ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

今回の総選挙は、秘密保護法の、原発の、是非を国民に問う国政選挙。誤摩化されないで!棄権しないで!

2014年11月18日 | ひとりごと
いっぱいいっぱい書きたいことがあるのですが、

う~ん残念、いくらなんでも無理でした!

発表会、無事に、というか、いつもにも増して盛会に終えることができました。
たくさんの方々が支えてくださったおかげです。
生徒たちも、とても頑張りました。
みんなどうして、あんなふうに、本番に強いのだろう…。

半日で、お土産やカバン詰めをやってしまうというのは、やはり無謀でした。
あれこれ急いで、考え事をしながらお店の中を歩いていたので、棚のすぐ下に置いてあった段ボール箱にも気がつかず、
思いっきり引っかかって、買い物カゴごと、ど派手に横っ飛びしてしまいました。
もちろん、その場に居た買い物客さんたちはビックリ仰天!
お店の従業員さんたちが、ワラワラと集まってきて、水を汲んできてくれたり、椅子を持ってきてくれたりと、大騒ぎになってしまいました。
なんか今年は、こういう風景の中の、倒れているわたし…というパターンが多いような…とほほ。


これからやっと眠りますが、あと4時間もしたら起きなくてはなりません…。

今日は一日中、冷たい雨が降っていました。
時にはとても激しくなり、また浸水の心配をしなければならない地域が出てきているようです。
もう外の気温は零下です。
今夜からグンと冷え込んで、最高気温も零下の予報が出ています。

空ちゃんと海ちゃんを、元の里親さんのトレーシーの所に預けに行ってきました。
トレーシーはこれまでにもずっと、レスキューされた犬を預かって、里親探しをするボランティアをしてきた人です。
空ちゃんと海ちゃんは、だから初めての猫だったのでした。
で、彼らの世話をしていたら、すっかり猫にハマってしまったらしく、
今日行ったら、彼女の部屋には、まだ数週間の赤ちゃん猫が4匹も居て、
そこに、ずっと里親が見つからないまま預かっている、小型犬が2匹居て、
さらに、あなたはほんとに猫ですか?と、マジで聞きたくなるような、めちゃくちゃデッカイ猫が居て、
さらにさらに、顔の真ん中が陥没してしまっている、多分そのせいで、里親が見つからなかったペルシャ猫が居て、
空ちゃんと海ちゃんは、ぼんやりと場所を覚えているような素振りを見せてはいましたが、かな~りパニックに陥っておりました…。
やっとこさうちに慣れたと思ったら、なんじゃこりゃ~!みたいな気分だと思います。
ほんと、まるでキャンプ?みたいな…。

でも、でも、この寒さなので、誰も居なくなる一軒家にあの二匹だけを置いて行くというのは、いくら餌やりとトイレの世話をしに来てもらったとしても、やっぱり心配です。 
なので、10日間、かんべんしてね~!

ということで、こんな夜中に、11月いっぱいはお休みです、のお知らせを書いています。



でも、ちょっとひとつだけ。

安倍政権が解散選挙を仕組みましたね。
で、その理由がまた、ちゃんちゃらオカシイので、もう聞く必要もないですね。
そしてなんと、その総選挙中に、秘密保護法を通そうとしているのですよ?!

なので、わたしたちの方から、
・特定秘密保護法
・集団的自衛権の行使容認
・TPP(環太平洋経済連携協定)協議への参加
・基地問題
・消費税増税
これらすべてを、選挙の争点に上げて差し上げましょう!

新聞もテレビも、どうせちゃんと報道しないのだし、わたしたちが各自で、市民報道人になって、ワイワイ騒ぎましょう!

そして特に今回こそは、『原発議員』らを、一人残らず落として差し上げましょう!

もちろん、その頭首である安倍さんもです!



写真引用:日刊ゲンダイ/政権復帰でやりたい放題 総選挙でサヨナラ「原発推進議員」より
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/155003/3

空と海と発表会と

2014年11月15日 | ひとりごと
明日は生徒の発表会。
去年、スタッフの手違いで、建物には誰もおらず、もし偶然に教会の関係者が散歩で通りがからなかったら、発表会を中止しなければならなかったというスリルを味わったことから、
今年は場所を変えて、別の教会を使わせてもらうことにしました。


ここは、前に住んでいた町の、その名も『Church Street』という通りにある教会です。
何年か前の夏に、専属の演奏者が休暇を取っている間の、日曜日のサービスの演奏を頼まれて、何度か通ったことがありました。
貸していただく部屋は前の所よりずっと広く、ピアノのコンディションも素晴らしいので、とても楽しみにしています。

ということで、
「最後まであきらめずに頑張ろ~」の臨時レッスンが、だから今週はてんこ盛りでした。
今年は特に、ギリギリセーフの子が多くて、ちょっと胃がシクシク痛んでおります。

なのでプログラムも、もう絶対に変更しないというところまで待って、今日の午後にやっと完成。
それに合わせて、二部の、連弾演奏の伴奏譜を、プログラム順に並べ、一通り弾く練習をしました。

頑張ったで賞のトロフィーを、小さな紙袋に入れ、そこに印刷した名前を貼付けたり、などという細かな作業をしながら、
ブログを書いたり、猫の世話をしたり、家事をしたり…でも、火曜日に飛び立つ旅行の準備は…全くのゼロ…。

旦那が、1部と2部の間の休憩『お楽しみタイム』用の、甘いもん色々や飲み物、それからプラスチックの食器や花束などを、せっせと買いに行ってくれて大助かり。
さて、もう忘れていることは無いかしらん…。


と、ニンゲンがうろうろと忙しくしている間も、やはりネコはネコ、マイペースで生きております。


今や、ピアノは彼らの憩いの場&遊び場と化していて、レッスン前に必ず、せっせと乾拭きしないといけません。

やけに窓の向こうがうるさいな~と見に行くと、


やっぱり…。

海ちゃんの耳の血潮が、お日様の光を受けて、くっきりと見えます。


いったいアレは誰なのニャ?


と思いきや、すぐに飽きて、空ちゃんの尻尾をチャイチャイする海ちゃん。




ボクの尻尾はオモチャちゃうねん。


なんとなく、仔猫から猫になりつつある海ちゃん。


荷物の詰め物も、彼らには恰好のオモチャ。


なに盛り上がってんの兄ちゃん…。


いくでいくでぇ~!


かかってこぉ~い!


陰と陽で爆睡中。

わたしたち地震国市民は、原発の再稼働は二度とさせない!許さない!

2014年11月14日 | 日本とわたし
川内原発再稼働に群がる原発イケイケ集団の、あまりにもいい加減で無責任な言動について、
ご自身のブログ『明日に向けて』に詳しく書いてくださっている守田敏也さん。
その中のひとつを、ここに紹介させていただきます。

同志社大学社会的共通資本研究センターの客員フェローでおられた守田さんは、日本の森林についても造詣が深く、
林業の衰退を大きな背景として進んでしまった松枯れ現象や、カシノナガキクイムシの北東への移動によるナラ枯れの進展など、
各地で発生している集団枯損によって、疲弊を深めている日本の森林を守ろうと、
福島原発事故以前は、ナラ枯れ対策で、主に、京都付近の山々を駆け回っておられました。
そんな守田さんならではの視点から、川内原発の再稼働は絶対に阻止しなければならない理由を、説明してくださっています。

↓以下、転載はじめ

一番大切なのは命の源である社会的共通資本としての自然だ!
原発再稼働絶対反対!!

