まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

2010年my cinema lifeを総括する

2010-12-30 | 映画雑記
 2010年も、あと残りわずか。今年もいろんなことがありましたね。あーすればよかった、するんじゃなかった...後悔も多かったけど、ひとまず無事に一年をまっとうできたことでヨシとしよう。来年も、皆様にとって健康で幸せな一年になりますやうI wish♪
 さてさて。皆様のcinema life in 2010は、いかがなものでしたか?たくさん佳い映画もダメな映画も観られたことでしょうか。私が映画館に足を運んで観た映画は...

 2月 「コネクテッド」
 3月 「NINE」
 4月 「ヴィクトリア女王 世紀の愛」
    「霜花店 サンファジョム 運命、その愛」
    「ずっとあなたを愛してる」
 5月 「元カノ/カレ」
10月 「終着駅 トルストイ最後の旅」
11月 「シングルマン」
12月 「スプリング・フィーバー」
    「クリスマス・ストーリー」

 ガーンたったの10本!先日、絶望視してた「クリスマス・ストーリー」を急遽観ることができたのは、大きな救いとなりました。それにしても、今年は何かとバタバタしてしまったせいもあって時間を映画に割けなかったとはいえ、何というテイタラクでしょう。来年こそ、いっぱい映画館で映画観るゾっと♪
 観る予定だったのに観逃してしまった映画(「ハート・ロッカー」「クレイジー・ハート」「ヤギと男と男と壁と」「インセプション」「美人画」等)、観たけど感想書くのを怠ってしまった映画(「プレシャス」「シャッター・アイランド」「グリーン・ゾーン」等)もいっぱいあって、ほんと今年は映画を疎かにしてしまった年でした。反省!

 んで、かなりオコガマシいのですが、お松のbest movieとbest actor & actress in 2010(DVDで観た今年日本公開映画も含む)を、ひっそりと発表♪

栄えあるbest movieは...

1位 「霜花店 サンファジョム 愛、その運命

 韓国映画は、やっぱ侮れませんよ。ほとんどギャグの域にまで達した?グジャグジャドロドロな♂×♂愛憎愛欲時代劇、YAOIには嬉しい美味しい映画でした♪チョ・インソン&チュ・ジンモの役者魂を、あらためて讃えたいです。

best actor

1位 チョ・インソン 「霜花店 サンファジョム 愛、その運命」

 インソンくん、いったいどーしちゃったの?!と目がテンになってしまう激演&脱ぎっぷりでした。強烈な置き土産を残し兵役に就いたインソンくん、頑張ってるかなあ。軍隊で霜花店みたいなことになってないか心配。復帰が待たれます。

2位 チュ・ジンモ 「霜花店 サンファジョム 愛、その運命」

 韓国のイケメン男優には、何かスゴいことやらかしてくれそう、という期待がもてる。ジンモもやってくれました。インソンくんには一歩譲るところがありましたが、役者としての果敢さと魅力は、大いに発揮していました。何やっても男らしい可愛さを損なわないジンモがチョアチョア

3位 コリン・ファース 「シングルマン」

 ゲイの役はやっぱ英国男優!を証明したコリン。「英国王のスピーチ」でオスカーを受賞すれば、イギリス映画界のキングになれる!

 その他にも、「クリスマス・ストーリー」のマチュー・アマルリックメルヴィル・プポー、「グリーン・ゾーン」のマット・デーモン

「終着駅 トルストイ最後の旅」のジェームズ・マカヴォイ、「霜花店」のシム・ジホ、「元カノ/カレ」のマリク・ジディ、「シャッターアイランド」のレオナルド・ディカプリオなど、今年も男前豊作でした♪


 best actressは...該当者なし!!
 最近の女優は、個性が希薄化&保守的で、印象に残らないんだよなあ。ベテラン女優たちも、今年はおとなしくて残念でした。

 さてさて。新年は、試写会が当たった「ソーシャル・ネットワーク」で映画始めとなりそうです。皆様の新春鑑賞予定映画は、何でしょうか?
 あらためまして、こんな絶海の孤島、辺境の村落にあるアバラ屋みたいな激ショボブログに遊びに来てくださり、本当にありがとうございました。来年も何卒よろしくお願い申し上げます
 どうぞ、良いお年を~
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

安兵衛ふたたび

2010-12-29 | 日本のドラマ(単発)
 クリスマスに放送されたテレビ朝日のスペシャル時代劇「忠臣蔵 その男、大石内蔵助」を録画して、まったり観ました♪
 日本の年末の風物詩、忠臣蔵。ストーリーなどは、今さら説明する必要はありますまい。誰が大石内蔵助や浅野内匠頭を演じるのかが、時代劇ファンにとっては最大の関心であり、視聴させる重要なポイントとなります。今回、主人公である大石内蔵助を演じたのは...田村正和!
 えー!?な、なぜ?!あ、いや、別に田村正和が嫌いというわけではないのです。ただ...田村正和って、もうお爺さんじゃん?大石内蔵助って、男盛りの壮年ってイメージなので、すんごい強引感、すんごい違和感!最近のCMとか、ちょっと前に観た「疑惑」とかで、田村正和の老人化を目の当たりにしてきてるので、大丈夫なのかなあ、そんなに無理してまた老体にムチ打たなくても、と余計なお世話な心配をしつつ、おそるおそる観た今回の忠臣蔵...予感は見事に的中していました 
 マサカズ内蔵助、すごいメイクで顔だけは作ってましたが、声や動きが老人そのもの!台詞、何言ってんのか解からないことも。あのボソボソ声も、昔なら独特の魅力になってたんだろうけど、今となってはお年寄りの弱々しく不明瞭な独り言にしか聞こえなくて。歩き方も、何だかヨボヨボしてて危なっかしかった。そのせいか、ほとんど動くシーンがなかったような。メイクで固まった顔で、座ってるだけ。花魁と遊ぶシーンなどは、ほんと認知症老人みたいでヤバかった。マサカズさん、もう無茶はよして年相応な役を甘受しようよ。

