ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

青春18切符

2009年07月31日 | 家族とわたし
懐かしい名前。
18才の頃のわたしは、まず生き続けられるかどうかが一番の課題で、旅行どころの話じゃなかった。
そしてこの切符が売り出された年にはもう26才、とある田舎の嫁をやっていて、青春どころの話じゃなかった。
けれど、このネーミングが好きで、いつかこの切符を使って、知らない町や村を訪れてみたいと思っていた。

Tが東京で苦戦している。
今は、空き部屋になったアパートを親切にも間貸ししてくれる人がいて、そこで寝泊まりさせてもらいながら面接や筆記試験を受けたりしている。
洗濯機が無いので、汚れ物は手洗い。この季節、室内干しをしてもしっかり乾かないと言っていた。
インターネットも使えないので、マンガ喫茶に行ってこのメールを送っていると言っていた。
充分なお金を送ってやれないでいるので、彼は倹約に倹約を重ね、いつもお腹を空かせている。
せっかくの日本なのに、楽しいことができないまま、風呂の浴槽で洗濯しているTの姿を想像した。
けれども、いろんな人の親切に支えられて、日本に滞在できていることを心から感謝している。

朝からじゃじゃ降りの雨。鬱陶しい空気の中、旦那と一緒に朝ご飯を食べていると、
「あ、青春18切符、あれを買ったらええやん!」といきなり旦那が言った。
まさか、旦那の口から、その名前が出てくるとは思わなかった。
彼は、友人とその切符を使って、広島に旅行したことがあるらしい。
電車の乗り継ぎなどでいろいろと困ったことがあったし、なにしろメチャクチャ時間がかかったけれど、それでも楽しかったと言う。

今日はこれから銀行に行って、Tが青春18切符が買えるようお金を振込むつもり。
二度目の面接は微妙。結果は1~2週間で出るらしい。
初めての、しかも単身日本での就職活動。風呂場での洗濯も含めて、彼にとって思い出深い経験になるよう祈るばかり。

   

おかんもおっちゃんも応援しとるでな。がんばりんしゃいよ!

米国町内会議事情

2009年07月29日 | 米国○○事情
こちらに来て初めて、町内会議なるものに行ってきました。
毎日目の保養をさせてもらっている美しいプールの持ち主ポールさんから、再三のお誘いをいただいていたわたし達。
けど、やっぱり今回はパスってことで、なんてテキト~なことを思ってたら、会議三十分前の雨の中をポールさん、またまたうちにおいでになり、トドメの一発。
「174 トーマスストリートね。時間は8時から。そこで会いましょう」

もうこりゃ行かんわけにはいかんわい、という状況になり、けれども旦那は患者さんの数が多かったので今夜はバテバテ。
Kが作ってくれた豚肉の生姜焼きと、自分で作ったきゅうりとミョウガの酢の物をガツガツと早食いし、しつこく降り続く雨の中、ひとりで行ってまいりました。

参加者二十名弱、町議会議員のロバートさんを相手に質問や要求の応酬です。
「隣り町のモントクレアの目覚ましい発展に比べて、ここブルームフィールドの遅れ様ったら……」
「だいたい、車体にモントクレアやグランリッジと書かれたパトカーはよく見かけるけど、ブルームフィールドは未だかつて見たことがない!なぜ?」
「何かが起こってしまう前に助けが必要なこともあるのに、警察は何かが起こらなければ動けないってどうよ?!けが人とか死人が出ないとだめってどうよ?!」

ブルームフィールドには二人の大金持ちの男がいて、その二人が事ある毎に町を相手に裁判を起こしていて、町はそれで動きが取れないんだ。

なにその言い訳?