2014年11月14日

守田です。

川内原発再稼働について、昨日、鹿児島県伊藤知事の記者会見への批判を書きました。
その中で、九州電力が、設備の根本を抜本的に変えるのでもない付け足し的な対策で、
想定外の事故であるメルトダウンが起こっても、格納容器を守り、福島原発事故の約2000分の1に放射能漏れを抑えると、豪語していることを紹介しました。
これを原子力規制委員会が、「絶対に安全だとは言わないが」などと言いつつ受けてしまい、
さらに伊藤知事が追認してしまったことを、明らかにしました。
こんな重大な決定が、誰もが最後の責任を回避しながら、まかり通ろうとしています
福島原発事故で、これまで誰一人逮捕されておらず、東電に対して、税金を使った救済ばかりが行われるのをみて、
これらの人々は、「責任などとらなくても良い。罰せられることもない」と、学習してしまったのでしょう。
しかし、そのことで、もっとも大事なものを、私たちの国は失う危機に直面しています

福島原発事故のとき、日本列島に住んでいる私たちは、原子炉から放出されたすべての放射能を浴びずに済みました。
原発から出た放射能の多くが、地上に落ちずに、洋上へと流れて行ったからです。
もちろん、関東、東北を中心に、大変な被曝が発生したし、
洋上に流れたものの一部もまた、ハワイやアメリカを激しく汚染し、海も深刻に汚染してしまったわけですから、
心からいたましく申し訳ないことであり、「幸い」などとは絶対に言えないことではあります。

しかし、川内原発が事故を起こしたら、どうなるでしょうか。
毎年列島を訪れる、台風の進路などを考えれば分かるように、
鹿児島で吹き上げられた放射能は、その大半が、日本列島を横断していくことになります。
洋上に落ちたものも、黒潮や対馬海流にのって、列島を囲むように流れていきます

川内原発事故は、もっとも大量の放射能を、日本列島に飛来させる可能性があるところに、位置しているのです。

台風だけでなく、毎年、中国大陸から飛んでくる、大量の黄砂を考えても分かります。
そうなると、私たちの国の山々や大地は、福島原発事故をはるかに上回る放射能汚染を、被る可能性があります

そのとき、私たちが失うのは、日本列島にたくさん存在している、美しい森林に支えられた自然です。
現在、国土にしめる森林面積は67%
世界平均約30%に対して、ダントツの割合ですが、
福島原発事故が教えたように、森林ほど汚染されたときにやっかいなものはない

もちろん除染などできないし、さまざまに濃縮が起こって、汚染がより深刻化してしまいます
それがどれほどの損失になるのか、私たちは今一度、深く考え直す必要があります。

私たちの国の森林は、四季の影響で、常に顔色を変えていく特徴を持っています。
古来より、この列島に住んだ人々は、四季折々の美しさを、多様な形で表現してきました。
その一例として、俳句では、「山笑ふ(春)、山滴る(夏)、山粧ふ(秋)、山眠る(冬)」と詠まれてきました。
この山と森の美しさは、日本列島が、南北に長く、幾つかの気候帯をまたいでいることにも関係があります。
日本海側と太平洋側でも、著しい気候の違いがあり、木々をはじめ、生物の種類を豊かにしているのです。

このため山々には、常緑樹と落葉樹、広葉樹と針葉樹が混交しています。
南から北、西から東へと、目まぐるしく様相が変わるだけでなく、高度によっても、木々の分布が変わってくる。
このため、山々を登っているだけでも、実に多様な木々に出会えるのです。
さらに、アジア大陸のヒマラヤ山塊をまわってくるジェット気流が、私たちの国土に、たぐいまれな状態を作り出しています。
一つは、冬に北西風が激しく吹き、日本海から蒸発した、水分をたくさん含んだ雲が到来するので、豪雪が降ることです。
これらの雪は、山々に雪渓を作りますが、実は、私たちの国が位置する緯度帯で、これだけの雪渓が作られる国は、ほとんどありません。
極めて珍しい現象なのです。
この雪渓が、巨大な天然のダムとなり、春から夏にかけて、麓に潤沢な水が安定的にもたらされます。
そのために、日本海側に、たくさんの米どころが形成されてきたのです。
反対に、太平洋側には、やはりジェット気流に乗って、夏に繰り返し台風がやってきて、列島を横断して、膨大な雨を降らせていく。
この大量の水が、植物をよく繁殖させますが、冬と夏で降水量が反対になるため、日本海側と太平洋側で、大きな植生の違いが生じてきました。
それが、作物の多様性も支えてきました。

ちなみにジェット気流は、ヒマラヤ山塊から、たくさんの高山植物の種子をも運んできます。
このため、日本の山々にはやはり、この緯度帯のこの高度では見られない貴重植物も、たくさん生息しているのです。
さらに、気候帯も、沖縄などの亜熱帯から、本州では、西側の暖温帯と東側の冷温帯が、中部山岳地帯で重なり合いつつ連続的に分布しており、さらに北海道には、亜寒帯も見られます。
一方で、瀬戸内には、雨が少ない内陸性気候的な地域も広がっています。
これらが、それぞれに違った植物を生息させ、多様な生物の住処を与えるため、
山にも里にも、ものすごく膨大な種の昆虫が発生し、チョウやバッタなどが、さまざまに飛び交います。
とくに春先に、一斉に木々が芽吹くと同時に、昆虫が発生するので、鳥類に、子育ての最高条件を与えることになるため、
ものすごく多様な種が発生するし、さらに、海の向こうからも渡ってきます。
たくさんの芋虫たちが、ひな鳥の成長とともに、大きくなってくれるためです。
春先の賑わいは、この生命連鎖が作りだしているものです。

こうした、動植物が生息しやすい条件は、先にも触れたように、私たちの国の農の営みにも、大きく貢献してきました。
何よりも、生物にとってもっとも大切な水が、豊富に降ることが大きい。
そのもとに、さまざまな種の命が、発生できることが大きい。
ただし、そのために、この列島に住まうには、古から自然を大事にし、敬虔な気持ちで、手当をし続ける必要がありました。
私たちの国土には、膨大な雨が降るため、洪水が起きやすく、川も氾濫しやすいのです。
一方で、一気に、山から海まで水が駆け降りてしまうため、瀬戸内に顕著なように、渇水も起こりやすい。
だからこそ私たちの先祖は、歴史的に、営々たる植林を行ってきたのでした。
さきに、私たちの国土の森林面積は、現在では67%と書きましたが、
こうした自然=神々への敬虔な気持ちを忘れ、自ら「神国」と名乗って戦争にあけくれた、第二次世界大戦末期には、50%を切ってしまっていました
森林が乱獲されたためですが、そのため、戦争で焼け野原になった私たちの国は、直後に、繰り返し大変な洪水にも襲われたのでした。
ではどうして、森林は回復してきたのか
主要には、荒れた山々をもとに戻すために、山里の人々が、営々たる植林を行ってくれたからです。
このもとで、私たちの国の山と森は、だんだんに再生してきたのでした。

その後に続いた高度経済成長は、この森林の再生に、大きな恩恵を受けました。
なぜか。
工業は、膨大な水を必要とするからです。
例えば中国では、急速な工業化のもとで、水を使い過ぎてしまい、黄河が毎年、何日も干上がって問題化しています。
各地で、深刻な水不足が発生しています。
そればかりか上流域で、どんどん砂漠化が進展し、首都の北京などが、毎年大変な砂塵に襲われてしまっています。
現在の中国の森林面積の割合は、18%しかない。
このことが、中国の抜本的な危機である
、とすら言われています。

もっとも、日本の森林も、この間、山里への感謝を忘れたままに迎えた林業の衰退を、大きな背景としつつ、
松枯れ現象や、カシノナガキクイムシの北東への移動によるナラ枯れの進展などで、集団枯損が発生し、
各地で疲弊を深めており、けして楽観できない状況にありました。

実は、僕自身は、福島原発事故以前は、このナラ枯れ対策で、主に京都付近の山々を、駆け回っていました。
しかし原発事故以降、森林保護活動に、まったく手が回らなくなってしまった。
美しい自然を守り、次世代に引き継ぎたいと願って、友人たちとナラ枯れと格闘していたときに、
膨大な放射能が、山河に降り注いでしまったからです。

その点で僕は、関東、東北の山々のことも、本当に心配です。
ナラ枯れは、日本海側を駆け抜けるようにして北上し、東北山脈を越えて、太平洋側へと入りつつありました。
東北は、日本の近代化のために、森林資源の大供給地とされ続けてきたため、実は、ナラ類の純林が多い地域です。
純林は、害虫被害などに弱い森林です。
「だから対策をしなければいけない。そのために、東北の山林にいきたい」

そう考えて、実際に、コナラが5000本もある、東北大学植物園の素晴らしい森に入り、研究者の方とも出会えて、
今後の関わりの展望を、作り出しつつあったのが、2010年の秋でした。
しかし、その関東・東北の山々に、あろうことか、膨大な量の放射能が降ってしまったのでした。