 今回の内蔵助、ほんと何もしないの。座ってるか寝転んでるだけ。しんどい汚い細かい仕事は、ぜんぶ他の若い赤穂浪士にやらせて、討ち入りの時も太鼓叩いてるだけ。最後、吉良上野介を討つというオイシイところだけイタダキ。こんなに魅力を感じなかった大石内蔵助、初めてでした。
 忠臣蔵を観るたびに思うのですが...浅野内匠頭や赤穂浪士よりも、討ち入られる吉良上野介の家臣のほうが悲劇的。殺されるのが吉良だけならいいのだけど、何の落ち度もないのに吉良家の家臣というだけで、赤穂浪士たちにブっ殺されていく姿は、理不尽な惨状としか映りません。
 そもそもなあ。浅野内匠頭がもっと我慢強い男だったら、悲劇は起きなかったはずですよねえ。ちょっとイビられたり侮辱されたからって、無分別にキレんなよ。あんな辛抱の足りん短気な夫・上司をもった、奥方と赤穂浪士が可哀相。
 キャストは、かなり豪華だったような気がします。特にベテラン組が。田村正和、岩下志麻、北大路欣也、西田敏行、松平健が同じドラマで競演なんて、私が子供の頃には考えられなかった。吉良上野介役が西田敏行というのは、なかなか意表を突いてて面白かったけど、釣りバカ日誌のハマちゃんにしか見えない西田さんなので、ほとんどコメディでした。ラスト、往生際悪く内蔵助を刺そうとするところなど、笑いを狙ってるとしか思えなかった。吉良上野介役は、やっぱもっとネチネチ陰湿で意地悪で上品な味わいがないとね。
 浅野内匠頭役は、玉山鉄二。

 浅野内匠頭は、若い美男子が演じるというのがお約束。市川雷蔵とか少年隊のヒガシとか、きれいな殿様ぶりでした。玉鉄も、なかなかの端麗さで悪くなかったです。松の廊下での装束姿の、清爽な貴公子ぶりも素敵でした。ただ、演技がちょっと。発声とか所作に、あれれ?っと思ってしまうことが何度か。オロオロした感じが、かなりヘタレっぽかったのも気になった。
 赤穂浪士の一人、堀部安兵衛役は、小澤征悦

 数年前のNHK時代劇「堀部安兵衛」で、タイトルロールを堂々と演じてたオザユキ、同じ役を他局で再演です。今回は脇役でしたが、出番は多くて準主役級の扱い。いつもと同じ熱血漢侍役を、いつもと同じ演技で演じてたオザユキでした。そんなオザユキも可愛いけど、たまにはラブシーンとかあるアダルティな役も演じてほしいなあ。
 あと、赤穂浪士のメンバーの中に、石垣佑磨もいたのが嬉しい驚きでした。ユーマくん、ふくまる旅館では西田さんとは父子だったのに。何て因縁なめぐり合わせ(笑)。
コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

女たらしに死刑執行☆

2010-12-26 | フランス、ベルギー映画
 皆様、クリスマスはいかがお過ごしになられましたか?ハッピイでメリイなクリスマスでしたでしょうか?I wish so...
 私は老父母と一緒に、スーパー温泉に行きました(涙)。去年もそうだったような?クリスマスはジジババとスーパー温泉、が恒例化しそうです(涙)。でもでも~。クリスマスって本来、家族と一緒に祝うものなんでしょ?
 なんて無理やり自分を納得させようとしても。来年こそは、きっと...と祈念せずにはいられない歳末の夜です...

 「華麗なるアリバイ」
 アガサ・クリスティの「ホロー荘の殺人」が、フランスで映画化されました。
 上院議員アンリとその妻エリアーヌは、週末に友人たちを別荘に招く。やって来たのは、精神科医のピエールとその妻クレール、彫刻家のエステル、作家のフィリップ。ピエールとエステルは愛人関係で、クレールはそれに気づかぬふりをしている。エステルに恋をしているフィリップは、ピエールを憎んでいる。ピエールの元恋人だった女優のレアも現れ、別荘は緊張感に包まれる。愛憎が渦巻く中、プールでピエールが何者かに射殺されてしまい...
 原作には登場する名探偵ポアロですが、この映画には出てきません。クリスティ女史はホロー荘の殺人にポアロを出したことを悔やみ、自ら執筆した戯曲版にはポアロを削除したとか。確かに、名探偵が華麗に解き明かすアクロバットなトリックなど、この作品では犯行に使われていません。どちらかといえば、男女の恋愛心理劇っぽい内容です。
 タイトルが???ちょっと大げさかも。アリバイ工作、そんなに華麗じゃないし。拳銃トリックも、考え抜いて編み出したものではなく、とっさにやって成功したものって感じだったし。ミステリとしては地味な内容ですが、恋愛ドラマとしてはフランス人っぽくて面白かったです。
 ピエールの熟年ヤリチンぶりが、スゴい!妻、愛人、元愛人とも焼けぼっくい。フタマタどころかミツマタかよお~。エリアーヌとも以前デキてたらしいし。元気すぎる。あんな男、ほんと迷惑だよなあ。まあ、不実な男と知っててよろめく女もバカですが。フランス人って身も心も溺れて事態を複雑化しないと、恋愛した気になれない国民なのでしょうか。男も女も肉食すぎて、呆れるやら感嘆するやら。ピエール、ほんとトンデモない男なのですが。よくよく考えてみると、女たちのほうが勝手に貪欲に彼に群がって、勝手にヘンになってるだけって感じもした。大人の恋愛は自己責任だからねえ。ピエールばかりを責められない。