誰もがメチャクチャ真剣。そしてくっきりとした意見を言います。たまに複数の人が同時にしゃべって、それでだんだん興奮して声が大きくなると、
コンッコンッと、まるで裁判官が小槌を叩くみたいに、誰かが壁をゲンコツで叩きます。するとスーッとみんなが落ち着く。なかなか面白い光景でした。
今夜、会議に来てくれたロバートさんは、長いこと警察にも勤めていたようで、皆が口々に言う警察への苦情を、苦笑いしながら聞いていました。

*『我々は見ているぞ』という看板を立てる。
*911に連絡するほどの程度ではない、けれども気になることが起こった場合はロバートさんにまず連絡をする。
*8月10日にある町議会に、今日のメンバーが出席して、持ち時間ひとり5分の間にそれぞれの要求を述べる。
*通りの安全性を高めるために、道を一方通行にし、その道の住人しか知らない抜け道を作る。
*減速をうながす凸凹を道につけたり、外灯を増やすなど、具体的に決めて速やかに設置する。
*町の発展を邪魔しているふたりの金持ちに、住民投票で圧力をかける。

などなど、他にももっとあったかもしれませんが、わたしが理解できたのはここまで。
でも、自分達の住む町を良くするのは自分達なのだ。という気迫と、口だけで終わらせないぞという次のステップへの準備の早さには感心しました。
それに、途中でワインやコーヒーが出たりして、白熱しつつもなかなか楽しい会議なのでした。

会議が終わった後、うちの庭に面している四軒の家の持ち主さん達といっぱい話しました。
ピアノを弾く時間が短いんじゃないの?もっと弾いてよ。窓とかもさ、バーンと全開してさ、ケチケチしないで。
嬉しいお言葉をありがとう。でもね、まだ今だからそう思ってもらえるのだろうけど、これがコンサートが近くなった日にゃもう、またぁ~って気になりますよ。

やっぱりおもろくて親しみがあって優しくて、ほんでもってエネルギーもある楽しいご近所。
次の会議はいつかな~。町内会議が楽しみになるだなんて生まれて初めてです。

ショッキングピンクの陰毛

2009年07月29日 | ひとりごと
子供の頃は、けっこう楽しみにして観ていた『ミス・ユニバースコンテスト』。もうとんと観なくなって長くなりました。
日本人の上位入賞などで報道に載った時にたまに読むぐらい。

けれども、この写真を見た時にゃわたし、目が・になりました。ほんでもって、慌てて旦那にも見せたら、旦那の目もしっかり・になってました。

これです↓



宮坂絵美里さん、本気でこんなの着てコンテストに出るの?平気なの?
マジで問いかけてしまいましたよ、写真の中の彼女に向かって。
彼女達って、ただ美しいだけじゃなくて、女性としてしっかり自立していて知性もあって、意見をちゃんと言えるんじゃなかったっけ?
もしかして絵美里さん、別にいいじゃんって思ってらっしゃる?

でもまあ、これは小市民のわたしの個人的な印象であって、イマドキのあのコンテストは、これぐらいのことが当たり前だったりするのかも。
と、自分で自分に言い聞かせていたら……、

いやあ、やっぱ同じような思いを抱えている人もいらっしゃったことが分かってちょっと嬉しかったのでした。

産經新聞のウェブサイトに載っていた記事です。
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/entertainers/090728/tnr0907281357010-n1.htm

ちょこっとそこから抜粋します。

ミス・ユニバースの最新情報を伝える米サイト「ビューティーイン ページェンツ」は「世界中のファンは一様にポルノ女優のようだという反応を示した。
この衣装が優勝の機会を損なうと考え失望した」などと論評。動画投稿サイト「You Tube」にも批判コメントが相次いでいる。

緒方氏(今回の衣装のデザイナー)は一連の批判について、同社のブログで《今年の狙いは、「着物は奥ゆかしき日本人女性の象徴である」という現代の日本人が作り上げた妄想と、「着物は未来永劫変わってはならない」という、これまた現代の日本人が勝手に作り出した不文律の否定》としたうえで、《日本人女性には世界を虜にする情熱的で官能的な一面がある》などと釈明している。