森林はどうなっているのだろう。
動植物はどうなっているのだろう。

ごくごく一部の研究者たちが、チョウ類に影響が出ている兆候をつかんで、研究発表し、警鐘を乱打してくれています。
また、東北のオオタカに激しい被害が出ているという、ハンターの方たちからの情報を得たこともあります。

しかし、国は、何らの対応も研究もしようとしていない

山と森は、ほったらかしにされたままです。
もちろん、そもそも人間に対しても、まともな被曝防護がなされておらず、対策の不備どころか、調査そのものが回避されており、動植物のことなどは、二の次三の次の状態です。
私たちとしても、当然にも、人を救うことを最優先せざるを得ない。
いや、それすらも、とてもではないけれども、手が回っていない厳しい状態です。

しかし、大自然は、私たちの生きる土台です。
まさに、私たちの命の源である、社会的共通資本なのです。
だから、自然が可哀想だとかいうことではなくて…いや、確かに、胸が痛くなるほどに可哀想であり、申し訳ないのですが…、
このままでは、私たちの生きる基盤が、じわじわと崩れていってしまいます
私たちの国の自然力は、一見あまりに強いので、山々は、放っておいても木々を復活させてくれる、かのごとき錯覚が生じてしまいますが、そんなことは断じてない
実際、戦争のときも、山々が疲弊し、その後に、大規模水害が多発したのです。

今、私たちに必要なのは、関東・東北の人々を救うことを、より進めることを大前提にですが、
もともと疲弊を強めていた、日本の山と森と、そこを守る山里の人々への、手当てをすることであり、
放射能の被害を調べて、可能な限りの対策を試みていくこと
です。
しかし、そんなときに、九州で原発事故が起こり、台風が通過していくように、日本列島が放射能汚染にまみれてしまったら、どうなるのでしょうか
私たちの国はもはや、立て直すポテンシャルを失い、崩壊してしまうのではないでしょうか

いや、その可能性が、非常に強くあるのです。
だからこそ私たちは、川内原発のことを、たとえ遠くに離れていると感じても、「九州の果てのこと」などと思うことは、絶対にできないのです。
遠いどころか、台風など、1日で関西、関東、東北にまでやってきて、北海道に抜けていくこともあります。
私たちの国に、多大な恩恵をもたらしてきてくれて、雪渓や高山植物など、世界でもまれな自然条件を私たちに与え続けてくれたジェット気流が
今度は、放射能を運んでしまうことになるのです。
そうなったら、絶対絶命です。

にもかかわらず、
これほど重大な危機が隠されている原発の再稼働が、誰も本気で責任をとろうとしない人々によって、今、進められようとしているのです。
これに対し、九州の方たちが、本当に素晴らしい頑張りを、続けて下さっています
ここに、全国各地からかけつけて、奮闘してくださっている方たちもたくさんいます
何より、現場のこの奮闘を、私たち自身の命を守るものであることを肝に銘じて、連帯していきましょう
思いつく限りの、すべてのことをしましょう

日本列島に住まうすべての命を守るために、社会的共通資本としての自然を守るために、熱く連帯して頑張りましょう!!

『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』矢部宏治著

2014年11月13日 | 日本とわたし
エネルギー基本計画に対する原発への賛否について、市民から届けられたパブリックコメント。
みなさんの中にもきっと、コメントを送られた方もいらっしゃると思います。
わたしも書きました。

そのコメント総数1万8711件を、朝日新聞が分類したところ、

原発反対がなんと、94.4%という結果が出ていたことを、ご存知でしょうか?

反対意見として、
●民意を反映していない
●地震国で安全と言えない
●使用済み核燃料の処分場がない

などの意見が多数を占めていました。

残りは、
その他4.5%
維持・推進1.1%


維持・推進の意見として、
●安定供給
●温暖化対策
が記されていました。

↓画像をクリックすると、大きくなります。






私が、原発事故のことで、すごく反省しているのは、
「原子力の平和利用」という言い方に、なんとなく甘えて、
これまでの生活を送ってしまったことです。

原子力の平和利用なんてない、
核というものは、人間とは共存できないものなんだということを、
事故で初めて自覚したように思います。

地震がまったくないような国なら、事情が違うかもしれませんが、
地震が多い日本では、とにかく原発稼働をやめてほしいですね。
地震が起こる限り、ずっと危険にさらされるわけですし、
事故のたびに、辛い思いをする方も出てきます。

「原発事故では、誰も死ななかった」などと、
平気な顔で言う人もいますけれど、
故郷を追われて行った避難先で、孤独に亡くなった方も、たくさんいらっしゃいます。

ですから、やっぱり私も、声を上げていかなければいけないと思っているんです。

吉永小百合さん





再稼働できない根拠

核のごみ満杯へ打つ手無し


↓引用はじめ

国内にある使用済み燃料は、2012年9月末時点で、少なくとも1万7千トン以上。
各原発の原子炉建屋内にある燃料プールの貯蔵占有率は、
福島第一、第二、柏崎刈羽、九州電力玄海、東海第二で、80%以上
六ヶ所村では98%に達してしまっている。

原発がもし、順次再稼働した場合、数年後には満杯になる。

高レベル放射性廃棄物の最終処分では、場所すら決まっておらず、
使用済み核燃料が、国内の貯蔵能力を上回れば、事実上、原発の運転が不可能になる。


↑引用おわり



原発の苛酷事故から3年と8ヵ月。
事故直後からの数ヶ月の間に、大手の新聞テレビがどうも胡散臭いと気づき、インターネットや海外からの記事で情報を集め始めました。
それでも、とてつもなく大きなショックと混乱の中では、致し方が無い部分もあるだろうと、様子を見守りながら待つ気持ちもありました。
けれども…、
1年経ち、2年経ち、そして3年が経ち、
日本が、というよりも、日本を支配できる権力とカネを持っている者たちが、
この事故をまるで無かったかのように扱い、日本の市民にもそう思わせようとあれこれ画策し、見事にそれがうまくいっているのを見ながら、
ずっと考え続けていました。
いったい何が原因で、こんなにまで、どうしようもなく堕ちてしまっているのだろう。
いったい何が理由で、こんなにまで、何も変わらない、変えられないのだろう。

↓これだったんですね。



日米原子力協定とは?

1988年7月に交わした、原子力政策の密約。
有効期間は30年で、2018年7月に、満期を迎える。

第12条4項には、
「終了する前に、慎重に検討」とある。

第16条3項には、
「この協定が停止、終了した後も(ほとんどの条文は)引き続き効力を有する」とある。

しかし、協定を破棄させない限り、日本の脱原発運動はこれから先も、
原子力ムラに原発再稼働の権限を与えていくことになる。



この『日米原子力協定』について、とても分かりやすく説明されているのが、この本です。


http://www.shueisha-int.co.jp/archives/3236

ありがたいことに、立ち読みもできます!
『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』矢部宏治著・集英社インターナショナル

http://www.shueisha-int.co.jp/pdfdata/0236/nihonhanaze.pdf



↓『立ち読み』より引用はじめ
ー前略ー

つまり「廃炉」とか「脱原発」とか「卒原発」とか、日本の政治家がいくら言ったって、
米軍基地の問題と同じで、日本側だけではなにも決められないようになっているのです。

条文をくわしく分析した専門家に言わせると、
アメリカ側の了承なしに、
日本側だけで決めていいのは、電気料金だけだそうです。



ー中略ー

「日米安保・法体系(上位)」 〉 「日本国憲法・法体系(下位)」
という関係は、一般の人には見えにくいものの、きちんと明文化されている問題です。
だから順を追って、ていねいに見ていくと、だれの眼にもあきらかになる。
しかし複雑なのは、さらにその上に、安保法体系にも明記されていない、隠された法体系があるということです。
それが「密約法体系」です。
つまり、アメリカ政府との交渉のなかで、どうしても向こうの言うことを聞かなければならない
しかし、これだけは、とても日本国民の目にはふれさせられない
そうした、最高度に重要な合意事項を、交渉担当者間の秘密了解事項として、これまでずっとサインしてきたわけです。
そうした密約の数々は、国際法上は、条約と同じ効力をもっています
ですから43ページ の図で見たように、
もともと、日本の法律よりも上位にあり、さらに砂川裁判最高裁判決によって、日本の憲法よりも上位にあることが確定している
約60年にわたって、そうしたウラ側の「最高法規」が積み重なっているのです。