 まあ、確かにピエールは、酸いも甘いも噛み分けたオトナの女がハマりそうな男ではあった。地位も名誉もあって理知的で、優しいけど残酷でもあって、しかも美男子。絶対私だけのモノにはならない、な男。そーいう男に惹かれる女性って多いですよね。ライバルが多いので、自分に自信のある女なら、プライドと競争心をかきたてられる。その結果が、殺人事件。同じ愚かでも、男は可哀想、女は怖い、と思った。 
 キャストが、フランス映画ファンにとってはシブくて豪華でした。
 ピエール役は、ハリウッド映画にもチョコチョコ出てるランベール・ウィルソン。美青年だった彼も、すっかりシブい熟年男性に。スマートで色気があって、今でも十分イケてます。メタボ無縁な体つきもブラボーです。
 エステル役は、フランス大統領夫人の姉としても知られるヴァレリア・ブルーニ・テデスキ。彼女、ニューハーフに見えて仕方ないんだけど、素敵な女優ですよね。見た目ではなく、雰囲気が優しくて可愛い。少女みたいな声が好き。それと、いつ見ても彼女ってオシャレ。別に、いかにもブランドもの!いかにも高価!って服を着てるわけではないのに、シンプルで上品で、なおかつモダンなカジュアルさもあって。それもそのはず、彼女はイタリアの名家出身のモノホンお嬢様。成り上がり女優やタレントとは出自だけでなく、センスも違うのです。ハリウッド女優のセレブファッションよりも、ヴァレリアさんのフレンチモードのほうが、着てみたい!と思わせてくれます。
 エリアーヌ役は、最近は脇役で(といっても、この映画ではトップクレジットですが)いい味を出してるミュウミュウ。

 ミュウミュウも、いくつになっても可愛いなあ。日本のブリッコおばさん女優と違って、可愛いけどクールなところが素敵。クールだけど、どこかトボけててズレてるエリアーヌを、軽やかにオチャメに好演してました。彼女、基本的にはコメディエンヌですよね。
 クレール役のアンヌ・コンシニは、寝取られ妻を地味に熱演。アンリ役には、アラン・レネ監督作品でもおなじみの名優ピエール・アルディティ。フィリップ役は、ジャック・ドミー監督とアニエス・ヴァルダ監督の息子マチュー・ドミー。濃い~!けど、よく見ると可愛らしい顔してます。アンリの姪っ子が、すごい毒舌で笑えた。事件を捜査する警部の部下の若い刑事が、わりとイケメンでした。
 フランスのブルジョワ階級に憧れます。私も週末には、田舎の別荘に招いたり招かれたりしてみたい~。
 ちなみに「ホロー荘の殺人」は、日本でも「危険な女たち」というタイトルで映画化されてます。
 いまスペシャルドラマとしてリメイクされるとしたら、わしの理想&妄想キャストはこうだ!
 
 ピエール・・・仲村トオル
 エステル・・・松雪泰子
 クレール・・・和久井映見
 レア・・・藤原紀香
 フィリップ・・・小澤征悦
 フィリップの恋人・・・ミムラ
 アンリの姪・・・朝倉あき
 警部・・・西岡徳馬
 刑事・・・山口翔悟
 エリアーヌ・・・加賀まりこ
 アンリ・・・片岡仁左衛門

 こんなん出ましたけどぉ~?
 NHKあたりでもドラマ化できそうですよね♪
 
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

モラトリアムの部屋

2010-12-23 | 日本映画
 祭日、皆様はどう過ごされたことでしょうか?
 私は、部屋を掃除して最近習い始めたピアノと手話の練習をしようと思ってたのですが...結局、昼過ぎに起きて、ポテチをバカ食いして、長時間ネット...
 いざ時間ができても、それを有効的に活用できず、無為に無駄に過ごしてしまう。小人閑居して不善をなす。来年は、こんな自分をあらためたいです。