また、イネス氏(ミス・ユニバース事務局の有名プロデューサー。緒方氏を指名した張本人)も自身のブログで『ファッションの保守主義者や流行遅れの“恐竜”たちは彼女のコスチュームを批判していますが、ファッショニスタたちはそれを愛しています。私が気にするのはファッション産業の有力者の評価だけ』とコメントをしたそうな。

ファッションの保守主義者、あるいは流行遅れの“恐竜”たち。
そっかなあ……。日本女性の情熱と官能を、もうちょっと上品な、っていうか、それこそ和を尊ぶ気持ちが込められたもので表現できないものか……。

みなさんはどう思われますか?

サマーコンサート最終回

2009年07月28日 | 音楽とわたし
ここに何回か書いたけれど、モントクレアコミュニティバンドの面々はつくづく計り知れない人達の集まりなんだと、今夜新たに認識いたしました。
ほんと、先週のリハーサルのだらだら~、ピッチもがたがた~、小節迷子続出……はなんだったんだ?

夏の三連ちゃんコンサートの練習は、いつものとはちょっと違って、とりあえずテーマに合いそうなのを片っ端から演奏していき、それを三日に振り分けます。
なので、ちゃんと練習するというより、初見演奏の連続。ラッキーだったら多くて二回合わせられますが、それ以外は初見と舞台の二回のみ。
今夜のプログラムの中に、その初見中にどうしようもなくボロボロになって止まってしまったのが二曲ありました。
メドレー形式で十八もの曲が次から次へと現れ、それがまたリズムもテンポもバラバラ、調も変わりまくりで、フラットやらシャープやらが乱れ飛んでます。
多分こんなんやらへんって……とメンバーとブツブツ文句言ってたら……しっかり今日のプログラムの中に入ってまして、みんな顔面蒼白
曲の始めに、指揮者ワスコが「いいな、集中、集中だぞ!音符と僕の手から目を離すな!」とめちゃんこシビアなささやきがあり、いきなりみんなも真剣に。
そうなるとまるっきり人間が変わるのがうちのバンドの特徴で、あれまあ、びっくりしゃっくり扇風機!(←全然意味無し)涼しい顔してガチッとまとめました。

さえちゃんとボーイフレンドのハンサム君も来てくれて、今夜は休憩時間に話すことができました。
メンバーに、「あら~、娘さん?」なんて聞かれてしまいました。まあね、年からいうとマジで娘なんですけどね、ブツブツブツ……

舞台はライトの熱で蒸し風呂状態。今夜に限ってプログラムをカットせずに演奏したのでみんなバテバテ。
最後の常連曲『The Stars and Stripes Forever』なんて、ワスコの指揮なんか無視しまくっちゃって、速い速い、おいおい、落ち着けっつぅの
特急で最後まで行っちゃいました。終わったらみんな、目をグルグルさせてふぅ~とため息。
また秋に会おうね


明日から、音楽もみぃんな夏休み。コミュニティバンドも、ACMAも、秋までお休みです。
この期間にコツコツ、地道に自分を磨く!な~んて、毎年思いながらちゃんと実現できていません。
今年こそ、ピアノの指導法の研究や、ピアノ演奏、それからヴォイストレーニングに精出すぞぉ~!
ほんでもって、十月の自分の演奏と、生徒達の発表会曲を余裕をもって仕上げられるように練習すっぞぉ~!

有言実行、ですね






恐るべしOP&FK!