ー中略ー

大気や水の放射能汚染の問題は、
震災前は、「汚染防止法の適用除外」によって免罪され、
震災後は、「統治行為論」によって免罪されることになった
わけです。
このように、現在の日本では、官僚たちが、みずからのサジ加減ひとつで、国民への人権侵害を、自由に合法化できる法的構造が存在しているのです。

ー中略ー

問題は、こうした協定上の力関係を、日本側からひっくり返す武器がなにもない、ということなのです。
これまで説明してきたような法的構造のなかで、憲法の機能が停止している状態では。
だから、日本の政治家が、「廃炉」とか「脱原発」とかの公約をかかげて、
もし万一、選挙に勝って首相になったとしても、彼にはなにも決められない。
無理に変えようとすると、鳩山さんと同じ、必ず失脚する。
法的構造がそうなっているのです。

ー中略ー

日米原子力協定という「日本国憲法の上位法」にもとづき、
日本政府の行動を許可する権限をもっているのは、アメリカ政府と外務省だからです。


ー中略ー

エルサレムで、1961年に始まった、ナチスの戦争犯罪者アドルフ・アイヒマンの裁判を傍聴し、
『エルサレムのアイヒマンー悪の凡庸さについての報告』という作品にまとめた有名な哲学者、ハンナ・アーレント。

そのアーレントが問いかけた、きわめて素朴で本質的な疑問、

つまり、大量虐殺の犠牲者となったユダヤ人たちは、
「なぜ、時間どおりに指示された場所に集まり、おとなしく収容所へ向かう汽車に乗ったのか」
「なぜ、抗議の声をあげず、処刑の場所へ行って、自分の墓穴を掘り、裸になって服をきれいにたたんで積み上げ、射殺されるために整然と並んで横たわったのか」
「なぜ、自分たちが15.000人いて、監視兵が数百人しかいなかったとき、死にものぐるいで彼らに襲いかからなかったのか」


それらはいずれも、まさに、現在の日本人自身が問われている問題だといえます。
「なぜ自分たちは、人類史上最悪の原発事故を起こした政党(自民党)の責任を問わず、翌年(2012年)の選挙で大勝させてしまったのか」
「なぜ自分たちは、子どもたちの健康被害に眼をつぶり、被曝した土地に被害者を帰還させ、いままた原発の再稼働を容認しようとしているのか」
「なぜ自分たちは、そのような『民衆を屈服させるメカニズム』について、真正面から議論せず、韓国や中国といった近隣諸国ばかりをヒステリックに攻撃しているのか」


そのことについて、歴史をさかのぼり、本質的な議論をしなければならない時期にきているのです。

↑引用おわり


ものすごい内容です。
でも、このものすごい闇が、ずっと隠され続けてきたことに、やっと気づくことができたのです。
そのことは、とても大きなことだと思います。
矢部氏はその、闇の深さを、わたしたちに分かりやすく説き、それを知り、考え、理解した上でどうすべきか、こう話してくださっています。


↓引用はじめ
『うまく目的地にたどりつけるかどうかは、正直わからない。
ただ自分たちは、それぞれの持ち場で、最善をつくす義務がある
そして、崩壊し始めた「戦後日本」という巨大な社会を、少しでも、争いや流血なく、次の時代に移行させていく義務がある
おそらくそれが、「大きな謎」を解くための旅をしている人たちの、共通した認識だと思います。
私もまた、そういう思いでこの本を書きました。
本書が、みなさんにとって、そうした旅に出るきっかけとなってくれることを、心から願っています』
↑引用おわり



わたしたちには、
崩壊し始めた「戦後日本」という巨大な社会を、
争いや流血なく、それぞれの持ち場で最善をつくし、
次の時代に移行させていく義務がある。

たとえ、うまく目的地に辿り着けないとしても、
わたしたちの社会の闇に潜む「大きな謎」を解くための旅に、
一歩足を踏み出さないといけない。


『原発』も『基地』も、日本の政治家には何も決められないのです。
そんなことにならされた密約(隠された法体系)をまず理解し、ではどうしたらいいか考え、知恵を絞り、出し合い、
それぞれの持ち場で、それぞれのできることで、最善を尽くす。
もうこれは、個人だけ、その地域だけ、日本だけの問題ではありません。
だからこそ、まずは日本のすみずみまでに、そしてさらには国の枠を超えて、声を行き渡らせていかなければなりません。
そして、日本全体の声、世界全体の声にして、
アメリカという着ぐるみを着た支配者や、すでに出来上がってしまっているシステムに、ノーを突き付ける。
そして、支配という鎖を断ち切り、システムを浄化し、日本が本当の『戦後』を歩める国になるよう、
未来を受け渡すわたしたちが、とにかくあきらめずに、義務を果たす。

がんばりましょう!

大規模な自然災害の前に、人はただただ無力であると、福島事故が教えてくれたのではなかったか?

2014年11月12日 | 日本とわたし
Facebook友の長谷川教授が、とても貴重な体験を話してくださいました。
その貴重な体験とは、浜岡原発本体の見学。
その際に、同行された中部電力の若手社員(XX氏)との会話(激論)を経て垣間見ることができた、電力会社の社員(もちろんその人個人としてですが)の考え方や姿勢を、
そしてそれらに対する、長谷川教授の率直な意見や思いを、さらには、なかなか数字には現せない、苛酷事故が起こった際の被害額などを、とてもわかりやすくまとめてくださっています。

ぜひ、みなさんにもと思い、ここに転載させていただきます。

↓以下、転載はじめ

浜岡原発見学






 
浜岡原発見学。
誰でもアポなしで入れる、浜岡原子力館(実物大の原子炉の模型などがある)見学に続き、
Oさんを通して事前に申し込んでいた私たちは、原発の本体も見学させてもらえた。

ロックのかかった、分厚い金属製の扉のハンドルを回し、浜岡5号機の建屋内に入る。
ガラス越しではあるが、停止中の原子炉が見える。
しかも、作業のため、格納容器と圧力容器の蓋がはずされており、
満々と水をたたえた中に、核燃料が沈んでいる圧力容器の中を、覗き込むことができる。

写真や映像でしか見たことのなかった光景。

計器や画面がぎっしりと配置された、5号機の中央制御室も(ガラス越しに)見学。
福島事故で有名になった、事故対応の拠点になった、いわゆる「免震重要棟」では、実際に中に入って、「OO本部長席」などと書かれた椅子に座って、説明を聞く。
津波を防ぐ新たな防潮堤の、建設現場も見学。
22mの津波を防ぐことができるという、鉄筋コンクリートの防潮堤は、
(遠景の写真では「こんなんで津波防げるの?」という薄っぺらな感じに見えたが)
近くで見ると、相当な迫力。

その他、さまざまな安全性向上の対策費用に、約3000億円を費やすという。
現在停止している原発の代替で、追加購入している石油・石炭が、年間約3000億円なので、
原発が稼働できれば、1年で、建設費が回収できるのだという。
原発の再稼働が、結局は、経済原理に基づいているのだと感じる。

原発から駅へ向かう車の中で、中部電力の若手社員(XX氏)と、大激論になる。
その内容等については、その若手社員に同行していた上司の方(◯◯さん)に宛てたメールを、以下に貼り付けますので、ご興味のある方はご覧ください。
なかなかディープな体験でした…!
__________

◯◯様、
昨日は、浜岡原発見学でお世話になり、どうもありがとうございました。
なかなかできないような、得難い、貴重な経験をさせていただきました。
皆さんが、原発の安全性を少しでも高めるため、日々たゆまぬ努力を続けられていることを感じ、感服いたしました。

ただ、「福島事故と同じような事態が起こらないよう、このような対策をした」
という種類の対策が、多いように感じました。

福島事故の教訓は、単に、
「福島はこれとこれの対策が十分でなかったので、その対策さえすればいい」
ということで終わってしまっては、まずいと思います。

もっと大きな見地から見たとき、
「大規模な自然災害が起こったとき、完全には予測しきれない、それまでの対策では十分対応できないような、さまざまな事態が起こりうる」
という広い視野から、ものを見ていただきたい
と思います。

その意味で、津波の被害は甚大だったが、地震の程度としてはそれほどではなかった福島事故の、現象面だけを見て対策したのでは、
南海トラフ地震で想定されるような、激烈な破壊力を持つと予想される大地震に、本当に対応しきれるのか、疑問が残りました。