 「パレード」
 吉田修一の小説の映画化。行定勲監督作品。
 2LDKのマンションで共同生活をしている、映画会社勤務の直輝、雑貨屋店員の未来、無職の琴美、大学生の良介。それぞれ不安や虚無感を抱きながら、4人は表面的には気楽に平和に過ごしていた。近所で連続暴行事件が発生する中、サトルという男娼の少年が4人の部屋に転がり込んできて...
 吉田修一の原作は大好きな小説。面倒くさい、疲れる、傷つくのも傷つけるのもイヤ、だから他人と深くは関わらない、けど独りぼっちは怖い寂しい、だから浅く軽い繋がりは保とうとする。そんなユルくて身勝手で、上手に歪さを隠している若者たちの姿が自分とカブって、読後は様々な人間関係について考えさせられました。激しい喜怒哀楽や、心の底から訴えたい本音を吐き出して、正面から他人とぶつかることは決してない小心で保守的な私。濃い人間関係を求めないことって、いけないことでしょうか。傷つくのが怖いということは、自己愛が強いだけだということは分かってるのですが。何か(自分自身も含め)を壊したり汚したりしてまで、何かを得たくない。そういう生きかたしかできそうにない。自分も相手もボロボロにすることも厭わない、太く濃厚な人生を歩める人たちが羨ましいです。
 他人と太く濃く関わることや波乱な経験で、人生の手ごたえや人間的成長を感じる人たちからすれば、なあなあなヌルい安全圏から出ようとしない4人は、つまんない情けない奴らにしか見えないんだろうなあ。同類な私は、軽蔑や冷笑どころか、4人の生活が理想的にすら映り、羨望さえ覚えた。劇中、琴美がサトルに言う『この部屋は掲示板、チャットみたいなもの。イヤなら出て行けばいい』という台詞が印象的でした。彼らの抱える他人と分かち合えない暗闇や虚しさにも、悲しい共感を覚えずにはいられなかったです。恐ろしい真実さえも、彼らにとっては黙殺できる些細な波風に過ぎない、みたいなラストに戦慄。それは、私だって“なかったこと”にできるかも、と思ってしまったから...

 思い入れがある小説の映像化には、いつも複雑な思いを抱いてしまいます。自分のイメージを大切にしたいから。同じ行定監督の「春の雪」は、いまだに観ることができずにいる。「パレード」映画化と聞いた時は、期待よりも不安のほうが大きかった。最大の不安要素であったキャストですが、観てみると心配してたほどの人選ミスではなかった。みんな好演していました。
 直輝役は藤原竜也。彼がいちばん???だったかも。背は高いけど、ほっそりしすぎ、顔が童顔すぎて、大人の男っぽくないというか。意外と良かったのが、未来役の香里奈。元ヤンっぽい役なら彼女、すごくハマってるのでは。琴美役の貫地谷しほりは、すごく苦手な女優なのですが、不思議ちゃん役は地でやってる?っぽい自然さが出てました。フニャクニャした喋り方には、イラっとしたが。彼女、顔つきといい体型といい、すでにオバチャンの風情が。良介役の小出恵介は、エッチシーンとかも頑張ってたけど。顔と喋り方が誰かに似てるんだよなあ。誰やろ。
 サトル役は、林遣都。

 ケントくんが男娼役!と聞いて、ショック&楽しみだった私。金髪にして2丁目の公園で立ちんぼしてる少年を演じたケントくん。真っ白でガリガリで、瞳だけが異様に大きくて、ますます宇宙人化が進んでた。全裸シーンがあるのですが、ちっとも目の保養にならない。貧相なお尻が痛ましかった。でも、空き巣?先の部屋でシコシコするシーンとか、不気味だけど何か可愛いケントくんでした。男娼役でもナヨナヨしたオカマっぽさがなくて、無邪気で明るいところがケントくんらしくて良かったです。もうちょっと得体の知れないミステリアスさが出てたらbetterだったけど。
 連続暴行事件の顛末や、謎の隣人の正体、未来が秘匿してるビデオテープなど、ただ若者の群像劇をダラダラ描くのではなく、ユニークなミステリーテイストでストーリーを紡ぐ演出が、なかなか巧妙でした。
 吉田修一、「悪人」に続いて映画化されるのは、どの作品でしょう?個人的には、「最後の息子」を希望!エンマちゃん=六平直政(or 不破万作)、主人公の青年=向井理 で♪
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

女体取材!“相棒が・・・”

2010-12-19 | 北米映画 00~07
 「秘密のかけら」
 「スウィートヒアアフター」で高く評価された、カナダの俊英アトム・エゴヤン監督作品。
 50年代、全米で人気絶頂の司会者コンビ、ラニーとヴィンスが宿泊したニューヨークのホテルの浴槽で、若い女の全裸死体が発見される。女は自殺と断定された直後、ラニーとヴィンスはコンビを解消する。数年後、ジャーナリストのカレンは事件の真相を探るため、別々の道を歩んでいたラニーとヴィンスに接近するが...
 なかなか面白かったです。スキャンダラスで変態的で(笑)、まさにワタシ好みな内容でした。50年代のショービズ界の華やかな退廃が、美しくも毒々しく描かれていました。カラフルな衣装や豪華なホテル、50年代アメリカの雰囲気が目を楽しませてくれます。
 ヒロインのカレンが、松本清張作品の主人公ばりに事件を追うのですが。びっくりするほどカラダを張ってるところが、さすがアメリカンギャル。ラニーと寝るわ、ヴィンスの罠にハマってクスリ飲まされるわレズプレイするわ、ヴィンスに絞め殺されそうになるわ。無鉄砲で無用心で破廉恥な女体取材に、呆れつつも拍手。日本の2時間ドラマのヒロインも、あれぐらいやらなきゃ。真実なんて、自分を守ってばかりでは掴めない。
 カレンが、ジャーナリストとしての野心からというよりも、いつしか妖しく淫靡な匂いのする秘密に引き寄せられ、真実を暴くよりもそこで溺れたいと願っているようだったところが面白かったです。何をやっても無垢な少女みたいなカレンのキャラも良かった。演じてるアリソン・ローマン、ヌードや大胆シーンなど頑張ってたけど、見た目も演技もイマイチぐっとこさせるものがなかったような。ピュアで可憐だけどエロくて危ういヒロインなんて、逞しくて現実的っぽいアメリカ女優には似合わないよなあ。リュディヴィーヌ・サニエとかシアーシャ・ローナンとかだったら、もっと痛々しくも愛らしく魅惑的だったかも?
 女優よりも、男優のほうが大胆過激。ケヴィン・ベーコンとコリン・ファース、ヤバくて笑える怪演でした。