2009年07月27日 | ひとりごと
昨日、A子さんのお店(彼女の家の二階の巨大物置部屋)から、ふふん♪ふふふん♪とルンルン気分で選んできた食器です。
ファイヤーキングとオールドパイレックス、という種類の物だ、と教わりました。

三階の住人Kと、お客さん部屋に泊まる方々の水分補給のためのカップ。動物の絵柄が楽しかったので。



アンティーク好きの友人が、この四角いソーサーとカップを手に入れたと言ってとても喜んでいて、その時はなんで?と思っていたのですが……なんかかわいい。



プラスティックの容器を使わなくなったので、こういうガラス物もいいかな?古き良き時代のアメリカの、どの家庭でも使われていたそうな。



そしてこれ。赤ちゃんのミルクを計る計量カップだそうです。形が妊婦さんみたいで面白いです。麺つゆを入れたら楽しいかなと思って。



すっかりうちの仲間入り。朝の紅茶が楽しみです。




もともとガラス製品が好きな上に、昔のガラスの丸みと分厚さがこれまた大好き!
でも、アンティークにはメチャクチャ疎いわたし。せっかく家の食器の仲間入りをしてくれたのだからと、ちょっと調べてみると……。


『ファイヤーキングは、アメリカのオハイオ州にある『アンカーホッキング社』というガラス会社が1942年から1976年まで製造していたテーブルウェアのブランド。

ファイヤーキングのテーブルウェアは、安価でとっても丈夫で、オーブンにも使える耐熱性もあり、当時のアメリカ・カナダのほとんどの一般家庭で愛用され、レストランやカフェでの業務用としても多く使われてきました。
製造が中止された現在でも、まだファイヤーキングを使い続けている家庭はたくさんあり、
当時の「古き良きアメリカ」を彷彿させるカラーやその愛らしいフォルムなどの魅力により、日本でも多くの人に愛されています。
時を経ても愛され続けるブランド・・・それがファイヤーキングなのです。

ファイヤーキングはミルクガラスといって、普通のガラスとは違って透明ではなく、乳白色の色をしています。
透明ではないけどコーヒーなどをいれた時は中身が透けて見え、やさしい色合いを朝の光とともに演出します』と書かれていました。

ふんふんと読み進めていくうちに、いったい市場ではどんなふうに売られているのだろうと興味が出てきて……がぁ~ん……。
A子さん、ごめんなさぁ~い!知らないってことはほんとに罪です!
とんでもなく高価な物だったんでした。それをわたしは……A子さんの言葉にすっかり乗り上がっちゃって……わたしが払った額じゃたった一個でさえ買えやしない。

ヴィンテージだから、ということなんだけど、そりゃ、二度と製造されないってことなんだろうけど、恐ろしい値段がついていて、
でも、それをきっと買う人達がいて、だから商売として成り立っているんでしょうけど……。
A子さんのご主人やうちの旦那からすると、「子供の頃にどこの家の台所でもゴロゴロあった安もんの食器じゃん」とサラッと言われてしまう日常品だったのに……。

ようこそファイヤーキング&オールドパイレックスさん。
割らないように気をつけよっと。


山牛蒡&三つ葉

2009年07月26日 | 友達とわたし
うちの庭で穫れた山牛蒡。



さっそくきんぴらにして食べようとささがきを始めた旦那。



いや、でも、ちょっと待って。ちゃんと調べてから。



残念ながら、うちのはヨウシュヤマゴボウ(洋種山牛蒡)という名の、食用には適さないものでした。毒も少しあるそうです。
花が咲いた後にはこんな実がなります。色がとても濃いので、昔はインクに使われていたそうです。




昨日のパーティをすっぽかした旦那とわたし。今朝からお詫びの電話を入れ、よかったらうちでお茶でもしませんかとお誘いしたら、
今日は朝から部屋のペンキ塗りをしているので、よかったらこちらに来てお茶しませんか、と逆に誘っていただきました。
うちからすぐの大きな通りをひたすら西に走ること15分。通りから迷路のような道を入っていくととても閑静な住宅街になり、そこにMちゃんの家がありました。
楽しいアイディアと使い勝手の良さそうなクローゼットがいっぱいある、とてもすてきな家です。
ブラックラブと柴犬のワンちゃんは、昨日のパーティからお疲れの様子。
スパークリングワインとチーズで、いろんな話をしました。もしMちゃんとKがうまくいかなくなっても、わたし達はずっと友達。
な~んて、ふたりに申し訳のないことを思ったりしながら。