たとえば、見学の際も申しました通り、
「制御棒が全部きれいに入る」というのを、たまたま福島が、幸運にもそうだったからと言って、
さらに大きい震度の地震が予想される東海エリアで、それを、まるで前提のように考えてしまうのは、まずい
と思います。

また、これも、既に申したことですが、
福島事故では、放出された大量の放射性物質の大部分が、西から東への風に乗って、太平洋上へと流れ、
国土を汚染した放射性物質は、全体のほんの一部に過ぎませんでした。
これに対し、浜岡原発から放射性物質が放出されれば、このエリアで最も多い、南西から北東方向へ吹く風に乗って、
その大部分が、神奈川・東京を直撃するであろうことは、かなり高い確率で予想でき、
その分被害も、福島とは比べ物にならないものになる、という事実も、直視しなければなりません。


1900ガルまで耐えられるよう対策した、という説明があったかと思いますが、
震源が遠く、津波の被害に比べれば、地震の被害はそこまでではなかった東日本大震災でも、
最大2933ガルが観測された、と伝えられています。
南海トラフ地震ともなれば、さらに、大きな揺れも十分考えられるでしょう。
原子炉本体もさることながら、長く複雑な配管系が、そのような激しい揺れに耐えられるのか、
地割れや土砂崩れなども考えられる状況で、私は疑問を抱かずにはいられません。

(皆さんは、点検・検査というものに、全幅の信頼をおいていらっしゃるようでしたが、
検査・点検漏れや、ずさんな検査・点検が引き金となった、原発の「人災」的トラブル、
特に、配管系のトラブルが、今までいかに多数起こっているかを知っている私には、
「検査・点検をしているから大丈夫」と、楽観する気にはとてもなれませんでした。)

帰りの車の中で議論になり、私も熱くなってしまい、皆さんに不快な思いをさせてしまったことは、申し訳なかったと思います。
ただ、私と議論をされた中部電力の方(XXさんという方でしたでしょうか)の発言の中に、少々気になる点がありましたので、書かせていただきます。

ひとつは、
「原発を再稼働するかしないかは、(所定の手続きさえ踏めば)事業者である中部電力の判断で、決定することである」という、「驕り」が見えたことです。

これは、XXさんに限らず、中部電力の皆さんに、心にとめておいていただきたいことですが、
仮に、手続き上はそうだとしても、電力事業の公共性、それゆえ、ステークホールダー(利害関係者)が多岐にわたることを考えれば、
「私たち中部電力が決めること」という姿勢は、思慮に欠けるものだと思います。
特に、万一事故があったときには、きわめて広範囲の人たちが、深刻な影響を受けることは、既に、福島事故によって示されています。
もし、東京電力が、
「原発の再稼働は、事業者である東京電力が決めることですので、事故を起こさなかった福島第二原発は、再稼働します」
と言ったら、福島県民は黙っていないでしょう。

浜岡原発が事故を起こした場合に、受ける深刻な影響について、
東京都民や神奈川県民が、福島県民ほどは十分に認識していなかったとしても、
だからと言って、東京都民・神奈川県民など、深刻な影響を受けるであろう人たちの意向を無視して、稼働することは許されない、という認識をもって、事業にあたっていただきたいと思います。

あと、XXさんの発言の中に、
「理性的な男性は、原発の安全性について理解してくれるが、原発に対して感情論で不安がるのは、女が多い」
という、驚くべき女性差別発言がありました。
これは、言葉尻をとらえるようではありますが、
「反原発の連中は、女と同じぐらい程度が低い」という、
(反原発派だけでなく)女性を愚弄する男尊女卑的思考
が、その背後に見え隠れしており、看過できないものでした。
抗議しようかと思いましたが、△△氏にたしなめられた後だったので、黙っていました。
ちなみに私は、原発に批判的な京大の小出裕章先生の議論と、稼働を進める立場のXXさんの議論を比較したとき、
XXさんの議論の方が理性的で優れており、小出先生の議論は「女性的」な感情論である、とはまったく感じないどころか、
小出先生の議論の方がはるかに理性的である、と感じます。

最後に、XXさんが言っていた、「リスク・ベネフィット論」に乗っかって、少し書かせていただきます。
原発を再稼働しないと、代替の燃料費に、1年間で3000億円かかる、という数字がありました。

これを、原発事故のリスクと比較したとき、
まず、原発の苛酷事故の発生率が、仮に、200年に1度(0.5パーセント)とします。
正確な計算は不可能ですし、たかだか50年の日本の原発の歴史の中で、福島事故だけでなく、苛酷事故一歩手前の事象が何度も起こっていること、
東海エリアを震源域に含む大地震が、近い将来に予測されていることを考えれば、もっと高いと私は思っています
が…。

事故による除染、賠償等の損害額は、以下記事によると、福島では、3年間で11兆円、とのことです。
http://www3.nhk.or.jp/news/genpatsu-fukushima/20140311/1516_songaigaku.html

福島県の人口約200万人に対し、浜岡で苛酷事故が起これば、影響を受けるであろう東京(1300万)・神奈川(900万)・静岡(375万)の、広大なエリアの人口は、合計2600万人ですから、
単純に13倍と計算しても、損害額は、1年間に約48兆円になります。
実際には、福島200万のうち、会津エリアは、事故の被害・補償を、ほとんど受けていないことを考えれば、
東京・神奈川・静岡は、もっと大きな数字になる可能性があります。

さらに、東京都のGDP92兆円、神奈川県のGDP30兆円、静岡県のGDP15兆円の計137兆円が、原発事故によって10%減少するとしても、約14兆円のマイナスになります。
福島は、元々の経済規模が小さいのに対し、いわゆる「復興需要」などもあって、落ち込みは、比較的小幅にとどまっているようですが、
東京圏は、元々の経済規模がはるかに大きいのに対し、それに比べれば、除染事業等の復興需要など、相対的にわずかなプラスにしかならないでしょうから、
落ち込みは、福島よりはるかに、大幅なものとなると予想されます。

さらに、全国の経済のコントロールセンターとしての東京圏の役割が、深刻な打撃を受けることによる、
全国の経済へのマイナスの波及効果を合わせれば、損害は、少なく見積もっても、2倍にはなるでしょうから、
全国では、28兆円のGDPのマイナスになる、という計算ができます。


東日本大震災による、2011年の日本全体のGDPへのマイナスが、年間0.5%、という報道があり、
これは、日本のGDP約500兆円で計算すると、約2.5兆円となります。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS23027_T20C11A3EE1000/

東京圏が、深刻な打撃を受ければ、マイナスはその10倍、つまり、マイナス5%では済まないでしょう。
これは、日本のGDP約500兆円で計算すると、少なくとも25兆円ということになり、上で計算した28兆円という数字と、おおむね一致します。

そうすると、年間被害総額(48兆円+28兆円=76兆円)X確率(0.005)=3800億円となり、
原発を稼働することによるベネフィット、3000億円を上回ります。


これはあくまで、福島と同程度の原発事故・放射能被害が、静岡・神奈川・東京で起こった場合、という計算です。
実際には、浜岡事故が、東京・神奈川・静岡にもたらす被害は、
単に、被害エリアの人口や経済規模が大きい、というだけではなく、上で述べた立地・風向きの条件から考えて、
被害の程度も、福島事故と比べでも、はるかに深刻なものとなることが予想され、その分数字も、さらに大きなものとなるでしょう。

なお、この計算には、さまざまな社会資本・インフラ等が使えなくなることによる損害は、含まれていませんので、
それを加えれば、損害は、さらに大きくなります。

東日本大震災では、総額14~18兆円と試算されています。
http://www.mri.co.jp/NEWS/magazine/journal/55/__icsFiles/afieldfile/2012/03/19/jm12031102.pdf

このうち、地震そのものによる被害と、原発事故・放射能汚染による被害を切り分けることは、むずかしいと思われますが、
社会資本・インフラの総額は、東京圏の方が桁違いに大きいので、被害総額も、桁違いに大きいものとなるでしょう。

これは、非常におおまかな計算で、当然異論もあるでしょうが、
この計算には含まれない、多数の都民・県民の、さまざまな生活上等の甚大な被害が、当然予想されますし、
単なる「目先の損得勘定」だけから言っても、「原発を稼働した方が得」と、単純に言えるのか疑問です。