 オゲレツで陽気(営業)、優しくエロい紳士(実際)なラニー役は、ケヴィン・ベーコン。彼ってもう、フツーの役は絶対にできないポジション&容貌になってますよねえ。今回も、そこまで脱がんでも、と呆れるほど脱ぎまくってて、すっぽんぽんでズコバコやってました。ステージで、往年の名作「フットルース」を彷彿とさせる軽妙なステップも披露。おぢさんなのに、頑張るなあ~。若い男優が毒にも薬にもならん連中ばっかなので、今後もヴァイアグラ不要的に活躍してほしいものです。映画では殺人鬼とか変態とかだけど、実際のベーコン氏は温厚な紳士っぽい?TVや映画の中にいるスターって、所詮は虚像。作られたイメージを信じ込んで踊らされたりせぬよう、気をつけねば。

 上品で知的(営業)、暴力的で情緒不安定な変態(実際)なヴィンス役は、コリン・ファース。最近、コリンを私も再評価中なんですよね。世の中、ギスギスと不安定で軽薄で意地悪なせいか、コリンの上品で静かで知性的で優しいところに、すごく心惹かれ落ち着くのです。すごい美男とかじゃないところが、返って良いんです。コリンの気品ある素朴な見た目が好き。「シングルマン」同様、アメリカ人役は絶対にできないところも素敵。どこにいても、完璧な英国紳士なコリン。恰幅が良いけどスラ~っとした長身に、スーツやタキシードが似合うこと!カリフォルニアなファッションも小粋だった。タキシード姿でスツールに座ってるシーンがあったのですが、これが超カッチョEの!ただ座ってるだけのに。あの雰囲気、あの仕草。どんなに美男でも日本や韓国、ハリウッドの男優には絶対無理!
 紳士だけど、ビミョーに歪んでて変態なところも英国人なコリン(笑)。ラニーを侮辱した客を舞台裏に引き込んでボコボコにするヴァイオレンスさも、カレンにクスリを盛って恥ずかしい行為をさせる卑劣さも、危ない危ない by 福田和子。極めつけは...

 ↑女とヤってる最中のラニー。そのドサクサにまぎれるように、全裸になったヴィンスが後ろからラニーを...
 ひ~!?コリン、な、何やっとんじゃ~?!えへへ~ええやん♪絶対キモチいいって♪と、ラニーのア○ルに突撃しようとするヴィンスのハアハア顔が怖い!やめろ!ふざけんな!とラニーに拒否され罵倒されてる時のヴィンスのベソかき顔が、超可愛かった。コリン、キモくてキュートでした。これからも、すごく紳士で少し変態なイングリッシュマン役を、コリンにはチャーミングに演じ続けてほしいものです。

 「英国王のスピーチ」で、2年連続オスカー候補確実、受賞の可能性も高いコリン
 
 
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

おとこには自分の世界がある

2010-12-14 | フランス、ベルギー映画
 「ジャック・メスリーヌ パブリック・エネミーNO.1」
 実在したフランスの犯罪者ジャック・メスリーヌの激烈クライム・ライフを描いた前・後編の大作。
 前編は...アルジェリアでの兵役を終えパリに戻ったジャック・メスリーヌは、ギャングのギドのもとで用心棒や泥棒を。やがて娼婦のジャンヌと組んで強盗、高飛びした先のカナダで誘拐事件を起こし、逮捕されて刑務所に収監されてしまうが...
 ジャック、まさに狂犬。彼のハチャメチャな暴れっぷりは、怖いし非道いんだけど、すごく豪快なので見てて愉快痛快でもある。とんでもないワル、まさに社会の敵なんだけど、閉塞感でドンづまった社会をブッ壊してくれてるみたいで、思わず応援してしまう...けど、やっぱ私は犯罪者をヒーローとしては見なせないなあ。
 ジャックは悪人、というより病人っぽかった。血潮が熱すぎて、自分を制御できない姿に、刑務所より病院に入れたほうがいいのでは、と思わずにはいられませんでした。仕事だけでなく、恋愛や結婚でもヴァイオレントなところがヤバすぎ。従順な女には優しくロマンチックだけど、ちょっとでも逆らったら容赦なくDVだし。そこが興味深いキャラではあった。同じ実在した有名な犯罪者でも、「パブリック・エネミーズ」の は、演じてたジョニーがひたすらカッコいいだけで、キャラ的にはつまんなかったけど、き○がい系のジャック・メスリーヌは、唖然&驚愕させられる言動の連発なので、退屈しません。
 ジャックの暴れん坊ぶりが怖くて楽しい。中でも、カナダの刑務所での拷問&脱獄は、過激すぎて笑えた。プリズンブレイクして、協力してくれた同囚を助けるために舞い戻ってきて、刑務所と銃撃戦。ほとんど戦争だし!こんなこと、ホントに起こったことなの?!にわかには信じられなかった。