A子さんは、今の銀行の仕事をする前、日本人向けのアンティークをネットで販売していたそうで、二階の広い倉庫にマニアなら感涙もののガラス食器がわんさか!
わたしはマニアではないけれど、ガレージセールなどで単品で買ったアンティークの分厚いガラス食器がとても使い心地が良く飽きないので気に入っています。
A子さんの説明を聞きながら、気がついたら……また旦那に文句言われそう……。
水色の四角いソーサーとカップのセットや可愛いマグカップなどなど、本当はボールも欲しかったけど、それはまた今度。
それでもやっぱり、両方の旦那はかなり呆れてましたけど……。

ということで、またまた長~く付き合っていきたいご夫婦に巡り会うことができました。
庭で繁殖している三つ葉をいただきました。
家に戻って、なんだか面倒くさくなってしまって、残りご飯にお茶漬けの素と鮭フレーク、そしていただいた新鮮三つ葉を刻んでいただきました。
山牛蒡で始まり三つ葉で終わる。なかなかジャパニーズな日でありました。

失敗しました。

2009年07月25日 | 友達とわたし
朝露ドレッシング添えサラダを食べる家猫。



昨日から、朝の旦那の瞑想と太極拳の時間だけ、彼女も一緒に庭に出ることを許されています。
それまではずっと、旦那が摘み取ってきた葉っぱをもらって食べていた彼女。摘みたてホヤホヤだったけど、やっぱり自分でかじる方が美味しいようです。

食べ終わると少しだけ探検をして、旦那の横で彼女も瞑想?




今夜はふたつのパーティのはしごをする予定でした。
ひとつは、前の家の隣りに住むジャマイカン夫婦の結婚25周年記念パーティ。あとひとつは、息子Kのガールフレンドの大学卒業パーティ。
ところが今夜、わたし達は失敗をしてしまいました。
元隣人のK氏に「もうひとつのパーティにも呼ばれてるから、今夜は残念ながらゆっくりできない」と電話をかけたところ、
「だったらうちのパーティにまず来てよ。うちは半年前から約束してんだから。今日は特別な日だし、それだからこそ二人にぜひとも居てもらいたいんだ」と言われ、
まずはジャマイカンパーティに……二時間弱でおいとまするつもりが……突然の雷雨で準備が遅れ、食事も遅れ、気がついたら11時を過ぎちゃってて……。
がっび~ん!!
どうする?どうするって……行ってみるっきゃないやん……行ってみるって……遅過ぎやん!……いや、卒業パーティはたいてい夜中までやってる。マジ?
仕方がないので、とりあえず車を走らせました。地図を見ながら、近くまで行きましたが、どの家も静まり返っています。
当たり前です。夜中の12時なんですから。
ずっとつながらなかったKの携帯にやっとつながりました。
「どこ?」
「あ、えっと、めちゃ近くまで来てる」
「なにしてたん?」
「K&Aのパーティが始まるのがめちゃくちゃ遅れてん。そっちはどんな感じ?」
「どんな感じって……もうみんな帰って親も寝てしもてるけど」
「あ、やっぱ。そらそやんな。Mちゃんにごめんって言うといて」

明日にでもお詫びの電話をかけて、お茶にお誘いしてみよう。Mちゃんにプレゼントも買ってあるし。

やっぱり先にMちゃんのパーティに行っておくべきだった……とブツブツ後悔しながら運転するわたしの横で、さすがジャマイカンタイム……とひとり納得している旦那。
そうでした。ジャマイカでは、とても遅い時間にご飯を食べるのは日常のこと。しかも時間をかけてゆっくりいただきます。
さらに夜更かしをして小腹が減ってくると、ジャマイカンマーマレードをたっぷりつけたトーストを食べたりするそうです。

