイツ選手のうまさもあって、2点獲得。
その後、イギリスがゴールを決め、そして問題の、テレビの画面を観ているわたし達でさえ入ったと思われた2点目のゴールが、審判判定で幻となった。

テレビの解説者の話によると、1966年のイングランド大会決勝でも、西ドイツ-イングランド戦でイングランドのシュートがバーに当たり、ほぼ真下に落ちた。
この際は「ゴール」が認められ、イングランドが優勝。「疑惑のゴール」として物議を醸した。
それが44年後の今日、再び、競技場に居る大勢の人々と、44年前とは比べ物にならないほどに発達したメディアによって世界中のテレビの前に座っている我々のような者達の前で起こった。
まあ、今回の場合、疑惑というより、人間の目にも誤審とはっきりわかるものだったけれど……。

審判の判定は絶対。彼が◯と言えば○。彼が×と言えば×。モニター画面上で何万回、ボールが確かにゴールに入っていたことを証明したとしても。
会場はブーイングの嵐。選手達も憮然とした表情。審判はもう、後でモニターを見せられなくても、自分が大きなミスを犯したことがわかっているだろう。

ついさっき後半戦が始まった。ブブゼラの騒音を上回るブーイングと応援歌。今日は久しぶりに人の声が聞こえる。

サッカーもテニスも野球もフットボールも、どんどん進化した人間に打たれたり蹴られたりするのだから、ボールの動きを最後まで見極めることは、人間の目の能力をはるかに越えている。
その人間が開発したテクノロジーを適時適所に使うことは、別にそのスポーツを、そのスポーツを公正に競い合えるために審判する人達を、貶めることにはならないと思う。
どんなに動体視力に優れている人が審判になったとしても、スーパースローモーションでないとどうしても見極めがつかないような場面が出てくる。
人間の限界を露呈するようなことが、こんな、国を背負った選手達の闘いの場に起こらないようにしてほしい……とわたしは思う。

ドイツがどんどん加点している。とても速い攻めに、イギリスのディフェンスが追いついていけない場面ばかり。
運もある。誤審への憤りもある。作戦の失敗もある。スタミナの差もある。

けれども、最後まで腐らずあきらめず、とにかく頑張れ!イングランド!








米国あぁ~残念っ!事情

2010年06月26日 | 米国○○事情
同点のまま30分の延長戦に突入し、祈るような気持ちで観戦しましたが……残念ながら勝てませんでした。

今、今日の試合で唯ひとり、ペナルティキックで1点を入れたドノバン選手のインタヴューを聞きながらこれを書いています。
「試合のはじめ、選手達は心配が先に立ち、どちらかというと前に向かう気持ちに欠けていた。
何回も際どい、とてもいいシュートがあったけれど、決まらなかったら意味がない。存在していないのと同じだ。
とにかくただただクソッタレな気分です(アメリカンスラングの英語がポロッと出て、旦那が喜んでおります)」

今日も選手達、確かに最初の10分間ぐらいは動きがどこかぎこちなかったけれど、それ以降はまた、最後の最後まであきらめないフェアな闘いを続けました。

ところで、生理の出血が止まらないどころか、昨日の夜遅く、まるで尿のような勢いで出血し、さすがに少し心配になっていたわたし。
今日の観戦メニューは、隣町のチーズ屋さんから旦那が買ってきてくれた肝のパテとチーズとリースリング。完璧な貧血防止食をいただきながら応援しました。

さて、我が家が全力をこめて応援するチームは、もう日本だけになってしまいました。
いっぱい念を入れて応援するぞぉ~!


ちょっと気持ちを切り替えて。

我が家のりんごの木のりんごは、秋を待たずに、夏の終わり頃にはポトポト地面に落ちてしまうか、すっかり虫や鳥に食われてしまいます。
去年はそれでとうとう、試食のチャンスを逃してしまいました。
今年はなんとしても食べたい!
そこで、途中ではありますが、ふたつだけもぎ取ってきました。


大きそうに見えるけど、本当はちっちゃいです。ほんでもって食べてみると、グェッ!渋いっ!りんごとは思えないすごい味!

もひとつおまけ。ムクゲの蜜を集める蜂を見つけました。



あなたはだぁ~れ?

2010年06月26日 | ひとりごと
うちの庭には二羽、ニワトリがいます。
というのは真っ赤なウソです。

ウルグアイでもパラグアイでも腹具合でも、どっからでもかかってこぉ~い!!というコメントを、心の師匠であるShigaちゃんに褒められて浮かれています。
だから無視してくださってけっこうです。
韓国、残念でした。よく攻めたのに。仕事で後半全く観られなくて、結果だけを知ったのでした。
お昼からはアメリカです。今回のW杯は、ここアメリカでもやっとまともな扱いを受けて、全試合、どこかのケーブルで観戦できるようになりました。
それを知ったのはつい最近のことで、知らなかったわたしは、日本の試合をいつも、スパニッシュ放送で観ていたのでした。

それはともかく、うちの庭には本当に、たくさんの種類の鳥が生息していて(まあ、ジャングルみたいなもんなので過ごし易いのでしょう)、この時期、夜が明ける頃からうるさいのなんのって……みなさんノリノリで鳴きまくっておられます。

今朝、食器の片付けをしていたら、目の前のカエデの木からぶら下がっているケーブルコードに、見たことも無い鳥がとまりました。
目がとても精悍で、なにか攻撃的な気迫のようなものがひしひしと伝わってきました。
羽根全体の感じはハトに近いです。前のこの家のオーナーさん、伝書鳩をそれはそれはたくさん飼っていたそうで、裏の庭には巨大な鳩小屋が建っていた名残があちこちに見られます。



鳥さん、あなたはだぁ~れ?

生死

2010年06月25日 | お家狂想曲
旦那の友人にタラブという女性がいる。
旦那が鍼灸師になる!と決心し、鍼灸学校に通っていた三年間、彼と苦学を共にした大ベテランのマッサージ師さん。
年はわたしより十年ちょっと上になるから、旦那からしてみればもう母親に近い。
なので、医学用語や知識を詰め込まなくてはならない学校の授業やテストはかなり苦痛を伴うものになった。
分厚い専門書を何冊も抱え、それを一日中読んでいた旦那でさえ、国家試験や州の認定試験を通るのが難しかった。
彼女はその、最後の最後のところでつまずき、結局は正式に鍼灸師になれないまま今に至っている。
けれども彼女は、それはすばらしいマッサージ師で、彼女のファンも大勢いる。
彼女のご主人ハーブは美術家で、曼荼羅を生涯のテーマにして作品を作り続けながら、子供達の美術教育に心血を注いでいる。
そのご主人がつい最近、肺がんにかかっていることがわかった。かなり進行している。
ショックだったけれど、彼は教育者なので、このアメリカにしてはとても質のいい健康保険を持っていて、なのでいい治療を安く受けられる。
この国に暮らしていて、それが可能なのは大いに救いだ。
だからわたし達はとにかく、看病疲れが出てきているタラブを励ましながら、彼の様子も見守っていこうと思っていた。

その矢先、旦那の仕事仲間の女性から電話がかかってきた。「タラブが大変なの!死にかけてたの!」と。
え?だれ?ハーブじゃなくてタラブ?
混乱した旦那はハーブに早速電話をかけた。

突然の腹痛に見舞われたタラブは、まずこの地域周辺では評判のいい『セイント・バーナバス』という病院に駆け込んだ。
彼女はいろいろと痛みについて訴えるのだけど、その病院の医師はスキャンをせずに、彼女に飲み薬を与えた。
けれども痛みは一向に収まらず、それどころか別の場所にどんどん移動していっているので、ハーブは決意して、彼女を別の病院に連れて行った。
わたし達が住んでいた前の家のすぐ近くの『マウンテンサイド』という病院で、わたし達が入っていた保険では行けなかった、わたし達にとっては幻の病院だ。
すぐにスキャンやMIRを使った詳しい検査が行われ、彼女はあと半時間もしないうちに死ぬところだった?!という状態だったことが判明した。
原因不明の菌の感染が進んでいて、それが腸の壁も突き破り、内臓のあちこちを犯していたらしい。

旦那は見舞いに行き、彼女が本当に、死の間際まで引きずられていたことをまざまざと見せつけられて、大きなショックを受けた。
人は、こんな目にも遭う。そうして、ほんのわずかな決心のズレで、命を奪われてしまう。
今日はわたしもお見舞いに行こうと思う。
少しでもいい『気』を彼女に分けられるよう、庭の命の写真を撮ろう。
 
この夏用に買った吊り花。小さな白い花が可愛らしかったので。


「もうちょっときれいに咲いてる時に撮ってよぉ~」と、文句を言いたげなブリエッタ。


昨日、お水やりをサボっていて、かなり弱らせてしまった。ごめん!


ハエのデートを優しく見守るユリ。


つぼみが柔らかになって出てきたムクゲの花びら。


今年は去年より粒が少し大きいような気がする。


形はちょっと歪だけれどリンゴ。少しだけピンクに色づくと食べごろ?


まるで雑草のようなハーブ達。



みんな、わたしに力をおくれ!