 後編は...再び刑務所に入れられたジャックは、囚人仲間のフランソワと協力して脱獄。強盗や誘拐を繰り返し、社会の敵ナンバーワンという悪名を轟かせるが...
 ジャックの暴走ぶりはエスカレートするばかり。まっとうに生きれない宿命みたいなものが、可哀想でもあった。でも、ジャックに襲われる銀行とか、車を無理やり強奪される運転者とか、ほんといい迷惑。絶対あんな目に遭いたくないです。
 それにしても。あんなに何度も脱獄されるなんて、フランスの刑務所ってユルすぎ~。まったく逮捕できない警察も無能。武器を入手できたり人質とられたり、裁判所もオイオイだった。フランス、住みたくない国です。
 ジャック・メスリーヌを激演してセザール賞主演男優賞を受賞したヴァンサン・カッセルの強烈な個性と弾けた演技が、ぐいぐい引っ張ってくれて飽きさせません。混濁した狂気と愛嬌が魅力的でした。でも彼って何もかもがエキセントリックすぎて、フツーの役はできないだろうなあ。まあ、ヴァンサン・カッセルにフツーを求める人はいないんだろうけど。
 共演の男優女優も、なかなか豪華でシブかったです。
 前編では、ギド役でジェラール・ドパルデュー、ジャンヌ役でセシル・ド・フランス。後編では、強盗仲間役でサミュエル・ル・ビアン、新しい情婦役でリュディヴィーヌ・サニエ、友人役でジェラール・ランヴァン、刑事役でオリヴィエ・グルメなどが登場。
 久々に見たサミー、ずいぶんと恰幅がよくなっちゃって。強盗なのに熊のプーさんみたいなサミー、強そうで優しそうで大好きな俳優です。サニエちゃんは、相変わらず子持ちとは思えぬ少女っぽい可愛さで、しかもまた無駄にオッパイぽろんも。ジェラール・ランヴァンは、世界最高峰のチョイワルおやぢ俳優だと思う。カッコいい!ダルデンヌ監督作品ではフツーのオッサンなグルメおぢさんが、今回はシブくてカッコよく見えた。

 フランソワ役は、まちうことマチュー・アマルリック!きれいなドングリ目が相変わらずチャーミング。チビチビ言われて可哀想、でもデカいヴァンサン・カッセルの隣だとホントちっこくて可愛かったです。乱雑でアバウトすぎるジャックに比べ、神経質で真面目なフランソワのキャラもキュートでした。まちう、早々と退場してしまい残念。

 ↑まちう、「クリスマス・ストーリー」もうすぐ観に行くけんね♪
 
 
 
 
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

春風沈酔の夜

2010-12-10 | 中国・台湾・香港映画
 数ヶ月前に突然姿を消した、お気にのブーツ。私には珍しくブランドもので、買ってからまだ一回しか履いてなかったのに。盗まれたのか、老父母が誤って捨てたのか。後者の可能性が高かったけど(前科があるし)、老人を問責しても仕方がないとガッカリ黙って諦めてたのですが...先日仕事から帰宅すると、あ!?玄関に失ったはずのブーツが!な、な、何で!?どうーいうこと?!と、思わず上ずった奇声をあげてしまいました。そしたら、家の中から兄の内縁の妻がヒョッコリ現れて、おかえりなさ~い♪と私をお出迎え。そのブーツおしゃれじゃろ~?と、ノーテンキに笑ってるし。
 後の母による説明によると、兄が勝手に私のブーツを持ち帰って、内縁の妻に与えたらしい。何それ?!泥棒じゃん?!金なんかないはずの兄から無邪気にプレゼントをもらうほど、内縁の妻は純粋な年齢でも性格でもない。とんでもないカップルじゃわ。
 呆れてものも言えないけど小心者な私は、怒ることも返せと要求することもできず、泣き寝入りしたのでしたこんな私に、サンタさんはきっと素敵な贈り物をくれるはず...
 
 「スプリング・フィーバー」
 現代の南京。女教師のリンは、知り合いの青年ハイタオに夫ワンピンの尾行を依頼する。ワンピンにはジャンチェンという男の愛人がいた。リンとの夫婦関係が破綻したワンピンと距離を置き始めたジャンピンは、ハイタオと親密になってゆくが...
 中国で映画制作を禁じられているロウ・イエ監督が、ゲリラ的撮影を強行して完成させ、カンヌ映画祭で脚本賞を受賞した同性愛映画、だなんて、これを観ずにして何を観る的な要素を濃厚に揃えた作品。暗く甘美なスキャンダラスさに、私は誘蛾灯に吸い寄せられる蛾のように、フラフラと映画館へと向かったのでした。
 しかし。残念ながら、過大な期待は裏切られてしまいました。ミーハーなYAOIが狂喜垂涎するような、ときめき胸キュン系でも陶酔耽美系でもなかったからです。ぶっちゃけ、かったるくて退屈だった。
 