時間がゆっくり流れていくジャマイカ。いつか行ってみたいなあ。

追伸。

お祝いのケーキがとてもすてきでした。長方形のケーキの上に、結婚式の誓いの言葉の後でキスしている彼らの写真を模写した絵が描かれていました。
ジャマイカの観光業を営んでいるK氏と、ジャマイカ料理のケータリングをしているM女史。いつだってラブラブの魅力的な夫婦です。
彼らはわたし達家族にとって、それはそれは温かく親切な隣人でした。九年間、とてもよくしてもらいました。
これからもずっと友達。お互いにハグしながら約束しました。

嬉しいメール

2009年07月24日 | 家族とわたし
有難う。俺はやっとテストを一つパスした。
やっとまた面接できます。


息子Tから、こんなメールが届きました。
就職活動は思いのほか大変で、目指していた大きな企業はもう募集を終えていて、他の会社を当たっているのですが、
面接にこぎつける前の筆記試験で文章を書く時、漢字が書けなくなっている自分に愕然として、すっかり落ち込んでいたT。
唯一受けることができた会社の面接では、緊張のあまり、そこに居る誰もが分かるぐらいに体が震えてしまったT。
面接の後、横に座っていた女の子に、「震えてましたよね」と言われて、さらに落ち込んだT。
今回の帰省で、会社の内定をもらうという目標は諦めて、せめて次の就職活動に活かせるよう、筆記と面接の経験を積みたいと考え直したのですが、
如何せん、まずは筆記に受からなければ面接を受けられないという大きな壁にぶつかっていました。

どこの会社なのか分からないけれど、彼に面接のチャンスをくださった方々、本当にありがとうございます。

ひとり、日本に行って初めての就職活動をしているT。節約のためか、ちゃんと食べていなかったりして、お腹が減ってたまらん、などと言って心配させるT。
でも、会社に送る文面の校正のお願いメールが送られてきて、それをわたしなりに直したりよく書けていると褒めたり、
すると、メールの最後にはかならず、ありがとう!と言ってくれるので、わたしはそれが嬉しくて、彼からのお願いメールを楽しみに待つようになりました。

今回は「有難う」が真っ先に書かれていて、それがまた嬉しい母なのでした。
ただの親バカ、ですね。

ドボルザークを弾く

2009年07月24日 | 音楽とわたし
ジェーンがうちに来て、十月のコンサートに弾く連弾の合わせをしました。
なぁ~んちゃって、合わせというより、わたしの場合はまたまた初見演奏。
彼女が持っている『レジェンド』の本は町の図書館から借りている本で、どこの会社に問い合わせてみても見つからなかったので、今日彼女がうちにコピーを持ってきてくれるまで練習はお預けになっていました。

ふたりで、プリモとセカンドパートを弾きっこしてみて、どの曲のどのパートを弾くのがいいか決める作業もしました。
舞台で弾く曲は時間制限を考えて三曲。『レジェンド』の三番と五番、そして『スラブ舞曲』の八番にしました。
ずっと同じパートというのもつまらないので、本を変える時にパートも変えようということになりました。
一曲につき二回ずつ、どちらのパートも弾いてみて、バランスや音色、全体の雰囲気などを考え、『レジェンド』はわたしがプリモ、『スラブ舞曲』はジェーンがプリモを弾くということになりました。

一般的に『スラブ舞曲』の方がよく聞かれる曲だと思います。
ドボルザークの『スラブ舞曲』は、師匠であるブラームスの『ハンガリー舞曲』に倣って、スラヴ民族の民謡や舞曲を基に作曲されたものです。
わたし達が選んだ八番はどちらかというと好みの曲ではないのだけど、残っている演奏時間と最終曲らしいエネルギーと派手さがあるので決めました。

夏の終わりに第一回、秋に入って第二回、コンサート前日に最終リハーサルがあります。第一回目までにほとんど完成しておくように、とメールが送られてきました。
前回のディレクターミーティングでも、まだ練習を始めてない人なんていないよねえ~と皆が笑いながら言っているのを、首をすくめて聞き流しているのが若干ニ名、
ジェーンとわたしなのでした……ダハハ!