さらに、議論の中でも言ったように、
原発は、10万年も管理しなければならない。
放射性廃棄物を生み出し、子孫に残すことになるが、その処理のめどさえ立っていない。
たとえ事故を起こさなくても、多くの原発労働者の、被ばくによる白血病などの健康被害を生み、
労基署で労災認定が認められたケースも相当数ある、などの問題も抱えています。


長くなりましたので、この辺で失礼いたします。
もしかしたら、今後また、お世話になることもあるかも知れませんが、その際は、どうぞよろしくお願いいたします。

専修大学法学部教授
長谷川 宏


そしてもうひとつ、同じく長谷川教授が教えてくださった、内田樹氏のインタビュー。
朝日新聞から、川内原発再稼働についてインタビューを受けた内田樹氏が、その内容を、ご自身のブログ『内田樹の研究室』に掲載してくださったものからの引用です。



引用元:
http://blog.tatsuru.com/2014/11/12_1134.php

僕も、彼らが、利己心や邪悪な念によって原発再稼働を進めている、とは思いません。
彼らは彼らなりに、「善意」で行動している。
主観的には、首尾一貫しているんです。
でも、それは、せいぜい5年程度のスパンの中での経済的利益を、確かなものにすることです。
経営者としては、当然のことです。
しかし、1億人以上の人が、限られた国土で、限られた国民資源を分かち合いながら、暮らし続けることを運命づけられた国民国家を運営するには、百年単位で、ものごとを考えなければならない

株式会社なら、四半期の収支が悪化すれば、株価が下がり、倒産のリスクに瀕します。
だから、「百年先」のことなんか考えていられないし、考えることを求められてもいない。
目先の利益確保が、あらゆることに最優先する。
でも、国民国家の最優先課題は、「いま」収益を上げることじゃない。
これから何百年も、安定的に継続することです。
株式会社の経営と国家経営は、まったく別のことです。
原発推進派は、それを混同してしまっている。

毎日が違う色

2014年11月12日 | ひとりごと
毎度のことながら、発表会前の、しっちゃかめっちゃかな日々が続いています。
その日その日の、やるべきことをやるだけで精一杯、というのはやはり、『忙』という字が示すように、心を亡くしてしまうのか、
例年のごとく、なんでそんなに落ち込んでるのかと、旦那に聞かれてしまいました。
落ち込んでいるのではなくて、心が乏しくなって、顔から表情が抜けてしまっているのだと思います。
もちろん、普段より格段に、やることが増えているので、体が疲れているのも事実ですが…。
なのになのに、音楽ディレクターのダリルから頼まれた、12月18日本番のコンサートの伴奏を、やっぱり引き受けてしまいました。

う~ん、なんだか、◯△てしまいました、っていう言い方が多過ぎるような…いかんいかん、自分で考えて決めたことなのに…。

前回6月のコンサート&コンクールでは、難曲が少なかったので、今回もまあなんとかなるだろうと楽譜を取りに行き、譜めくり不要の楽譜に整えるためのコピーをしながら読んでみたら…、

あかん…めちゃくちゃ難儀なのが2曲もある…どないしょ…。

発表会と旅行があるので、今月はとてもじゃないけれども、合わせ練習には行けないということで、
12月1日まで待ってもらっての初リハーサルの時には、ちゃんと仕上がっていなければならないのに…。
旅行から戻ってくるのは29日の土曜日の夜で、ボケボケの日曜日しか練習できない可能性大?!うむむ…。



歩美ちゃんが、出張前に、最後の小松菜をお味噌汁に入れると言って、畑に採りに行った際に、見っけてくれたキュウリさんたち。
ウッドチップの上で、それはそれは気持ち良さそうに、寝転がっていたそうです。



投薬が始まって3日目。
海ちゃんのド◯ド◯うんちが、ようやく形を成してきてくれたので、地獄の床拭きの時間がかなり減ってきました。
二匹一緒に、よく眠り、よく遊んでいますが、それぞれの性格がはっきりと現れてきました。

袋を見ると、とにかく入ってみたい海ちゃん。
なんの躊躇もなくピョンと入る海ちゃんを、うらやましそ~にそばで見ている空ちゃん…かと思いきや、


彼が入っていようが入っていまいが、必ずこんなふうに、ドスンと上に乗って、意地悪をします。

兄ちゃんも、入りたかったら入ったらええねん…。


かと思うと、静かに窓の向こうを眺めていたり、


かと思うと、デレデレ一緒に寝転んでたり、


かと思うと、二匹一緒に気づいたり、


かと思うと、ガブッ!イテテテッ!


仕返しにゃ~!


なんとも、息子たちの幼少期を思い出させてくれる、空ちゃん海ちゃんなのでした。



そして昨夜、発表会前の仕上げレッスンをしている最中に、ドカドカと玄関ポーチに積み込まれていた浴室グッズ。






これは、アメリカンにはまるで馴染みがない、コンパクトで深い浴槽。日本製ではなくギリシャ製です。
前のは、超~年代物の琺瑯浴槽だったので、強化プラスチックの肌触りがちょっと寂しいです…。


この浴槽だけは重かったのか、階段の下に置かれたまんまでした。
うちに来る生徒たちと親御さんたちは、まずこの浴槽を避けて階段を上り、部屋の中に入ったら入ったで、ドカドカと積んである箱を目の前にして、
全くここは次から次へと、何かが起こる家だなあと、心の中では多分呆れているかもしれません。

工事はまだ始まっていません。
電気と配管の工事をするにあたって、市の許可を得なければならず、ただただ待機中。
でも多分、この方が良かったのではないか、と思っています。
この毎日に、職人さんたちが出入りしたり、2階からの騒音の中でレッスンをしなければならなかったり、チビ猫たちを台所にずっと閉じ込めたり、なんてことが加わったら…。



そういえば昨日、子どものレッスンを聞いていたおかあさんが、窓の向こうに、真っ黒なリスがいた!と大興奮していました。
東海岸の郊外の町には、リスはどこでも見られますが、真っ黒というのはまだ一度も見たことがありません。
「黒猫と見間違ったんちゃう?」と言うと、「いや、絶対にあれはリスだった」と言います。

確かに、このフェンスの上を猫が歩いているのは、さすがに見たことが無いし、無理だと思います。


おっしゃ、かあちゃん、ボクらに任しとき、見つけたるから。



そして今朝は、いつもとは違うキツツキさんが、どこか良い突き場所を探していました。



ではかあちゃんは、これからとうちゃんに鍼を打ってもらって、心身ともにリフレッシュしたいと思います。

我々の本当の敵は目と鼻の先にいる。みんなで賢く手を組み闘えば、こんな戦争は、政府は、阻止できる!

2014年11月11日 | 世界とわたし


戦争に行ったアメリカ兵の告発!
「本当の敵はアメリカ国内にいた!」


「これはお国のためなんだ!」
と言い聞かせて、辛くても胸を張ってやってきた。

だけど、後悔の念だけが残った。

この占領の実態を目の前にすれば、人種差別なんて言葉じゃ、もう騙せやしない。
彼らは獣じゃなかった…同じ人間なんだ!


その時から、年寄りを見ると、いつも心が痛むようになった。
歩けない年寄りを、担架にゴロンと寝かせ、イラク警察に連れて行けと命令するたびに…。

子を連れた母親を見るたびに、胸が痛む。
嫌がる母親を、外に連れ出す我々に、
「何すんのいったい!あんたら、サダム・フセイン以下じゃない!」
と、喚き散らしたのを思い出してしまう。

若い娘を見ると、胸が痛む。
俺が、腕を鷲掴みにして、車道へと引きずり込んだんだと…。

テロリストたちが相手だ、と聞かされていた。
しかし、実際のテロリストは自分たちであって、この占領自体がテロそのものだ、と悟った。


軍隊の中にあって、人種差別を悪とする思想は、他国に対する破壊や占領の口実にできる、今なお使える重要手段のひとつだ。

その思想を利用して、他国の民を殺害、隷属、拷問しても良い、口実にしてきた。

人種差別という思想は、この政府が重宝する、手段のひとつなのだ。


この思想は、ライフル銃や、戦車や、爆撃機や、戦艦を使うよりも、もっと重要な手段だ。
砲弾、バンカーバスター、トマホーク巡航ミサイルよりも、破壊力がある。

このような兵器を、今のこの政府が、製造、保持してはいるが、使おうとする人々がいなければ害はない。

我々を戦場に送っている連中は、銃で撃ったり、迫撃砲を放つなんてことはしない。
連中は、命がけで戦う、なんて頭にない。

連中にとって、戦争は商売でしかない!

連中が必要としているのは、兵士たちを、危険な戦場に、「はい、どうぞ」と送り出す大衆だ!

連中に必要なのは、殺すことも殺されることも「はい、どうぞ」と、オカシイと思わない兵士たちなのだ!

何百万ドルという金を、爆弾一発に注ぎ込む。
その爆弾は、上からの「使え」との命令に、
「はい、わかりました!」と従う軍高官たちの気持ちがあって初めて、武器に変わる。

連中は、生き残った兵士たちを、この地球上ならどこにでも、送ることができる。
しかし、兵士たちが、「はい、わかりました!」と言って初めて、戦争になる。

支配層にいる、人の不幸につけ込んで儲ける大金持ち連中は、世界経済を操って、私腹を肥やすことしか頭に無い。

「戦争、抑圧、搾取が、我々の関心事であり、そう我々に信じ込ませる」という能力の中にこそ、
連中の力が隠されている、ということを理解してほしい。

我々が、人殺しや死ぬことを覚悟させる決め手は、
「やっぱ俺たちは優秀なんだぜ」と、我々に思い込ませる能力が、連中にあるかないかだ。

陸海空の兵士たちが、この占領で得るものなど、何も無い!

米国で暮らしている大部分の人々が、この占領で得るものなど、何も無い!

得るものが無い、なんてもんじゃない。
それが原因で、もっと苦しんでいる!というのが事実だ。

我々は、手足を失い、後遺症に悩み、そして命を断つ…。

家族の者たちは、国旗を掛けた棺が地中に降ろされるのを、じっと見ることになる。

健康保険も無く、就職先も無く、教育も受けられない、
この国の何百万という人々は、この占領で、政府が、4億5000万ドル以上の金を、たった1日で浪費しているのを、
指をくわえて見てることしかできていない。

この国の、貧しい生活をしている人々は、よその国の、同じように貧しい生活をしている人々を殺すために送られ、
金持ちたちを、さらに金持ちにしていく。

差別思想が無ければ、兵士たちは、自分たちを戦争に送った大金持ちたちよりも、
イラクの人々に、多くの共通点があることに気づいただろう。

イラクでは、多くの家族の住み家を奪ってきた。
帰還して目にしたものは、惨めで意味のない差し押さえの仕打ちを受け、住み家を奪われた多くの家族の姿だ。
悲しい…。

目を覚まそう!!

我々の本当の敵は、遠いところにいるんじゃない!
名前だって、文化だって、聞いたこと見たことが無いっていう連中じゃない!

どんな敵なのか、みんなよく知っている、ハッキリしている!

その敵とは、カネになるから戦争をやらかす、という組織。

その敵とは、儲かるとなれば、スパッとクビ切りする企業経営者たち。

儲かるとなれば、健康保険をガンとして受け付けない保険会社。

儲かるとなれば、住んでいる家をサッと取り上げる銀行。

敵は、5千マイルも離れたところにいるわけじゃない!
目と鼻の先にいる!

みんなで、賢く手を組み戦えば、こんな戦争は阻止できる!

この政府は阻止できる!

そして、もっと良い世界をつくることは可能だ!

「仲井眞さん、弾はまだ一発、残っとるがよ」by 菅原文太氏

2014年11月10日 | 日本とわたし


こんにちは。
沖縄は、何度来ても、気持ちがいいね。
カートに乗って、楽をさしてもらったけど、80過ぎたんで、さっきのふたりみたいに走れないよ。
30年前なら、あの倍ぐらいのスピードで走ったけどね。
今日は、自分から立候補して、ピッチャー交替、知事交替、ということで、押しかけてきました。

プロでないわたしが言うんだから、あてになるのかならないのかはわかりませんけど、
政治の役割はふたつあります。

ひとつは、
国民を飢えさせない。安全な食べ物を食べさせること。

もうひとつは、これは最も大事です。
絶対に戦争をしないこと。

わたしは、小学校の頃、戦国少年でした。
小学校、なんでゲートルを巻いて、戦闘帽を被って、竹槍持たされたのか、
今振り返ると、ほんとに、笑止千万です。
もう二度と、ああいう経験は、子どもたちに、子どもたちだけじゃない、
大学生も、雨の中を、大勢の、将来大事な大学生が、戦地へ運ばれて、半数が帰って来なかった。

今の政府と、本土の政府ですよ、仲井眞知事は、まさに戦争が起きること、戦争をすることを前提に、沖縄を考えていた。
前知事は、今、最も危険な政権と、手を結んだ。
沖縄の人々を裏切り、公約を反古にして、辺野古を売り渡した。

古い映画だけど、『仁義無き戦い』に、その流れにいると、『仁義無き戦い』の裏切り者の山守、覚えてらっしゃらない方もいるかな?
「覚えてるぞー!」(観衆からの声)
「覚えてるかー!」
映画の最後で、
「山守さん、弾はまだ残っとるがよ。一発分残っとるがよ」、
という台詞をぶつけた。
其の伝でいくと、
「仲井眞さん、弾はまだ一発、残っとるがよ」、
と、ぶつけてやりたい。

沖縄の風土も、本土の風土も、海も山も空気も風もすべて、国家のものではありません。
そこに住んでいる、人たちのものです。
辺野古も然り、勝手に他国へ売り飛ばさないでくれ。

まあそうはいっても、アメリカにも良心厚い人々はいます。
中国にもいる、韓国にもいる。
その良心ある人々は、国は違え、同じ人間だ。
みな、手を結び合おうよ。

翁長さんはきっと、そのことを、実行してくれると信じてる。

今日来てるみなさんも、そのことを、肝に銘じて実行してください。

それができない人は、沖縄から、日本から、去ってもらおう。

はなはだ短いけど、終わり!


↑以上、文字起こしおわり


いやあ、文太さん、ありがとう!
今までで一番、文字に起こしやすくて、心が熱くなるスピーチでした。

なんて感動してたら、今朝、岩上さんが、こんなトンデモなことを、ツィートで伝えてくれていました。
  

公選法違反になぜかならない、仲井真候補応援キャンペーン。
遊園地を誘致してあげるから、米軍基地と一緒にね、というバリューセット。
 
         ↓↓↓
【沖縄にUSJ誘致 菅官房長官「政府として支援」】
http://www.asahi.com/articles/ASGC85J37GC8ULFA00B.html


記事によると、もうすでに、大阪市にある「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」の運営会社の責任者と接触したらしいです。

みんなの声、世論で、こんな薄汚い、姑息な行為を、公選法違反にして差し上げましょう!
国民を、うまんちゅをナメんなよ!!

真摯な警告を無視し、自らの責務を放棄する様な発言の撤回と、火山学会及び専門家に対する謝罪を求める

2014年11月09日 | 日本とわたし
原子力規制を監視する市民の会より、すばらしい『抗議声明』が出されました。
ぜひご一読ください。

【抗議声明】
11月5日原子力規制委員会田中俊一委員長の記者会見での発言について

原子力規制を監視する市民の会

http://www.kiseikanshishimin.net/2014/11/07/kogiseimei/
2014年11月9日

11月5日 原子力規制委員会田中俊一委員長の記者会見での発言について

抗議声明

~川内原発の審査は許可を取消し、火山影響評価ガイドの見直しを~


原子力規制を監視する市民の会

11月5日の記者会見における、原子力規制委員会田中俊一委員長の発言は、
巨大噴火による被害を防ぐため、科学者の専門的知見に基づいて発せられた、火山影響評価ガイドの見直しを求める火山学会の提言を無視するばかりでなく、
今まで、火山学者や市民団体が、この問題に関して警告を発し続けてきたという経緯(文末表参照)を無視するものであり、
原子力災害を防止するという、自らの責務を放棄するものです。
 
これに強く抗議し、発言の撤回と、火山学会、及び火山の専門家に対する謝罪を求めます。

 
併せて、川内原発の火山審査について、日本火山学会の専門家からヒアリングを行うこと、
九州電力の、設置変更申請の許可を取り消した上で、専門家を交えて、火山影響評価ガイドの見直しを、実施することを求めます。



◆火山の専門家の警告を無視していたのは、原子力規制委員会の側

田中俊一委員長は、日本火山学会の提言について、
「火山学会が、今更のごとくそんなことを言うのは、私にとっては本意ではない」と述べ、さらに、
「極めて大変な状況が起こる自然現象が、相当の確率で起こるということであれば、もっと早急に発信して来るべきではないでしょうか。それが科学者の社会的責任なのですよ」
「とんでもないことが起こるかも知れないということを平気で言わないで、それこそ火山学会を挙げて、必死になって夜も寝ないで観測をして、我が国のための国民のために頑張ってもらわないと困るんだよ」などと述べました。

火山の専門家は、新聞やテレビ、科学雑誌他のメディアを通じ、早くから、巨大噴火の前兆を捉えることの困難さを指摘し、
噴火の予知・予測を前提とした、火山ガイドの問題点を、指摘し続けてきました
日本火山学会が、原子力問題対応委員会を立ち上げたのは、4月29日であり、既に、予知・予測の困難等の問題を、指摘していました(文末表)。

遡れば、火山影響評価ガイドができる以前の、2013年5月には、内閣府の検討会において提言をまとめ、
「巨大噴火については、知見も研究体制も不十分」としたうえで、
「巨大噴火のメカニズムや、国家存続方策の研究体制の整備」の、必要性を指摘していました

「原子力規制を監視する市民の会」等の市民団体も、川内原発の適合性審査に際して、専門家を入れて検討すべきだと、繰り返し要請してきました
原子力規制委員会は、委員にも原子力規制庁にも、火山の専門家が一人もいない状況で、火山審査から専門家を排除し、専門家による警告を、無視し続けたのです。

川内原発の適合性審査では、ヒアリングの機会すらなく、審査書案が出た後、8月25日になってようやく、火山モニタリング検討チームが開催され
火山学会原子力問題対応委員会石原和弘委員長、火山噴火予知連絡会藤井敏嗣会長、火山ガイド策定時に、唯一、専門家としてヒアリングを受けた、東大地震研中田節也教授らが招へいされました。

この場で専門家らは、
川内原発の火山審査における、運用期間中の破局的噴火の可能性が十分小さいとする、原子力規制委員会の判断に疑義があること、
モニタリングにより、噴火の予知・予測は可能であるとする、九州電力の主張に根拠がないこと、
マグマ供給の変化が、地表のモニタリングでは把握できない可能性があり、地下のモニタリングが必要であること、
カルデラ火山のモニタリングが、事業者の手に負えるものではないこと、
前兆が現れるのは、せいぜい数ヶ月前であり、核燃料搬出の時間的余裕をもって、予測することなど不可能であること等々の指摘を行いました。
さらに、火山影響評価ガイドの見直しも、提起しました。

これらをことごとく無視し、放置したのは、原子力規制委員会の側です。

これに業を煮やし、日本火山学会が、火山ガイドを見直すべきとの提言を行ったのは、まさに、「科学者の社会的責任」を果たしたものと言えるでしょう。
それを「今更のごとくそんなことを言う」「もっと早急に発信してくるべき」とは、あまりにも自身の対応を顧みない言動ではないでしょうか。

火山の専門家は、巨大噴火による甚大な被害を防ぐためにも、国を挙げて、モニタリングをしっかりやることを提言しています。
それでも、前兆が出るのは、せいぜい数か月前かもしれず、その場合、人の避難は間に合っても、核燃料の避難は間に合わないかもしれません
ゆえに、原子力規制委員会に対し、火山影響評価ガイドを見直すよう、要請しているのです。


◆根拠も示さずに「3ヶ月で核燃料の搬出はできる」と

「核燃料の搬出に間に合うのか」という、記者の問いに対する回答も、驚くべきものでした。
これまでは、田中俊一氏は、「冷却に5年かかる」と自ら発言していました。
今回は、驚いたことに、
「3ヶ月前ということが分かれば、3ヶ月前にすぐ止めて、その準備をして、容器に少しずつ入れて遠くに運べばできますよ」 と発言しました。
しかし、別の記者に、その具体的な中身を問われると、
「3ヶ月というのも、どういう根拠で言っているか分かりませんけれども、そういうときにはそれなりに急いでやるということもあるし、いろいろな方法を考えなければいけないと思いますよ」と、根拠もなく答弁しました。

取り出して3ヶ月では、温度だけでなく、放射能のレベルも高く、輸送容器に移すことはできないし、
仮に強引に行ったとしても、そのための輸送容器を、開発しなければなりません
何より、搬出先を3ヶ月で選定するのはできないでしょう。

さらに、
「放射能に汚染されると言うけれども、どの程度の汚染の広がりかということですよ。
別にシミュレーションすることもないでしょう。
核実験とかいろいろな核爆弾とかそういう経験もあるわけですから、冷静によく考えたらどうですか」
と述べ、
核燃料が燃えても、汚染はたいしたことはないと、開き直ったのです。


◆川内原発の審査は許可を取消して、火山影響評価ガイドの見直しを

火山学者は、巨大噴火のリスクについてとやかく言わず、黙って観測だけやっておけといわんばかりの田中俊一氏の発言は、
およそ科学的でも技術的でもなく、原子力の安全規制の、トップとしての見識や資質を、疑わざるをえないものです。
科学者の警告を無視し、原子力の規制を厳格に行うという、自らの責任をも果たしていません
謝罪した上で、職を辞していただきたいと思います。

原子力規制委員会は、審査書案のパブリック・コメントに対する考え方など、種々の文書において、
巨大噴火の時期や規模の予測は、困難であること、ドルイット論文は一事例にすぎないことを認めています
田中俊一氏の発言は、原子力規制委員会のこうした見解からも、逸脱するものです。
モニタリングと核燃料搬出の方針については、今後、保安規定の審査で検討されることになっていますが、九州電力は具体的中身を出せずにいます

他方で、九州電力は、7月1日、9月30日の県議会において、
「巨大噴火の前兆は、数十年前に現れるので、核燃料搬出は可能だ」との発言を行っています。
この、九州電力の誤った見解が、修正されることなく、県議会は、あまりにも拙速に、11月7日、再稼働に同意の決議を行ったのです。
川内原発の火山審査については、許可を取消し、火山学会の提言に従い、火山影響評価ガイドの見直しを実施すべきです。
それまでは、再稼働をすべきではありません。

※現在までの経緯
2013年5月16日 大規模火山災害対策への提言(内閣府「広域的な火山防災対策に係る検討会」)
2013年6月28日 火山影響評価ガイド
2013年7月16日 川内原発適合性審査会合(川内原発の審査開始)
2013年12月22日 毎日新聞「原発リスク:巨大噴火の影響大…泊、川内など 学者が指摘」
2014年1月 雑誌科学1月号 特集 日本を襲った巨大噴火
2014年4月29日 日本火山学会原子力問題対応委員会会合
2014年5月16日 川内原発適合性審査会合(火山影響評価について最後の検討)
2014年5・6月 新聞各紙・雑誌・テレビ報道等で火山の専門家が警告
2014年7月16日 川内原発適合性審査 原子炉設置変更申請の審査書案確定
2014年8月25日 火山モニタリング検討チーム第一回会合
2014年9月2日 火山モニタリング検討チーム第二回会合
2014年9月10日 川内原発適合性審査 審査書確定 原子炉設置変更申請許可
2014年10月21日 川内原発適合性審査 火山モニタリングを含む保安規定の審査開始
2014年11月3日 日本火山学会による提言
2014年11月5日 田中俊一・原子力規制委員長、日本火山学会の提言に不快感
2014年11月5日 鹿児島県臨時議会はじまる。複数の議員が、巨大噴火の予知について質問
2014年11月7日 鹿児島県議会において、川内原発再稼働同意

11月5日(火)原子力規制委員会記者会見録
https://www.nsr.go.jp/kaiken/data/h26fy/20141105sokkiroku.pdf
11月5日(火)田中原子力規制委員長会見発言補足及び訂正資料
https://www.nsr.go.jp/kaiken/data/h26fy/20141105siryo.pdf

原子力規制を監視する市民の会 090-8116-7155(阪上)