 男女5人の愛と憎しみ、欲望や絶望、虚無感や倦怠が激しくも不可解にせめぎ合うストーリーじたいは、悪くない。ドロドロ大好きなので。でも、画面が何だか薄汚く乱雑で、観ていて疲労感と不快感を覚えてしまった。YAOIは基本、キレイ好きなので(笑)。ホームビデオ的なブレた映像も苦手。リアルさはよく出てたのだろうけど、私は映画にはリアリティよりドリームを求めてるので(笑)。
 男3人が、ブサイクではないのだけど、リアルというかフツーすぎたところも残念なポイント。この点では、YAOIのみならずゲイの映画ファンにとっても期待ハズレだったのでは。ジャンチェンは、まあまあ美男だったかな?たまに渡辺いっけいに見えたけど。やっぱYAOI的妄願としては、♂×♂愛は顔もカラダも見惚れてしまうようなイケメン&男前でやってほしい。
 5人の関係や言動も、???だった。ワンピンが妻リンと、男の愛人であるジャンチェンを引き合わせるところとか。友だちだと思わせといたら会いやすくなるなんて発想は、女を甘く見すぎてる。ジャンチェンに捨てられたワンピンの悲しい選択も。あんなことするぐらいだったら、はじめっから女房と別れて男と一緒になればよかったのに。女の恋人がいるハイタオが、ジャンチェンとデキちゃうところとかもWHY?って感じでした。リアルに撮ってるけど、内容は非現実的で共感や感銘を得ることはなかったです。
 男同士のセックスシーンは、かなりガッツンガッツンで、本当にヤってるのでは?と思えわせるほどリアルで激しい。あんなの演技でできるなんて、俳優ってほんとにスゴよなあ。でも、繰り返しますが、激しくネットリ絡む男色シーンも、ファンタジーにエロくて美しくないとね。ゲイのリアルセックスなんて、見たくないもん。
 同性愛って、昔に比べたらかなり市民権を得てるけど、中国とかは発覚すれば死刑になりそうなほど厳しく、隠微に秘められた禁断なのかなと勝手に思い込んでたけど、意外とオープンで堂々としてたので驚きました。
 
 
 
 
 
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アスペルガー星の王子さま

2010-12-03 | 北米映画 08~14
 「恋する宇宙」
 私の英国王子、ヒュー・ダンシーが、アスペルガー症候群の青年を演じて高く評価された“Adam”が、日本でも待望のDVDリリース♪邦題が、ちょっといかがなものかですが...
 童話作家を目指す臨時教師ベスは、引越し先のアパートの住人である青年アダムと親しくなる。アダムの奇妙な言動に戸惑うベス。アダムはアスペルガー症候群だった...
 
 ヒュー、か、可愛い!可愛すぎるぞ!イケメンだけど、ちょこっとブサイクも入ってるところが彼の魅力。可愛いイケメンがピュア系の役をやると、たいてい男ぶりっこっぽくなってしまい気持ち悪い結果になりがちですが、ヒューはホントに大きくなった子供みたいで母性本能くすぐりまくり。可愛いけど濃ゆくてエロそうなところが、男ぶりっこ回避になってるのかも。普段はシャイでおとなしいのに、自分の興味があること(宇宙のこと)となるとマシンガントークと化す様子とか、宇宙服を着て窓からベスの部屋に入ってくるところとか。ベッドで裸のアダムがベスに、もう一度とおねだりするシーン。エッチもう一回したいのかな、と思ってたら、面接の練習だった(笑)。ベスの些細なウソに激昂し、大暴れしたり。何やっても可愛いくて、萌えツボつくシーン多し。脇役やヒロインの相手役が多いヒューの完全主役映画でもあるので、ファンは絶対必見です。
 ベス役のローズ・バーンも、すごい美女ではないけど明るく優しそうで、好感のもてる演技と見た目です。

 アスベルガー症候群:発達障害のひとつ。知能と言語の発達は保たれているが、人との社会的な関わりを持つことが困難で、意思伝達がうまくできない、行動と興味の範囲が限られているのが特徴
 アダムも、他人の感情や意図を推察・理解できなかったり、興味や行動範囲が狭かったり、アスペルガー症候群のことを知らない人にとっては、何こいつなKY男。でもアダムは、ベスじゃなくても受容・許容できる症状だったような。気がつかないといっても、ベスが重い荷物を抱えてても代わりに運ばない程度だし。時どき宇宙のことを延々と喋るだけだし。異常なことも不快なこともしないし、単に不器用で内気な青年に思えた。そりゃあ、恋人になったらこっちの喜怒哀楽も察してほしいし、悩みなんかも聞いてほしいけど、アダムは思いやりがないんじゃなくて、脳の障害で思いやれないだけ。心に支障があるわけでなはいのです。アスペルガー症候群じゃないのに、自分勝手で自己中心的な、自分のことを一方的に話すだけで他人の話にはほとんど耳を傾けない、周囲の空気を読まない人間のほうが、よっぽど病的です。そんな人、世の中いっぱいいますよね。
 アダムぐらいのコミュニケーション困難者、私なら全然OKです。むしろ、一緒にいて癒されるかも。アダムをフォローすることが生きがいになりそう。ヒューみたいな男子に、頼られたり甘えられたり♪想像しただけで胸キュンです。
 でも。実際のアスペルガー症候群は、もっと深刻でシビア。イケメンで仕事もあって愛する人や友人に恵まれてるアダムのスウィートな物語は、アスペルガー症候群の現実を描いているとは言えません。同じアスペルガー症候群でも、少年の時に山口で実母を撲殺し、少年院を出た数年後に大阪で見ず知らずの姉妹を惨殺し、25歳の若さで死刑が執行された山地悠紀夫の一生のほうが、アスペルガー症候群について個人も社会ももっと関心をもたねばならない、と思わせる衝撃と重さがあります。山地悠紀夫の物語は、とても映像化できないと思いますが、もし実現するなら山地役は向井理にやってほしいです...