三曲とも、初見でもなんとかなってしまう程度の難易度ですが、何事も「なめたらあかん!」を信条に、真摯に取り組みたいと思います。
今回のコンサートは、素人にしてはよく弾ける者が集まって、こんな難しいのも弾けます、どんなもんじゃい!みたいなのだけは避けようということで、
耳と心に心地良い、けれどもそれなりに聞きごたえのある曲を集め、演奏する側も聞く側も、共に気持ちのいい時間を過ごせるようにプログラムを組みました。
他にもソロのコンサートも少しあるので、そろそろ本気で練習に取り組もうと思います。
ご近所さん、こんなうるさいわたしですが、どうぞよろしくお願いします。


電磁波

2009年07月23日 | 友達とわたし
プリンストンにあるスコット&ベニースの家に遊びに行ってきました。
彼らは今、ベルギーを本拠地として暮らしているのですが、そろそろこちらに戻る準備をし始めたようです。
地図を見ながら走り、一時間弱経った所で辺りに閑静なお屋敷が並び始めたので、そろそろだね、どこだろね、とキョロキョロしていると、
うわっ!なんじゃ?



ある一軒の家の前庭に、でっかい生き物が動いています!や、野生の七面鳥ご夫婦!?
慌ててカメラを取り出し、通り過ぎてしまった車をそろ~りそろりとバックさせ窓からパチリ。
それまではボォ~ッとしていたわたしでしたが、いっぺんに目が覚めました。
あれ?家の番号、もう通り過ぎちゃってへん?
旦那に、いいブログ写真が撮れて満足?なんて聞かれながら家の番号を読んでいたのですが、なんか変、行き過ぎてます。
おかしいなあ、どこかなあ、と首を傾げながらもと来た道に戻る旦那。
スコット&ベニースの家は、なんと、あの七面鳥カップルが散歩していた庭だったのでした。

まだちゃんと住んでいないのに、庭のすてきなこと!どこかのお寺の境内っぽい、しっとりとそぼ降る雨に濡れて緑も土もとてもきれいです。

 

今日はあいにくの天気でプールパーティとはならなかったけれど、直線で泳いでもいい距離がある、深い所はダイビングもできる、昔風スタイルのプール。

 

プールのすぐ横に、家と同じデザインの小屋が建っています。プール管理室だそうです。丸いタンクが水質を保つための機械。

 

全面ガラス張りのリビングから見えるプール側の庭。




さて、ため息の出るような庭を見ながら、ベニース手作りの美味しいパスタをいただきました。
スコット、ベニース、旦那、そしてもうひとりのゲストジョーウィは皆、ペンシルバニア大学からの友達。
なので、同窓会のような雰囲気の中、スコットが患った癌の話になりました。

「一番ヤバかった時から3年半が経って、半年ごとに検査を受けてるけど、今のところは大丈夫。けど、僕は真剣に今、電磁波の害について考えている」

彼はベルギーで電話会社を設立し、ベルギーを代表する会社に育て上げた人です。
仕事上、いろいろな電話を研究するために、特に携帯に力を入れて始終使っていました。
彼が、何の前触れもなく、遺伝でもなく、特に原因になるような生活をしていたわけでもないのに、何億分の一で発生する癌にかかったのはなぜか。
いろんな人がいろんなことを言います。運が悪かった。もしかしたら遠い親戚からの遺伝かもしれない、などなど。
でも、その道に精通している優れた医者が寄ってたかってとことん調べ尽くしても分からない原因……だからこそそれは、もしかしたら、灯台下暗しなんじゃないか?と彼は考えているようです。

彼が癌にかかる前に、かなり長い間身につけていた、それも、右耳にひっかけていた携帯電話、それが災いして彼の右耳の奥に奇妙な癌を発生させたとしたら。

彼はこう力説していました。
「人は皆、でっかい物(例えば高圧線など)ばかりに気が行ってしまってるけど、本当に怖いのは家の中の、身近にある小物なんだ。なんでもワイアレスになって便利になった分、家の中は電磁波がウジャウジャするようになった。携帯はもちろん電話の子機からはものすごい電磁波が出るから、絶対に寝室とかに置いちゃダメ!パソコンも、ワイアレスで何台も使っている家は気をつけた方がいい。ルータを寝室に置いちゃダメ。誰かがパソコンを使っている間中汚染されるから」

携帯電話や電話の子機を枕元に置いてはいないけど、パソコンはワイアレスで、しかも夜中にKがパソコンを使いまくっています。寝室のクローゼットに置いたルータ、なんとかせにゃいかん!話を聞きながらドキドキしてきました。

ヨーロッパでは、大人より抵抗力の弱い子供に携帯電話を持たせないよう、あるいは使用する時間を制限したり、体からなるべく離して使うよう、国からの指導があるそうです。

家に戻ってから、早速電磁波のことを調べてみました。
昔、電子レンジが調理をしている間、レンジの近くに立って待たない。中がどのような様子か見るのはもっての他、とよく言われたのを覚えています。
時代が変わって、周りの物がどんどん進化して便利になって、もしかしたら気がついた時には手遅れ、みたいなことになってしまうのでしょうか。


『送電線や一般的な電化製品の超低周波から発生する磁場は体内に誘導電流を引き起こし、携帯電話や電子レンジ等の高周波(マイクロ波)から発生する電場には加熱作用が有り、これらが電磁波過敏症の一因となっているのではないかと考えられています。

電磁波過敏症は、アメリカの医学者ウィリアム・レイ博士によって命名されました。
博士によると、電磁波過敏症の患者の特徴は、最初に目、皮膚、神経に症状が現れます。そして次に呼吸困難や動悸、めまいや吐き気などの症状が現れてきます。また、疲労感やうつを伴う頭痛や短期的な記憶喪失、手足のしびれやまひが起こってくる人もいます。

電磁波対策先進国のスウェーデンやデンマークでは電磁波過敏症は認知され、公的保健の対象になっています。特にスウェーデンは1995年に国策として「プルーデント・アボイダンス(慎重なる回避)」が確認され、労働者の安全と健康を守る法律をはじめ、コンピュータ画面からの電磁波放射の規制を制定し、その規制をクリアした製品しか販売できなくなっています』

いろいろと考えさせられた日でした。


追加で。

二枚の庭の写真のうち、右側の写真の中に写っているそれはそれは大きなメイプルの木、その木は七面鳥一家の宿り木なのだそうです。
夜、グエッグエッとけたたましく鳴きながら大きな羽根をばたつかせ、全速力で助走して飛び立つ彼らの姿は、かなりの迫力があるのだそうな。
わたしはそれまで七面鳥はテクテク歩くだけで、飛んだとしても、ちょいとジャンプする程度だと思っていました。
見上げてもてっぺんまでなかなか見えないほどの高い木に飛びつけるだなんて、まだまだ知らないことだらけ……です。

スコットの子供達、9才のゾーイと11才のギャヴィンはとても利口で可愛くて、彼らが演奏するヴァイオリンに合わせてピアノを弾いて楽しみました。
「これ、日本の歌だよ」と言ってゾーイが見せてくれた楽譜は『くつがなる』の歌でした。
一緒に演奏しながら、心の中で「お~て~て、つ~ないで、の~み~ち~をゆ~けば」と懐かしく歌いました。