 ↑クレア・デーンスと結婚したヒュ~男子。新作“Coach”は日本で公開されるかな~
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

喪失に酔う男

2010-12-01 | 北米映画 08~14
 「シングルマン」
 人気ファッションデザイナー、トム・フォードの初監督作品。
 1962年のロサンゼルス。英国人の大学教授ジョージは、最愛の恋人が交通事故で急死して以来、絶望と喪失感の日々を送っていた。自殺を決意し準備を整えるジョージだったが...
 今年最大のYAOI必見映画、やっと観ることができました♪さすがゲイの星トム・フォード、ゲイの魂の叫びを聞け!とばかりな内容&映像は、同じ同性愛ものでもノンケや女が撮る映画とはやっぱ違う味わいと感性に満ちていました。男を愛する男の絶望や幸福が、静かに悲しく美しく描かれていました。
 期待してたほど男同士の性愛シーンはなかったけど、これもゲイの監督だからこそなのかな、と思った。アルモ姐さんやマドモワゼル・オゾンなどゲイの名匠たちの映画も、そんなに過激でエロい男同士のセックスシーン、ありませんよね。腐女子をハァハァ萌えさせる、男前やイケメンがガッツンガッツン絡む映画って、ほとんどはノンケの男性女性監督の作品。ゲイだからこそ、男を愛するからこそ、男同士の愛を安っぽい刺激剤にはできないのでしょうか。でも、観客へのサービスではなく、監督本人の趣味で(笑)男をネットリと撮ってはいます。必要以上に全裸にしたり、唇とかを執拗にアップにしたり。
 話じたいは、そんなに面白くないです。もしジョージの恋人が女だったら、単にウジウジした暗い凡庸な話になってただろうし。男の男への愛執だからこそ、狂おしく痛ましいラブストーリーに成りえたのでしょう。男女でも本当に愛し合える人とはなかなか出会えない、ましてやゲイは。奇跡のような愛を失ってしまった絶望感と喪失感は、確かに死のほうが楽と思わせる苦しみかもしれません。
 演出や映像もスタイリッシュなんだけど、ちょっと才気走ってて鼻についたことも事実。ドラマチックさと緩慢さが混在してたのも、ちょっと雑な感じを否めなかった。全編シリアス調ですが、ジョージがピストル自殺を図ろうとしてなかなか死ねないシーンは、ちょっとユーモラスで笑えた。
 ジョージを演じてヴェネチア映画祭男優賞受賞、アカデミー主演男優賞にもノミネートされた、コリン・ファースの繊細かつ果敢な演技と役者魂に拍手!

 かつての英国美青年ブーム時代、私は最も地味だったコリンが最も好きでした。あれから幾年、キャリアも地味に続けていたコリンが、ここにきて狂い咲きのごとくブレイク!見た目も、いい感じに恰幅が良くなったけどオヤヂ臭くなく、知的で優しそうで清潔感と品性があって、それでいて何か不穏で静かな爆弾を秘めてそうな風情。素敵おぢさまなのに危険な変態にも見えるコリン、若い頃よりイケてます。
 コリンの抑制の効いた、それでいて大胆な演技にも感嘆。むっちりした全裸を惜しげもなくさらし、身も心もジョージという役に捧げきっています。絶望してるのに、若く美しい男に向けてしまう欲望のまなざし。あの目つきだけでもオスカーに値する、実生活ではノンケなコリンの名演です。車内で指バキュン☆するコリンがカッコカワいかった。イケメンや美男からモーションかけられまくるジョージですが、確かにコリンみたいな社会的ステイタス&教養がありそうな素敵おぢさまなら、若いゲイにもモテるだろーな。背広も似合ってて、さすが英国紳士。“The King's Speech”で2年連続オスカー候補確実と目されているコリン、今度こそ栄冠に輝けるでしょうか?

 ジョージに近づいてくる大学生ケニー役、ニコラス・ホルトが可愛かったです。ヒュー・グラント主演の「アバウト・ア・ボーイ」の太めのガキンチョが、可愛いイケメンに成長。彼もコリン・ファースに勝るとも劣らぬ見事な脱ぎっぷりを披露しています。背は高いけど、あどけない顔とか小さくてツルンとしたお尻はまだ子供っぽい。ゆえに中年男とのLOVE展開は、ほとんど淫行な危うさが。彼の60年代大学生ファッションもオシャレでした。
 ジョージの元恋人チャーリー役のジュリアン・ムーアも、出番はそう多くないけど印象的な存在でした。
 あと、ジョージの自宅がモダンでオシャレだった。
 
 ↑俳優顔負けな男前トム・フォード、ファッション業界ではブイブイいわせてたんだろうなあ。映画界でもブイブイいわせてほしいものです。次回作が楽しみですね♪

 
 
 
コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする